F 0031 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。これによって,JIS F 0031 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,国際規格との整合を図るために,対応国際規格を翻訳し,その内容を変更することな
く採用し,規定内容の一部を改正した。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 0031 : 1998
造船用語−電気
Shipbuilding−Glossary of Terms−Electric
序文 この規格は,1973年に第1版として発行されたISO 1069, Magnetic compasses and binnacles for sea
navigation−Vocabularyを元に,対応する用語及びその定義については対応国際規格を翻訳し,一部の用語
の定義(基準コンパス及び操だコンパス)以外は,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格
であるが,対応国際規格には規定されていない用語及びその定義を日本工業規格として追加した。
1. 適用範囲 この規格は,造船用語のうち,電気関係の用語(以下,用語という。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の一部を構成する。こ
れらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS C 3410 船用電線
JIS F 0036 造船用語−航海機器−レーダ
ISO 1069 Magnetic compasses and binnacles for sea navigation−Vocabulary
IEC 92 Electrical installations in ships
備考 この規格の参考規格を,次に示す。
JCS 第390号 耐延焼性船用電線
3. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。
a) 一般共通
b) 配電
c) 電線
d) 電力機器
e) 照明器具,船灯,信号灯など
f)
通信機,計測器など
g) 航海計器
h) 無線装置
4. 定義 用語の定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。
備考 用語標記の中の ( ) 内の語は,疑問を生じない場合は省略してもよい。
2
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
a) 一般共通
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1001 安全電圧
人体に危険を与えない電圧。
備考 SOLAS(海上人命安全条約)では,
直流及び交流とも55Vを超えないも
のとしているが,IEC 92では50Vを
超えないものと規定している。
safety voltage
1002 標準電圧
機器を標準化し,また配電系統相互間の連絡を
容易にする目的で統一した電圧。
standard voltage
1003 最高電圧
正常の使用状態における線間電圧の最大値。
maximum voltage
1004 電流容量
導体に電流を通じた場合,許容最高温度を超え
ないで,電気的・機械的に損傷を受けることな
く通電できる最大電流。
current-carrying capacity 通電容量
1005 定格値
機器などに保証された使用限度を定格といい,
その限度を表す数値。
rated value
1006 導電部
電流が流れる部分。
conductive part,
current-carrying part
1007 裸充電部
電圧がかかっているか,又はかかることがある
露出部。
bare live part
1008 非導電金属部
正常な使用状態では電圧のかからない金属部。 non-current carrying
metallic part
1009 外被の保護等級
器具外被の保護性能の程度を表すもの。その表
示は形式記号IPと外来物・感電に対する保護及
び液体に対する保護を等級で区分した二つの
数字から成り立っている。
degree of protection of
enclosures
1010 タンカーの危険場
所
油タンカー又はLNG,LPGなどのガスタンカー
において,可燃性若しくは爆発性の蒸気又はガ
スが通常蓄積するおそれのある場所。
hazardous (dangerous)
space in a tanker
1011 爆発等級
防爆形機器において爆発性ガスの等級を表す
もの。火炎逸走を生じるすきの値によって1,2,
3等級に分類する。
備考 火炎逸走とは,爆発ガスの火炎が一
方から狭げき部分を通って他方に移
り,点火爆発すること。
flame-proof grade,
explosion class
1012 爆発性ガス又は蒸
気
濃度が爆発限界内にある混合ガス又は蒸気。
flammable gas or vapour,
explosive gas or vapour
1013 可燃性ガス
空気中において燃焼することができるガス。
combustible gas,
flammable gas
1014 証明付安全形機器
爆発性ガス又は蒸気(1012参照)がある場所で,
安全に使用できることが公共機関によって認
められた電気機器。
certified safe type
apparatus
1015 耐圧防爆機器
機器の容器内に外から入るか又は内部で発生
した爆発性ガスが内部で爆発しても容器は損
傷することなく,これに耐え,かつ,規定され
た外部の可燃性ガスに引火しないような構造
の電気機器。
flame-proof apparatus
(英),
explosion-proof
apparatus(米)
1016 内圧防爆機器
機器内に圧力をもたせて周囲の可燃性ガスが
侵入しないようにした構造の電気機器。
pressurized apparatus
3
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1017 安全増防爆機器
常時運転中,火花,アーク又は過熱を生じては
ならない部分に,これらの発生を防止するた
め,構造上又は温度上昇について特に安全度を
増加した構造の電気機器。
increased safety
apparatus
1018 温度等級
防爆機器の最高表面温度の区分
temperature class
1019 錠締め装置
耐圧防爆機器において,爆発ガスの安全保持の
ため特殊な工具を使用しなければ緩めること
ができないようにした締付け装置。
shrouding device,
shrouding device of
bolts-nuts, etc
1020 本質安全回路
機器の正常運転中及び故障時(短絡,地絡,断
線など)に発生する火花又は熱によって,爆発
性ガス又は蒸気に点火しないことが,点火試験
その他の方法によって確認された回路。
intrinsically safe circuit
1021 本質安全防爆機器
本質安全回路で構成される機器。
intrinsically safe
apparatus
1022 基準周囲温度の限
度
機器の温度試験における基準周囲温度の最高
限度。
maximum reference
ambient temperature
1023 接地
大地と同等と考えられる船体金属部(木船又は
FRP船の場合は,特に船底に設けられた金属部)
に所定のインピーダンス以下になるように接
続すること。
earth(英),ground(米)
1024 ボンド
非導電金属部相互間の電気的接続を確実にす
るか,又は電位を等しくするために行う接続。
bond
ボンディン
グ
1025 基礎絶縁
電撃に対して基礎的な保護をするために充電
部に施される絶縁。
備考 基礎絶縁には主として機能的な目的
に使用される絶縁は必ずしも含まな
い。
basic insulation
1026 補足絶縁
基礎絶縁が破壊したときに電撃に対して保護
するために,基礎絶縁に追加して施される独立
の絶縁。
supplementary insulation
1027 空間距離
互いに絶縁しなければならない裸充電部相互
間又は裸充電部とこれから絶縁すべき部分と
の最短空間距離。
clearance
1028 沿面距離
互いに絶縁しなければならない裸充電部相互
間又は裸充電部と,これから絶縁しなければな
らない部分との間に介在する絶縁物の表面上
で漏電が生じるおそれがある経路の最短距離。
creepage distance
1029 絶縁距離
空間距離(1027参照)及び沿面距離(1028参
照)の総称。
insulation distance,
distance for insulation,
spacing for insulation
1030 二重絶縁
充電部と人が触れるおそれがある非導電金属
部との間に,機能絶縁と保護絶縁とを施したも
の。
double insulation
1031 強化絶縁
充電部と人が触れるおそれがある非導電金属
部との間に設ける絶縁で,その性能が機械的・
電気的に二重絶縁と同等とみなされる絶縁。
reinforced insulation
1032 耐アーク性材料
実際の使用状態で,材料の表面に生じるアーク
の繰返し作用によって,はなはだしく損傷しな
い材料。
arc resistant material
4
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1033 耐湿性絶縁材料
規定の耐湿性材料試験で,絶縁抵抗が規定値未
満にならない材料。
moisture resistant
insulating material
1034 難燃性材料
規定の難燃性材料試験で,規定された長さを超
えて燃え続けない材料。
flame retardant material
1035 不燃性材料
規定の不燃性材料試験で,燃えず,かつ,規定
量以上の引火性蒸気やガスを発生しない材料。
incombustible material,
non-combustible
material
1036 主照明装置
船内の主電源から給電される照明装置。
main electric lighting
system
1037 非常照明装置
主電源が故障の際,船内非常電源から給電され
る照明装置。
emergency electric
lighting system
1038 派生電流
接地式配電方式において,その中性点と接地点
間に流れる電流。
resulting current
1039 短絡電流
回路の二点間が無視できる程度のインピーダ
ンスを通じて故意,又は事故で接続されたとき
に流れる電流。
short circuit current
1040 機関区域の無人化
設備
機関区域に運転・監視のための当直者がいない
状態で,適当な時間主機を運転するために必要
な設備。
operating systems for
unattended machinery
space
1041 フェイルセーフ
機器又は装置に故障が生じても安全側に作動
する機能。
fail-safe
1042 予備機
二重装備が要求される補機のうちの1台。
stand-by machines
1043
デッドシップコン
ディション
動力の欠如のため,主推進装置,ボイラ及び補
機類が稼動していない状態。
dead ship condition
b) 配電
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2001 船体帰路方式
船体又はその構造物を配電の一極又は一相と
して使用する配電方式。
hull-return system
2002 需要率
単独又は一群の電力消費機器の通常の使用状
態における最大負荷電力と,それらの定格出力
に対する入力との比。
demand factor(米)
2003 不等率
一群の断続して使用する各負荷の最大需要電
力の総和と,その群において同時刻にかかる負
荷総和の最大負荷電力との比。
diversity factor
2004 負荷時間率
反復使用又は反復負荷連続使用において1回の
負荷時間と1周期との比。通常,百分率で表す。
load factor
%ED
Prozent-einsc
halt-dauer
(独)
2005 一次配電
一次電源(4005参照)から電気的接続によって
電気を供給すること。この場合,磁気的結合を
含まない。
primary distribution
2006 二次配電
発電機電源から変圧器,電動発電機などを経て
電気を供給すること。
secondary distribution
2007 二重給電
二つの独立した給電回路で給電すること。
duplicate supply,
two circuit feeding
2008 非常配電回路
非常電気設備(4016参照)の配電回路。
emergency distribution
circuit
5
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2009 主給電線
主電源から電力を給電するための給電線。
main feeder
2010 非常給電線
非常電源から電力を給電するための給電線。
emergency feeder
2011 中間接続フィーダ
主配電盤と非常配電盤とを接続する電路電線。 inter-connecting feeder
2012 接地式配電方式
一線地絡事故の異常電圧による機器及び線路
の故障を防ぐなどの目的のため,発電機・変圧
器の中性点を接地して配電する方式。
earthed distribution
system
接地式配電
系統 (IEC)
2013 最終支回路
最終の回路の過電流保護装置から電力消費機
器及びその附属機器に至る給電回路。
final subcircuit(英),
branch circuit(米)
2014 電路
電線が敷設される道。
cable way,
cable run
2015 ケーブルレセス
電線敷設のために船体構造物にくぼみを設け
た空間。
cable recess
2016 ケーブルダクト
暴露甲板・危険区画などで,電線を外傷,湿気,
熱気から保護するために用いる電路。
cable duct
2017 バスダクト
閉鎖構造で母線を収納した構造物。
bus duct
2018 ケーブルトラフ
電線を敷設するための,とい(樋)形の電路。 cable trough
2019 電線みち(導)板
電線敷設のために設ける電線取付板。
backing plate,
cable tray
2020 電線支持金物
電線を支持するために用いるハンガ式又はサ
ドル式の支持金物。
cable hangers,
cable saddles
2021 電線貫通金物
水密隔壁,甲板,箱などに電線を貫通させる場
合,防水のために用いる金物。
cable gland
2022 配線器具
配線に用いる照明器具以外の器具。スイッチ,
プラグ,ソケットアウトレットなどの総称。
wiring accessories
2023 非常スイッチ
非常時などに回路を開閉するためのスイッチ。 emergency switch
2024 ユニットスイッチ
主として船用分電箱内の分岐回路の開閉に使
用する起倒式速入り速切りスイッチ。
unit switch
c) 電線
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3001 (あじろ)がい装
ケーブルを機械的に補強する目的で,亜鉛めっ
き鋼線,銅合金線などで編組した被覆。
(basket weave type)
armour,
(metal braided) armour
3002 シース
絶縁線心を保護するためにビニル,クロロプレ
ン,鉛などをさや状に施した被覆。
sheath,
jacket
3003 防食層
がい装又は金属製のシースの腐食を防止する
ために,その上に施すシース。
protective covering outer
sheath
3004 無機絶縁ケーブル
絶縁物に無機物を用い,金属製のシースを施し
たケーブル。
mineral insulated cable
MIケーブル
3005 導体最高許容温度
関連する絶縁物に許容される導体の最高温度。 maximum rated
conductor temperature
3006 電流定格の補正係
数
ケーブルを並列に敷設する場合,基準周囲温度
以外の温度で使用する場合,短時間負荷に使用
する場合など,ケーブルの許容電流値を補正す
るための係数。
correction factor for
current rating
6
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3007 耐炎試験
電線が耐炎性であることを確かめる試験。
なお,この試験に合格した電線は難燃性があ
ると認められる。
備考 試験についてはJIS C 3410に規定が
ある。
flame retardant test
3008 耐火又は耐燃試験
電線が耐火性又は耐燃性であることを確かめ
る試験。
備考 試験についてはIEC 92-3の10.50A
に規定がある。
fire-proof or
fire-resisting test
3009 耐延焼試験
束状のケーブルが難燃性であることを確認す
る試験。
参考 社団法人日本電線工業会のJCS第
390号(耐延焼性船用電線)の6.5に
規定がある。
flame retardant test on
bunched cables
d) 電力機器
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4001 主電源
船の航海,推進,人命の安全などのために設備
された電気機器に給電する電源。
main source of electrical
power,
main power supply
4002 非常電源
主電源装置がその機能を失ったときに,主とし
て非常時に必要な電気機器に給電する電源。
emergency source of
electrical power
4003 臨時の非常電源
非常発電機から給電が開始されるまでの間,一
時的に使用する蓄電池電源。
transitional source of
emergency electrical
power
一時つなぎ
の非常電
源
4004 予備の電源
使用中の電源の故障時,保守点検などによる休
止時に,給電の連続性を確保するために別途設
けられた電源。
stand-by power
4005 一次電源装置
原動機を使用して電力を発生させる発電機,そ
の電力を船内に給電する配電盤などの装置の
総称。
primary source of
electrical power
4006 二次電源装置
一次電源から船内の負荷に応じて電圧・周波数
などを変えて二次的な電源を作って給電する
装置。
secondary source of
electrical power
4007 主発電機
主電源の電力を発生する発電機。
main generator
4008 補助発電機
主発電機とは別個に設けられ,船の経済上又は
運航上の便宜のため,その停泊時負荷,ボイラ
の始動負荷などに給電する発電機。
auxiliary generator
4009 非常発電機
非常電源の電力を発生する発電機。
emergency generator
4010 予備発電機
使用中の主発電機が故障,保守点検などによる
休止時に,給電の連続性を確保するために運転
を行う別の主発電機。
stand-by generator
4011 主配電盤
主電源を船内の電気設備に給電する目的で回
路の開閉監視,制御及び保護を行う配電盤。
main switchboard
4012 補助配電盤
主配電盤,補助電源又は変圧器から給電される
盤で,回路群の開閉,監視,制御及び保護に必
要な器具を配列した配電盤。
auxiliary (sub)
switchboard
4013 非常配電盤
非常電源を給配電する独立した配電盤。
emergency switchboard
7
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4014 給電盤
船内電源を給電する盤。主として配電盤に組み
込まれ,その一部を構成する。
feeder panel
4015 試験用配電盤
白熱灯,けい光灯,各種表示灯,ヒューズ,そ
の他の各種器具の試験を行う盤。
test panel
4016 非常電気設備
非常電源,非常配電盤,非常用電気機器などの
諸装置。
emergency electrical
installation
4017 船外給電箱
船外の電源から船内へ給電する場合に用いる
接続箱。電路開閉器,相回転表示装置(直流の
場合は極性検知装置),接続端子などで構成さ
れる。
shore connection box
4018 区電箱
他の区電盤,分電盤などへの給電を制御する盤
を収めた金属製箱。
section board(英),
distribution panel(米)
4019 分電箱
過負荷保護装置を組み合わせて最終支回路に
電力を給電する盤を収めた金属製箱。
distribution board(英),
panelboard(米)
4020 後備遮断器
配電用遮断器などの定格遮断容量が不足して
保護できない場合に,電源側に装備する十分な
短絡定格をもつ遮断器。
back-up breaker
4021 重要負荷
船の航海,推進及び人命の安全のため,快適な
居住性のため,又は船の特殊設備のため欠くこ
とができない機器。
essential service
4022 優先遮断
重要負荷への連続給電を保持するため,発電機
が過負荷となる場合に,重要でない負荷を自動
的に回路から優先的に切り離すこと。
preference trip
4023 選択遮断
配電系統中,回路に短絡事故が発生した場合,
それらの事故の影響を限定するため故障点に
最も近い保護遮断器だけが動作すること。
discriminative trip(英),
selective trip(米)
4024 極性検知装置
直流配電方式で極性を調べる装置。
polarity indicator
4025 検相器
多相交流配電方式で相順を調べる装置。
phase sequence indicator,
phase rotation
indicator
4026 地絡検出装置
地絡したことを検出する装置。
earth detector
4027 地絡表示灯
地絡の状態を表示するランプ。
earth lamp(英),
ground lamp(米),
earth indicating lamp
アースランプ
4028 絶縁監視装置
回路の絶縁状態を監視する装置。
insulation level
monitoring device
4029 安全絶縁変圧器
人体に対する電撃などの電気的危険保護の目
的で,給電源から絶縁するために船体金属部に
対し,一次側,二次側とも絶縁してある変圧器。
safety isolating
transformer
e) 照明器具,船灯,信号灯など
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5001 天井灯
天井にじか付けか又は埋め込んで取り付ける
照明器具。
ceiling light
5002 壁付灯
壁,柱などに取り付ける照明器具。
bracket light,
wall light,
bulkhead light
8
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5003 寝台灯
寝台上で使用する照明器具。
berth light
ベッドラン
プ
5004 鏡灯
室内又は洗面所の鏡の上部に取り付ける照明
器具。
mirror light
鏡面灯,ミラ
ーランプ
5005 卓上灯
机上などの局部照明に使用する照明器具。
desk light
5006 診療灯
診療のときに使用する照明器具。
dispensary light
5007 海図台灯
海図台上の海図を照明するための照明器具。
chart table light
5008 計器照明灯
計器の目盛及び指針を見やすくするための照
明器具。
instrument light
5009 光度加減器
電球などの光度を増減する器具。
dimmer
ディマー
5010 ボートデッキラン
プ
進水過程中及び進水直後の救命艇並びにその
付近を照明するための照明器具。
boat deck light,
boat embarkation light
乗艇灯
5011 玄門灯
玄門及び船側はしご付近を照明するための照
明器具。
gangway light
5012 手さげ灯
局部照明用として使用するプラグ付きコード
をもつ携帯用照明器具。
portable hand lamp
ポータブルラ
ンプ
5013 カーゴランプ
荷役時に,上甲板又は船倉内を照明する器具
で,マストなどに取り付ける固定式又は可搬式
照明器具。
cargo light,
cargo lamp
5014 特殊形カーゴラン
プ
石炭運搬船の船倉照明などに使用する全閉形
の可搬式照明器具。
totally enclosed portable
type cargo light,
special type cargo light
5015 プロゼクタ
反射鏡又はレンズを使用して,ある範囲の方向
に高光度が得られるようにした照明器具。
floodlighting projector
投光器
5016 作業灯
機械室,倉庫,作業場所,通路などに取り付け
る照明器具。
pendant light
5017 耐圧防爆天井灯
爆発性ガス若しくは蒸気の発生又は蓄積する
おそれがある場所の天井に取り付け,安全に点
灯できる耐圧防爆構造の照明器具。
flame-proof ceiling light
(英),
explosion-proof ceiling
light(米)
5018 空気駆動式電灯
危険区画で使用できる空気駆動式の照明灯。
air operating electric
light
5019 防爆灯用制御スイ
ッチ
防爆灯の点滅に使用する特殊ハンドル付きス
イッチ。そのハンドルは“断”の位置で外され
て,同系統の防爆灯の錠締めを緩め開放するこ
とができる。
control switch for
flame-proof light
(英),control switch
for explosion-proof
light(米)
5020 非常灯
船舶安全法などに規定する必要な箇所に設け
ることを要求されている非常用の照明器具で,
非常電源から給電される。
emergency light
5021 船灯
海上衝突予防法などに規定する船に取り付け
ることが定められている船舶が占める空間及
び運航状態を示す灯具。マスト灯,玄灯,両色
灯,全周灯,引き船灯などの総称。
ship's light
5022 航海灯
海上衝突予防法などに規定する航海中に点灯
する船灯。
navigation light(英),
running light(米)
5023 マスト灯
海上衝突予防法などに規定する船のマストな
どに掲げる白色光を前方225°の方向に発する
灯具。
mast head light,
mast light,
range light(米)
9
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5024 玄灯
海上衝突予防法などに規定する船の航海中に
正船首から左方112.5°を照らす左玄側に紅灯
を,同様に右方を照らす右玄側に緑灯を装備さ
れることになっている灯具で,この両灯の総
称。
side light
5025 両色灯
海上衝突予防法などに規定する長さ20m未満
の船舶の玄灯として使用されるもので,1個で,
左側が紅色,右側が緑色の光を発する灯具。
bi-coloured light
5026 船尾灯
海上衝突予防法などに規定する航海灯の一種
で,船尾に掲げ,後方135°に白色光を発する
灯具。
stern light
5027 三色灯
海上衝突予防法などに規定する12m未満の帆
船及びこぎ船の玄灯兼船尾灯として使用され
るもので,1個で,左側が紅色,右側が緑色,
後方が白色の光を発する灯具。
tri-coloured light
5028 航海灯表示器
航海灯の点滅を集中制御し,電球の断線その他
の故障を表示し,警報を発する器具。
navigation light indicator
(英),
running light indicator
(米)
5029 引き船灯
海上衝突予防法などに規定する船舶その他の
物件を引いて航行する場合に船尾灯と連掲(直
上)するもので,船尾灯と同一の特性をもつ黄
灯。
towing light
5030 全周灯
海上衝突予防法などに規定する360°にわたっ
て水平方向から可視できる灯具。
all-round light
5031 せん光灯
海上衝突予防法などに規定する一定の間隔で
毎分120回以上のせん光を発する全周灯。
flashing light
5032 白灯
海上衝突予防法などに規定する白色光を発す
る灯具。マスト灯,船尾灯,停泊灯などに用い
る。
white light
5033 紅灯
海上衝突予防法などに規定する紅色光を発す
る灯具。左玄灯,運転不自由灯などに用いる。
red light
5034 緑灯
海上衝突予防法などに規定する緑色光を発す
る灯具。右玄灯に用いる。
green light
5035 黄灯
海上衝突予防法などに規定する黄色光を発す
る灯具。引き船灯などに用いる。
yellow light
5036 危険物積載船標識
灯
海上交通安全法の適用海域を航行する危険物
運送船舶に掲げる灯具。
一定の間隔で毎分120回以上140回以下のせ
ん光を発する紅色の全周灯。
flashing light for vessel
carrying dangerous
cargo
5037 巨大船標識灯
海上交通安全法の適用海域を航行する長さ
200m以上の船舶に掲げる灯具。
一定の間隔で毎分180回以上200回以下のせ
ん光を発する緑色の全周灯1個を掲げる。
flashing light for huge
vessel
5038 操だ目標灯
パナマ運河航行規則などに規定する大形船の
船首部に設けて,操だの目標とする灯具。
steering light
5039 漁業灯
海上衝突予防法などに規定する漁船が漁労中,
網や索などの漁具を水中に引いているときに
掲げる灯具。
fishing light
10
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5040 停泊灯
海上衝突予防法などに規定する船舶の停泊中
に掲げる白灯。
anchor light
びょう(錨)
泊灯(海上
衝突予防
法)
5041 運転不自由灯
海上衝突予防法などに規定する機関の故障そ
の他のため,運転の自由を失ったときに掲げる
灯具。
not-under-command light
5042 ハンブルグカスタ
ムライト
エルベ河を航行するとき,ハンブルグの規則に
よって船尾に設ける白色の信号灯。パイロット
(税関吏兼務)の乗船を示す。
Humburg custom light
5043 セントローレンス
シーウェイ信号灯
セントローレンス運河及び五大湖の航路規則
によって掲げる航行及び停泊時の信号灯。
St. Lawrence sea way
signal light
5044 スエズ運河信号灯
スエズ運河通行規則に規定する白,赤,緑色の
信号灯を組み合わせて,かつ,紅灯を船尾に設
けて,港,パイロット又は他の船に対して夜間
信号を行う灯具。
Suez canal signalling
light
5045 スエズ運河探照灯
スエズ運河通行規則に規定する特殊探照灯。
Suez canal searchlight
5046 パナマ運河信号灯
パナマ運河規則によって,船舶が,夜間運河を
航行するとき両玄に掲げる灯具。
Panama canal signalling
light
5047 昼間信号灯
国際航海の150総トン以上の船舶には必備の法
定船用品で,昼間白光の点滅によって,有効に
モールス信号で通信を行う灯具。固定形のもの
と携帯形のものとがある。
daylight signalling light
5048 吹鳴信号灯
エアホーンなどを使用するとき,その船の所在
が他船から認知できるように,吹鳴と連動して
点灯する灯具。
signalling light for air
horn
ライトエミ
ッタ
5049 モールス信号灯
モールス信号で通信を行う灯具。
コンパス船橋などに取り付けられ,筒形のフ
レネルレンズ中に20W電球3,4個を設け,そ
の点滅によって信号を発する。
Morse signal light
5050 モールス信号灯キ
ー
モールス信号灯の点滅を行う器具。
key for Morse signal
light
5051 検疫灯
検疫中であることを示すための灯具。紅灯,白
灯を上下に掲げて用いる。
quarantine light
5052 プロペラ注意灯
プロペラの所在を注意させるために船尾から
つりさげる紅色光を発する灯具。
propeller warning signal
light
暗車注意灯
5053 球形船首注意灯
球形船首の所在を注意させるために,船の船首
に設ける標識灯。紅灯又は青灯を用いる。
protruding bow warning
light, bulbous bow
warning light
5054 警戒灯
危険物を積載している状態又はタンカーで荷
油を積込み,積下ろし状態を示すために,マス
トそのほか見やすい場所に掲げる紅色光を発
する灯具。
warning light
危険灯,
危険物搭載
灯
5055 航空障害灯
航空機に対し飛行障害を示すためにマストの
上部に掲げる紅色光を発する灯具。
airplane warning light
5056 回転式警戒信号灯
中心に光源を設け,その周りに反射鏡を回転し
ながら光の射出方向を変えて警戒信号を発す
る灯具。
rotating type warning
signal light
11
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5057 喫水制限船灯
海上衝突予防法に規定する船舶の喫水と水深
との関係によって,その進路から離れることが
著しく制限される船に連掲することができる
紅色の全周灯(3個)。
deep draught vessel light
5058 操縦性能制限船灯
海上衝突予防法に規定する船舶の操縦性能を
制限する作業に従事しているため,他の船舶の
針路を避けることができない船に連掲する白
色の全周灯(1個)と紅色の全周灯(2個)。
restricted manoeuvre
light
5059 操船信号灯
海上衝突予防法に規定する他の船舶の視野内
において,転針又は機関を後進にかけていると
きに用いることができる発光信号灯。
manoeuvring light
5060 警告信号灯
海上衝突予防法に規定する他の船舶の視野内
において,その船舶の意図が理解できないとき
又は衝突を避けるための十分な動作をとって
いないときに急速にせん光を5回以上発するこ
とができる信号灯。
warning signal light
5061 注意喚起信号灯
海上衝突予防法に規定する他の船舶の注意を
喚起する必要があるとき,他の信号と誤認され
ることのない発光信号灯又は探照灯。
attention attracting light
5062 光達距離
船灯や航路標識などの灯光を認めることがで
きる地点から,その灯火までの距離。
visible distance
5063 衝突予防灯
大形タンカーなどの船腹に小船が夜間衝突し
ないように甲板上に設ける標識灯で,船灯色と
紛らわしくない光を発する灯具。
anti-collision light
5064 通船灯
本船からサンパンを呼ぶために掲げる緑色光
を発する灯具。
sampan signalling light
5065 探照灯
通常反射鏡の有効径が20〜60cmでほぼ平行な
ビームを出す投光器。
searchlight
5066 信号探照灯
探照灯に羽毛式シャッタを設けたもので,遠距
離の船舶及び陸上との交信に用いる投光器。ま
た,探照灯としても使用できる。
signalling searchlight
5067 ヘリコプタ甲板標
識灯
ヘリコプタパイロットにヘリコプタが着船す
るための甲板部位を示す灯具の総称。
なお,灯具には正横灯(緑色光),前方限界
灯(赤色灯),中心線灯(白色光),着船点表示
灯(緑色光),境界灯(黄,青,白,赤色光)
などがある。
helicopter deck
indicating light
5068 水平指示灯
船体の動揺に関係なく,水平を指示するための
緑色光を発する灯具。
なお,灯具は動揺安定機上に取り付けられ
る。
horizon indicating lamp
水平灯
5069 進入角指示灯
着船誘導をするための三色光を投光する灯具。
なお,灯具は動揺安定機上に取り付けられる。
glides lope indicating
lamp
5070 吹流灯
風向を指示するための灯具。
illuminated windsock
5071 ヘリコプタ甲板照
明灯
玄側に一定間隔に設置し,甲板面をほぼ水平に
照射してヘリコプタパイロットに甲板面の存
在を知らせるための白色光を発する灯具。
helicopter deck surface
flood light
5072 バッテリー内蔵形
非常灯
ランプ電源に電池を組み込んだ非常灯。
なお,非充電式及び充電式がある。
battery integrated
emergency light
12
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5073 電気安全灯
一般的には乾電池式ハンドランプで,3時間点
灯可能な承認された形式の灯具。
SOLAS(海上人命安全条約)で消防員装具と
して規定されている。
electric safety lamp
5074 オブストラクショ
ンライト
霧中及び夜間に使用するもので,海域によって
定められたコードで点滅する信号灯。リグのよ
うな海上構造物に装備され,フォグフォーンと
同期させて点滅させるものもある。
obstruction light
5075 船飾連係灯
複数の灯器をキャブタイヤコードで連係した
もので,夜間点灯によって船形なりに装飾する
ための一連の灯具。
ship illumination lamp
船飾灯
f)
通信機,計測器など
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
6001 一般非常警報
非常時に汽笛,サイレン,ベル,クラクション
などの可聴信号によって,すべての区域にわた
る警報。
general emergency alarm 全船非常警
報
6002 操だ機警報
操だ機用電動機などの異状を示す可聴及び可
視の警報。
steering gear alarm
6003 無電圧警報
給電回路がなんらかの原因で無電圧となった
とき,その状態を直ちに視覚,聴覚などによっ
て報じる警報。
no-volt alarm
6004 誤動作警報
正常な動作から誤った動作になれば,直ちにそ
れに設けられた機構によって発する警報。
wrong operation alarm
6005 霧中信号
海上衝突予防法に定められた船舶や水上航空
機が海上で霧などのため視界が狭小になった
場合,衝突の危険を防止するための音響信号。
fog signal
6006 吹鳴制御装置
船舶の信号として用いる汽笛(スチームホイス
ル,スチームホーン),エアホーンなどを手動
及び自動式に制御する装置。普通ダイヤルスイ
ッチ(6007参照),タイムコントローラ(6008
参照)などを附属している。
whistle and siren control
system
6007 ダイヤルスイッチ
吹鳴制御装置に用いるもので,接・断,自動・
手動などに切り替えできる制御用回転形スイ
ッチ。
dial switch
6008 タイムコントロー
ラ
定められた時間間隔又は任意に定められる時
間間隔で電気装置を制御する制御器。霧中信号
などに用いられる。
time controller
6009 船内指令装置
拡声装置を使用して船内に所要事項を伝達す
る装置。
public addresser
6010 無電池式電話機
電源を必要とせずに,音声エネルギーによって
送話電流が受話機に流れ,音声に変換される原
理を利用して通話できる電話機。
sound powered telephone
6011 トークバック装置
同時に送受話のできない通話装置。
talk back system
6012 電気式ラダーアン
グルインジケータ
かじの角度及び方向を遠隔指示する装置。発信
器は,だ頭と連結して取り付け,受信器は機関
室,操だ室などに設ける。交流電源の場合はシ
ンクロ,直流電源の場合はステップモータを使
用する。
electric rudder angle
indicator
だ角指示器
13
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
6013 電気式エンジンテ
レグラフ
操だ室と機関室間で主機の発進・停止と速度区
分などを命令連絡する通信装置。発信器と受信
器とから成り,共に同一様式の信号区画のある
文字板を用いる。駆動方式は6012と同様であ
る。
electric engine telegraph
6014 電気式エンジンテ
レグラフロガ
電気式エンジンテレグラフ(6013参照)のテレ
グラフの命令,応答事項及び時刻を自動的に記
録する装置。
electric engine telegraph
logger
6015 電気式非常用エン
ジンテレグラフ
電気式エンジンテレグラフ(6013参照)のテレ
グラフが故障の場合,応急用として使用するテ
レグラフ。ある限られた指令だけを電球で照示
する方式のものもある。
electric emergency
engine telegraph
6016 電気式エンジンテ
レグラフレピータ
電気式エンジンテレグラフ(6013参照)のテレ
グラフの命令を表示する副指示器。
electric engine telegraph
repeater
6017 電気式プロペラ軸
回転計
プロペラ軸の毎分回転数又は毎分回転数と回
転方向を遠隔指示する計器。
electric propeller shaft
revolution indicator
6018 回転方向指示器
原動機軸などの回転速度及び回転方向に同期
して指針が回る指示器。
revolution telltale
6019 自動火災警報装置
自動的に火災を早期に発見して警報を発する
装置。その感知機によって,次のような種類が
ある。
1. 空気管式
2. 電気サーモスタット式
3. 煙管式
4. イオン式その他
automatic fire alarm
system
6020 火災探知装置
広義では自動火災警報装置(6019参照)を指す
が,狭義では煙管式火災警報装置だけをいうこ
とがある。
fire detecting system
6021 手動式火災警報装
置
火災報知器の押しボタンを押して火災を警報
器へ知らせる装置。
manual fire alarm system
6022 火災警報感知器
火災場所の熱,イオン濃度などに感じて警報装
置にその情報を送るもの。種類としては6019,
6023,6024参照。
sensor for fire alarm
system
6023 煙感知器
煙を感知することによって,火災探知を行う器
具。イオン式と光電式とがある。
smoke detector
6024 熱感知器
温度上昇をとらえて火災探知を行う器具。一定
温度に上昇したことを感知する定温式(バイメ
タル式)と,温度上昇率をとらえて感知する差
動式(空気膨張式)とがある。
heat detector,
thermal detector
温度式探知器
6025 (電気式)スモー
クインジケータ
ボイラなどが不完全燃焼の場合,煙の色又は濃
度を光度の変化を利用して測定する装置。
(electric) smoke
indicator
6026 (電気式)ゴング
つり鐘形の鐘を電気動力を使って鳴動する警
報器又は呼鈴。
(electric) gong
6027 表示灯付ゴング
(電気式)ゴング(6026参照)が鳴動すると同
時に電球が点灯表示するようになっているゴ
ング。
gong with a pilot lamp
6028 表示灯付ベル
ベルが鳴動すると同時に電球が点灯表示する
ようになっているベル。
bell with a pilot lamp
14
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
6029 ホーンブザー
音を発する部分にラッパ状のものを取り付け
音を拡大し,かつ,方向性をもたせたブザー。
horn buzzer
6030 表示灯付ホーンブ
ザー
音を発すると同時に電球が点灯表示するよう
になっているホーンブザー。
horn buzzer with a pilot
lamp
6031 電子ブザー
電子回路による電気振動を利用して可聴音を
発生させるブザー。
electronic buzzer
6032 モータサイレン
電動機によって駆動するサイレン。
motor siren
6033 エアーホイッスル
圧縮空気の放出によって高音を発する装置。
air whistle
6034 (電気式)喫水計
船首,船尾の喫水量を指示するとともに,平均
喫水量や排水量などを計測する装置。電気的に
は静電容量を利用したもの又は電気式による
水圧を指示するものがある。
(electric) draft gauge
ドラフトゲー
ジ
6035 風向風速計
風の方向及び水平成分の風の速度を同一測定
器で測定できる計器。翼のない飛行機のような
形をなし,前部のプロペラの回転が発電機の出
力となり風速を計り,垂直尾翼によって風の方
向を遠隔指示する計器。
aerovane,
anemometer
6036 (電気式)ウイン
ドワイパ
操だ室前面の窓に雨雪などが付着して見通し
が悪くなったとき,これをぬぐい去るための腕
を動力で動かす装置。
(electric) window wiper
6037 クリヤビュースク
リーン
操だ室の前面の窓にはめ込んだ円形のガラス
窓を高速度の電動機で回転して,遠心力で雨,
雪を除く装置。
clear view screen
旋回窓
6038 ガス警報装置
ガスを検知するセンサからの信号が警報部へ
送られ,ガス濃度が設定値以上になった場合に
リレー回路が動作し,ランプ又はブザーで警報
を発する装置。
gas warning system
6039 ガス温度計測器
混合ガス中の成分ガスの濃度を測定する計器
で,連続指示又は記録機能をもつ。検出部のセ
ンサには,電気化学的方法,光学的方法,電気
的方法などさまざまな方式がある。
gas concentration
measurement
instrument
6040 開放形計測装置
液面などを計測する装置の一種。タンクの開口
を使用するもので,計測者が貨物又は蒸気にさ
らされる可能性がある計測装置。
open gauging
6041 制限形計測装置
液面などを計測する装置の一種。タンクを貫通
しており,使用の際に貨物の少量の蒸気又は液
体が大気中に散逸する計測装置。使用しないと
きにはこの装置は完全に閉鎖される。
restricted gauging
6042 密閉形計測装置
液面などを計測する装置の一種。タンクを貫通
しているが密閉系統を構成しており,タンク内
容物の散逸を防ぐ計測装置。代わりに間接形を
使用することができる。
closed gauging
6043 間接形計測装置
液面などを計測する装置の一種。タンク壁を貫
通せず,かつ,タンクから独立している計測装
置。例えば,貨物質量計,管流量計。
indirect gauging
15
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
g) 航海計器
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
7001 航海用レーダ
電波の直進性,定速度性及び反射を利用して海
上の障害物,他船,陸岸などを探知し,それら
の位置並びに自船からの方向及び距離をブラ
ウン管などに表示する装置。
marine radar
船用レーダ
7002 レーダの表示方式
PPI(JIS F 0036参照)方式,ラスタースキャン
方式がある。
なお,ラスタースキャン方式とは,指示器の
映像表示をテレビジョンと同様に電子ビーム
を走査させた高輝度画面の方式。
indication method of
radar
7003 自動衝突予防援助
装置
レーダからの情報を基にして衝突回避の判断
に有効なデータを提供する装置。目標の捕そ
く,目標の追尾,それらの針路,速力のベクト
ル表示,警戒ゾーンの設定,警報,画面上の試
行操船などの機能をもつ。
備考 性能基準はIMO(国際海事機関)で
規定している。
automatic radar plotting
aids
ARPA
7004 プロッティング装
置
レーダ画面上で得られた特定の物標の運動を
記録,作図するための装置。
plotting facilities
7005 反射プロッタ
プロッティング装置の一種。表示器の表面の上
方にプロット面を装着した構造で,表示面とプ
ロット面との中間に装着したハーフミラーの
効果によって,表示面に写し出された物標を視
差なくプロット面に作図ができ,かつ,プロッ
トしたマークと映像が同時に見えるようにし
た装置。
reflection plotter
7006 レーダビーコン
船舶用レーダの電波を受信することによって,
レーダ用周波数帯の電波を発射し,レーダの表
示器上にそのレーダビーコン局の位置を表示
する電波標識。
radar beacon
7007 真方位指示装置
レーダ及び無線方位測定機(7038参照)におい
て,ジャイロコンパス(7027参照)と結合して
目標を真方位で表示する装置。
true bearing unit
7008 音響測深機
音波の反射を利用して水深を測定する装置。
echo sounder
7009 (音響測深機)送
波器
電気振動を超音波に変換して水中に放射させ
る装置。
(echo sounder)
transmitter
7010 (音響測深機)受
波器
海底からの反射音波を受信して電気信号に変
換する装置。
(echo sounder) receiver
7011 (音響測深機)送
受波器
送波器と受波器の両者の機能をもった装置。
(echo sounder)
transducer
7012 ドップラーソナー
水中における超音波のドップラー効果を利用
して,船の前後方向及び左右方向の対地又は対
水速度を測定する装置。
Doppler sonar
7013 ドップラーログ
水中における超音波のドップラー効果を利用
して,船の前後方向の対地又は対水速度及び航
程を測定する装置。
Doppler log
16
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
7014 えい航式ログ
船尾に引航されたロテータの回転数から航程
を積算する装置。
備考 ロテータとは,えい航式ログの回転
翼体をいう。
towing log
パチントロ
グ,
シップログ
7015 航程指示器
航程を指示する器具。
distance indicator
7016 電磁ログ
船底に取り付けた磁界発生部による磁界が海
水を切るときの相対速度に比例して生じる起
電力によって船の速さと航程を測定する装置。
electro-magnetic log
7017 圧力ログ
ピトー管から得た動圧による船の速さと航程
を測定する装置。
備考 ピトー管とは船底から突出させて使
用する圧力ログの受圧管。
pressure log
7018 磁気コンパス
指北性を地磁気に依存するコンパス(ISO 1069
による。)。
備考 コンパスとは,方位のうち,ある方
向を求め,永続的にその方向を保持
するように設計された装置。
magnetic compass
7019 基準コンパス
船のコンパスのうちで,針路や方位の測定上基
準となる磁気コンパス。
ジャイロコンパスも基準コンパスとなり得る。
standard compass
7020 反映式磁気コンパ
ス
反映装置によってコンパスカードの像の全部
又は一部を見ることができる磁気コンパス
(ISO 1069による。)。
reflector (type) magnetic
compass
7021 操だコンパス
主として操だ用に使用されるコンパス。
steering compass
7022 方位発信器付磁気
コンパス
レピータコンパスに方位信号を発信する機能
を備えた磁気コンパス(ISO 1069による。)。
transmitting magnetic
compass
7023 自差曲線
自差検定の時,測定された残存自差を,船首の
コンパス方位に対してプロットした曲線図
(ISO 1069による。)。
deviation curve
7024 磁気コンパス補償
装置
船体消磁が磁気コンパスに影響を及ぼさない
ようにする補償装置。
compensating device of
magnetic compass
7025 消磁
船体下の磁場を消去する(磁気機雷対策のため
磁場を減殺する)こと(ISO 1069による。)。
備考 船体にコイルを巻き通電して消磁す
る場合,これによる磁場と,もとも
との船体磁場との合成磁場ができ
る。消磁コイルに通電したときに生
じる自差はコンパス・ビナクルに装
備されている補償コイルに同時に通
電して修正される。
degaussing
7026 (磁気コンパス)
安全距離
磁気コンパスに与える影響を除去又は大幅に
減らすために,磁気コンパスから磁性材料及び
電気装置を離さなければならない最小距離。
safe distance
7027 ジャイロコンパス
ジャイロの特性を利用して,その軸が地球上の
真子午線を示すようにして真針路と真方位を
測定できるように構成した装置。
gyro compass
17
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
7028 偏差警報
方位測定の信頼性を増すため,複数個のジャイ
ロコンパスを装備した場合に,互いのコンパス
間の方位の差があらかじめ定めた値より大き
くなったときに発する警報。
deviation alarm
7029 緯度誤差
スペリー式ジャイロコンパス特有の誤差。緯度
によって定まった値であり,修正機構で修正で
きるようになっている。
latitude error
7030 加速度誤差
船の増減速や変針など,ジャイロコンパスに加
速度を与えたときに生じる誤差。
ballistic deflection
変速度誤差
7031 速度誤差
ジャイロコンパスを装備した船が東又は西以
外の針路を航行するときに生じる指度誤差。針
路が北又は南の場合に最大となる。
speed error
7032 速度誤差修正器
速度誤差を修正する装置。スペリー式では,緯
度誤差とともに修正し,緯度速度誤差修正器と
いう。
speed error corrector
7033 コースレコーダ
ジャイロコンパスに接続して使用する船の針
路の記録装置。
course recorder
7034 オートパイロット
ジャイロコンパス,磁気コンパスなどから船首
方位の信号を受け,自動的に操だして一定の針
路を保つ自動かじ取装置。
auto pilot
7035 だ(舵)角調整
オートパイロットにおいて,かじ角の比例定数
を所定針路からの偏位量に比例して調整する
こと及びその装置。
rudder adjustment
7036 天候調整
オートパイロットにおいて荒天時など,海況に
応じて命令針路を挟む不感帯の幅を調整する
こと及びその装置。
weather adjustment
7037 回頭角速度計
船首部における単位時間当たりの旋回角速度
を計測,表示する計器。
rate-of-turn indicator
7038 無線方位測定機
無線局又は電波を発信する物標の方向を決定
するため,枠形空中線の指向性を利用して電波
の到来方向を測定する機器。
radio direction finder
方向探知機,
ラジオコン
パス,ワイ
ヤレスコン
パス
7039 センスアンテナ
無線方位測定機の枠形空中線で測定して得ら
れた180度異なった方向のうち電波が到来した
方向を決定するアンテナ。
sense antenna
7040 補正曲線
無線方位測定機の測定値と実際の方位との誤
差を補正するように作成した曲線。
correction curve
7041 ホーミング設備
船首からいずれの側にも30度の円弧の範囲内
において,無線電話遭難周波数 (2182kHz) 電波
の到来方向を探知できる設備。
equipment for homing
7042 ロラン方式
長い基線の二つの陸上局から送信される電波
の到達時間差を測定し,船位を決定する双曲線
航法方式。
loran system
7043 ロランA
周波数2MHz帯のパルス電波を使用する標準ロ
ラン方式。
loran A
7044 ロランC
周波数100kHzの長波を使用する超長距離ロラ
ン方式。
loran C
18
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
7045 デッカ方式
一般に1主局と3従局から送信する電波を受信
し,その位相差を測定し,船位を決定する双曲
線航法方式。
Decca system
7046 オメガ航法装置
10〜14kHzのオメガVLFパルス電波を受信し,
そのうちの3局以上の電波の位相比較を行って
船位を決定する双曲線航法装置。
omega navigator
7047 衛星航法システム
人工衛星から発信される軌道情報などを受信
し,船の位置を求める人工衛星利用の航法シス
テム。
satellite navigation
system
7048 NNSS
衛星航法システムの一種。数個の極軌道衛星か
ら発信される軌道情報と,その送信電波の周波
数のドップラー偏移量の解析から位置決定を
するシステム。
navy navigation satellite
system
7049 GPS
衛星航法システムの一種。高度2万kmの18個
の衛星を利用して,そのうちの4個の衛星から
軌道情報を受信することによって,全世界のど
こでも,3次元の位置及び速度を測定できるシ
ステム。
global positioning
system
7050 航行援助装置
船舶の安全航行のために用いる装置の総称(ジ
ャイロコンパス,レーダ,自動衝突予防援助装
置など)。
navigation aids
h) 無線装置
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
8001 義務船舶局
船舶の航行の安全を確保するために船舶安全
法第4条の規定によって,備え付けることを義
務付けられている船舶の無線局。
compulsory ship station
8002 聴守義務
船舶局及び海岸にある無線局が,海上における
人命,財産の保全を図るため,1日のうちの定
められた時間,国際遭難呼出周波数の電波を聴
守しなければならない義務。
compulsory watch
8003 沈黙時間
海上における人命・財産の保全に関する通信
(遭難通信,緊急通信,安全通信など)を円滑
に実施するために電波発射制限と聴守義務が
課せられた時間。中央標準時での毎時の15分
及び45分から3分間を第1沈黙時間(485〜
515kHzに対して),0分及び30分から3分間を
第2沈黙時間(2 091kHz及び2 172〜2 190kHz
に対して)という。
silence periods
8004 有効通達距離
送信設備から電波を発射した場合,一定の無線
通信業務を行うために必要,かつ,十分に電波
が到達する距離。
normal range,
effective communication
range
通達距離
8005 呼出符号
無線局の識別のため,その無線局に対して指定
されるアルファベットの文字又は文字と数字
とからなる無線局の符号。
call sign,
call letter
8006 ブレークイン方式
単信式の無線通信で送受の切替えを行う方式。 break-in system
8007 プレストーク方式
押しボタンによって,送受を切り替えて通話す
る相互通話方式。
press-to-talk system
19
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
8008 主無線電信設備
主送信機,主受信機,主空中線,主電源などを
含む無線電信設備。
main radiotelegraph
installation
8009 補助無線電信設備
補助送信機,補助受信機,補助空中線,専用電
源などによって構成される非常用無線電信設
備。
reserve radiotelegraph
installation
8010 救命艇用無線電信
装置
救命艇に装置して人命の救助を行うための無
線電信装置。送信機,受信機,及び送信機に4
時間給電するための十分な容量をもつ電源を
含んでおり,500kHz及び8 364kHzで通信を行
う。
radiotelegraph
installation for fitting
in motor lifeboat
機付ライフ
ボート無
線機
8011 生存艇用携帯無線
装置
生存艇に持ち運んで使用する非常用の無線装
置。送信機,受信機,空中線及び電源を含んで
おり,500kHz及び8 364kHzで無線電信,2
182kHzで無線電話の通信を行う。
portable radio apparatus
(for survival craft)
ライフボー
ト無線機
8012 警急信号自動電け
ん(鍵)装置
無線電信警急信号(1分間に伝送する12線の一
連からなり,各線の長さは4秒間とし,線と線
との間隔の長さは1秒間)を自動的に発生する
装置。警急信号のほか遭難通信に必要な他の信
号も付加することができる。
automatic radiotelegraph
alarm signal keeying
device
オートキー
ヤー
8013 遭難自動通報設備
船舶が重大,かつ,急迫の危険に陥った場合に
2 182kHz又は2 091kHzを使用し,即時に救助
を求める通報を自動的に送信する設備。
emergency position
indicating radio
beacon
8014 非常位置指示無線
標識
捜索救難作業において,遭難者の位置の決定を
容易にするために,信号を自動的に送信する設
備。'83 SOLAS(海上人命安全条約)において
121.5MHz及び243MHzを使用する生存艇の非
常用位置指示無線標識が義務付けられた。
emergency position
indicating radio
beacon
EPIRB
8015 無線電信警急自動
受信機
500kHzの無線電信警急信号を受信して自動的
に作動し,無線電信室,通信士室及び船橋に備
えた可聴警報器を動作させる受信機。
radiotelegraph auto
alarm
オートアラ
ーム
8016 無線電話警急自動
受信機
2 182kHzの無線電話警急信号を受信して,自動
的に可聴警報器を動作させるもの。
radiotelephone auto
alarm
8017 無線電信遭難周波
数
国際電気通信条約附属無線通信規則 (RR) に
よる,モールス電信のための国際遭難周波数。
なお,この周波数は500kHzに決められてい
る。
radiotelegraph distress
frequency
8018 無線電話遭難周波
数
国際電気通信条約附属無線通信規則 (RR) に
よる,無線電話のための国際遭難周波数。
なお,この周波数は2 182kHzに決められてい
る。
radiotelephone distress
frequency
8019 無線電話遭難周波
数聴守受信機
2 182kHzの無線電話警急信号を受信する受信
機。フィルタ又はミュート装置を使用して,警
急信号を受信していないときは音声が出ない
が,受信したとき初めて音が出るようにした受
信機。
radiotelephone distress
frequency watch
receiver
ワッチレシ
ーバ
8020 警急自動電話装置
無線電話警急信号(交互に伝送する2 200Hz及
び1 300Hzの正弦波の2音からなり,各音の長
さは250ms)を発生する装置。
automatic devices for
generating the
radiotelephone alarm
signal
ピーボー発
生器
20
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
8021 双方向無線電話装
置
生存艇間の通信,生存艇と本船との間の通信,
本船と救助艇との間の通信のために使用する
無線電話装置。
SOLAS(海上人命安全条約)において義務付
けられ,一般に450MHz帯又は150MHz帯の携
帯形トランシーバである。
two way radiotelephone
apparatus
8022 無線室用時計
義務船舶局の無線室に備え付けることを義務
付けられている時計。文字板の直径12.5cm以
上,時針,分針と同中心の秒針をもち,文字板
上に沈黙時間を表示しているもの。
clock for radio room
8023 セーフティリンク
展張空中線がその破断荷重を超える張力を受
けた場合に,空中線の破断を防止するための装
置。
safety link
8024 受信空中線共用装
置
1本の受信空中線によって,多数の受信機を同
時に有効に動作させるための装置。
receiving antenna
multicoupler,
communal aerial system
for receiver
8025 無線電話装置
無線電話送信機,受信機などの総称。変調方式
によって両側波帯 (DSB) 若しくは単側波帯
(SSB) の振幅変調方式又は周波数変調 (FM)
方式などがある。使用周波数によって中短波,
短波及び超短波の別がある。
radiotelephone
equipment
8026 ファクシミリ
船舶で,主として気象図,ニュースなどの無線放
送を受信するための模写電送受信装置。
facsimile
ファックス
(abbreviati
on : Fax)
8027 電波式船舶速度測
定装置
電波の定速性を利用して船速を測定する装置。
距離の測定にはマイクロウェーブなどを,時間
の測定には水晶発振器を使用する。
距離測定の方式として測定用変調波の位相
の変化を用いる方式と,ドップラー効果を用い
る方式とがある。
ship's speed radio
measuring equipment
電波式船速
測定装置
8028 ラジオブイ
漁業用その他の目的で無線測位業務に使用す
るため,特定の電波を送信する設備を組み込ん
だ浮標。
radio buoy
8029 レーダブイ
本船レーダ上に浮標の位置を表示するため,本
船レーダ電波に応答して無指向性VHFパルス
を発射する装置をもつ浮標。
radar buoy
8030 生存艇用レーダト
ランスポンダ
生存艇において使用する無線設備であって,レ
ーダから発射される9GHz帯の周波数の電波を
受信したとき,それに応答して9 300MHzから
9 500MHzまでの周波数の電波を発射し,その
レーダの指示器上に当該生存艇の位置を表示
させる救命機器。
survival craft radar
transponder
8031 国際海事衛星通信
装置
人工衛星を利用して船舶地球局と固定地点に
ある地球局との通信を行う無線通信装置。
international maritime
satellite
communication
apparatus
INMARSAT
21
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
8032 船舶地球局
人工衛星局の中継によって,一定の固定地点に
ある地球局との通信を行うため,船舶に開設す
る移動ずる地球局。
ship earth station
SES
8033 擬似空中線
無線電信送信機又は無線電話送信機の電波を
発射することなく試験する空中線装置。
artificial antenna
ダミーアン
テナ
8034 船上通信装置
次の用途に使われる無線電話装置。
(1) 操船,荷役その他の船舶の運航上必要な作
業を行うため船内で行われる通信。
(2) 操船援助のため,引き船,押し船と本船と
の間で行われる通信。
(3) 船舶を接岸又は係留させるため船舶相互間
又は船舶とさん橋との間で行われる通信。
on-board communication
equipment
8035 デジタル選択呼出
装置
中波,短波,超短波帯のF1B又はJ2B電波を使
用し,デジタル技術を応用して,通信の相手無
線局を自動的に選択して呼び出し,通信設定が
できる機能をもった装置。
digital selective-calling
system
DSC
8036 狭帯域直接印刷電
信装置
中波,短波帯のF1B又はJ2B電波を使用し,デ
ジタル技術を応用し,送信局,受信局の間で直
接テレックス通信ができる装置。中波,短波の
性質上,占有帯域幅は狭いが,通信速度は50
ボーと遅い。
narrow-band direct
printing telegraph
NBDP
8037 NAVTEX
海岸局から航行中の船舶へ,航海に必要な気象
情報,警報などを放送供給するための国際テレ
ックスシステム。
navigation telex
8038 NAVTEX受信装置 国際的な共通周波数で沿岸諸国が放送する
NAVTEX情報を全自動で受信,プリントアウト
する専用自動受信装置。
navtex receiver
8039 NAVAREA
世界航行警報業務で,世界の海域を16区域に
分けて担当区域ごとに航洋船に必要な情報を,
NAVAREA航行警報として国際方式モールス符
号で送信する航行警報サービス。
備考 IMO総会決議419 (X1) による業務。
world-wide navigational
warning service
22
F 0031 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
原案作成委員会(電気ぎ装専門分科会) 構成表
氏名
所属
(専門分科会長)
大 山 敏 夫
三菱重工業株式会社
(委員)
今 井 治 郎
財団法人日本海事協会
松 尾 廣 昭
日本郵船株式会社
森 田 博 行
石川島播磨重工業株式会社
進 健 一
住友重機械工業株式会社
吉 田 勲
エヌケーケー総合設計株式会社
阿 部 均
三井造船株式会社
大 石 幸 明
大石電機工業株式会社
片 貝 剛
日本無線株式会社
杉 田 英 二
株式会社アイ・イー・エム
鹿 股 信 幸
運輸省海上技術安全局
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
(事務局)
福 島 彰
財団法人日本船舶標準協会