2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 0046-1992
舟艇用語−ぎ装品
Pleasure boat−Vocabulary−Fittings
1. 適用範囲 この規格は,スポーツ及び娯楽用の舟艇(1)のぎ装品に関する主な用語及び定義について規
定する。
注(1) 小形船の総称。
備考1. スポーツ及び娯楽用の舟艇のことを,“プレジャーボート”と呼ぶことがある。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS F 0013 造船用語(船体編−外ぎ装)
JIS F 0014 造船用語(船体編−管ぎ装)
2. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。
(1) 係船設備
(2) 操だ設備
(3) 航海用具
(4) 信号設備
(5) 救命設備
(6) 消火及び排水設備
(7) 通風設備
(8) 居住設備
(9) その他
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。
備考1. 用語欄の括弧内のかなは,読みを示す。
2. 定義欄の挿絵は,一例を示す。
2
F 0046-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(1) 係船設備
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1001 アイボルト
アイが付いたボルト。
eye bolt
1002 アイプレート アイが付いた板。
eye plate
1003 アイストラッ
プ
ロープ端,シャックル,滑車などを
構造物に固定するのに用いる金具。
eye strap
1004 クリート
係留索,えい航索,ハリヤードなど
を止めるため,甲板などに取り付け
られた金具。
cleat
1005 フェアリーダ 係留索及びえい航索を導くため
げん側近くの甲板に取り付けら
れた金具。
fairlead
チョック
1006 ビット
もやい索など係留索を取るため,
甲板に設けられた柱。
bitt
1007 クロスビット 十字形のビット。
cross bitt
1008 ウインチ
ロープ類を巻き揚げる機械。
mooring winch
1009 ウインドラス アンカーを揚げる機械。
windlass
揚びょう機
1010 アンカー
船を係留するために,チェーン又はロープに連結
して水底に沈める係止力をもつおもり(JIS F 0013
参照)。
anchor
いかり
1011 アンカーロー
プ
アンカーに付けるロープ。
anchor rope
1012 アンカーブイ 水中に投下したアンカーの位置を知るための浮
標。
anchor buoy
1013 係留索
係留に用いるロープ(JIS F 0013参照)。
mooring rope
もやい索
1014 ボートフック 離着岸時にボートを引き寄せたり,押し離すため
のかぎのあるさお(竿)。
boat hook
つめ竿
1015 フェンダ
ボートのげん側に取り付け,又はつり下げ,他の
ボート,桟橋などに接触したときの損傷を防ぐた
めの緩衝材。
fender
防玄物
1016 ボートカバー ボートを収納しておくときに,雨などから守るた
めの保護覆い。
travel & mooring
cover
1017 えい航索
えい航するためのロープ。
tow line
3
F 0046-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 操だ設備
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2001 だ輪
かじ取り用のハンドル。
steering wheel
ステアリングホイ
ル,
操舵輪
2002 操だ装置
かじを操縦する装置(JIS F 0013参照)。
steering gear
操舵装置
2003 ステアリング
ケーブル
操だ用に使うワイヤロープ。
steering cable
2004 機械式操だ装
置
力の伝達を機械系で行う操だ装置。
mechanical steering
system
メカニカルステア
リング
2005 油圧式操だ装
置
力の伝達を油圧系で行う操だ装置。
hydraulic steering
system
2006 自動操だ装置 船が設定針路からそれないように自動的に保針す
る操だ装置(JIS F 0013参照)。
auto pilot
自動操舵装置
2007 だ角指示器
かじの角度及び方向を指示する装置。
rudder indicator
(3) 航海用具
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3001 海図
海洋,港湾などの形状,底質,海流,水深,暗礁
その他の障害物Tel島沿岸の地形,地物などを表
示した図面(JIS F 0013参照)。
chart
3002 チャートテー
ブル
海図の展開,海図の格納などに使用する机。
chart table
(4) 信号設備
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4001 航海灯
夜間航行する際に点灯する船灯。
navigation light
4002 両色灯
右げん灯及び左げん灯を一つにまとめた船灯。
bi-colored light
4003 三色灯
右げん灯,左げん灯及び船尾灯を一つにまとめた
船灯。
tri-colored light
4004 右げん灯
船体の右げんを示す緑色の船灯。
starboard light
4005 左げん灯
船体の左げんを示す赤色の船灯。
Port light
4006 全周灯
全周に白色の光を発する船灯。
all-round light
白色灯
4007 停泊灯
夜間停泊している際に点灯する船灯。
anchor light
4008 船尾灯
船体の船尾を示す白色の船灯。
stern light
4009 マスト灯
船体の前部を示す白色の船灯。
mast light
4010 紅灯
(こうとう)
運転不自由時に使用する紅色の船灯。
red light
4011 黒色球形形象
物
座礁,航行不能,びょう泊,
潜水作業などのときに掲げ
る黒色の標識。
anchoring ball
4012 黒色円すい形
形象物
帆船が機帆走するときに掲
げる黒色標識。
steaming cone
4
F 0046-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4013 ホーン
警笛。
horn
4014 手用信号炎
(しゅようし
んごうえん)
紅色の炎を発するものを手に持って行う信号(JIS
F 0013参照)。
hand flare
信号紅炎
4015 自己点火灯
ライフブイに取り付けて使
用するもので,海面に投下
すると自動的に発光する信
号灯(JIS F 0013参照)。
self-igniting light
4016 自己発煙信号 ライフブイに取り付けて使用するもので,海面に
投下すると自動的に発煙する信号(JIS F 0013参
照)。
self-activating
smoke signal
4017 発煙浮信号
水面に浮遊しながら発煙し,遭難船の位置を知ら
せる遭難信号。
buoyant smoke
signal
4018 落下さん付信
号
火薬によって打ち上げ,落下さんを開いて落下し
ながら赤色星火を発する信号(JIS F 0013参照)。
parachute signal
4019 火せん
火薬によって打ち上げ,爆発して赤色星火を発す
る信号(JIS F 0013参照)。
rocket signal
ロケット信号
(5) 救命設備
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5001 ライフジャケ
ット
人体に浮力をもたせるために着用する胴衣(JIS F
0013参照)。
life jacket,
life vest
救命胴衣
5002 ライフブイ
浮力材料をリング状又は馬てい形状にしたもの
で,人命救助に使用する浮き輪。
life buoy,
life ring
救命浮環
5003 ライフライン 人命の救助,安全のために使用するロープ。
life-line
5004 ライフラフト 遭難の際,救助を待ついかだ。
liferaft
救命いかだ
5005 セーフティー
ハーネス
荒天時などに落水を防
ぐために人と船とをつ
なぐロープ。
safety harness
(6) 消火及び排水設備
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
6001 自動拡散式消
火装置
周囲温度が一定以上になると,消火剤が自動的に
拡散して消火する装置。
automatic dispersion
type liquid fire
extinguisher
6002 炭酸ガス消火
装置
炭酸ガスを放出して消火する装置(JIS F 0014の
3018による。)。
CO2 fire extinguish
ing system
6003 あかくみ
船内にたまった水をくみ出す道具。
bailer
6004 ビルジポンプ 船底にたまった水をくみ出すポンプ。
bilge pump
6005 布バケツ
海水をくみ上げるための布製バケツ。
canvas bucket
6006 貫通金物
排水,吸水するための,船体に取り付ける金物。
through hull fitting
6007 排水口
甲板及び外板に設けた排水管の開口部(JIS F 0014
参照)。
scupper
スカッパ
6008 ドレンプラグ 上架時に船内にたまった水を抜く栓。
drain plug
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F 0046-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(7) 通風設備
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
7001 ベンチレータ 換気するための装置。
ventilator
(8) 居住設備
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
8001 ダイネット
机を挟んで対座している,食事ができる座席。
dinette
8002 スウォート
オールをこぐため横方向に渡した座席。
thwart
8003 スカイライト
ハッチ
船室の天井に取り付けた採光及び脱出用のハッ
チ。
sky light hatch
8004 コンパニオン
ウェイ
コックピットと下の船室との間にある,昇降用の
通路。
companion way
8005 ギャレー
船室内の調理区画。
galley
(9) その他
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
9001 ステムバンド ステムを保護するために取り付けられた帯状の金
属。
stem band
9002 バウスプリッ
ト
船の前方に突き出た縁材又は台(図1参照)。
bowsprit
9003 スイミングプ
ラットフォー
ム
水泳,ダイビングに使用するトランサムから突き
出た水平板(図2参照)。
swimming platform
トランサムステッ
プ
9004 トランサムド
ア
乗降及びスイミングプラットフォームヘの出入り
に使用するために,トランサムに設けられたドア
(図3参照)。
transom door
9005 ハッチカバー 甲板上の開口部のふた(蓋)。
hatch cover
図1
図2
図3
6
F 0046-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
船舶部会 舟艇専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
杉 崎 昭 生
東京商船大学運送工学科
小 郷 一 郎
財団法人日本船舶標準協会標準部
東 伊一郎
日本小型船舶検査機構技術部
高 橋 哲
社団法人日本舟艇工業会
玉 利 為 宇
財団法人マリーンスポーツ財団事業部
岡 田 光 豊
運輸省海上技術安全局
山 村 修 蔵
工業技術院標準部
太 田 治 孝
横浜ヨット株式会社設計部
山 本 啓 吉
ヤンマー造船株式会社技術部
伊 藤 仁
IHIクラフト株式会社技術部
大 橋 且 典
社団法人日本外洋帆走協会
小 林 昇
ヤマハ発動機株式会社マリン本部
中 村 正 和
中村船具工業株式会社
坪 井 勇
三信工業株式会社技術管理部
工 藤 慎 一
トーハツ株式会社技術部
栗 原 宏 一
日産自動車株式会社マリーン事業部
(事務局)
中 田 幹 夫
工業技術院標準部機械規格課