F 0041 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。これによって,JIS F 0041-1984は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際規格との整合を図るために,対応国際規格を翻訳し,その内容を変更することな
く採用し,規定内容の一部を改正した。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 0041 : 1998
造船用語−特殊船−種類
Shipbuilding−Vocabulary−Special vessel−Classification
序文 この規格は,1991年第1版として発行され,1997年現在改正作業中であるISO/DIS 8384 Ships and
marine technology−Dredgers−Vocabularyとの整合化を図るために,従来の日本工業規格と対応する用語に
ついては,対応国際規格案を翻訳し,その内容を変更することなく採用した日本工業規格である。
なお,この規格で対応する国際規格案と整合化した項目の記述で,点線の下線を施してある部分は,対応
国際規格にはない事項である。
1. 適用範囲 この規格は,造船用語−特殊船のうち,特殊船の種類に関する用語について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
ISO/DIS 8384 : 1997 Ships and marine technology−Dredgers−Vocabulary
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS F 0042 造船用語−特殊船−機器
3. 分類 用語の分類は,次による。
a) 海洋調査船
b) 海底資源採取船
c) しゅんせつ船
d) 各種作業船
e) 海上作業台船
f)
海上浮器
4. 番号,用語及び定義 番号,用語及び定義は,次による。
なお,参考のために対応英語,慣用語及び法律用語(法)を示す。
2
F 0041 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 海洋調査船
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0101 海底資源探査船
海底資源を探査する船。
seabed exploring ship
0102 海洋調査船
海洋の生物・水質・海底地形・地質・海象な
どを観測・調査する船。
oceanographic research
vessel
0103 気象観測船
海上における気象を観測・調査する船。
meteorological
observation vessel
0104 潜水調査船
潜水して海中・海底の性状・生物などを観測・
調査する船。
submersible research
vehicle
b) 海洋資源採取船
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0201 海底鉱物採取船
海底の鉱物を採取する船。
seabed mining ship
0202 甲板昇降形掘削船
掘削作業時には昇降用脚によって船体を海面
上に上昇させて,海底の石油・ガスなどの掘
削作業を行う船。
self-elevating drilling
unit
ジャッキア
ップリグ
0203 着底形掘削船
船底を着底させ,作業甲板を海面上に出して
海底の石油・ガスなどの掘削作業を行う船。
submersible drilling unit
サブマージ
ブルリグ
0204 ドリリングテンダ
掘削装置の一部を備えた固定式作業台に常時
付随し,動力・資材を供給する船。
drilling tender
テンダ
0205 バージ形掘削船
推進機関を備えない船体に,海底の石油・ガ
スなどの掘削用機器を搭載し,浮上状態で作
業を行う船。
drilling barge
ドリルバー
ジ
0206 半潜水形掘削船
船体・コラム・フーティング又はロワーハル
ブレーシングなどで構成され,半潜水状態で
海底の石油・ガスなどの掘削作業を行う船。
semi-submersible
drilling unit,
column stabilized
drilling unit
セミサブリ
グ
0207 船形掘削船
推進機関を備えた船体に海底の石油・ガスな
どの掘削用機器を搭載し,浮上状態で作業を
行う船。
drilling ship
ドリルシッ
プ
c) しゅんせつ船
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0301 しゅんせつ(浚渫)
船
しゅんせつを目的とした船。
dredger
0302 エゼクタしゅんせ
つ船
ジェットポンプを使用して土砂を採取するし
ゅんせつ船。
jet ejector dredger
0303 汚泥しゅんせつ船
海底にたい(堆)積した汚泥をさらうしゅん
せつ船。
ooze dredger
0304 サクションしゅん
せつ船
遠心又は軸流のしゅんせつポンプを使用して
土砂を採取するしゅんせつ船。
suction dredger
0305 可搬式しゅんせつ
船
組立式の小形ポンプしゅんせつ船。
portable dredger
マイクロポ
ンプしゅ
んせつ船
0306 グラブしゅんせつ
船
1個又はそれ以上のグラブを使用して土砂を
掘削するしゅんせつ船。
grab dredger
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F 0041 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0307 バージ積込式ポン
プしゅんせつ船
低揚程しゅんせつポンプ及びげん(舷)側積
込装置を備え,しゅんせつ土砂をげん側で土
運船に直接積み込むしゅんせつ船。
barge loading cutter
suction dredger
0308 潜水しゅんせつ船
海底で作業するしゅんせつ船。
submersible dredger
0309 ディッパしゅんせ
つ船
1個のバケットをアームに取り付け,そのバケ
ットが土砂を掘削するに従い,アームが船か
ら遠ざかるように動くしゅんせつ船。
dipper dredger
0310 ドラグサクション
しゅんせつ船
水底を引きずるドラグヘッドで土砂を採取
し,しゅんせつポンプで吸い上げ,泥倉に積
み,投棄場所まで運ぶ自航式しゅんせつ船。
trailing suction hopper
dredger
hopper
dredge(米)
0311 バケットしゅんせ
つ船
バケットチェーンを形成する多数のバケット
で土砂を採取するしゅんせつ船。
bucket dredger
0312 ポンプしゅんせつ
船
各種の土砂を採取するためのカッターを装備
したサクションしゅんせつ船。
cutter suction dredger
ポンプ船,
hydraulic
dredge(米)
d) 各種作業船
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0401 起重機船
クレーンを装備し,主として重量物のつり上
げ作業を行う船。
crane ship,
crane barge,
floating crane
クレーン船
0402 くい打ち船
海底にくいを打ち込む装置を備えた船。
piling barge
0403 砕岩船
しゅんせつ作業の前処理として水中の岩を破
砕する設備を装備した船。
rock breaking barge,
rock-breaker
0404 削岩船
水底の岩盤にあな(孔)をあけ,かつ,必要
な場合には爆薬をしかける船。
rock drilling vessel
0405 引船
船舶の出入港若しくは離接岸時のえい航又は
非自航船,浮器などのえい航に使用する船。
tugboat
タグ,
えい(曳)船
0406 押船
はしけ・台船などを船首で押し進める船。
pusher boat
プッシャー
0407 海難救助船
衝突・座礁・火災などによる遭難船の救助,
引き揚げを行う船。
salvage boat
サルベージ
船
0408 測量船
主として湾内航路の水深の測量を行う船。
hydrographic survey ship
0409 設標船
浮標の設置・補修・点検を行う船。
buoy tender
0410 揚びょう船
しゅんせつ船などの係留アンカーを設置・移
設・揚収する船。
anchor handling boat
転錨船,
アンカーバ
ージ
0411 コンクリートミキ
サ船
コンクリート生成装置を備えた船。
floating mixing plant
barge,
batcher plant barge
0412 サンドコンパクシ
ョン船
軟弱地盤を改良するため,直径の大きい圧縮
された砂くい(杭)を打設する船。
sand compaction barge
0413 サンドドレーン船
軟弱地盤を改良するための砂くい(杭)を打
設する船。
sand piling barge,
sand drain barge
0414 深層混合処理船
硬化剤を混入して,海底の軟弱地盤を改良す
る船。
deep mixing barge,
soft seabed solidifying
barge
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F 0041 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0415 リクレーマ船
土運船などの土砂を揚土機(リクレーマ)に
よって陸揚げする船。
reclaimer barge
0416 地ならし船
しゅんせつ海底面の凹凸を均一にならす船。
grader vessel
0417 砂まき船
海底の軟弱地盤改良などのため,均一厚さに
砂をまく船。
sand spreader
0418 石運船
石材を運搬する船。
stone carrier
0419 土運船
しゅんせつによって採取された土砂を運搬す
る船。
hopper barge
0420 揚土船
土運船などの土砂を揚土機,ポンプなどによ
って陸揚げする船。
unloader barge
アンローダ
船
0421 グラブ式自航運搬
船
グラブしゅんせつ機によって海底の土砂を採
取して,運搬・陸揚げをする船。
self propelling grab
hopper barge
ガット船
0422 潜水作業支援船
潜水機器を搭載し,潜水作業を水上から支援
する船。
diving support vessel
0423 海中透視船
海中を肉眼で観察する装置を備えた船。
underwater observation
boat
0424 海底電線敷設船
海底に電線を敷設又はその補修を行う船。
cable layer,
cable ship,
cable laying barge
0425 パイプ敷設船
海底に管を敷設する船。
pipe layer,
pipe laying barge
0426 消防船
消火作業をする船。
fire boat
消防艇
0427 油回収船
海面に浮遊する油を回収する船。
oil recovery vessel
オイルスキ
ーマー
0428 廃油処理船
ダーティーバラスト・ビルジなどを他船から
回収し処理する船。
waste oil treating ship
0429 清掃船
海面・湖面などに浮遊するじんかい(塵芥)
を採集する船。
water surface cleaning
ship,
debris collecting vessel
0430 汚物海洋投棄船
汚物を所定の沖合まで運んで投棄する船。
sewage carrier
0431 磁気探査船
海底に埋没している残存機雷などの危険物を
磁気センサーにより探査する船。
magnetometric sensing
vessel
e) 海上作業台船
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0501 浮ドック
浮沈できるドック。
floating dock
0502 ケーソン製作用作
業台船
海上でケーソンを製作する台船。
caisson fabricating barge
0503 甲板昇降形作業台
船
プラットフォーム及び昇降用脚をもち,プラ
ットフォームを海面上に上昇させて作業を行
う台船。
self-elevating platform
自己昇降形
作業台船,
SEP
0504 バージ形作業台船
作業用機器を備えたバージ形の台船。
barge type platform
台船
0505 半潜水形作業台船
プラットフォーム・コラム・ロワーハルなど
をもち,半潜水状態で作業を行う台船。
semi-submersible
platform
0506 プラント台船
プラントを装備した台船。
plant barge
0507 ランチングバージ
甲板上に搭載した構造物を進水させる装置を
備えた台船。
launching barge
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F 0041 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0508 居住用台船
主として作業員のための宿泊施設をもつ台
船。
accommodation barge
ホテルバー
ジ
0509 貯油バージ
油を貯蔵するタンクをもつ台船。
oil storage barge
f)
海上浮器
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
0601 一点係留ブイ
一点係留に使用するブイ。
single point mooring
buoy
0602 浮さん橋
浮体を使用したさん橋。
floating pier,
floating landing stage
0603 海上ローディング
ステーション
貨物を積み降ろしする海上中継基地。
offshore loading station
0604 海洋観測ブイ
海洋・気象などを観測する機器を備えたブイ。 marine research buoy,
oceanographic
observation buoy
0605 海洋無線中継ブイ
海洋に設置され,無線の中継基地として使用
するブイ。
radio relay buoy,
telecommunication relay
buoy
0606 ドック扉船
乾ドックの締切扉として使用する浮沈可能な
ケーソン。
dock caisson
原案作成(担当作業)専門分科会 構成表
氏名
所属
(専門分科会長)
小 川 隆 也
アイ・エイチ・アイ・クラフト株式会社
(委員)
迫 田 昌 典
社団法人日本船主協会
岩 佐 成 明
住友重機械工業株式会社
熊 田 展 郎
NHK総合エンジニアリング事業部
上 谷 秀 雄
三井造船株式会社千葉事業所
山 口 信 之
三菱重工業株式会社
高 濱 秀 正
日立造船株式会社
(事務局)
小 郷 一 郎
社団法人日本船舶標準協会
小 林 正 雄
社団法人日本船舶標準協会
長谷川 幸 生
社団法人日本船舶標準協会