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F 0808:2009  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 標準試験状態 ··················································································································· 4 

4.1 標準状態 ······················································································································ 4 

4.2 基準状態 ······················································································································ 5 

4.3 判定状態 ······················································································································ 5 

4.4 標準前処理及び後処理状態······························································································· 5 

4.5 標準予備乾燥状態 ·········································································································· 6 

4.6 試験中の通電 ················································································································ 6 

5 測定及び判定 ··················································································································· 6 

5.1 初期測定 ······················································································································ 6 

5.2 中間測定 ······················································································································ 6 

5.3 最終測定 ······················································································································ 6 

5.4 判定 ···························································································································· 6 

6 試験要求事項 ··················································································································· 7 

6.1 試験項目 ······················································································································ 7 

6.2 試験内容,後処理及び測定······························································································· 7 

附属書A(参考)個別規格への適用 ························································································ 36 

F 0808:2009  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶

技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS F 0808:1987は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権及び出願公開後の実用新案登録出願にかかわる確認について,責

任はもたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 0808:2009 

船用電気器具環境試験通則 

Ships and marine technology−Electrical apparatus−General requirements 

for environmental test procedure 

適用範囲 

この規格は,船舶に搭載する電路器具,電気照明器具,電気信号装置,船内通信装置,計測装置など,

及びこれらの装置の一部として使用する電気器具(以下,器具という。)について,船内で想定される環境

条件下での器具の信頼性を評価するための,均一性及び再現性がある環境にかかわる試験方法について規

定する。 

この規格は,器具の性能評価に関する主として温度,気圧,湿度,機械的ストレス又はその他の環境条

件及びこれらの条件を組み合わせた規定の範囲内で動作する能力を評価するための試験方法及び試験条件

についても規定している。 

注記 この規格は,各器具の個別規格とともに用いることができる。個別規格には,適用する試験及

び厳しさの等級,必要に応じて試験の手順などについて規定されている。 

なお,個別規格での適用方法は,附属書Aを参照。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS A 1415 高分子系建築材料の実験室光源による暴露試験方法 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS C 61000-4-2 電磁両立性−第4部:試験及び測定技術−第2節:静電気放電イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-3 電磁両立性−第4-3部:試験及び測定技術−放射無線周波電磁界イミュニティ試験 

JIS C 61000-4-4 電磁両立性−第4-4部:試験及び測定技術−電気的ファストトランジェント/バー

ストイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-5 電磁両立性−第4部:試験及び測定技術−第5節:サージイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-6 電磁両立性−第4-6部:試験及び測定技術−無線周波電磁界によって誘導する伝導

妨害に対するイミュニティ 

JIS C 61000-4-11 電磁両立性−第4-11部:試験及び測定技術−電圧ディップ,短時間停電及び電圧

変化に対するイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-16 電磁両立性−第4部:試験及び測定技術−第16節:直流から150 kHzまでの伝導

コモンモード妨害に対するイミュニティ試験 

JIS C 61000-4-17 電磁両立性−第4部:試験及び測定技術−第17節:直流入力電源端子におけるリ

プルに対するイミュニティ試験 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS F 8006 船用電気器具の振動検査通則 

JIS F 8007 船用電気機器−外被の保護等級及び検査通則 

JIS F 8009 船用防爆電気機器一般通則 

JIS F 8081 船用電気設備及び電子機器−電磁両立性 

JIS K 6258 加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−耐液性の求め方 

JIS K 7362 プラスチック−アンダーグラス屋外暴露,直接屋外暴露又は実験室光源による暴露後の

色変化及び特性変化の測定方法 

JIS K 8150 塩化ナトリウム(試薬) 

JIS K 8180 塩酸(試薬) 

JIS K 8576 水酸化ナトリウム(試薬) 

IEC 61000-4-29,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-29: Testing and measurement techniques−

Voltage dips, short interruptions and voltage variations on d.c. input power port immunity tests 

CISPR 16-1:2002,Specification for radio disturbance and immunity measuring apparatus−Part 1: Radio 

disturbance and immunity measuring apparatus 

CISPR 16-2:2003,Specification for radio disturbance and immunity measuring apparatus and methods−Part 

2: Methods of measurement of disturbance and immunity 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

環境試験 

特定の製品がさらされる温度,湿度,振動などの物理的な条件(環境)を人工的に再現し,製品に及ぼ

す影響を分析・評価することをいい,品質及び信頼性を確認すること。試験実施に当たっては,次の一連

の操作を行う。 

a) 前処理(必要な場合) 

b) 初期測定(必要な場合) 

c) 試験 

d) 後処理(必要な場合) 

e) 最終測定 

注記 試験及び/又は後処理中に測定を行う場合もある。 

3.2 

前処理 

試験前の履歴の影響を取り除くか,又は部分的に中和する目的で供試品を処理すること。前処理では,

供試品の特性を測定及び試験前に安定状態にするため,規定の気象環境,電気的,磁気的又はその他の条

件下(個別規格又は規則がある場合にはその規定に従った条件。)に供試品を置く。 

3.3 

初期測定及び最終測定 

供試品の外観,動作などが規定の要求水準(個別規格又は規則がある場合にはその規定に従った水準。)

に適合していることを確認するために試験の前後に行う外観試験,性能試験,各種の測定など。 

注記 通常,この測定内容は,個別規格又は規則の規定による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.4 

試験 

環境条件が供試品に及ぼす影響を調べるために,供試品を規定の環境条件(個別規格又は規則がある場

合にはその規定に従った条件。)に置くこと。 

3.5 

後処理 

環境条件に置いた後の供試品の特性を,測定に先立ち安定化させるための処置。 

3.6 

供試品を測定するための条件 

供試品の測定に先立って供試品を規定の時間,規定の温度において規定した相対湿度の大気中に置くか,

水又はその他の液体に浸すなどの条件。 

a) 要求事項1:この条件の温度及び湿度が前処理に規定した値と同じ場合には,前処理をこの条件の代

わりとしてもよい。 

b) 要求事項2:測定及び環境条件にさらすために使用する空間は,規定の条件が許容値内に維持されて

いる試験室又は試験槽とする。 

3.7 

周囲温度 

3.7.1及び3.7.2の規定による空気の温度。 

3.7.1 

熱放散がない供試品の場合 

供試品周囲の空気温度。 

3.7.2 

熱放散がある供試品の場合 

供試品からの距離が熱放散の影響を無視できる位置での自由空間状態の空気の温度。 

3.7.3 

熱放散がある供試品 

耐候性試験を行う目的で供試品を自由空間状態の下で,4.1に規定する標準状態でその表面の最高温度を

測定し,その温度が安定した後,周囲温度と供試品の温度との差が5 ℃を超える場合の供試品。 

なお,供試品に熱放散がないとみなすことができることを実証するための測定は,外部の影響(例えば,

通風,日射など。)が測定に影響を及ぼさないように注意を払う。大形又は複雑な供試品の場合は,必要に

応じて数箇所の測定を行う。 

3.7.4 

自由空間状態 

空気の動きが供試品自体の熱放散だけによって影響を受け,供試品による熱エネルギー放射がすべて吸

収されるような無限の広がりをもつ空間の状態。 

3.8 

表面温度(外被の温度) 

供試品の表面上の規定した1点又は数点において測定した温度。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.9 

温度安定 

供試品のすべての部分の温度が最終温度の2 ℃以下又は規定の条件(個別規格又は規則がある場合には

その規定に従った条件)に達したときの状態。 

3.10 

一連試験 

供試品を,二つ以上の試験環境に順次さらす一連の試験。前処理及び後処理は,通常各試験の間で行う。 

測定は,通常各試験の前後に行い,ある試験後の測定は次の試験の初めの測定となる。 

なお,異なる試験環境に移す時間は,通常供試品に重要な影響を与えることはない。 

3.11 

標準状態 

すべての試験及び測定を行うために規定した試験場所の状態。 

3.12 

基準状態 

ある大気状態で測定した測定値を,計算によって補正するために基準とする大気状態。 

3.13 

判定状態 

特性値が温度,湿度,気圧などの関係で変化するが,それらの間の関係が明らかでない場合には,基準

状態への換算が困難であるため,一定の状態における特性値によって性能を判定することができるように

定めた状態。 

3.14 

制限値 

供試品からのエミッションの限度値。 

3.15 

電源ポート 

供試品の電源端子。 

3.16 

信号及び制御ポート 

供試品の信号,制御及び入出力のインタフェース。 

3.17 

外被ポート 

供試品の外郭を表す。 

標準試験状態 

4.1 

標準状態 

測定及び試験を行うための試験場所の標準状態は,表1による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1−試験場所の標準状態 

温度 

℃ 

相対湿度 

% 

気圧 

kPa 

15〜35 

45〜75 

86〜106 

大きな供試品又はこの限度内に温度を保つことができない試験場所に対しては,各器具の個

別規格で認める場合,規定温度範囲を5〜40 ℃まで広げてもよい。 

供試品を試験する場合,ある試験の一部として行う一連の測定の間,温度及び湿度の変動は

最小に保つ。 

4.2 

基準状態 

基準状態は,表2による。 

表2−基準状態 

温度 

℃ 

気圧 

kPa 

20 

101.3 

4.3 

判定状態 

判定状態は,表3による。 

表3−判定状態 

記号 

温度 

℃ 

相対湿度 

% 

気圧 

kPa 

公称値 

1級 

2級 

1級 

2級 

20 

±1 

±2 

63〜67 

60〜70 

86〜106 

23 

±1 

±2 

48〜52 

45〜55 

86〜106 

25 

±1 

±2 

48〜52 

45〜55 

86〜106 

27 

±1 

±2 

63〜67 

60〜70 

86〜106 

4.4 

標準前処理及び後処理状態 

標準前処理及び後処理状態は,表4による。 

表4−標準前処理及び後処理状態 

温度 

℃ 

相対湿度 

% 

気圧 

kPa 

処理時間 

15〜35 

73〜77 

86〜106 

試験ごとに規定 

温度は,15〜35 ℃の範囲内で実際の試験室の温度±1 ℃以内とする。 
処理時間は,この規格に基づく各試験方法に示された値と異なる場合は,個別規格にその値を規定

する。 

なお,後処理方法は,次による。 

4.4.1 

後処理の実施方法 

供試品は,試験終了後10分以内に後処理条件を満足する試験槽に入れる。後処理後直ちに行わなければ

ならない測定方法を個別規格に規定した場合,これらの測定は試験槽から取り出した後30分以内に終了し

なければならない。試験槽から取り出した後,最も急激な変化をすることが予測される特性から測定する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.4.2 

試験槽の温度 

供試品を試験槽から取り出したとき,湿度の吸収及び放出を防ぐために試験槽の温度は,試験室の周囲

温度にできるだけ近い温度とする。 

4.4.3 

特殊な後処理条件 

特殊な後処理条件(例えば,後処理中に通電するなど)を必要とするときは,これを個別規格に規定す

る。 

4.5 

標準予備乾燥状態 

標準予備乾燥状態は,次による。 

4.5.1 

標準予備乾燥条件 

一連の測定を開始する前に予備乾燥を必要とする場合は,個別規格に規定がない限り表5の条件に約6

時間置く。 

表5−標準予備乾燥条件 

温度 

℃ 

相対湿度 

% 

気圧 

kPa 

55±2 

20を超えない 

86〜106 

4.5.2 

標準予備乾燥条件以外での処置 

標準予備乾燥状態で乾燥することができない場合は,実際に乾燥を行った状態及びその影響について記

録する。 

4.5.3 

試験温度条件 

高温試験で規定の試験温度が55 ℃以下の場合には,予備乾燥はその規定温度で行う。 

4.6 

試験中の通電 

環境試験中は,特に規定がない限り,通常は器具に通電しない。通電を規定していない試験で,通電し

て試験を行う必要がある場合は,各器具の個別規格で通電条件を規定する。 

測定及び判定 

測定及び判定は,次による。 

5.1 

初期測定 

供試品は,試験前に外観,構造,材料などについて試験を行う。また,必要がある場合は,各器具の個

別規格で規定することによって,電気的及び機械的要求事項の試験を行う。 

5.2 

中間測定 

必要がある場合は,各器具の個別規格で規定することによって,試験中及び/又は後処理中に電気的及

び機械的要求事項の試験を行う。 

5.3 

最終測定 

供試品は,後処理終了後,外観,構造,材料などについて試験を行う。また,各器具の個別規格の規定

による測定を行う。 

なお,必要がある場合は,電気的及び機械的要求事項の試験を行う。 

5.4 

判定 

初期測定と最終測定との結果を対比し,各器具の個別規格の規定によって判定を行う。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験要求事項 

6.1 

試験項目 

この規格で規定する環境試験項目は,次による。 

なお,r)〜u) の試験は,括弧内に示した試験規格によって行う。 

a) 低温試験(急変) 

b) 低温試験(漸変) 

c) 高温乾燥試験(急変) 

d) 高温乾燥試験(漸変) 

e) 温度サイクル試験 

f) 

湿度試験 

g) 温湿度サイクル試験 

h) 温度急変試験(熱衝撃) 

i) 

耐候性試験 

j) 

塩水噴霧試験 

k) 傾斜試験 

l) 

動揺試験 

m) 自由落下試験 

n) 衝撃試験 

o) 電源変動試験 

p) 耐電圧試験 

q) 絶縁抵抗試験 

r) 耐油性試験(JIS K 6258による。) 

s) 

振動試験(JIS F 8006による。) 

t) 

外被の保護性能試験(JIS F 8007による。) 

u) 防爆試験(JIS F 8009による。) 

v) EMC(電磁環境適合性)試験 

1) 放射性エミッション試験 

2) 伝導性エミッション試験 

3) 伝導低周波妨害試験 

4) 電源変動試験 

5) 電源喪失試験 

6) ファストトランジェント/バースト試験 

7) サージ電圧試験 

8) 伝導高周波妨害試験 

9) 静電気放電(ESD)試験 

10) 高周波放射電磁界試験 

6.2 

試験内容,後処理及び測定 

6.2.1 

低温試験(急変) 

6.2.1.1 

試験方法 

試験方法は,次による。 

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F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとる。 

b) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定した状態で試験槽に入れる。 

c) 供試品は,規定温度の試験槽に規定時間入れて行う。 

d) 試験時間は,供試品が試験槽内で温度安定したときから測定する。 

6.2.1.2 

試験装置 

この試験に用いる試験槽は,供試品の投入前後においても表6に規定する試験温度の許容差の範囲で温

度制御ができなければならない。 

なお,試験槽は,強制通風循環方式であってもよい。 

6.2.1.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表6及び表7による試験温度及び試験時間の組合せによる。 

表6−試験温度 

表7−試験時間 

試験温度 

℃ 

−65±2 
−55±2 
−40±2 
−25±2 
−10±2 
− 5±2 
   0±2 
+ 5±2 

試験時間 

96 
72 
16 
 2 

試験槽の大きさによって,許容温度差が保持できない場合は,±3 ℃まで広げてもよい。 

6.2.1.4 

後処理 

後処理は,次による。 

a) 規定時間経過後,試験槽から取り出した供試品は,霜が付着している場合は,それがとれるまで標準

状態で放置する。 

b) 供試品に水滴が付着している場合は,手で振る,標準状態の空気を短時間吹き付けるなどして,落と

す。 

c) 供試品は,試験槽から取り出した後,標準状態の温度で安定するまで少なくとも1時間,最高2時間

放置する。 

6.2.2 

低温試験(漸変) 

6.2.2.1 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとる。 

b) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定した状態で試験槽に入れる。 

c) 標準状態にある試験槽に供試品を入れてから徐々に冷却を開始する。このときの温度を下げる速さは,

0.2〜1 ℃/min以内とする。 

d) 試験時間は,供試品の温度が規定値に達したときから測定する。 

e) 規定温度で規定時間経過後は,試験槽内の温度を徐々に標準状態に至るまで戻す。このときの温度を

上げる速さは,0.2〜1 ℃/min以内とする。 

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F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2.2.2 

試験装置 

この試験に用いる試験槽は,供試品の投入前後においても表8に規定する試験温度の許容差の範囲内で

温度制御ができなければならない。 

なお,試験槽は,強制通風循環方式であってもよい。 

6.2.2.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表8及び表9に示す試験温度及び試験時間の組合せによる。 

表8−試験温度 

表9−試験時間 

試験温度 

℃ 

−65±2 
−55±2 
−40±2 
−25±2 
−10±2 
− 5±2 
   0±2 
+ 5±2 

試験時間 

96 
72 
16 
 2 

試験槽の大きさによって,許容温度差が保持できない場合は,±3 ℃まで広げてもよい。 

6.2.2.4 

後処理 

後処理は,次による。 

a) 供試品に水滴又は霜が付着している場合は,手で振る,標準状態の空気を短時間吹き付けるなどして,

落とす。 

b) 供試品は,試験直後から最低1時間標準状態で放置する。 

なお,1回の試験で複数個の供試品を試験する場合,最後の1個の最終測定は,試験槽から取り出

してから2時間を経過してはならない。 

6.2.3 

高温乾燥試験(急変) 

6.2.3.1 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとる。 

b) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定した状態で試験槽に入れる。 

c) 供試品は,規定温度の試験槽に規定時間入れて試験を行う。 

d) 試験時間は,供試品が試験槽内で温度が安定したときから測定する。 

6.2.3.2 

試験装置 

この試験に用いる試験槽は,供試品の投入前後においても規定の温度許容差範囲において制御ができな

ければならない。 

なお,試験槽は,強制通風循環方式であってもよい。相対湿度は,50 %を超えてはならない。 

6.2.3.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表10及び表11に示す試験温度及び試験時間の組合せによる。 

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10 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表10−試験温度 

表11−試験時間 

試験温度 

℃ 

+200±2 
+175±2 
+155±2 
+125±2 
+100±2 
+ 85±2 
+ 70±2 
+ 55±2 
+ 40±2 
+ 30±2 

試験時間 

96 
72 
16 
 2 

試験槽の大きさによって,許容温度差が保持できない場合は,100 ℃以下では±3 ℃,125 ℃以上では

±5 ℃まで広げてもよい。 

6.2.3.4 

後処理 

後処理は,次による。 

a) 供試品は,試験直後から最低1時間,標準状態で放置する。 

b) 1回の試験で複数個の供試品を試験する場合,最後の1個の最終測定は,試験槽から取り出してから2

時間を経過してはならない。 

6.2.4 

高温乾燥試験(漸変) 

6.2.4.1 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとる。 

b) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定する。 

c) 標準状態にある試験槽に供試品を入れてから徐々に温度を上げる。このときの温度を上げる速さは,

0.2〜1 ℃/min以内とする。 

d) 試験時間は,供試品の温度が規定値に達したときから測定する。 

e) 規定温度で規定時間経過後は,試験槽内温度を徐々に標準状態になるまで戻す。このときの温度を下

げる速さは,0.2〜1 ℃/min以内とする。 

6.2.4.2 

試験装置 

この試験に用いる試験槽は,6.2.4.3に規定する試験温度の許容差の範囲内で温度制御ができなければな

らない。 

なお,試験槽は,強制通風循環方式であってもよい。また,相対湿度は,50 %を超えてはならない。 

6.2.4.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表12及び表13に示す試験温度及び試験時間の組合せによる。 

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11 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表12−試験温度 

表13−試験時間 

試験温度 

℃ 

+200±2 
+175±2 
+155±2 
+125±2 
+100±2 
+ 85±2 
+ 70±2 
+ 55±2 
+ 40±2 
+ 30±2 

試験時間 

96 
72 
16 
 2 

試験槽の大きさによって,許容温度差が保持できない場合は,100 ℃以下では±3 ℃,125 ℃以上では

±5 ℃まで広げてもよい。 

6.2.4.4 

後処理 

後処理は,次による。 

a) 供試品は,試験直後から最低1時間,標準状態で放置する。 

b) 1回の試験で複数個の供試品を試験する場合,最後の1個の最終測定は,試験槽から取り出してから2

時間を経過してはならない。 

6.2.5 

温度サイクル試験 

6.2.5.1 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとる。 

b) 供試品を表14に規定する温度に保った低温の試験槽に入れ,表16に規定する時間その中に放置する。 

なお,特に規定がない場合の放置時間は,0.5時間とする。 

c) 供試品を試験槽から取り出し,標準状態に2〜3分間放置する。 

d) 供試品を表15に規定する温度に保った高温の試験槽に入れ,表16に規定する時間その中に放置する。 

なお,特に規定がない場合の放置時間は,0.5時間とする。 

e) 供試品を試験槽から取り出し,標準状態に2〜3分間放置する。 

f) 

b)〜e) を1サイクルとし,表17に規定するいずれかのサイクルを行う。ただし,初めの5サイクル

は連続して行い,その後のサイクルはいずれのサイクルで中断してもよい。サイクルを中断したとき,

供試品は,試験を再び開始するまで標準状態に保持しておく。特にサイクル数の規定がない場合は,5

サイクルとする。 

6.2.5.2 

試験装置 

この試験に用いる試験槽は,6.2.5.3に規定する試験温度の許容差の範囲内で温度制御ができるものでな

ければならない。 

なお,試験に用いる試験槽は,強制通風循環方式であってもよい。また,高温用試験槽は通常強制通風

循環方式とする。 

6.2.5.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表14〜表17に示す試験温度,放置時間及びサイクル数の組合せによる。 

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12 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表14−試験温度 

表15−試験温度 

表16−放置時間 

表17−サイクル数 

(低温の場合) 

(高温の場合) 

試験温度 

℃ 

− 5±2 
−10±2 
−25±2 
−40±2 
−55±2 
−65±2 

試験温度 

℃ 

+ 30±2 
+ 40±2 
+ 55±2 
+ 70±2 
+ 85±2 
+100±2 
+125±2 
+155±2 
+175±2 
+200±2 

放置時間 

1/6 
0.5 



サイクル数 

25 
50 

100 

試験槽の大きさによって,許容温度差が保持できない場合は,100 ℃以下では±3 ℃,125 ℃以上では

±5 ℃まで広げてもよい。 

6.2.5.4 

後処理 

供試品は,後処理として,試験終了後回復のため4.4に規定する状態に1〜2時間放置する。 

6.2.6 

湿度試験 

6.2.6.1 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,事前に試験槽内の温度となるような処置を施す。 

b) 供試品は,正規の取付状態で固定して試験槽に入れる。このとき供試品への水滴の滴下が特定の場所

に集中しないように注意する。 

c) 供試品は,規定時間試験槽内に入れて試験を行う。 

d) 試験中に中間測定を行う場合は,各器具の個別規格で別途規定する。ただし,この測定のために供試

品を試験槽から出してはならない。 

6.2.6.2 

試験装置 

試験装置は,次による。 

a) 試験槽は,相対湿度を93±3 %で保持できる。 

b) 供試品がある付近の試験槽内温度及び湿度が監視できる。 

c) 試験槽から出るドレンは再使用してはならない。 

d) 射出方式で湿度を得る形式の試験槽の場合は,水の抵抗値は500 Ωm以上である。 

6.2.6.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表18及び表19に示す試験温度及び試験時間の組合せによる。 

表18−試験温度 

表19−試験時間 

試験温度 

℃ 

40±2 
45±2 
50±2 

試験時間 

56 
21 
10 
 4 

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13 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

試験槽の大きさによって,許容温度差が保持できない場合は,±3 ℃まで広げてもよい。 

6.2.6.4 

後処理 

後処理は,次による。 

a) 試験終了後,回復のため供試品を4.4に規定する状態に1〜2時間放置する。 

b) 供試品は,後処理のために他の試験槽に移してもよい。ただし,この移動のために要する時間は,で

きる限り短時間とし,5分を超えてはならない。 

c) 供試品表面に付着している水分の除去については,各器具の個別規格で規定する。 

6.2.7 

温湿度サイクル試験 

6.2.7.1 

試験方法及び厳しさ 

試験方法の種類は,方法1及び方法2の2種類とする。 

a) 方法1 特に各器具の個別規格で規定がない限り,4.5に規定する標準予備乾燥状態に供試品を放置し

た後,図1の段階a〜gの操作を1サイクルとして,次によって試験を24時間で行い,特に各器具の

個別規格で規定がない限り連続して10サイクル行う。 

1) 補助サイクル 特に各器具の個別規格で規定がない限り,段階g' は,補助サイクルとし,初めの9

サイクルのうち任意の5サイクルだけを行う。 

段階g' の後,供試品を再び速やかに温度25±2 ℃,相対湿度(93±3)%の状態に移し,次のサ

イクルが始まるまで保つ。 

2) 段階g' 段階gの開始後,1〜2時間で供試品を取り出して他の低温の試験槽に移すか又は試験槽内

温度を下げるかして低温に放置する。供試品を他の試験槽に移す場合は5分以内に移送を完了する。

試験槽の温度は30分以内に−10±2 ℃まで下げた後,3時間保つ。この間,湿度は,調整しない。 

次に1.5時間以内に25±2 ℃まで上げる。このとき供試品を元の試験槽に移す場合は,10〜15分

間で移動を完了する。 

b) 方法2 試験は,特に各器具の個別規格で規定がない限り,4.4に規定する標準前処理状態に供試品を

放置した後,図2の操作を1サイクルとして,試験を24時間で行う。特に規定がない限り連続して表

20又は表21に規定するサイクル数で試験を行う。ただし,図2の25±2 ℃から40±2 ℃又は55±2  

℃に上昇させる間に供試品の上に水が凝縮しなければならない。 

表20−上限の温度が40±2 ℃ 

表21−上限の温度が55±2 ℃ 

のときのサイクル数 

のときのサイクル数 

サイクル数 

 2 
 6 
12 
21 
56 

サイクル数 



6.2.7.2 

試験装置 

この試験に使用する試験槽は,次の条件を満足しなければならない。 

a) 図1及び図2に示すそれぞれの方法1及び方法2の温湿度サイクルの状態を全周期にわたって制御が

できる。 

b) 直接,水を噴霧して加湿する場合は,使用する水の抵抗率が500 Ωm以上である。 

c) 試験槽の内壁及び天井に凝縮した水が供試品又は供試品の付近に落下しない。 

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14 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図1−温湿度サイクル試験 方法1 

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15 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図2−温湿度サイクル試験 方法2 

6.2.7.3 

後処理及び最終測定 

後処理及び最終測定は,次による。 

a) 方法1の場合 各器具の個別規格の規定によって次の最終測定を行い,更に外観を調べる。 

1) 高湿時の測定 高湿時の測定が規定されているときは,図1の最終サイクルの段階fの終了後,供

試品を温度25±2 ℃,相対湿度(93±3)%の状態に1.5〜3.5時間保持した後,最終測定を行う。 

高湿度の状態での測定については,その方法及び注意事項を各器具の個別規格に規定する。 

2) 試験槽から取り出した直後の測定 試験槽から取り出した直後の測定が規定されているときは,最

終サイクルの段階fの終了後,又は高湿時の測定が規定されているときは,その後で4.1に規定す

る標準状態に1〜2時間放置した後,最終測定を行う。 

3) 乾燥後の測定 乾燥後の測定が規定されているときは,最終サイクルの段階fの終了後,又は高湿

時の測定が規定されているときは,その後で,供試品を4.1に規定する標準状態に24時間放置した

後測定を行う。 

b) 方法2の場合 最終サイクルの終了後,供試品を試験槽から取り出し,各器具の規定に従って水滴を

取り除いた後,4.4に規定する後処理状態に1〜2時間放置した後,最終測定を行う。 

16 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,この放置に先立ち強制乾燥を行ってもよい。ただし,強制乾燥の条件は,各器具の個別規格

で規定する。 

6.2.8 

温度急変試験(熱衝撃) 

6.2.8.1 

試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,4.1に規定する標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとる。 

b) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定する。 

c) 供試品の加熱方法は,次の方法1,方法2及び方法3の3種類とする。 

1) 方法1 標準状態にある試験槽に供試品を入れてから徐々に温度を上げ,規定値に達するまで加熱

する。このときの温度を上げる速さは,0.2〜1 ℃/min以内とする。 

2) 方法2 標準状態にある供試品に通電することによって,供試品を発熱させ,その温度上昇値が飽

和するまで温度を上げる。 

3) 方法3 標準状態にある供試品を,規定温度の温水中に規定時間浸す。 

なお,温水中に浸す時間は,各器具の個別規格による。 

d) c) によって加熱された供試品を冷却する方法は,次の方法4,方法5及び方法6の3種類とする。 

なお,方法4及び方法5の試験は,標準状態の試験場所で行う。 

1) 方法4 供試品に対してJIS F 8007のIPX3に相当する方法で冷却する。ただし,方法1又は方法2

による加熱の場合だけに適用する。 

2) 方法5 供試品に直径1 mmの噴流水を注いで冷却する。ただし,方法2による加熱の場合だけに

適用する。 

3) 方法6 供試品を規定温度の冷却水中に浸して冷却する。ただし,方法1又は方法3による加熱の

場合だけに適用する。 

e) 方法1又は方法3で加熱した供試品の冷却過程への移行は,なるべく速やかに行う。必要がある場合

は,各器具の個別規格でその時間を指定する。 

なお,方法2で加熱した場合は,通電状態のままで行う。 

6.2.8.2 

試験装置 

試験装置は,次による。 

a) 試験槽 方法1の試験に用いる試験槽は,規定温度の許容差範囲で温度制御ができる。また,試験槽

は,強制通風循環方式であってもよい。 

なお,相対湿度は,50 %を超えてはならない。 

b) 冷却装置 この試験に用いる冷却装置は,規定温度の許容差範囲で冷却水の温度制御ができる。 

なお,方法5に用いる注水装置の水の噴出部における水圧は,2 kPa以内とする。 

6.2.8.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表22〜表25による。 

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17 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表22−加熱温度 

表23−冷却水の温度 

表24−試験場所と 

表25−冷却水の 

冷却水との温度差 

注水時間 

加熱温度 

℃ 

200±2 
175±2 
155±2 
125±2 
 95±2 
 85±2 
 60±2 
 55±2 

冷却水の温度 

℃ 

10±2 
15±2 
20±2 

試験場所及び 
冷却水の温度 

℃ 

10±2 
15±2 
20±2 

冷却水の注水時間 

min 

0.1 
0.5 


試験槽の大きさによって許容温度が保持できない場合は,100 ℃以下では±3 ℃,100 ℃を超える場合

は,±5 ℃まで広げてもよい。表24に基づく冷却水の最低温度は,5 ℃とする。 

6.2.8.4 

後処理 

供試品は,試験終了直後から最低1時間標準状態で放置する。 

なお,1回の試験で複数個の供試品を試験する場合,最後の1個の最終測定は,試験槽から取り出して

から2時間を経過してはならない。 

6.2.9 

耐候性試験 

6.2.9.1 

試験方法 

試験方法は,JIS A 1415の6.4(紫外線カーボンアークランプによる暴露試験方法)の規定による。 

6.2.9.2 

試験装置 

試験装置は,JIS A 1415の表1で規定するWV形による。 

6.2.9.3 

厳しさ 

この試験の厳しさは,表26に示す試験時間による。 

表26−試験時間 

試験時間 

2 000 
1 500 
1 000 

500 

6.2.9.4 

初期測定 

供試品として製品の一部の試験片を使用する場合は,その試験片がJIS A 1415の3.(定義)b) 及びc) の

規定に適合していることを確認する。 

なお,供試品に製品を用いるか試験片を用いるかは,各器具の個別規格において規定する。 

6.2.9.5 

後処理 

後処理は,次による。 

a) 試験が終了した供試品又は試験片は,4.1に規定する標準状態の暗室又は光が入らない容器内に保存

する。 

b) 供試品又は試験片は,必要に応じて適切な方法で清浄にするとともに4.3の判定状態の記号1の2級

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F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

の条件下で状態の調節を行う。 

6.2.9.6 

最終測定 

最終測定は,次による。 

a) 性能の変化は,必要に応じて保存試験片又は比較試験片と比較して評価する。 

なお,保存試験片は,4.1に規定する標準状態の暗室又は光が入らない容器内に保存し,光線,温度,

湿度,ほこりなどの影響を受けないように保存する。 

b) 最終測定の項目が各器具の個別規格に規定されている場合は,それによる。ただし,その規定がない

場合は,次の項目について行うのがよい。また,試験の目的によっては,その一部を省略してもよい。 

1) 形状,寸法の変化 

2) 外観の変化 

3) 引張強さ,伸び率 

6.2.9.7 

判定 

判定は,その方法が各器具の個別規格で規定されている場合は,それによる。ただし,その規定がない

場合は,JIS K 7362による。 

6.2.10 塩水噴霧試験 

6.2.10.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 各器具の個別規格に特に規定がなければ,供試品の主要面は,鉛直線から,その結果に影響を及ぼさ

ない範囲の角度(通常,15〜30度)に傾け,また,試験槽への噴霧の水平流れの主要方向に平行に置

くか,又はつるす。 

b) 供試品は,支持物以外のものに触れない。また,支持物は,供試品を電解侵食してはならない。 

c) 同時に複数の器具を試験する場合は,供試品の各々について,霧の自由落下を妨げないようにする。

また,一つの供試品から塩溶液が他の供試品に滴ることがないようにする。 

d) 各器具の個別規格に特に規定がない限り,試験装置の調整,供試品の試験などに必要な短時間の中断

以外は,規定された時間中連続的に操作する。 

6.2.10.2 試験装置 

試験装置は,次による。 

a) 装置の構成 

1) 供試品を支持する棚のある試験槽 

2) 塩水タンク 

3) 噴霧装置 

4) 試験槽の加熱,温度調節装置 

5) 試験槽の加湿装置 

b) 試験槽 

1) 試験槽の天井及びカバーにたまった溶液の滴が供試品の上に落ちてはならない。 

2) 供試品から落ちた溶液の滴が塩水タンクに戻り,再び試験に用いられるような構造であってはなら

ない。 

3) 噴霧の腐食性に影響を与えない材料で製作されている。 

4) 試験槽内の温度が,試験中供試品の付近で35±2 ℃に保持できる。 

c) 噴霧装置 噴霧装置は,微細な濃い霧を均一に発生できなければならない。また,噴霧量は,少なく

19 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

とも2個の清浄な噴霧採取容器をノズルに最も近い場所と,ノズルから最も遠い場所とに置き,それ

ぞれ水平採取面積80 cm2で16時間以上の動作を平均して,1時間当たり0.5〜3.0 mlを採取できる量

とする。採取量に供試品及び他のものからの塩水の滴が混入しないようにする。採取された溶液は,

e) 2) の規定を満足しなければならない。 

d) 供給空気 塩水を噴霧する圧搾空気は,その空気中に油,ほこりなどがなく,圧力は68.6〜176.4 kPa

に保たれていなければならない。 

e) 塩水 

1) 塩水は,JIS K 8150に規定するもの又はそれと同等の精製塩,及び蒸留水又は全固形物200 ppm以

下の水を用いて作る。 

2) 塩水は,次の値に調整する。 

塩分濃度 

:34±1 ℃において(5±1)%質量 

比重g/cm3 

:34±1 ℃において1.026 8〜1.041 3 

水素イオン濃度pH :35 ℃において6.5〜7.2 

3) pHの調節は,JIS K 8180に規定する試薬特級相当の塩酸,又はJIS K 8576に規定する水酸化ナト

リウム(試薬)を用いる。pHの測定は飽和塩化カリウム橋がある電極を用いて電気的に求めるが,

同じ結果が得られるならば,その他の方法を用いてもよい。 

4) 塩水は,噴霧前に汚濁物があってはならない。 

6.2.10.3 厳しさ 

この試験の厳しさは,表27に示す試験時間による。 

表27−試験時間 

試験時間 

16±1 
24±2 
48±4 
96±4 

6.2.10.4 後処理 

後処理は,次による。 

a) 試験時間の終了後供試品は,特に各器具の個別規格に規定がある場合を除き,常温で水洗いして塩の

付着物を確実に除去する。このとき,柔らかいはけ(刷毛)を用いてもよい。 

b) a) の水洗いによって付着した水滴は,手で振る,標準状態の空気を短時間吹き付けるなどして,落と

す。 

6.2.11 傾斜試験 

6.2.11.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定する。 

b) 各器具の個別規格で規定がない場合は,供試品の正規の取付状態の2軸方向の各々について順次規定

の傾斜角に5分間以上保つ。 

c) 試験は,各軸方向に対し供試品を正規の取付状態から正方向の傾斜を与えて保持し,その後正規の取

付方向に復帰させ,また負方向の傾斜を与えて保持する。さらに,その後正規の取付状態に復帰させ

る。 

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20 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

d) 供試品は,規定された傾斜角で,各個別規格の規定に基づいた動作をしていることを確認する。 

e) 試験中は,通電するものとする。通電しない場合は,各器具の個別規格で規定するのがよい。 

6.2.11.2 試験装置 

試験装置は,次による。 

a) 傾斜装置は,表28に示す傾斜角を  度の許容差内で制御できる。 

b) 傾斜装置は,供試品が正規の取付状態から規定の傾斜角に達するまでの間及びその逆の場合の間,供

試品に過度の振動又は加速度を与えない。 

6.2.11.3 厳しさ 

この試験の厳しさは,表28に示す傾斜角度による。 

表28−傾斜角度 

傾斜角 

度 

5.0 

10.0 
15.0 
22.5 
30.0 
40.0 
45.0 

傾斜角度30.0度,40.0度及び45.0度は,特殊な場合に適用する。 

6.2.12 動揺試験 

6.2.12.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定する。 

b) 各器具の個別規格で規定がない場合は,供試品の正規の取付状態の3軸の方向の各々について順次規

定の動揺を与える。 

c) 試験は,供試品に正規の取付状態から正方向の傾斜を与えた後,正規の取付方向に復帰させ,次に負

方向の傾斜を与える。さらに,その後正規の取付状態に復帰させる。これを1サイクルとする。各軸

の方向に規定のサイクルを連続して行う。ただし,各器具の個別規格に規定された測定を行うときは,

中断してもよい。 

d) 供試品は,規定された傾斜角で,各個別規格の規定に基づいた動作をしていることを確認する。 

e) 試験中は,原則として通電する。通電しない場合は,各器具の個別規格で規定する。 

6.2.12.2 試験装置 

試験装置は,できるだけ正弦波状の動揺ができるものであり,その周期の許容差は表30に示す値の5 %

以内でなければならない。 

6.2.12.3 厳しさ 

この試験の厳しさは,表29〜表31に示す傾斜角,周期及びサイクル数の組合せによる。 

5.00

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21 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表29−傾斜角度 

表30−周期 

表31−サイクル数 

傾斜角 

度 

5.0 
7.5 

10.0 
22.5 
30.0 
45.0 

周期 

 5 
 7 
10 
20 

サイクル数 

100 
300 
500 

1 000 

6.2.13 自由落下試験 

6.2.13.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 試験には,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれている状態にある供試品を用いる。 

b) 供試品を固定された平滑な厚さ6 mm以上の鋼板上に,規定された高さから規定回数,各器具の個別

規格で規定された姿勢で落下させる。 

c) 供試品は,できればつり下げた状態から自由落下させるものとし,自由落下を妨げる運動はできるだ

け少なくする。 

d) 試験中は,通電するが,通電を必要としない場合は,各器具の個別規格で規定する。 

6.2.13.2 試験装置 

この試験に用いる試験装置は,規定された高さから供試品を規定された回数,できるだけ自由落下に近

い状態で落下させることができなければならない。 

6.2.13.3 厳しさ 

この試験の厳しさは,表32及び表33に示す高さ及び落下回数の組合せによる。 

表32−高さ 

表33−落下回数 

高さ 

mm 

500 
750 

1 000 
1 500 

落下回数 

回 

 1 
 2 
 3 
 5 
 8 
10 

6.2.13.4 後処理 

後処理は,次による。 

a) 落下試験を終了した供試品は,試験中に付着した ちり,ごみなどを圧縮空気,柔らかい布などで取り

除く。 

b) 試験中に脱落又は損傷をした部分を復元又は拡大することがあってはならない。 

6.2.14 衝撃試験 

6.2.14.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 準備 準備は,次による。 

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22 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

1) 試験装置は,試験前に実際の供試品に規定の衝撃パルス波形が加わるように,実際の供試品,不合

格となった供試品又は剛体の疑似負荷を用いて校正する。疑似負荷を用いるときは,重心の位置及

び質量が供試品と同じものを,供試品の正規の取付方法と同じ方法で取り付ける。 

2) 校正用試料に続けて2回衝撃を加えたとき,規定の衝撃パルス波形が発生するようにする。 

3) 供試品,その附属リード線などを適切な取付金具で試験台に固定して所定の衝撃の厳しさが加えら

れるように配慮し,更に個別規格の規定がある場合は,試験中供試品を動作状態にする。 

b) 方法1 

1) 試験は,次の装置を用いて行う。 

1.1) 供試品を取り付けた試験台に正弦波の衝撃パルスを発生させる試験機。 

1.2) 衝撃パルスの加速度を測定する装置。 

1.3) 衝撃パルスの速度を,積分回路を通して測定する装置。 

2) 試験機によっては,表34に示す値の衝撃パルスを図3に示す二つの実線で囲まれた許容差範囲内で

再現性よく供試品に与える。 

表34−衝撃の厳しさの分類表 

厳しさの 

分類 

加速度ピーク値 

(A) 

衝撃パルス 

作用時間 (D) 

速度変化 

AD

π

2

No. 

m/s2 

ms 

m/s 

150 

11 

1.0 

300 

18 

3.4 

300 

11 

2.1 

300 

 6 

1.1 

500 

11 

3.5 

500 

 3 

1.0 

注記1 図の点線は,標準の正弦半波衝撃パルスを示す。 
注記2 衝撃パルスの許容差は,次の二つの実線の間にある。 
注記3 点線の波形を+0.2Aだけ上に移動させた実線。 
注記4 点線の正弦波の頂点と,衝撃パルス作用時間Dを−0.2Aだけ下に移動させたその両端と

を結ぶ直線で囲んだおおよその点線の波形を−0.2Aだけ下に移動させた実線。 

図3−衝撃試験時の衝撃パルス許容差領域図 

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23 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3) 供試品の故障が最も生じやすいと思われる互いに垂直な3軸を選び,各軸の正逆方向に3回,合計

18回の連続した衝撃パルスを加える。 

4) 試験点において衝撃パルスAを加える方向と直交する方向(横運動)に発生する正又は負の衝撃パ

ルスのピーク値は,0.3Aを超えてはならない。 

5) 衝撃パルスの加速度及び速度測定装置は,表34の値を測定できなければならない。また,装置全体

の周波数特性は,図4による。 

なお,衝撃パルスの作用時間及び関連周波数を表35に示す。 

図4−測定装置の周波数特性 

表35−図4の測定装置の衝撃パルス作用時間に対する遮断周波数とレスポンスとの関係 

衝撃パルス 

作用時間 

低域遮断周波数 

高域遮断 

周波数 

レスポンスが+1 dBを超える 

ことが許される下限周波数 

ms 

f1 Hz 

f2 Hz 

f3 kHz 

f4 kHz 

0.2 

20 

120 

20 

40 

0.5 

10 

 50 

15 

30 

 20 

10 

20 

1.5 

  6 

 5 

10 

  4 

 2 

 4 

11 

0.5 

  2 

 1 

 2 

18 

0.2 

  1 

 1 

 2 

加速度を積分する場合,衝撃パルスの立ち上がり前0.4Dの点から始め,終了後0.1Dのところま

で積分する。 

正弦半波の速度変化を     としたときの実測衝撃パルスの速度変化は,V=Vi±15 %に存在

することが必要である。 

c) 方法2 

1) 試験は,次の装置を用いて行う。 

1.1) 供試品を取り付けた試験台に正弦半波の衝撃パルスを発生する試験機。 

1.2) 衝撃パルスの加速度を測定する装置。 

2) 試験機は,表36に示す値の正弦半波の衝撃パルスを,波形ひずみ±20 %以内で試験台上に一様に

π

AD

V

2

i=

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24 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

分布するように与える。 

表36−衝撃の厳しさの分類表 

厳しさの分類 

加速度ピーク値 

m/s2 

衝撃パルス作用時間D 

ms 

100 

150 

200 

20以下 

300 

500 

3) 供試品の故障が最も生じやすいと思われる互いに垂直な3軸を選び,各軸方向に3回,合計9回の

連続した衝撃パルスを加える。 

4) 試験点において衝撃パルスAを加える方向と直交する方向(横運動)に発生する衝撃パルスのピー

ク値は,0.3Aを超えてはならない。 

5) 衝撃パルスの加速度測定装置の測定範囲は,1 200 m/s2以上にわたり,加速度ピックアップの共振周

波数は,衝撃周波数(正弦半波衝撃パルス作用時間の逆数)の5倍以上とする。 

また,加速度測定装置全体の周波数特性は,10 Hz〜10 kHzの範囲にわたり平たんでなければな

らない。 

d) 方法3 

1) 試験は,次の装置を用いて行う。 

1.1) 供試品及び加速度ピックアップを装着できる落下台。 

1.2) 衝撃パルスの加速度を測定する装置。 

2) この試験に使用する落下台の構造及び加速度測定装置の信頼性は,方法2の各項目をすべて満足し

なければならない。ただし,試験方法の性能が方法2以上のものである場合はこの限りでない。 

6.2.14.2 厳しさ 

この試験の厳しさは,次による。 

a) 方法1の場合は,表34による。 

b) 方法2及び方法3の場合は,表36による。 

6.2.15 電源変動試験 

6.2.15.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとっておく。 

なお,各器具の個別規格の規定によって,他の試験と合わせて行う場合は,この限りでない。 

b) 供試品は,その器具の正規の取付方法によって固定する。 

c) 供試品の電源端子にその定格電圧,定格周波数の電源を接続し,供試品又は試験用に外部に設けた電

源スイッチの“入”“切”を3回繰り返し,電源投入後及び電源遮断後のそれぞれにおいて,供試品は

手動調整しなくても,各器具の個別規格に規定された動作を行うことを確認する。 

d) 供試品の電源端子に表38〜表40に示す電圧変動及び周波数変動を与えた場合に,供試品は各器具の

個別規格に規定された動作を行うことを確認する。 

6.2.15.2 試験装置 

試験装置は,次による。 

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25 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) この試験に用いる電源装置は,試験中の供試品に表37に規定する許容範囲内で供給できるような自動

調整機能を備えていなければならない。 

なお,供試品の正常な動作に著しい影響を与えるような瞬時変動があってはならない。 

表37−電源装置の出力変動値 

電源の種類 

電源装置の出力変動値 

% 

電圧 

周波数 

交流 

±0.5 

±0.5 

直流 

±1.0 

− 

注記 変動値は,供試品の定格値に対する割合(定常時)を示す。 

b) 電源装置は,各器具の個別規格に規定された電圧及び周波数の単一の変動又は複合変動を与えること

ができなければならない。 

6.2.15.3 厳しさ 

この試験の厳しさは,表38〜表40に示す電圧変動,周波数変動及び変動時間の組合せによる。 

表38−電圧変動 

表39−周波数変動 

表40−変動時間 

電圧変動 

% 

−30 
−25 
−20 
−15 
−10 
− 6 
− 5 



10 
15 
20 
25 
30 

周波数変動 

% 

−15 
−10 
− 5 
− 2.5 


2.5 

10 
15 

変動時間 

0.5 
1.0 
1.5 
2.0 
3.0 
5.0 

600(定常) 

6.2.16 耐電圧試験 

6.2.16.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所に24時間以上放置し,少なくとも試験場所の温度と温度平衡がとれて

いなければならない。 

b) 電子部品を使用し,試験電圧を加えることが好ましくない回路がある器具では,各器具の個別規格の

規定によって,その回路の端子を取り外すなどの処置を行う。 

c) 各器具の個別規格の規定によって,充電部と大地との間又は異極充電部間に徐々に電圧を加えて試験

電圧に達した後,これを1分間加える。 

d) 試験電圧の周波数は,各器具の個別規格に特に規定がない場合は商用周波数とする。 

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26 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6.2.16.2 試験装置 

試験装置は,次による。 

a) この試験に用いる電圧調整装置は,6.2.16.3に規定する試験電圧を試験中連続して供試品に加えること

ができなければならない。 

b) 装置は,各器具の個別規格に特に規定がない場合は,正弦波に近い試験電圧を発生しなければならな

い。 

c) 装置は,供試品に電圧を加える場合,無電圧状態から試験電圧に達するまで安全に,かつ,速やかに

電圧を上げることができなければならない。 

6.2.16.3 厳しさ 

この試験の厳しさは,表41による。 

表41−厳しさ 

単位 V 

定格電圧 

試験電圧 

E≦65 

2×E+500 

66≦250 

1 500 

251≦500 

2 000 

500≦690 

2 500 

注記1 電圧は,実効値を示す。 
注記2 Eは,各器具の定格電圧を示す。 

6.2.17 絶縁抵抗試験 

6.2.17.1 試験方法 

試験方法は,次による。 

a) 供試品は,標準状態の試験場所に24時間以上放置し,少なくとも試験場所の温度と温度平衡がとれて

いなければならない。 

b) 電子部品を使用し,試験電圧を加えることが好ましくない回路がある器具では,各器具の個別規格の

規定によって,その回路の端子を取り外すなどの処置を行う。 

c) 各器具の個別規格の規定によって,充電部と大地との間又は異極充電部間に表42に示す電圧を加え絶

縁抵抗を測定する。 

なお,抵抗値は,指針の振れが安定した後に読み取らなければならない。 

d) 他の一連の環境試験の開始前及び試験の終了後,また必要な場合には個々の試験の前後に行う。 

6.2.17.2 試験装置 

試験装置は,JIS C 1302[絶縁抵抗計(電池式)]によるのがよい。 

6.2.17.3 厳しさ 

この試験の厳しさは,表42及び表43に示す試験電圧及び絶縁抵抗値の組合せによる。 

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27 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表42−試験電圧 

表43−絶縁抵抗値 

単位 V 

定格電圧 

試験電圧 

E≦65 

2×E 

min. 24 

E>65 

500 

注記 Eは,各器具の定格電圧を示す。 

絶縁抵抗値 

MΩ 

  1 
  5 
 10 
 20 
 30 
 50 
 60 
100 

絶縁抵抗値は,個別規格の規定による。ただし,規定がない場合は受渡当事者間の協議による。 

6.2.18 EMC(電磁環境適合性)試験 

EMC試験における各ポートの試験及びその合否基準を規定しなければならない。合格基準は,できる限

り定量的な値で規定しなければならない。 

評価のための性能基準は,次による。 

性能基準A 供試品は試験中及び試験後に予期された動作を継続しなければならない。関連機器の規格

及び製造業者発行の技術仕様書で規定される性能低下及び機能喪失は許されない。 

性能基準B 供試品は試験後に予期された動作を継続しなければならない。関連機器の規格及び製造業

者発行の技術仕様書で規定される性能低下及び機能喪失は許されない。ただし,試験中の自己復帰可能な

性能低下又は機能喪失は許されるが,実際の動作状態の変化又は記憶されたデータの変化は許されない。 

性能基準C 試験中及び試験後の一時的な性能低下又は機能喪失は,機能が自己復帰するか,又は関連

機器の規格及び製造業者発行の技術仕様書で規定される制御動作よりも機能復帰が可能であることを条件

とする。 

6.2.18.1〜6.2.18.10で示す試験は対象となる機器によって,実施する試験項目が異なるので表63を参照

して試験を実施する。 

6.2.18.1 放射性エミッション試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) オープンサイト又は電波暗室に測定アンテナ及び供試品を置き,両者間の距離3 mで測定する。 

3) 表44及び表45に示す周波数範囲でピーク値を測定し,制限値に対してマージンが小さい,又は超

えた周波数についてはQP値の測定を行う。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表46による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表44及び表45による。 

d) 判定 船橋及び甲板ゾーンに設置される機器については表44,一般分電ゾーンに設置される機器につ

いては表45に示す制限値を超えてはならない。 

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28 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表44−船橋及び甲板ゾーンに設置される機器の放射性エミッションの制限値 

ポート 

周波数範囲 

制限値 

引用規格 

外被 

150 kHz 〜 300 kHz 
300 kHz 〜 30 MHz 
30 MHz 〜 2 GHz 
ただし, 
156 MHz 〜 165 MHz 

80 dBμV/m 〜 52 dBμV/m 
52 dBμV/m 〜 34 dBμV/m 
54 dBμV/m 

 
24 dBμV/m 

CISPR 16-1 
CISPR 16-2 

表45−一般分電ゾーンに設置される機器の放射性エミッションの制限値 

ポート 

周波数範囲 

制限値 

引用規格 

外被 

150 kHz 〜 30 MHz 
30 MHz 〜 100 MHz 
100 MHz 〜 2 GHz 
ただし, 
156 MHz 〜 165 MHz 

80 dBμV/m 〜 50 dBμV/m 
60 dBμV/m 〜 54 dBμV/m 
54 dBμV/m  

 
24 dBμV/m  

CISPR 16-1 
CISPR 16-2 

表46−試験装置 

試験装置 

詳細 

引用規格 

試験サイト 

距離3 mでの測定が可能なオープンサイト又は電波暗室 

CISPR 16-1 

測定装置 

周波数範囲:150 kHz 〜 2 GHz 
バンド幅: 150 kHz 〜 30 MHz : 9kHz 

30 MHz 〜 2 GHz : 120 kHz 
ただし,156 MHz〜165 MHz : 9 kHz 

検波モード:ピーク値,QP値 

CISPR 16-1 

6.2.18.2 伝導性エミッション試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡をとる。 

2) 疑似電源回路網を供試品用電源と供試品の電源ポート間に接続し,電源ポートとアース間の雑音電

圧を測定する。 

3) 表47及び表48に示す周波数範囲でピーク値を測定し,制限値に対してマージンが小さい,又は超

えた周波数についてはQP値の測定を行う。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表49による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表47及び表48による。 

d) 判定 船橋及び甲板ゾーンに設置される機器については表47,一般分電ゾーンに設置される機器につ

いては表48に示す制限値を超えてはならない。 

表47−船橋及び甲板ゾーンに設置される機器の伝導性エミッションの制限値 

ポート 

周波数範囲 

制限値 

引用規格 

電源,信号及び
制御 
 

10 kHz 〜 150 kHz 
150 kHz 〜 350 kHz 
350 kHz 〜 30 MHz 

96 dBμV 〜 50 dBμV 
60 dBμV 〜 50 dBμV 
50 dBμV 

CISPR 16-1 
CISPR 16-2 

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29 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表48−一般分電ゾーンに設置される機器の伝導性エミッションの制限値 

ポート 

周波数範囲 

制限値 

引用規格 

電源,信号及び
制御 

10 kHz 〜 150 kHz 
150 kHz 〜 500 kHz 
500 kHz 〜 30 MHz 

120 dBμV 〜 69 dBμV 
79 dBμV  
73 dBμV  

CISPR 16-1 
CISPR 16-2 

表49−試験装置 

試験装置 

詳細 

引用規格 

疑似電源回路網 

疑似電源V形ネットワーク 

CISPR 16-1 

測定装置 

周波数範囲:10 kHz 〜 30 MHz 
バンド幅: 10 kHz 〜 150 kHz : 200 Hz 

150 kHz 〜 30 MHz : 9 kHz 

検波モード:ピーク値,QP値 

6.2.18.3 伝導低周波妨害試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) 供試品の電源ポートに試験装置を接続し,表50に示す試験信号を電源ポートに重畳し,供試品の動

作状況を観察する。 

3) 周波数の掃引速度は,供試品の誤作動を観察できるような十分な速度とする。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表51による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表50による。 

d) 判定 性能基準Aを満足しなければならない。 

表50−伝導低周波妨害試験 

ポート 

試験信号 

引用規格 

AC電源 

50 Hz 〜 900 Hz:AC電源電圧の10 % 
900 Hz 〜 6 kHz:10 % 〜 1 % 
6 kHz 〜 10 kHz:1 % 

JIS C 61000-4-16 
JIS F 8081 

DC電源 

50 Hz 〜 10 kHz:DC電源電圧の10 % 

表51−試験装置 

試験装置 

詳細 

引用規格 

低周波発信器 

周波数範囲:50 Hz 〜 10 kHz 

JIS C 61000-4-16 
JIS F 8081 

電力増幅器 

低周波発信器からの信号を増幅し,分離形ト
ランスへ供給する。 

分離形トランス 

出力インピーダンス:1 Ω以下 

6.2.18.4 電源変動試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) 供試品の電源ポートに試験装置を接続し,表52に示す周波数及び電圧を印加し,供試品の動作状況

を観察する。 

供試品の電源がACの場合は,組合せの番号1から6までの条件でそれぞれ行う。 

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30 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 試験装置 表52に示す電圧及び周波数を発生できなければならない。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表52による。 

d) 判定 性能基準Aを満足しなければならない。 

表52−電源変動試験 

ポート 

試験値 

引用規格 

AC電源 

組合せの 

番号 

電圧変動 

(整定時 %) 

周波数変動 

(整定時 %) 

JIS C 61000-4-11 

+ 6 

+5 

+ 6 

−5 

−10 

−5 

−10 

+5 

過渡電圧 

(1.5秒間) 

過渡周波数 

(5秒間) 

+20 

+10 

−20 

−10 

蓄電池以外の 

DCポート 

電圧変動許容値 

±10 % 

JIS C 61000-4-17 
IEC 61000-4-29 

電圧周期変動 

 5 % 

電圧リプル 

10 % 

蓄電池による 

DCポート 

充電中に給電されるもの 

−25,+30 % 

− 

充電中に給電されないもの 

−25,+20 % 

6.2.18.5 電源喪失試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品に定格電圧及び定格周波数の電源を接続し,電源スイッチの“入”,“切”を3回加える。 

2) 電源“切”の時間は,60秒とする。 

b) 判定 性能基準Cを満足しなければならない。 

6.2.18.6 ファストトランジェント/バースト試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) 表53に示す試験信号を電源ポート及び信号及び制御ポートに印加し,供試品の動作状況を観察す

る。 

3) 電源ポートに印加する場合はカップリング/デカップリング装置(CDN)を介して,信号及び制御

ポートに印加する場合は容量性クランプを使用し,正負極性で各5分,計10分間印加する。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表54による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表53による。 

d) 判定 性能基準Bを満足しなければならない。 

表53−ファストトランジェント/バースト試験 

ポート 

試験信号 

振幅 

引用規格 

AC電源 
DC電源 

単一パルスの立ち上がり時間:5 n秒 
パルス幅:50 n秒(50 %値) 
バースト時間:300 m秒 
バースト長:15 m秒 
極性当たりの持続時間:5分 

2 kV 

JIS C 61000-4-4 

信号及び制御 

1 kV 

JIS C 61000-4-4 

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31 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表54−試験装置 

試験装置 

試験ポート 

引用規格 

試験発生器 

− 

JIS C 61000-4-4の6.1に適合するもの 

CDN 

電源ポート 

JIS C 61000-4-4の6.2に適合するもの 

容量性クランプ 

信号,制御ポート 

JIS C 61000-4-4の6.3に適合するもの 

6.2.18.7 サージ電圧試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) 表55に示す試験信号を電源ポートのライン間及び電源ポートのラインとアース間に印加し,供試品

の動作状況を観察する。 

3) 試験信号は,正負各5回計10回行う。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表56による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表55による。 

d) 判定 性能基準Bを満足しなければならない。 

表55−サージ電圧試験 

ポート 

試験値 

振幅 

引用規格 

AC電源 
DC電源 

立ち上がり時間:1.2 μ秒 

(10 %と90 %との間) 
パルス幅:50 μ秒(50 %値) 

パルス間隔:1分 
パルス数:正負極性で各5回 

ライン対ライン:0.5 kV 
ライン対アース:1 kV 

JIS C 61000-4-5 

表56−試験装置 

試験装置 

試験ポート 

引用規格 

試験発生器 

− 

JIS C 61000-4-5の6.1に適合するもの 

カップリング/デカップリング・ 
ネットワーク 

電源ポート 

JIS C 61000-4-5の6.3に適合するもの 

6.2.18.8 伝導高周波妨害試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) 供試品をアース基準面から0.1 mの高さにある絶縁支持台の上に置き,供試品から0.1〜0.3 mの位

置にカップリング/デカップリング装置(CDN)を取り付け,これに試験信号を印加する。 

3) CDNを取り付けることができない場合は,EMクランプを使用して試験信号を印加する。 

4) 表57に示す試験信号を電源ポートとアース間,及び信号,制御ポートとアースとの間に印加し,供

試品の動作状況を観察する。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表58による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表57による。 

d) 判定 性能基準Aを満足しなければならない。 

background image

32 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表57−伝導高周波妨害試験 

ポート 

試験値 

引用規格 

電源,信号及び
制御 

周波数範囲:(10 kHz)150 kHz 〜 80 MHz 
振幅:3 V/rms 
変調:1 kHzにおいて80 %振幅変調 
周波数掃引率:≦1.5×10−3 デカード/秒 

(又は1 %/3秒) 

 
船橋及び甲板ゾーンに設置される機器に対して
は次の試験を追加する。 
スポット周波数2,3,4,6.2,8.2,12.6,16.5,
18.8,22,25 MHzにおいて振幅10 V/rms 

JIS C 61000-4-6 

表58−試験装置 

試験装置 

試験ポート 

引用規格 

試験発生器 

− 

JIS C 61000-4-6の6.1に適合するもの 

CDN 

電源, 
信号及び制御 

JIS C 61000-4-6の6.2.2に適合するもの 

EMクランプ 

信号及び制御 

JIS C 61000-4-6の6.2.3に適合するもの 

6.2.18.9 静電気放電(ESD)試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) 表59に示す試験信号を外被ポートに印加し,供試品の動作状況を観察する。 

3) 供試品はそれより各面が0.5 m以上大きい金属製アース板の上に,絶縁して設置する。 

4) 試験電圧は,通常の使用状態で作業者がアクセス可能な点及び面に印加する。ESD発生器は,毎秒

20回の放電をしながら探索して選択した放電可能な位置に,表面に垂直に持ち,次に各位置で,正

負の放電を10回,供試品の誤作動が観察できるよう,最低1秒の間隔で行う。 

5) 接触放電が望ましいが,製造業者が示す絶縁塗装面など,接触放電が不可能な場合には,気中放電

を行う。 

6) 機器の近くに配置又は設置された物体への放電を模擬するために,アース板上の供試品の各側面か

ら0.1 mの位置に,単一の接触放電を正負10回印加する。さらに,垂直結合版(VCP)の一つの端

部中央に,10回放電を行う。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表60による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表59による。 

d) 判定 性能基準Bを満足しなければならない。 

表59−放電試験 

ポート 

試験信号 

引用規格 

外被 

接触放電:6 kV 
気中放電:8 kV 
単一放電の間隔:1秒 
パルスの数:極性当たり10 

JIS C 61000-4-2 

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33 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表60−試験装置 

試験装置 

試験ポート 

引用規格 

試験発生器 

エネルギー蓄積コンデンサ:150 PF 
放電抵抗:330 Ω 

JIS C 61000-4-2の6. に適合するもの 

水平結合板(HCP) 

1.6 m×0.8 m 

JIS C 61000-4-2の7.1.1に適合するもの 

垂直結合板(VCP) 

0.5 m×0.5 m 

JIS C 61000-4-2の7.1.1に適合するもの 

6.2.18.10 高周波放射電磁界試験 

a) 試験方法 試験方法は,次による。 

1) 供試品は,標準状態の試験場所の温度と温度平衡がとれていなければならない。 

2) 供試品を,均一電界をもつ,電波暗室内に置かれた高さ0.8 mの非金属製のテーブルに置く。 

3) 特に規定がない場合は,供試品の配線は非シールド平行導線を使用し,供試品から1 mの間,電界

にさらす。 

4) 電界発生アンテナを供試品の4側面に向けて,表61に示す電界を,水平偏波,垂直偏波でそれぞれ

について加え,供試品の動作を観察する。 

b) 試験装置 この試験に用いる試験装置は,表62による。 

c) 厳しさ この試験の厳しさは,表61による。 

d) 判定 性能基準Aを満足しなければならない。 

表61−高周波放射電磁界試験 

ポート 

試験値 

引用規格 

外被 

周波数範囲:80 MHz 〜 2 GHz 
電界強度:10 V/m 
変調:1 kHzにおいて80 %振幅変調 
周波数掃引率:≦1.5×10−3 デカード/秒 

(又は1 %/3秒) 

JIS C 61000-4-3 

表62−試験装置 

試験装置 

詳細 

引用規格 

電波暗室 

均一電界領域: 

高さ0.8 m 〜 2.3 m,幅1.5 mの範囲で

16の測定ポイント中,少なくとも12ポイ
ントが公称値の0 dB 〜 +6 dBであること 

JIS C 61000-4-3の6. に適合するもの 

試験発生器 

周波数範囲:80 MHz〜2 GHz 
電界強度 10 V/m 

JIS C 61000-4-3の6. に適合するもの 

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34 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表63−機器試験マトリクス 




機器及び設置

グループ 

適応装置の例 

放射性
エミッ
ション 

伝導性
エミッ
ション 

伝導低
周波妨

害 

電源 
変動 

電源 
喪失 

ファス
トトラ
ンジェ
ント/
バース

ト 

サージ

電圧 

伝導高
周波妨

害 

静電気

放電

(ESD) 

高周波
放射電

磁界 

無線通信及び 
航海機器 

船用無線通信及び 
航海機器,システム 

船用無線通信及び航海機 
器用送受信機 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

発電及び変換 
装置 

電気機器 

誘導モータ,発電機 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

同期機器 

○ 

○ 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

直流機器 

○ 

○ 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

電気装置によって制御さ 
れる電気機器 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

特別電気機器 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

励磁装置 

AVR,自動電圧調整器 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

AVR付加装置 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

変換装置 

サイクロコンバータ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

シンクロコンバータ 
(DCリンク) 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

パルス副変換装置 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

直流変換装置 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

トランス 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

パルス電源で 
動作する装置 

航海装置 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

遮断装置及び 
制御装置 

サーキットブレーカ 
/コンダクタ 

− 

− 

− 

○ 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

− 

電気制御装置 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

リレー制御装置 

− 

− 

− 

− 

− 

○ 

− 

○ 

− 

− 

− 

通信及び信号 
処理装置 

電気式警報監視装置 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

電気式制御装置 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

自動化システム 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

コンピュータ,検出器 

− 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

5

F

 0

8

0

8

2

0

0

9

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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35 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表63−機器試験マトリクス(続き) 




機器及び設置

グループ 

適応装置の例 

放射性
エミッ
ション 

伝導性
エミッ
ション 

電動低
周波妨

害 

電源 
変動 

電源 
喪失 

ファス
トトラ
ンジェ
ント/
バース

ト 

サージ

電圧 

電動高
周波妨

害 

静電気

放電

(ESD) 

高周波
放射電

磁界 

非電気部分及 
び装置 

索具 

二次的広帯域妨害の発生 

不適用 

統合システム 異なる区域にある装

置,検出器をもつ積荷
監視装置 

各装置,システムにおけ
る試験 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

統合航海システム 

各装置,システムにおけ
る試験 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

統合ブリッジシステ
ム 

各装置,システムにおけ
る試験 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

○ 

注記 表内の○印は,試験が必要なことを示す。 

5

F

 0

8

0

8

2

0

0

9

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き、本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

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F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(参考) 

個別規格への適用 

序文 

この附属書は,環境試験を個別規格で規定する場合の適用方法についての参考例を示すもので規定の一

部ではない。 

A.1 個別規格への適用 

個別規格における環境試験の試験項目及び試験の厳しさは,その個別規格で対象とする器具の想定する

設置場所によって区分し,表A.1〜表A.3のように選定して適用する。 

表A.1−器具の設置場所の環境等級区分 

環境等級 

設置場所(例) 

(居住区の空調区画又は類似の区画) 

私室,公室,事務室,病室,内部通路,階段室 

機関部制御室,荷役制御室,無線室,電気機器室 

操だ室,海図室 

(居住区内の一般倉庫及びロッカー) 

乾物庫,手荷物庫などの倉庫,無線機,海図,事務用品などのロッカー 

(居住区で,高温,多湿となる可能性のある場所) 

配膳室,洗面所 

(外気が侵入し,また外壁が日射を受ける区画) 

一般貨物倉,甲板倉庫,暴露部に出入口がある倉庫 

油圧ポンプ室,貨物倉用通風機室,炭酸ガスボトル室 

蓄電池室,自走式自動車倉,貨物油ポンプ室一般,酸素ボトル室,塗料庫 

(居住区で,高温,多湿となる可能性のある場所) 

調理室,浴室,洗濯室 

(機関室又は同等の区画) 

機関室一般,油清浄機室,非常用発電機室,操だ機室 

(機関室より多湿だが,温度条件は機関室より緩やかな区画) 

機関室の床下,バウスラスタ室,バラストポンプ室,非常用消火ポンプ室,軸室,キール
ダクト 

貨物油ポンプ室の床下 

(高温多湿であり,低温にはならない区画) 

乾燥室,ボイラー室,煙突室,機関室上部の高温場所 

(暴露部で,かつ,波浪の影響がある場所) 

船首ろう(楼)甲板上,上甲板上 

(一般的な暴露部) 

暴露部一般,マスト及びポスト 

(冷蔵区画) 

糧食用冷蔵庫,冷凍貨物庫 

注記 爆発性ガスが集積する可能性がある場所に設置する器具は,防爆性能も要求される。 

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37 

F 0808:2009  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表A.2−環境等級に対する環境試験項目及びその厳しさ 

環境試験項目 

環境等級 

低温試験(漸変) 

− 

−20 ℃ 
 16 h 

−40 ℃ 
 72 h d) 

高温乾燥試験(漸変) 

55 ℃ 72 h 

70 ℃ 72 h 

− 

熱衝撃試験 

方法2及び方法5 ただし,灯具のガラスに適用 

電源変動試験a) 

電圧:

6

10

+−

 %,周波数±5 % 

振動試験b) 

A1−B1・0.5・1.5H 

外被の保護性能試験c) 

JIS F 8062を参照。 

注a) 電源変動が器具の性能に影響を与える場合だけに適用する。 

b) JIS F 8006による。 

c) JIS F 8007による。 

d) 一例を示す。厳しさは,受渡当事者間の協定による。 

注記1 必要がある場合は,個別規格で一部の試験項目に対して,厳しさを変更してもよい。 
注記2 必要がある場合は,傾斜試験,動揺試験,自由落下試験など特別の試験項目を個別規格

へ適用する。 

なお,器具の設計,試作段階では,表A.3に示す環境試験を考慮することを推奨する。 

表A.3−設計,試作段階での環境試験項目及びその厳しさ 

環境試験項目 

環境等級 

低温試験 

−25 ℃ 

16 h 

−25 ℃ 

72 h 

−40 ℃ 

96 h 

温湿度サイクル試験 

− 

方法2 

40 ℃ 

1サイクル 

方法2 

55 ℃ 

1サイクル 

方法2 

55 ℃ 

2サイクル 

方法2 

55 ℃ 

4サイクル 

− 

塩水噴霧試験 

− 

− 

− 

濃度5 % 

48 h 

濃度5 % 

96 h 

−