2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 2008-1997
船用アルミニウム合金押出形材
Shipbuilding−Aluminium alloy extruded shapes
1. 適用範囲 この規格は,船舶の外板などに用いるアルミニウム合金の押出形材(1)(以下,形材という。)
について規定する。
注(1) テーパ付きアルミニウム板とスチフナとが一体化したアルミニウム合金製押出形材。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS H 0001 アルミニウム及びアルミニウム合金の質別記号
JIS H 0321 非鉄金属材料の検査通則
JIS H 4100 アルミニウム及びアルミニウム合金押出形材
3. 種類及び記号 形材の種類及び記号は,形状及び寸法によって区分し,PI-01,PI-02,PI-03,PI-04,
PI-05,PI-06及びPI-07の7種類とする。
4. 品質
4.1
材料 形材の材料は,次の(1)〜(3)のとおりとする。
(1) 等級は,JIS H 4100の表1のA5083Sと同等とする。
(2) 化学成分は,JIS H 4100の表2の5083による。
(3) 質別は,JIS H 0001の表1の基本記号O及び表2と表3との組合せ記号のH112とする。
4.2
外観 形材の外観は,形状正しく,仕上げ良好・均一で,使用上有害なふくれ,きずなどの欠陥が
あってはならない。
4.3
機械的性質及び断面性能 形材の機械的性質及び断面性能は,次による。
(1) 形材の機械的性質は,表1のとおりとする。
表1 機械的性質(2)
記号
質別
引張強さN/mm2
耐力N/mm2
伸び %
A5083S
H112
275以上
125以上
12以上
O
275以上
125以上
14以上
355以下
注(2) 表1は母材の強度を示すものである。
(2) 形材の断面性能は,表2のとおりとする。
2
F 2008-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表2 断面性能
種類
全体
スチフナ(1本分)(3)
板部
断面積
cm2
質量
kg/m
有効断面積
cm2
断面2次モー
メント cm4
断面係数
cm3
塑性断面係
数 cm3
設計水圧
MPa
質量
kg/m
PI-01
43.44
11.73
16.89
113.10
22.97
31.99
0.174
4.25
PI-02
44.81
12.10
18.19
82.85
14.63
21.82
0.274
4.94
PI-03
51.18
13.82
22.95
190.54
32.38
45.77
0.209
5.02
PI-04
55.26
14.92
24.24
332.47
41.96
59.29
0.310
5.04
PI-05
68.89
18.60
33.32
511.97
66.74
91.29
0.422
6.21
PI-06
77.48
20.92
39.04
804.03
79.46
111.52
0.584
7.20
PI-07
80.96
21.86
40.80
926.22
94.47
128.77
0.592
7.29
注(3) 有効幅は,Tmの40倍とする(図1参照)。
4.4
形状及び寸法 形材の形状及び寸法は,図1のとおりとする。
図1 形状及び寸法
単位mm
種類
Be B Bl Bm Tm Hr Br tw Hw Bb Db rw
PI-01 600 300 225 75 5
2.5 30 3.5 65 25 18 5
PI-02
200 100 5.5 4
45 4
17 13
PI-03
225 75 6
40 5
75 26 20
PI-04
200 100
5
100 23 18
PI-05
225 75 7
33 24
PI-06
200 100 8
6
45 6
125 28 22
PI-07
225 75
50
36 21
備考1. 隅角rbは,2から3mmとし,その他の隅角は0.5mm
以上とする。
2. 隅角rfは,5から10mmとする。
4.5
寸法許容差 形材の寸法許容差は,次による。
(1) 形材の断面の寸法許容差は,表3のとおりとする。
3
F 2008-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 断面の寸法許容差
単位mm
種類
Be
B
Bm
Tm(4)
Hw
tw(4)
普通級
特殊級
普通級
特殊級
PI-01 600
±3.0
300
±2.5
75±1.5 5.0±0.84 5.0±0.56 65±1.5 3.5±0.84 3.5±0.56
PI-02
100±1.5 5.5±0.84 5.5±0.56
4.0±0.84 4.0±0.56
PI-03
75±1.5 6.0±0.84 6.0±0.56 75±1.5 5.0±0.84 5.0±0.56
PI-04
100±1.5
100±1.5
PI-05
75±1.5 7.0±0.92 7.0±0.61
PI-06
100±1.5 8.0±0.92 8.0±0.61 125±2.0 6.0±0.84 6.0±0.56
PI-07
75±1.5
注(4) 厚さの許容差は,普通級による。ただし,受渡当事者間の協定によっては,特
殊級を使用することができる。
また,表3以外の断面寸法の許容差は,JIS H 4100の規定による。
(2) 形材の曲がりの許容差は,全長L (mm) につき,
×000
1
1
L
全長
(mm) 以下とする。
(3) 形材のねじれの許容差は,全長L (mm) につき,
×300
4
1
L
全長
度以下とする。ただし,最大値は3度と
する。
(4) 形材の平らさの許容差は,0.6%×幅 (mm) 以下とする。
(5) 形材の角度の許容差は,±2度とする。
(6) 形材の隅角 (r) の許容差は,(r) が4.7mm以下の場合は,±4mm,(r) が4.7mmを超える場合は,±
0.1×rmmとする。
(7) 形材の長さ許容差は,製品長さ9 000mm以下は
mm
0
mm
13
+
とし,9 000mmを超え15 000mm以下は
mm
0
mm
15
+
と
する。
5. 試験 形材の化学成分の分析試験及び引張試験は,JIS H 4100の5.1及び5.2によって行う。
6. 検査 形材の検査は,次による。
(1) 寸法検査は,4.4の規定によって行い,4.5に適合しなければならない。
(2) 材料検査は,5.の規定によって行い,4.1に適合しなければならない。
(3) 引張試験は,5.の規定によって行い,4.3(1)に適合しなければならない。
なお,引張試験用の試験片は,種類,質別及び断面寸法の同じ形材につき,2 000kg又はその端数を
一組とし,各組から任意に1本を採取し,試験片をつくることとする。
(4) 外観検査は,4.2の規定に適合しなければならない。
(5) その他の一般事項は,JIS H 0321による。
7. 表示 形材は,1包装ごと又は1製品ごとに適当な方法によって,次の事項を表示しなければならな
い。
(1) 種類,質別又はそれらの略号
(2) 形材番号又は長さ寸法
(3) 製造年月又はその略号
4
F 2008-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 製造番号又はその略号
(5) 製造業者名又はその略号
5
F 2008-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成(担当作業)委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
奥 山 孝 志
社団法人日本中型造船工業会
(委員)
青 木 健 作
船舶整備公団
金 子 幸 雄
長崎総合科学大学
菊 池 陽 一
和 田 雅 敬
二 宮 利 道
財団法人日本小型船舶工業会
久 野 昇 一
社団法人日本旅客船協会
土 屋 貞 光
エヌケーケー物流株式会社技術センター
三 浦 晶一郎
株式会社カルテック東海
小柳津 武
古野電気株式会社東京支社
糸 山 直 之
スカイアルミニウム株式会社
菅 野 次 郎
住友軽金属工業株式会社
前 田 恂
日本軽金属株式会社技術・開発本部
利 光 一 紀
有限会社利光設計事務所
(関係者)
浜 口 喜 博
軽金属押出開発株式会社
村 田 冨士夫
古河アルミニウム工業株式会社
原 田 勇 三
古河電気工業株式会社
梅 本 俊 一
株式会社神戸製鋼所
天 谷 義 則
昭和アルミニウム株式会社
(事務局)
小 郷 一 郎
財団法人日本船舶標準協会