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F 0401 : 1999  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工

業規格である。これによってJIS F 0401-1989は改正され,この規格に置き換えられる。 

JIS F 0401には,次に示す附属書がある。 

附属書(規定) 各出力の相互比率及び運転許容範囲の詳細 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 0401 : 1999 

船用内燃主機関の出力の 

呼び方及びその定義 

Shipbuilding−Terminology and definition of output 

of internal combustion propulsion engines 

序文 この規格は,1995年に第4版として発行されたISO 3046-1, Reciprocating internal combustion engines

−Performance−Part 1 : Standard reference conditions, declarations of power, fuel and lubricating oil consumptions, 

and test methodsを翻訳し,対応する部分(船用内燃主機関の出力の呼び方及びその定義)については,技

術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定されていない規定内

容を追加した。 

また,附属書には,JIS F 0401-1989で規定していた,船に装備された主機の出力の呼び方及びその定義の

一部であった各出力の相互比率及び運転許容範囲の詳細を規定している。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,船に装備される内燃主機関の出力の呼び方及びその定義について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 3046-1 Reciprocating internal combustion engines−Performance−Part 1 : Standard reference 

conditions, declarations of power, fuel and lubricating oil consumptions, and test methods 

2. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 図示出力 (Indicated power) ピストンに作用する作動ガスの圧力によって,シリンダ内で発生する出

力の総和。 

b) ブレーキ出力 (Brake power) 機関の動力取り出し軸における出力の総和。 

c) 補機 

1) 従属補機 (Dependent auxiliary) 機関の軸出力 (shaft output) に影響を及ぼす補機。 

2) 独立補機 (Independent auxiliary) 機関以外の動力源によって駆動する補機。 

3) 必す(須)補機 (Essential auxiliary) 機関の連続又は繰返し運転に欠くことができない補機。 

4) 任意補機 (Non-essential auxiliary) 機関の連続又は繰返し運転に直接必要でない補機。 

3. 出力の呼び方の種類 主機の出力は,次の大気条件及び運転条件下において調整,決定された出力と

する。 

なお,各出力表示の相互関係を図1に示す。 

a) ISO出力 (ISO power)  機関製造業者の運転台の運転条件の下で確認された出力で,かつ,次に示す

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

標準大気条件に修正又は調整した出力。 

大気圧 Pr=100kPa 

大気温度 Tr=298K (tr=25℃) 

相対湿度 φr=30% 

給気冷却器冷却水温度 Tcr=298K (tr=25℃) 

備考 大気温度298Kにおける相対湿度30%は,水蒸気分圧1kPaに相当し,したがって,大気の乾燥

空気分圧は99kPaとなる。 

b) ISO標準出力 (ISO standard power)  機関製造者が指定する通常整備間隔の期間,従属補機を用いて

次の条件の下で,その機関が連続して出し得る連続ブレーキ出力。 

1) 機関製造業者の運転台の諸条件及び指定された回転速度。 

2) a)で与えられる標準大気条件に修正又は調整した出力。 

3) 機関製造業者が指定した保守条件。 

c) サービス出力 (Service power)  機関を使用する大気条件及び運転条件において,決定された出力。

サービス出力を決定するには,次の事項を考慮しなければならない。 

1) 公的若しくはこれに準じる機関又は注文者が指定する大気条件。 

備考 例えば,国際船級協会連合 (IACS) の規格を適用とする船用の主機関及び補助機関には,航路

に制限がない場合には,次の大気条件を使用する。 

大気圧 Px=100kPa 

大気温度 Tx=318 (tx=45℃) 

相対湿度 φx=60% 

海水温度(給気冷却器冷却水温度)  Tex=305K (tex=32℃) 

d) サービス標準出力 (Service standard power) 機関製造者が指定する通常整備間隔の期間,従属補機を

用いて次の条件で,その機関が連続して出し得る連続ブレーキ出力。 

1) 機関が使用される大気条件及び運転条件,並びに運転条件の中で指定された回転速度。 

2) 機関が使用される指定大気条件及び運転条件に合わせて,修正又は調整した出力。 

3) 機関製造業者が指定した保守条件。 

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備考1. ISO標準出力は,

から成る。 

サービス標準出力は,

から成る。 

2. 燃料制限出力 (Fuel stop power) とは,その作業に応じた期間,指定された回転速度,指定された大気条件下

で,制限された燃料供給量で出し得る出力で,機関出力はこの出力を超えることはできない。 

図1 出力表示を示す図 

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4. 負荷としての出力の種類 負荷とは,機関の被駆動装置によって機関に対して要求される“出力”又

は“トルク”の大きさを表す一般用語であり,通常,呼び出力又はトルクの割合として表される。負荷と

しての出力の種類としては,次に示す種類がある。 

a) 連続出力 (Continuous power)  所定の回転速度,所定の大気条件及び機関製造業者が指定した保守

条件で,機関製造業者が指定した通常整備間隔の期間,連続して出し得る出力。 

b) 過負荷出力 (Overload power)  所定の大気条件で,連続出力運転直後に,機関が出すことが許され

る出力,その許容される期間及び頻度は,使用される条件による。 

特別な指示がない場合には,機関の使用条件に応じた回転速度で12時間の運転のうち,連続又は断

続的に合計1時間,連続出力の110%の過負荷出力が許容される。その許容期間は,連続出力の110%

までの任意の過負荷出力にも適用する。 

機関の適用が定められていないときは,機関製造業者は過負荷出力とその場合の回転速度とを指定

しなければならない。 

参考1. 常用出力 (Normal power) 航海速力を得るために常用する出力で,機関の効率及び保全上か

ら経済的な出力とし,表示は連続出力との割合で表される。 

2. 後進出力 (Astern power) 船の後進時における最大の出力とする。 

5. 動力としての出力の種類 図示出力とブレーキ出力がある。これらの出力の単位は,kWとする。ISO

標準出力及びサービス標準出力の場合を除き,ブレーキ出力を呼称するときには,次に示す補機のリスト

も指示しなければならない。 

a) 3.c)1)及び3.c)3)で定義する必す(須)従属補機。 

b) 3.c)2)及び3.c)3)で定義する必す独立補機。 

c) 3.c)1)及び3.c)4)で定義する任意従属補機。 

b)及びc)のリストに示される補機によって吸収される出力が無視できないほど大きい場合は,それ

らの補機の必要動力を表示しなければならない。 

6. 運転許容範囲 固定ピッチプロペラを用いた舶用主機関に対する代表的な例を,図2に示す。 

機関製造業者は,図2に示すような出力−回転速度線図によって必要な情報を注文者に提供しなければ

ならない。 

また,回転速度,軸トルク,平均有効図示出力などを考慮した各主機の運転許容範囲の詳細を,附属書

に示す。 

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図2 内燃主機運転範囲線図 

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附属書(規定) 各出力の相互比率及び運転許容範囲の詳細 

1. 適用範囲 この附属書は,JIS F 0401-1989に規定された各出力の相互比率及び運転許容範囲の詳細に

ついて規定する。 

2. 各出力の相互比率 各出力の相互比率は,主機の種類・形式によって異なるが,出力だけを基準とし

た連続出力に対するものは,およそ附属書表1の範囲である。 

附属書表1 連続出力に対する各出力の相互比率 

出力 

主機 

過負荷出力 

常用出力 

後進出力 

内燃機関 

101〜110% 

85〜95% 

30〜40% 

備考 後進出力は,連続出力時の70%回転速度の状態である。 

3. 運転許容範囲 回転速度,軸トルク,平均有効図示出力などを考慮した各主機の運転許容範囲は,一

般に附属書図1のとおりである。ただし,連続出力時の回転速度及び出力を100%とする。 

備考 この線図に規定した値については,代表的な値であり,具体的には機関製造業者側との協議によ

る。 

附属書図1 内燃主機運転範囲線図 

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原案担当作業委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

柿 原   実 

株式会社エイ・ディー・ディー 

穂 森 繁 弘 

財団法人日本海事協会 

鈴 木 博 信 

社団法人日本舶用工業会 

川 嶋 民 夫 

日本郵船株式会社 

杉 山 知 徳 

石川島播磨重工業株式会社船舶海洋事業本部東京第一工場 

花 崎   襄 

川崎重工業株式会社船舶事業本部 

秋 本 義 紀 

住友重機械工業株式会社船舶艦艇鉄構事業本部 

柴 田 菊 夫 

NKK総合エンジニアリング事業部船舶・海洋本部 

熊 谷   猛 

日立造船株式会社船舶・防衛事業本部 

池 田   敏 

三井造船株式会社千葉事業所船舶・艦艇事業部 

林   洋一郎 

三菱重工業株式会社下関造船所船舶海洋部 

筏   継 雄 

ダイハツディーゼル株式会社技術第一部 

桶 谷 敏 行 

株式会社新潟鉄工所原動機事業部 

大 島 宗 紀 

阪神内燃機工業株式会社東京支店 

西 村 孝 昭 

ヤンマーディーゼル株式会社特機事業本部 

小宮山 豊 海 

株式会社赤阪鉄工所技術本部 

杉 田 英 二 

株式会社アイ・イー・エム 

鹿 股 信 幸 

運輸省 

橋 本 繁 晴 

財団法人日本規格協会 

(事務局) 

小 郷 一 郎 

財団法人日本船舶標準協会