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F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 一般要求事項 ··················································································································· 2 

4.1 必要な情報 ··················································································································· 2 

4.2 フォーマット ················································································································ 3 

4.3 単位と定義 ··················································································································· 3 

4.4 図 ······························································································································· 3 

5 オーナ用マニュアルの内容 ································································································· 3 

5.1 一般 ···························································································································· 3 

5.2 序文 ···························································································································· 3 

5.3 一般情報及び舟艇データ ································································································· 3 

5.4 最大搭載人員 ················································································································ 5 

5.5 搭載量 ························································································································· 5 

5.6 機関に関する情報 ·········································································································· 5 

5.7 浸水リスク及び復原性に関係する情報 ················································································ 5 

5.8 火災又は爆発のリスクに関係する情報 ················································································ 6 

5.9 電気系統:火災,爆発,及び感電のリスク ·········································································· 7 

5.10 操縦性 ························································································································ 8 

5.11 適切な運用:その他の推奨事項と情報 ·············································································· 8 

6 その他の情報 ··················································································································· 9 

附属書A(規定)オーナ用マニュアルに関する一般的な説明 ························································ 10 

附属書B(参考)情報及び安全ラベルをオーナ用マニュアルに記載することを求めている規格一覧······ 11 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶

技術研究協会(JSTRA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業

標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これによって,JIS F 0102:1995

は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

F 0102:2008 

(ISO 10240:2004) 

舟艇−オーナ用マニュアル 

Small craft−Owner's manual 

序文 

この規格は,2004年に第2版として発行されたISO 10240を基に,技術的内容及び対応国際規格の構成

を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

この規格は,舟艇の所有者が用いるマニュアルの記載内容に関する要求事項について定めている。この

マニュアルを読まれなければ,舟艇所有者に情報を提供するというこの規格の目的は失われる。 

舟艇建造者は,マニュアルが所有者(オーナ)の手に確実に届けられるように手配しなければならない。

これはいうまでもなく,所有者が必要な知識をもたないまま舟艇を使用する事態を避けるためである。 

適用範囲 

この規格は,船体の長さが24 m以下の舟艇に用いるオーナ用マニュアルに記載する必要のある事項に

ついて規定する。 

注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 10240:2004,Small craft−Ownerʼs manual (IDT) 

なお,対応の程度を表す記号 (IDT) は,ISO/IEC Guide 21に基づき,一致していることを示

す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS F 0081 舟艇−主要データ 

注記 対応国際規格:ISO 8666:2002,Small craft−Principal data (IDT) 

JIS F 1010 舟艇−投揚びょう,係留及びえい航−ストロングポイント 

注記 対応国際規格:ISO 15084,Small craft−Anchoring, mooring and towing−Strong points (IDT) 

JIS F 1033 舟艇−ガソリン機関区画及びガソリンタンク区画の換気 

注記 対応国際規格:ISO 11105,Small craft−Ventilation of petrol engine and/or petrol tank compartments 

(MOD) 

JIS F 1035 舟艇−トイレ汚水貯留システム 

注記 対応国際規格:ISO 8099:2000,Small craft−Toilet waste retention systems (IDT) 

JIS F 1036 舟艇−最大推進出力値の決定:船体の長さ8 m未満の舟艇 

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F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記 対応国際規格:ISO 11592,Small craft less than 8 m length of hull−Determination of maximum 

propulsion power rating (MOD) 

JIS F 1039 舟艇−低電圧直流電気装置 

注記 対応国際規格:ISO 10133,Small craft−Electrical systems−Extra-low-voltage d.c. installations 

(MOD) 

JIS F 1041 舟艇−最大搭載量 

注記 対応国際規格:ISO 14946,Small craft−Maximum load capacity (IDT) 

JIS F 4323 舟艇−スタート−イン−ギヤ−プロテクション−装備基準 

注記 対応国際規格:ISO/DIS 11547,Small craft−Start-in-gear protection (MOD) 

JIS Z 8203 国際単位系(SI)及びその使い方 

注記 対応国際規格:ISO 1000:1992,SI units and recommendations for the use of their multiples and of 

certain other units (IDT) 

ISO 8999:2001,Reciprocating internal combustion engines−Graphical symbols 

ISO 9094 (all parts),Small craft−Fire protection 

ISO 10239,Small craft−Liquefied petroleum gas (LPG) systems 

ISO 11192,Small craft−Graphical symbols 

ISO 12217 (all parts),Small craft−Stability and buoyancy assessment and categorization 

ISO 13297,Small craft−Electrical systems−Alternating current installations 

ISO 15083,Small craft−Bilge-pumping systems 

ISO 15085,Small craft−Man-overboard prevention and recovery 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

危険性の度合い及び安全ラベル(degree of hazard and safety label) 

危険性の度合い及びそれに応じた安全ラベルは,表1による。 

表1−危険性の度合い及びそれに応じた安全ラベル 

危険(DANGER) 

適切な対策を実施しなければ,死亡又は後遺症に至る可能性が高い,重大な
固有の危険性が存在する。 

警告(WARNING) 適切な対策を実施しなければ,傷害又は死亡に至る可能性のある危険性が存

在する。 

注意(CAUTION) 安全行動の再確認,身体の傷害,舟艇若しくは備品の損傷,又は環境の損害

が生じるおそれのある危険な行動について注意を喚起する。 

一般要求事項 

4.1 

必要な情報 

舟艇のオーナ用マニュアルには,環境に十分に配慮するとともに,舟艇,装置及びシステムの安全な操

作に必要となる情報を記載しなければならない。 

舟艇の航行のために実施される日常点検を除き,整備に関する情報は記載しなくてよい。使用前に実施

する必要のある作業のチェックリストを収録してもよい。 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.2 

フォーマット 

オーナ用マニュアルは,使用予定国で使用可能であるか,使用を義務付けられた言語で記載し,ハード

コピーの形で作成しなければならない。多言語でもよい。 

はん(汎)用的なオーナ用マニュアル,すなわち複数のタイプ又は艇種に共用できるものを用いてもよ

い。ただし,この規格の要求事項を満たすために各艇種について必要に応じて修正・限定されている必要

がある。これは,付録を用いて行ってもよい。 

オーナ用マニュアルが4ページを超える場合には,ページ番号を付した索引又は目次を設けなければな

らない。 

情報の表現には,言葉,図記号及びピクトグラム(絵文字)を用いることができる。 

図などは,4.4の規定に従わなければならない。 

図記号を使用する場合には,ISO 8999及びISO 11192の規定による。図記号を使用する場合でも,言葉

による説明を併記してもよい。 

対応する文章と図とは,可能な場合両方を見比べられるように配置する。 

4.3 

単位と定義 

オーナ用マニュアルでは,JIS Z 8203に規定するSI単位系を使用しなければならない。 

4.4 

図 

図面,略図,写真,線図などを使用してもよい。図面の縮尺は,必ずしも正確でなくてよい。 

オーナ用マニュアルの内容 

5.1 

一般 

艇種又は受渡される舟艇そのものに応じて,オーナ用マニュアルに記載しなければならない内容を,5.2

〜5.11に規定する。 

適切な言語によって装置又は機関のオーナ用マニュアルにすでに記載されている情報については,この

マニュアルの参照情報を記載するだけでよい。 

5.2 

序文 

舟艇には,想定される用途について,所有者の責任を明記した序文を各マニュアルに記載しなければな

らない。 

安全ラベルを使用する場合は,それぞれの意味を表1によって,オーナ用マニュアルの中で説明しなけ

ればならない。 

この情報の例を附属書Aに示す。内容は個々の舟艇に合わせて変更してもよい。 

5.3 

一般情報及び舟艇データ 

オーナ用マニュアルには,次の情報を記載しなければならない。該当する項目だけを示す。 

a) 舟艇建造者若しくはその舟艇の販売について責任を負う会社,又は担当者の名前 

b) 型式又は艇種の名称 

c) 舟艇の設計区分(建造者銘板に記載のもの),及び設計区分について説明する次のような説明文 

注記 ISO規格の規定による舟艇の設計区分は,船舶安全法で規定する航行区域と相違があるので,

オーナ用マニュアルの作成に当たっては国内法の要求について考慮する必要がある。 

− カテゴリー A このタイプの舟艇は,ビューフォート風力8を超える可能性のある風,及び4 m以

上の有義波高(注記1参照)の中で航行できるように設計されている。また,かなりの程度,自給

ができる。ただし,台風などの非常時を除く。大洋横断などの長期航海時又は数百海里にわたって

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

防風・防波構造のない沿岸航行をするときには,上記の条件に遭遇する可能性がある。 

− カテゴリー B このタイプの舟艇は,ビューフォート風力8以下の風,及び対応する波高(4 m以

下の有義波高,注記1参照)において航行できるように設計されている。そのような条件は,長期

の沖合航海中又は数十海里にわたって防風・防波構造のない沿岸航行中に遭遇する可能性がある。

また,上記の波高が生まれるだけの十分な広さをもつ内海でも上記の条件を経験する可能性がある。 

− カテゴリー C このタイプの舟艇は,ビューフォート風力6以下の風,及び対応する波高(2 m以

下の有義波高,注記1参照)において航行できるように設計されている。このような条件は,遮る

ものがない内海,広い河口,及び穏やかな気象条件の沿岸を航行中に遭遇する可能性がある。 

− カテゴリー D このタイプの舟艇は,ビューフォート風力4以下の風,及び対応する波高(最高0.5 

mが時々発生)において航行できるように設計されている。このような条件は,防風・防波構造の

ある内海又は好天の沿岸を航行中に遭遇する可能性がある。 

注記1 (必要と判断される場合に,オーナ用マニュアルに記載する。):有義波高とは,波高に

ついて上位1/3の波を取り出し,その波の高さを平均した値である。慣れた観測者が予

測する波高にほぼ一致する。波の中にはこの2倍の高さをもつものも存在する。 

d) 軽荷(未積載)状態の船舶の質量(kg)。これはJIS F 0081でいう軽荷質量(light craft mass)に相当

する。 

船外機関を搭載する舟艇の場合,この質量には推奨される最大質量船外機の質量が含まれる。ただし,

一部の場合(小形の舟艇又は船外機付きのはしけなど)では,船外機関を搭載する場合と搭載しない場合

とがある。このような場合には,船外機を外した質量も知っておくと役立つことがある(例えば,質量的

に車の上部に載せられるかどうか知りたいときなど)。 

e) 最大搭載量(JIS F 1041に規定のもの),及び5.5に対応する箇所について“搭載量の項を参照”と書

いた注。 

f) 

満載時の舟艇の質量(kg)。これは軽荷状態の舟艇の質量と最大搭載量の和である。計算に用いた満載

質量の内訳を示すことが望ましい。 

g) 船舶の主要寸法:LH,BH,Lmax,Bmax及び記載寸法の定義。これらの寸法は,JIS F 0081に準拠しなけ

ればならない。 

h) 喫水: 

1) 軽荷状態での最大高さ(air draft)(必要と判断される場合) 

2) 満載状態での最大喫水 

i) 

主な推進力[動力,帆,その他(具体的に)] 

j) 

帆船の場合は,帆及び索具に関する基本情報 

注記2 帆,縮帆装置の主要寸法,荒天用の帆の寸法などの情報を記載してもよい。 

k) タンク容量: 

1) 定置燃料タンクの公称容量(リットル),トリム及び積載量の関係から全容量を使い切ることができ

ず,20 %の余裕を維持する必要があるという趣旨の記述並びに燃料の種類,注入口及び排出口(備

わっている場合)の位置 

2) 定置真水タンクの容量(リットル),トリム並びに積載量の関係から全容量を使い切ることができな

い旨の記述及び注入口及び排出口(備わっている場合)の位置 

3) 定置汚水槽の容量(リットル),船底又は甲板貫通部品の位置及び排出口(備わっている場合)の位置 

4) 定置オイルタンクの容量(リットル),清浄か使用後かの区別,注入口及び排出口の位置 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

l) 

右記の文言:“建造者銘板−一部の情報は舟艇に取り付けた建造者の銘板に記載されている。この情報

については,このオーナ用マニュアルの該当箇所に詳しく記載している。” 

5.4 

最大搭載人員 

JIS F 1041及びISO 12217に従って算出される最大搭載成人員若しくは成人,子どもの人数の組合せ,

又はその両方を記載しなければならない。複数の設計分類に該当する場合は,各カテゴリーについて最大

搭載人員を記載しなければならない。 

次の警告文を,付記しなければならない。 

“警告:最大搭載人員を超えて乗船してはならない。また,乗船人員にかかわらず,人及び装置の合計

質量は,最大搭載量を絶対に超えてはならない。座席及び座席間隔は,必ず建造時の状態で使

用すること。” 

5.5参照。 

5.5 

搭載量 

最大搭載量には,乗船者全員,すべての設備及び所持品,軽荷質量に含まれない装置,貨物(搭載して

いる場合),及びすべての消費用液体(水,燃料など)の質量が含まれることを記載しなければならない。 

すべての固定式タンクを満杯にしたときの液体総質量が,x(kg)であることを記載しなければならない。 

次の警告文を付記しなければならない。 

“警告:舟艇に荷物を積むときには,最大搭載量を絶対に超えてはならない。荷積みは慎重に行い,規

定のトリム(ほぼ水平)が維持されるよう荷物を適切に配置する。重量物をうずたかく積み上

げてはならない。” 

その舟艇に必要な荷積み情報がほかにある場合には,記載する。 

5.6 

機関に関する情報 

次の情報を,記載しなければならない。 

− 最大機関出力(kW) 

− 最大機関質量(必要と判断される場合) 

5.7 

浸水リスク及び復原性に関係する情報 

オーナ用マニュアルには,次の情報を記載しなければならない。 

5.7.1 

船体に設けられた開口 

次の情報を記載しなければならない。 

a) 海水コック及び船体貫通金物の位置を,図面,略図又はその他の簡便な方法で表示する。 

b) 浸水のリスクをできるだけ小さくするために,海水コック,コックピット排出口,栓など船体に設け

られた開口/閉鎖装置を,状況に合わせて閉止又は開放状態に維持するように勧告する。必要な場合,

このような装置の取扱説明書を備える。 

c) ポートライト,窓,防波板,ドア,ハッチ又は換気口を,必要なとき(例 荒天時,滑水速度での航

行時)に閉止状態に維持する。必要な場合,このような装置の取扱説明書を備える。 

5.7.2 

ビルジポンプ及びあかのくみ出し 

次を含め,ISO 15083に規定されている情報を記載しなければならない。 

a) 次の警告文を付記する。 

“警告:ビルジポンプ装置は,被害を軽減するように作られているわけではない。” 

舟艇が具体的にその目的のために造られているか,又は浮揚装置を備えている場合,この警告文は

不要である。 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 各ビルジポンプの位置及びその能力(ポンプ製造業者による定格値) 

c) 操作方法の説明(必要と判断される場合) 

d) 日常的な保守点検の説明。 

e) ISO 15083ではばけつ又はくみ出し器(ベイラ)だけしか必要とされない舟艇の場合,少なくとも一つ

のばけつ又はベイラを船上に用意し,かつ,紛失しないよう固定することは,舟艇の所有者又は運航

者の責任である旨の注を付記しなければならない。 

f) 

次の警告文を付記する。 

“安全対策:すべてのビルジポンプの機能を定期的に点検すること。ポンプの吸入口はごみのない状

態に維持する。船首隔壁及び船尾隔壁に船底弁が設けられている場合,それらは閉止し

ておき,メインビルジに排水するときだけ開けるものとする。” 

5.7.3 

復原性及び浮力 

ISO 12217の該当箇所によって必要とされる場合には,艇種に合った安定性情報を記載しなければなら

ない。次の内容を,必要に応じて記載しなければならない。 

a) 船上備品の配置変更[例えばろ(櫓),レーダ,格納式マストの新設,機関の変更など。]を行うと,

舟艇の安定性,トリム及び性能に大きな影響を及ぼす可能性がある。 

b) ビルジの量は最小限に維持する必要がある。 

c) 物を高く積み上げると安定性が悪くなる。 

d) 荒天時にはハッチ,格納庫,戸口を閉め,浸水の可能性を最小限にする必要がある。 

e) ダビット又はブームを用いて重量物をえい航,つ(吊)り上げるときには,安定性が悪くなる可能性

がある。 

f) 

空気タンクには,空気漏れがあってはならない。 

g) 砕波は,安定性を大きく損なうおそれがある。 

5.7.4 

転覆の復旧 

ISO 12217の該当箇所によって必要とされる場合には,艇種に合った転覆復旧に関する情報を記載しな

ければならない。 

推奨されるあかのくみ出し方法を,必要に応じて記載する。 

5.7.5 

多胴帆船の転覆リスク 

ISO 12217の該当箇所によって必要とされる場合には,転覆に関する情報を記載しなければならない。 

転覆時の脱出用ハッチが多胴帆船に設けられている場合には,その位置と使い方を説明しなければなら

ない。 

5.8 

火災又は爆発のリスクに関係する情報 

オーナ用マニュアルには,次の情報を記載しなければならない。 

5.8.1 

推進機,発電装置など 

推進機関の安全な取扱いについて,次を含む要求を,必要に応じて記載しなければならない。 

a) 必要に応じて規定時間機関室の換気扇を運転する(ガソリン機関の場合)。JIS F 1033で求められるラ

ベルの意味を説明する。 

b) 冷却水の流れの維持 

c) 換気ダクトの障害物の除去 

d) 燃料給油時の注意事項(例 火気厳禁,船内での燃料漏れの処置) 

e) 燃料配管の損傷防止 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

f) 

引火性物質の高温の機関部分への接近禁止 

g) ガソリンが入った装置(船外機,タンク,ガソリン発電機など)を,本来の保管場所以外の場所への

保管の禁止 

5.8.2 

ガス系統 

ガス系統の安全な取扱いと点検に関する指示並びにISO 10239で求められる情報を含めた説明を,適宜

記載しなければならない。必要に応じて,次の内容を含めなければならない。 

a) 器具の操作説明 

b) ガス系統の点検に関する指示 

c) ガスボンベは,必ず指定の格納庫又はハウジングに保管する。 

d) ガスボンベ格納庫又はハウジングの位置 

e) ガスボンベの交換手順 

f) 

物質が裸火などの高温部位に触れないようにするための注意事項 

g) LPGの漏えい又はLPGタンクからの出火時に,ガス弁を閉めることを促す助言 

h) 窒息防止のために十分な換気を行うことを促す助言(5.11.4を参照) 

5.8.3 

その他の燃料燃焼系統 

系統の安全な取扱い及び点検に関する指示並びに説明を適宜記載しなければならない。必要に応じて,

次の内容を含まなければならない。 

a) 器具の操作説明 

b) 燃料給油時の注意事項 

c) 燃料容器の安全な保管に関する指示 

d) 物質が裸火などの高温部位に触れないようにするための注意事項 

e) 窒息防止のために十分な換気を行うことを促す助言(5.11.4を参照) 

5.8.4 

防火及び消火装置 

ISO 9094で求められる情報を,オーナ用マニュアルに改めて記載しなければならない。 

5.8.5 

火災時の避難手段 

火災発生時に船内から脱出する手段となるハッチ,ドアなどの開口の位置を,ISO 9094の規定に従って

明記し,その操作手順を必要に応じて説明しなければならない。 

5.9 

電気系統:火災,爆発,及び感電のリスク 

次の情報を,記載しなければならない。 

− 直流・交流系統の不適切な使用によって発生する可能性のある,火災又は爆発の危険性 

− 交流系統の不適切な使用によって発生する可能性のある,感電の危険性 

電気系統の安全な取扱いに関する指示,並びにISO 13297(AC)及びJIS F 1039(DC)の附属書Bで求

められる情報を含めた説明を,適宜記載しなければならない。必要に応じて,次の内容を含めなければな

らない。 

a) 蓄電池選択スイッチの操作方法及び位置 

b) 配電盤の説明 

c) ヒューズ交換手順並びにヒューズの位置,タイプ及び容量を示す図 

d) 蓄電池用換気ダクトの閉鎖禁止(必要と判断される場合) 

e) 蓄電池の充電及び切断・再接続における注意事項 

f) 

警告:通電中の交流系統に対して作業を実施してはならない。 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) 陸電装置に接続・切断するときの注意事項 

h) 陸電装置を搭載している場合,陸電に接続された舟艇の近くで遊泳するときの危険に関する情報 

5.10 操縦性 

5.10.1 モータ駆動艇 

動力をもつ舟艇を安全に取り扱うための情報を記載しなければならない。 

JIS F 1036で求められる情報を,必要に応じて記載しなければならない。 

次の情報を,必要に応じて記載しなければならない。 

− 定格出力が最大出力を超える機関を用いて舟艇を航行させてはならない。 

− 高速航行時に急な機動的操縦を行わない。 

− 波のある間は,快適性及び安全性のために速度を落とす。 

− 高速航行中は,船首コクピット内で座ってはならない。 

− デッドマンスイッチが備わっている場合には,必ずそれを使用する。 

5.10.2 機関の始動 

機関始動時に舟艇が動いたり,プロペラが回転しないように安全な操作に関する説明を記載しなければ

ならない。船外機の場合,JIS F 4323で求められる情報を必要に応じて記載しなければならない。 

5.10.3 非常用操だ装置 

非常用操だ装置が搭載されている場合には,その位置及び操作方法を記載しなければならない。 

5.11 適切な運用:その他の推奨事項と情報 

5.11.1 落水防止及び再乗艇 

ISO 15085の規定によって次の事項を記載しなければならない。 

a) 作業甲板の一部とはみなされず,航行中は使用してはならないとされる船外部分に関する情報(必要

に応じて記載する)。必要な場合図も添える。 

b) 落水時の救助手段(例 はしごの位置と使い方,舟艇を浸水,転覆させずに船に引き上げる方法) 

5.11.2 救命いかだの搭載 

救命いかだの搭載場所を明示する必要のある舟艇においては,その位置に関する情報を記載しなければ

ならない。 

5.11.3 機械の可動部による危険 

必要に応じて次の情報を記載しなければならない。 

a) 機関の可動部,プロペラの軸などに近づいてはならないという指示 

b) 装備される危険防止具の詳細及びその使い方(必要に応じて記載する) 

5.11.4 燃焼装置使用時の換気 

ISO 10239で求められる情報を含め,次の情報又は指示を必要に応じて記載しなければならない。 

a) 警告:燃料燃焼式で裸火をもつ装置は,船室内の酸素を消費するとともに,燃焼生成物を船内に放出

する。そのような装置の使用中は,換気が必要である。装置の使用中は,指定の換気口を開く。

換気口がふさがらないように煙道付き装置を正しく扱うよう注意する。 

b) 排気ガス(COなど)の危険性に関する情報。 

c) ガソリン機関を搭載した舟艇においてCOを減らすための指示。 

d) 該当する安全ラベル。 

5.11.5 固定が緩んだ装置 

固定が緩んだ装置を,航行中に安全に固定するための推奨事項を記載しなければならない。 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

5.11.6 環境の尊重 

必要に応じて次の情報又は指示を,記載しなければならない。 

a) 現地の環境関連法を認識し,優良な行動規範を尊重するように促す助言 

b) 汚物若しくは汚水を海岸付近又は禁止区域内で廃棄してはならないという指示,及び汚物槽の中身は,

港湾出航前に港湾又はマリーナのくみ出し設備を用いて廃棄するという指示。 

c) 海洋汚染防止条約(MARPOL)を認識し,可能な限りそれを遵守するように促す助言。 

5.11.7 汚水槽の使用 

汚水槽が備わっている場合には,JIS F 1035で求められる情報を記載しなければならない。これには,

次の情報が含まれる。 

a) 運用及び保守 

b) Y字バルブの使用 

c) 汚水槽の容量(リットル) 

d) 使用してよい化学物質:洗剤,脱臭剤,不凍液 

e) くみ出し手順。手動安全弁が備わっている場合はその使い方を含む。 

f) 

凝固点以下で保管している間は,空にしなければならないという指示 

g) 廃棄について現地の法令順守を求める注記 

h) 吐出遮断海水コックの位置及びそれを封止状態にする方法 

5.11.8 投揚びょう,係留,えい航 

JIS F 1010の規定による投揚びょう,係留,えい航及びえい航されるのに必要な“ストロングポイント”

の位置を明らかにしなければならない。 

5.11.9 けん(牽)引(必要な場合) 

けん(牽)引状態での質量を,必要に応じて記載しなければならない。艇種及びその質量に合ったトレ

ーラを使用するよう警告を記載しなければならない。 

その他の情報 

舟艇の安全な航行に必要と思われるその他の情報を,オーナ用マニュアルに記載しなければならない。 

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F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書A 

(規定) 

オーナ用マニュアルに関する一般的な説明 

本書は,お持ちの船を,安全,かつ,快適に運航するお手伝いをすることを目的に作成されています。

本書には,艇の詳細,提供又は装備される装置,そのシステム及び操作に関する情報が,記載されていま

す。使用前に本書をよく読み,ご自分の船のことをよく知っておいてください。 

このマニュアルは,航行の安全及び運航術に関する教材ではありません。もし,この船があなたにとっ

て初めて操縦する船か,又はあまり操縦経験のない艇種に変更しようとする場合には,ご自身の快適さと

安全のため,船を自由に駆使できると早合点する前に,必ず操縦の経験をしておいてください。販売業者,

国内のセーリング協会,又はヨットクラブに問い合わせれば,地域のマリンスクール又は適切な講師を教

えてくれるはずです。 

予想される風及び海の状態が船の設計分類に適合していること,またあなたや同乗者がそのような状態

においてこの船を操る能力をもっていることを確認してください。 

風及び海の状態が,たとえ船の設計分類に適合していたとしても,カテゴリーA〜Cの設計分類に対応

する風及び海の状態は,カテゴリーAに対応する暴風状態から,カテゴリーCの最悪の場合に対応する荒

天状態まで幅があり,異常な波及び突風の危険性は常に存在します。そのため,これらは危険な状態であ

り,適格で能力があって,十分な訓練を受けた乗組員が,メンテナンスの行き届いた船に乗って初めて,

満足のいく操縦が可能になります。 

このマニュアルは,保守及び問題解決を目的とした手引書ではありません。問題が発生したら船の製造

者又は販売代理人に相談してください。保守説明書が交付されている場合は,それを使って船の保守作業

を行ってください。 

保守,修理,改造などは必ず訓練を受けた適格者が行うようにしてください。船の安全性能に影響を及

ぼす可能性のある改造については,適格者による評価,実行,文書化などを受けることが必要です。製造

者が認めていない改造について製造者は責任を負いません。 

国によっては,操縦免許又は許可が必要となるか,具体的な法令が施行されている場合があります。 

船は,常に適切に保守し,時間の経過,船の頻繁な使用,又は誤った使用によって生じる劣化に備えて

ください。 

正しく使用しなければ強固な船舶でも,激しい損傷を受ける可能性があります。これは安全な航行とは

両立しません。船の速度と方向とは常に海の状態に合わせて調節することが必要です。 

お使いの船に救命いかだが搭載されている場合には,その操作説明書をよくお読みください。船には艇

種,気象条件などに応じて,適切な安全具(救命胴衣,ハーネスなど)を装備する必要があります。国に

よっては,これらの安全具が義務付けられている場合があります。同乗者は,すべての安全具の使い方と

緊急行動(落水救助,えい航など)について熟知しておいてください。セーリング学校,セーリングクラ

ブなどでは,定期的に教習を実施しています。 

甲板にいる間は全員が適切な救命具(救命胴衣)を着用してください。国によっては,国内法に準拠し

た救命具を常時着用するよう法律で義務付けている場合があります。 

また,本書は,確実な場所に保管してください。船を売却したときは,本書を新しいオーナ(所有者)

に渡してください。 

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11 

F 0102:2008 (ISO 10240:2004) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書B 

(参考) 

情報及び安全ラベルをオーナ用マニュアルに記載することを求めている 

規格一覧 

規格番号 

規格の名称 

規定箇所 

ISO 6185:2001 
JIS F 1051-1〜-3 

Inflatable boats. All three parts 
膨脹式ボート(第1部〜第3部) 

ISO 8099:2000 
JIS F 1035 

Small craft−Toilet waste retention systems 
舟艇−トイレ汚水貯留システム 

箇条12 
箇条12. 

ISO 8846:1990 
 
JIS F 0811 

Small craft−Electrical devices−Protection against ignition of surrounding 
flammable gases 
舟艇−電気機器−周囲の可燃性ガスへの引火防止 

ISO 9094-1:2003 

Small craft−Fire protection−part 1: Craft with a hull length of up to and 
including 15 m 

Annex B 

ISO 9094-2:2002 

Small craft−Fire protection−part 2: Craft with a hull length of over 15 m 

Annex B 

ISO 10133:2000 
JIS F 1039 

Small craft−Electrical systems−Extra-low-voltage d.c. installations 
舟艇−低電圧直流電気装置 

Annex B 
附属書B 

ISO 10239 

Small craft−Liquefied petroleum gas (LPG) systems 

Annex C 

ISO 11105:1997 
JIS F 1033 

Small craft−Ventilation of petrol engine and/or petrol tank compartments 
舟艇−ガソリン機関区画及びガソリンタンク区画の換気 

箇条7 
箇条7. 

ISO 11547:1994 
JIS F 4323 

Small craft−Start-in-gear protection 
舟艇−スタート−イン−ギヤ−プロテクション−装備基準 

箇条5 
箇条4. 

ISO 11591:2000 

Small craft, engine-driven−Field of vision from helm position 

箇条6 

ISO 11592:2001 
 
JIS F 1036 

Small craft less than 8 m length of hull−Determination of maximum propulsion 
power rating 
舟艇−最大推進出力値の決定:船体の長さ8 m未満の舟艇 

Annex B 
 
附属書B 

ISO 12217-1 

Small craft−Stability and buoyancy assessment and categorization−Part 1: 
Non-sailing boats of hull length greater than or equal to 6 m 

Annex G 
 

ISO 12217-2 

Small craft−Stability and buoyancy assessment and categorization−Part 2: 
Sailing-boats of hull length greater than or equal to 6 m 

Annex F 
 

ISO 12217-3 

Small craft−Stability and buoyancy assessment and categorization−Part 3: 
Boats of hull length less than 6 m 

Annex E 
 

ISO 13297:2000 

Small craft−Electrical systems−Alternating current installations 

Annex B 

ISO 14895:2000 

Small craft−Liquid-fuelled galley stoves  

Annex A 

ISO 14946:2001 
JIS F 1041 

Small craft−Maximum load capacity 
舟艇−最大搭載量 

箇条6 
箇条6. 

ISO 15083:2003 

Small craft−Bilge-pumping systems 

Annex A 

ISO 15085:2003 

Small craft−Man-overboard prevention and recovery 

箇条17