F 0028:2005
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,財団法人日本船舶
標準協会 (JMSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準
調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。
これによって,JIS F 0028 : 1989は改正され,この規格に置き換えられる。
F 0028:2005
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 分類用語 ························································································································ 1
3. 用語,読み方及び意味 ······································································································ 1
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 0028:2005
造船用語−機関−試験・工作・雑
Shipbuilding-Glossary of terms-Machinery-Testing,working practice,
miscellaneous
1. 適用範囲 この規格は,造船用語(機関編)のうち試験,工作,雑関係の用語について規定する。
2. 分類用語 用語の分類は,次のとおりとする。
a) 試験
b) 工作
c) 雑
3. 用語,読み方及び意味 用語,読み方及び意味は,次による。
なお,参考のために対応英語を示す。
a) 試験
番号
用語
意味
対応英語(参考)
1001
最低回転速度試験
ディーゼル主機について,シリンダ全数を用いて主
機を円滑確実に運転できる最低の回転速度(毎分回
転数)を確認する試験。
minimum revolution test,
minimum speed test
1002
逆転試験
ディーゼル主機の逆転機能を確認する試験。
reversing test
1003
始動試験
ディーゼル機関について,始動装置の所定の圧力又
は充電状態から,冷態の機関の始動を繰り返し,始
動回数を確認する試験。空気始動のディーゼル主機
の場合は,空気だめに途中で空気を補給することな
く,始動できなくなるまで始動を繰り返し行う(自
己逆転式機関の場合は,前後進を交互に行う。)。
starting test
1004
充気試験
空気圧縮機の空気だめ充気能力を確認する試験。
air charging test
1005
過給機遮断試験
排気タービン過給機付機関について,任意の過給機
を遮断した状態での性能を確認する試験。
turbocharger cut off test,
turbocharger out of action
test
1006
クラッチかん脱試験
クラッチをもつ機関について,クラッチのかん合離
脱の作動を確認する試験。
clutching test
1007
危急停止試験
機関の危急停止を確認する試験。
emergency stop test
1008
非常遮断試験
非常遮断装置の作動を確認する試験。
emergency shut down test
1009
ボイラ蓄気試験
最大燃焼状態において,ボイラ付安全弁を噴気させ
て,ドラム内圧力が規定圧力より上昇しないことを
確認する試験。
boiler accumulation test
1010
燃料消費量試験
常用出力又は連続最大出力で連続運転中の燃料消
費量を計測し,燃料消費率を算定する試験。
fuel consumption test
2
F 0028:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
1011
減筒運転試験
任意のシリンダの燃料を遮断した状態でのディー
ゼル機関の性能を確認する試験。
cylinder cut off test
1012
減機運転試験
1軸に2機以上の主機を装備する場合,そのうちの
任意の主機を停止した状態での性能を確認する試
験。
engine cut-off test
1013
減軸運転試験
2軸以上の船で任意の軸を切り離し又は固定した状
態での性能を確認する試験。
shaft cut-off test
1014
燃料油切換え試験
機関運転中にA重油とC重油との切換えを行い,
機関の状態及び切換装置の作動を確認する試験。
fuel oil change-over test
1015
軸系ねじり振動試験
主機回転速度を最低回転速度(毎分回転数)から最
大回転速度(毎分回転数)まで徐々に変化させて,
軸系のねじり振動を計測し,その危険回転速度(毎
分回転数)及び軸系附加応力を調査する試験。
torsional vibration test
1016
ブラックアウト試験
主機を連続運転中,主発電機の遮断器を遮断するこ
とによって予備発電機が自動始動し,所定の時間内
に主電源の遮断器が自動投入され,主要機器の安全
が保持できることを確認する試験。
black-out test
1017
機関区域無人運転試
験
運転監視のための機関当直者が機関区域(機関の遠
隔制御・監視などのための装置が集中配置された場
所を含む。)にいない状態で,船橋などから遠隔又
は自動制御によって主機などを運転する試験。
machinery space unmanned
operation test,
machinery space
unattended operation test
1018
船内試験
船内で機器類の運転及び作動状態を確認する試験。 onboard test
1019
陸上試験
主として機器類の単体としての性能を確認するた
めの工場における試験。工場試験ともいう。
shop test,
manufacturer's test
1020
係留運転
主機各部の異状の有無を確認するため,係留のまま
行う試運転。
basin trial,
mooring trial
1021
すり合わせ調整運転
主機を組み立てた後に,初めて長時間運転するのに
先立ち,すり合わせ調整のため適切な負荷及び回転
速度で適切な時間連続して行う運転。
running-in trial
1022
自動化機器作動試験
自動化機器が,設定条件どおり正常に作動すること
を確認する試験。
automatic control device
operation test
1023
可変ピッチプロペラ
作動試験
可変ピッチプロペラの作動油圧を所定の圧力に設
定し,翼角を変えたときの所要作動時間,油圧状態,
翼角指度などを確認する試験。
controllable pitch propeller
operation test
1024
遠隔操縦装置作動試
験
主機などの制御場所を,機関制御室又は船橋に切り
換えて,遠隔操縦装置が正常に作動することを確認
する試験。
remote control system
operation test
b) 工作
番号
用語
意味
対応英語(参考)
2001
通水
ぎ装後,異状の有無を調べるために,水系統に水を
通す作業。
water flow test,
water pass
2002
通油
ぎ装後,異状の有無を調べるために,油系統に油を
通す作業。
oil flow test,
oil pass
2003
通気
ぎ装後,異状の有無を調べるために,蒸気又は空気
系統に蒸気又は空気を通す作業。
steam blow,
air blow
2004
フラッシング
ぎ装後,管系のごみ類を水,油,空気,蒸気などで
吹かし,管系の内面を清掃する作業。
flushing
3
F 0028:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
2005
ボイラソーダ煮
ボイラに張水し,か性ソーダ,三りん酸ソーダ,亜
硫酸ソーダなどの薬品を投入した後,煮沸する作
業。ボイラ内部の油分などを除去すると同時に防食
皮膜を形成するために行う。
boiler soda boiling,
boiling out
2006
酸洗い
塩酸又はりん酸などの液に管を浸して,スケールを
除去する作業。
pickling
2007
軸心見とおし
機関室前部隔壁とスタンフレームボス船尾側穴中
心とに基準点を設け,これを見通すことによって,
主機,軸受などの位置,スタンフレームのボーリン
グのしん(芯)などを見いだす作業。
shaft centre sighting
2008
スロープボーリング
船尾管軸受の局部的面圧が過大になるのを防ぐた
めに,軸のたわみに応じて傾斜を付けるボーリング
方法。
slope boring
2009
機関ぎ装
主機,主ボイラ,補機器などを,船としての機能を
発揮するプラントにまとめるための据付け,配管,
床板,風路,保温などの工事で,据付けぎ装,管ぎ
装,鉄ぎ装などに分かれる。
machinery outfitting
2010
早期ぎ装
ぎ装工事を進水前の船こく(殻)ブロック工事と同
時に進めていくぎ装法。先行ぎ装ともいう。
pre-outfitting,
advanced outfitting
2011
ブロックぎ装
船こく(殻)ブロックの組立て中に行うぎ装で,早
期ぎ装の一種。
block stage outfitting
2012
ユニットぎ装
補機,配管,補機台などをあらかじめ工場内で組み
立て,そのまま船内に搬入し取り付けるぎ装法。
unit outfitting
2013
開放検査
機関,補機器を分解して異状の有無を確認する検
査。
overhaul inspection
2014
反転ぎ装
ブロックぎ装時において,デッキ裏面のぎ装を容易
にするために,ブロックを反転させて作業するぎ装
法。
turn over outfitting,
upside-down outfitting
c) 雑
番号
用語
意味
対応英語(参考)
3001
連続清浄
航海時,ディーゼル船で主機に使用する潤滑油など
を油清浄機に導き,連続的に清浄する方法。
continuous purifying
3002
側流清浄
使用中の潤滑油の一部を油清浄機,こし器などに導
き徐々に清浄する方法。
by-pass purifying
3003
バッチ清浄
使用油を澄しタンクなどに入れ,全量をまとめて清
浄する方法。
batch purifying
3004
スクープ
ポンプを使わず船速を利用して冷却用海水を船底
から取り入れ,主復水器などに循環する方法。
scoop
3005
キャビテーションコ
ントロール,
サブマージェンスコ
ントロール
復水器の液面を適正に維持するために,復水ポンプ
の障害にならない程度のキャビテーションを利用
して,流量を加減する方法。
cavitation control,
submergence control
3006
予備品
機器類の予備の交換部品。
spare parts
3007
要具
機械類の開放,組立て,調整,補修などに使用する
工具及びゲージ。
tools
3008
装備品
機関室で使用する一般要具,補修部品など。
general tools
3009
機関ぎ装品
主機,主ボイラ,補機器などを,船としての機能を
発揮するプラントにまとめるために必要な部品類。
machinery outfittings
4
F 0028:2005
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
意味
対応英語(参考)
3010
機関当直
機関部の運転,監視,計測などの作業を時間を定め
て交替で行うこと。
engine watch
3011
機関区域無人運転
機関区域(機関の遠隔制御・監視などのための装置
が集中配置された場所を含む。)に当直しないで,
船橋などから遠隔制御又は自動制御を行う運転。
machinery space unmanned
operation