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F 0412 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工

業規格である。これによって,JIS F 0412-1990は改正され,この規格に置き換えられる。 

今回の改正では,国際規格との整合を図るために,対応国際規格の技術的内容を変更することなく採用

し,規定内容の一部を改正した。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 0412 : 1998 

船舶機関部機器類の警報 

及び表示の方式 

Alarming and indicating system of equipment used for 

engine department in ships 

序文 この規格は,1982年に第1版として発行されたISO 2412, Shipbuilding−Colours of indicator lightsを

元に,対応する部分(表示灯の色)については対応国際規格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作

成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定項目を日本工業規格として追加し

ている。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,船の機関部機器類の表示灯の色について規定するとともに,その運転,制御,

異常などの状態についての状態表示及び動作並びに可聴警報器の動作について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 2412 Shipbuilding−Colours of indicator lights 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS F 9001 船内総合情報システム設計通則 

JIS Z 9101 安全色及び安全標識 

備考 ISO 3864, Safety co1ours and safety signs(1)からの引用事項は,この規格の該当部分と同等である。 

注(1) 現在は,見直し作業中である。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 可視表示器 表示灯,CRTディスプレーの映像表示装置の総称。 

b) 可聴警報器 ブザー,ベルなどの発音警報機器の総称。 

c) ブザー停止 可聴警報器の動作を確認して,その動作を停止する。 

d) 点滅及びブリンク停止 可視表示器の点滅及びブリンク動作を確認して,その動作を停止する。 

e) ランプリセット 可視表示器の動作を確認して,その動作を変える。 

f) 

ランプレスト 可視表示器の動作を確認して,その動作を停止する。 

g) 異常停止 異常発生によって,運転中の機器が自動的に停止する。 

h) 手動停止 運転中の機器を人為的に停止させる。 

i) 

ランプテスト 表示灯の点灯試験。 

F 0412 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

j) 

ブザーテスト 可聴警報器の動作試験。 

k) 延長警報表示 機関部警報を1個又は数個で代表し,操だ室及び機関士居住区域(機関長室,機関士

室,総合事務室,職員食堂など)に延長して設ける警報表示。 

l) 

CRTディスプレー CRT, LCDなどのVDU (Video Display Unit) の総称。 

m) 点滅 表示灯,文字,記号などの点滅表示。 

n) 反転 文字,記号などの色が抜けて縁どりされた部分が指定色となって表示される。 

o) ブリンク 反転の状態からの点滅,又は反転の状態における縁どりされた部分だけの点滅。 

4. 色及びその意味 表示灯の色及び動作については次によるものとし,CRTディスプレーの表示は,JIS 

F 9001の附属書1(カラー表示装置への表示方法)による。 

4.1 

表示灯の色 表示灯を装備する場合の色は,表1に示す意味で使用しなければならない。適用例も

同じく表1に示す。 

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F 0412 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 表示灯の色 

色 

意味 

内容 

代表的な適用 

赤 

危険又は警報 

危険の警告又は直ちに行動を

起こす必要がある事態。 

極めて重要な機械,例えば操だ機,推進機関用潤滑油ポンプ又はモ
ータの停止(1)。 

推進機関,油圧装置,その他の潤滑システムの圧力低下,温度及び

圧力の値(水,油その他)の臨界レベル到達,基本的な回路の破損。 

主機トリップのオーバーライド等特に注意を要する状態などの表
示。 

ACB開。 

黄(2) 

注意 

状態の変化又は変化の切迫。 

温度及び圧力の値が正常水準と違ってはいるが,危機的ではない場

合。 

緑 

安全(正常運転及

び正常作業状態) 

安全状態の指示。 

機械の運転は正常である。 

液体は循環している。 

圧力,温度,電流その他が限度内にある。 

ACB閉。 

青 

指示/情報 

(対象とする場

合の必要に従っ

て割り当てられ

る特定の意味。) 

青は上記の赤,黄及び緑の3

色に含まれない特定の意味を

与えることができる。 

モータ準備完了。 

無負荷発電機接続準備完了。 

休止電気機械用の電熱回路。 

白(3) 

特定の意味なし

(中立) 

どのような意味ももたせられ

る赤,黄及び緑の3色を使用

することに疑問がある場合,

例えば,確認の場合にいつで

も使用できる。 

アース絶縁指示器。 

同期ランプ。 

電話の呼出し。 

自動制御の機器。 

電源表示。 

注(1) モータの停止警報を設ける場合には,表示灯の色は赤色とすることであって,停止警報を設けることを要求

するものではない。 

(2) 黄赤色(橙色)も含む。 
(3) 透明色も含む。 

備考1. ランプの意味を色の解釈だけに依存してはならない。 

2. 補足情報として銘板/彫り込み文を使用しなければならない。 
3. 色の数の選択並びに点滅灯及び定常灯の使用は,警報システム及び信号システムの性質によって変わる。

一般には,すぐ行動を起こす必要がある事態を示すには,点滅赤を使用しなければならない。 

4. これらの色の意味は,JIS Z 9101 (ISO 3864) に合致している。選ばれた色は,相互に区別できなければな

らない。 

5. 表示ランプの色の選択は,装置の操作者にとって最も重要なのはどの情報かということによって変わる。 

4.2 

表示灯の動作 表示灯の動作の区分及びその表示する内容は,表2による。 

表2 表示灯 

区分 

表示の内容 

点灯 

ある継続した状態を表す。 

滅灯 

点滅 

異常状態発生を表すか,又は正常状態から変化したことを表す。 

備考1. 点灯を,更に強点灯,弱点灯に区分して表示してもよい。 

2. 点滅の周期は,約1秒とする。 

点滅の周期を変えて2種以上の状態を表してもよい。 

3. 表示器の動作は標準動作を示すものであり,動作パターンは6.の規定による。 
4. 警報表示は,可聴警報器と併用する。 

5. 可聴警報器 可聴警報器は,次による。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 可聴警報器は,緊急度及び環境騒音によるマスキング[隠ぺい(蔽)効果]を考慮した音量及び音質

をもたなければならない。 

b) 可聴警報器の動作は,連続又は断続とする。 

備考1. 可聴警報器は,ベル,ブザー,ゴング,サイレン,クラクション,エアホーン,電子ホーン

などとする。 

2. 警報の内容によっては,音の周波数を変えて区別してもよい。 

6. 警報表示 

6.1 

圧力,温度,液面,スタンバイ自動切換などの警報 制御場所又は監視場所に備える圧力,温度,

液面,スタンバイ自動切換などの警報表示の動作パターンは,図1及び図2のとおりとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. 種類の記号は,Aは圧力,温度,液面,スタンバイ自動切換などの一般的警報表示を表し,Mはメモリ式を

表す。 

2. ∨印は,状態の変化したことを示す。 
3. 可聴警報器は,ブザーで例示した。 
4. 点滅停止又はランプリセットは,ブザー停止の後でなければできない。 
5. ランプレストは,必要な場合に設け,ブザー停止,点滅停止又はランプリセットの後でなければ有効でなく,

かつ,正常復帰後は自動的に回路がリセットされるものでなければならない。 

なお,ランプレストを設けた場合の動作パターンは,破線のようになる。 

6. ランプテスト及びブザーテストは,任意に行えなければならない。 

図1 圧力,温度,液面,スタンバイ自動切換などの警報表示の動作パターン 

(表示灯の場合) 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. 種類の記号は,CはCRT方式を示し,Aは圧力,温度,液面,スタンバイ自動切換などの一般的警報表示を

表し,Mはメモリ式を表す。 

2. ∨印は,状態の変化したことを示す。 
3. 可聴警報器は,ブザーで例示した。 
4. 点滅停止は,ブザー停止の後でなければできない。 
5. ブザーテストは,任意に行えなければならない。 
6. 可視表示はチャネル番号,警報表示記号,状態表示記号のいずれか又はそれらの組合せによってもよい。 

図2 圧力,温度,液面,スタンバイ自動切換などの警報表示の動作パターン 

(CRTディスプレーの場合) 

6.2 

運転表示及び停止警報表示 制御場所又は監視場所に備えるポンプなどの運転表示及び停止警報表

示の動作パターンは,図3又は図4のとおりとする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

図3 運転表示及び停止警報表示の動作パターン 

(表示灯の場合) 

備考1. 種類の記号は,2は2灯式,1は1灯式を表し,RAは運転表示及び停止警報表示を表す。 

2. ∨印は,状態の変化したことを示す。 
3. 可聴警報器は,ブザーで例示した。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 点滅停止は,ブザー停止の後でなければできない。 
5. ランプレストは必要な場合に設け,ブザー停止(2RA3形では点滅停止)の後でなければ有効ではなく,かつ,

運転によって自動的に回路がリセットされるものでなければならない。ただし,2RA3形では,点滅停止とラ
ンプレストを一操作で行ってもよい。 

6. ランプテスト及びブザーテストは,任意に行えなければならない。 

備考1. 種類の記号Cは,CRT方式を示し,RAは運転表示及び停止警報表示を表す。 

2. ∨印は,状態の変化したことを示す。 
3. 可聴警報器は,ブザーで例示した。 
4. 点滅停止は,ブザー停止の後でなければできない。 
5. ブザーテストは,任意に行える。 
6. 警報可視表示は,チャネル番号,警報表示記号若しくは停止表示記号のいずれか又はそれらの組合せによっ

てもよい。 

図4 運転表示及び停止警報表示の動作パターン 

(CRTディスプレーの場合) 

7. 機関の無人化を行う船の延長警報表示 機関の無人化を行う船の延長警報表示の動作パターンは,図

5のとおりとする。また,警報系統の例を図6及び図7に示す。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考1. 延長警報信号は,一般に制御場所又は監視場所に備えた警報表示装置から得られる。 

2. 種類の記号は,EAは延長警報表示を表す。 
3. 可聴警報器は,ブザーで例示した。 
4. 正常復帰には,制御室での点滅停止,ランプリセット又はランプレストの状態を含める。 
5. ブザー停止の前に制御室ブザー停止を行った場合の動作パターンは,異常発生から直ちに制御室ブザー停

止の状態に移る。 

6. 破線は,機関部警報の信号パターンを示し,状態4の場合は,同一グループ内の新異常発生のパターンの

併記を示す。 

図5 延長警報表示の動作パターン 

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10 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 

は,操作を示す。 

図6 延長警報表示の系統例(その1) 

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11 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

備考 

は,操作を示す。 

図7 延長警報表示の系統例(その2) 

関連規格 IEC 60073 Basic and safety principles for man-machine interface, marking and identification−

Coding principles for indication devices and actuators 

12 

F 0412 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

吉 田   勲 

エヌケーケー総合設計株式会社電気計装技術部 

(委員) 

柴 田 幸 久 

財団法人日本海事協会 

古 澤 博 司 

日本郵船株式会社工務グループ 

太 田 克 彦 

昭和海運株式会社船主企画部 

中 嶋 孝 雄 

ナビックスライン株式会社海技安全部 

中 島 博 信 

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部 

富 田 洋 司 

川崎重工業株式会社船舶事業本部 

萩 中 和 雄 

株式会社サノヤス・ヒシノ明昌設計室造船設計部 

大 矢 昭 三 

アンリツ株式会社通信システム事業部 

植 田 眞 義 

寺崎電気産業株式会社舶用事業技術部 

佐 野 良 幸 

横河電子機器株式会社産業営業本部 

榊 原 美 夫 

明陽電機株式会社 

酒 井 捷 夫 

山武ハネウエル株式会社工業システム事業部 

吉 田 久 明 

日本無線株式会社営業技術部 

杉 田 英 二 

株式会社アイ・イー・エム 

鹿 股 信 幸 

運輸省海上技術安全局 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

久 保 明 博 

財団法人日本船舶標準協会