2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
F 0010-1997
造船用語−一般
Shipbuilding−Vocabulary−General
1. 適用範囲 この規格は,造船で用いる一般的用語について規定する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS F 0011 造船用語−船体−基本計画
JIS F 0026 造船用語−機関ぎ装
JIS F 0028 造船用語(機関編−試験・工作・雑)
2. 分類 用語の分類は,次のとおりとする。
(1) 船の種類
(2) 船の区画及び構造
(3) 船員及び役職
(4) 航海及び操船
(5) 船舶,港湾,航海に関する条約,規則及び関連事項
(6) 造船施設
3. 用語及び定義 用語及び定義は,次のとおりとする。
なお,参考のために対応英語及び慣用語を示す。慣用語欄で,“……(法)”として記載してある用語は,
法律用語である。
備考1. 用語欄・定義欄で,用語表記の中の( )内の漢字は常用漢字表にないもので,便宜的に記
載したものであり,( )の部分は用語の一部ではない。
2. 用語欄で,用語の下の( )内の仮名書きは読み方を示す。
2
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(1) 船の種類
(a) 用途による分類
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1001
商船
営利を目的とする水上輸送の業務に従事する船
の総称。
merchant ship
1002
客船
旅客の輸送に従事する船。
passenger ship
旅客船(法)
1003
クルーズ船
旅客に航海を楽しんでもらうことを目的とした
船。
cruise ship
1004
貨客船
貨物及び旅客の輸送に従事する船。
passenger-cargo ship
1005
貨物船
貨物の輸送に従事する船。
cargo ship
1006
多目的貨物船
多種類の貨物が積載可能な船。
multi-purpose cargo ship
1007
重量物運搬船
重量物荷役設備を備え,貨物を輸送する船。
heavy cargo ship ;
heavy lifter
1008
コンテナ船
コンテナを輸送する船。
container ship
1009
RO-RO船
(ろーろーせん)
トレーラ,フォークリフトなど自動車が自走し
て乗降する船。
roll-on/roll-off ship
1010
自動車運搬船
自動車を輸送する船。
car carrier ;
pure car carrier
自動車専用船
(法)
1011
木材運搬船
木材を輸送する船。
timber carrier ;
lumber carrier ;
log carrier
1012
チップ運搬船
木材チップをばら積みにして輸送する船。
chip carrier
1013
鉱石運搬船
鉱石をばら積みにして輸送する船。
ore carrier
1014
石炭運搬船
石炭をばら積みにして輸送する船。
coal carrier
1015
セメント運搬船
セメントをばら積みにして輸送する船。
cement carrier
1016
ばら積み貨物船
粉粒状の貨物をばら積みにして輸送する船。
bulk carrier
1017
タンカー
原油を輸送する船。
oil tanker ;
crude oil carrier
油槽船(法),
油送船
1018
VLCC
(ぶいえるしーしー)
載貨重量が20万トン以上30万トン未満のタン
カー。
very large crude oil
carrier
1019
ULCC
(ゆーえるしーしー)
載貨重量が30万トン以上のタンカー。
ultra large crude oil
carrier
1020
LPG運搬船
(えるぴーじーうん
ぱんせん)
液化石油ガスを輸送する船。
liquefied petroleum gas
carrier
1021
LNG運搬船
(えるえぬじーうん
ぱんせん)
液化天然ガスを輸送する船。
liquefied natural gas
carrier
1022
プロダクトキャリア 各種の石油精製品を輸送する船。
products carrier
1023
ケミカルキャリア
化学原料をばら積みにして輸送する船。
chemical carrier
1024
ばら積み兼油送船
ばら積み貨物や原油を輸送する船。
oil/bulk carrier
1025
鉱石兼油送船
鉱石や原油を輸送する船。
ore/oil carrier
1026
鉱石兼ばら積み兼油
送船
ばら積み貨物や鉱石や原油を輸送する船。
ore/bulk/oil carrier
1027
冷凍-冷蔵運搬船
冷凍及び冷蔵貨物を輸送する船。
備考 冷凍専用のものは冷凍運搬船とい
う。
refrigerated cargo carrier
reefer
1028
家畜運搬船
家畜を輸送する船。
livestock carrier
1029
カーフェリー
道路に連絡して自動車を輸送する船。
car ferry
自動車渡船
3
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
(法),
自動車航送船
(法)
1030
ラッシュ船
貨物を積載したはしけを自船のクレーンで搭載
して輸送する船。
lighter aboard ship
1031
工作船
海上で他船などを修理する工作設備をもった
船。
factory ship
1032
しゅんせつ船
河川,港湾のしゅんせつ作業に従事する船。
dredger
1033
砕氷船
自力で氷海を割って,航行できる構造の船。
ice breaker
1034
水先船
水先案内人の送迎に用いる船。
pilot boat
1035
ランチ
交通,遊覧などに用いる小形の動力船。
launch
1036
ヨット
周遊,競争など娯楽,スポーツに用いる船。
yacht
1037
遊覧船
遊覧に用いる船。
pleasure boat
1038
練習船
航海練習を行うための船。
training ship
1039
巡視船
沿岸又は港湾警備のために巡視する船。
patrol ship
1040
税関監視艇
密輸を取り締まる目的で港湾などで監視してい
る船。
customs boat
1041
検疫船
検疫官を派遣するために用いる船。
quarantine vessel
1042
病院船
傷病者の輸送とそれに要する治療設備を備えた
船。
hospital ship
1043
母船
附属船に物資,食糧などを補給したり乗組員の
休養をするための設備をもった大型船。
mother ship
1044
捕鯨船
捕鯨に従事する船。
whaler ;
whale catcher boat
1045
捕鯨母船
鯨の処理工場をもち,捕鯨船に対し消耗品を補
給したり乗組員の休養をするための設備をもっ
た大形船。
whale mother ship
1046
トロール船
漁網を船尾又は船側からロープで引いて漁獲す
る漁船の総称。
trawler
1047
漁獲物運搬船
捕った魚を運搬するための冷凍設備又は塩蔵設
備をもった船。
fish carrier
運搬漁船
(b) 推進方式による分類
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1101
原子力船
原子力機関を主推進機関とする船。
nuclear ship ;
nuclear powered ship
1102
ディーゼル船
ディーゼル機関を主推進機関とする船。
diesel ship ;
motor ship
1103
蒸気タービン船
蒸気タービンを主推進機関とする船。
steam turbine ship
1104
ガスタービン船
ガスタービンを主推進機関とする船。
gas turbine ship
1105
電気推進船
電動機を主推進機関とする船。
electric propulsion ship
1106
多軸船
二つ以上の推進器を装備した船。
multiple screw ship
1107
水中翼船
水中翼によって船体を海面上に浮上させ航行す
る船。
hydrofoil craft
4
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1108
エアクッション船
船底から噴射した空気で海面上に船体を浮上さ
せ,航行する船。
air cushion ship
ホバークラフ
ト,
エアクッショ
ン艇(法)
1109
ウォータージェット
推進船
ウォータージェット装置によって推進する船。 water jet propulsion ship
1110
帆船
推進機関の有無に関係なく,帆だけで航行する
船。
sailing vessel ;
sailing ship
(c) 船型及び材料による分類
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1201
平甲板船
船楼をもたない船(付図1参照)。
flush deck vessel ;
flush decker
1202
三島形船
(みしまがたせん)
上甲板の上に船首楼,船橋楼及び船尾楼をもつ
船(付図1参照)。
three-island vessel ;
three islander
1203
ウェル甲板船
上甲板の上に船首楼と船尾楼とをもつ船(付図
1参照)。
well deck vessel ;
well decker
1204
低船尾楼船
船尾部の上甲板に段を付けて下げ,その上に船
尾楼を設けた船(付図1参照)。
sunken poop vessel
1205
全通船楼甲板船
上甲板上全通にわたり船楼をもつ船。
complete super-structure
vessel
1206
船尾船橋船
船尾部に船橋を設けた船。
aft bridge ship
1207
船尾機関船
船尾部に機関室を設けた船。
aft engine ship
1208
双胴船
左右二つの主船体を結合した船。
catamaran
1209
ダブルハルタンカー 海洋汚染防止条約に規定された二重船殻構造を
もつタンカー。
double hull tanker
1210
中間デッキタンカー 海洋汚染防止条約に規定された中間デッキをも
つタンカー。
mid-deck tanker
1211
木船
木材で造った船。
wooden ship
1212
鋼船
鋼材で造った船。
steel ship
1213
軽合金船
軽合金で造った船。
light alloy ship
1214
FRP船
(えふあーるぴーせ
ん)
強化プラスチックで造った船。
plastic ship ;
glassfibre reinforced
plastics ship
GRP船
(d) 運用状態及び航路による分類
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1301
航洋船
大洋航行ができる船。
sea going vessel ;
ocean going vessel
外航船
1302
平水航路船
河川,湖,港内など平水区域だけを航行できる
船。
inland water ship
1303
定期船
特定の航路を定期的に運航する船。
liner
1304
不定期船
不定期貨物航路に就航し,特定荷主との用船契
約によって配船される船舶。
tramper
1305
内航船
国内航路を運航する船。
domestic vessel
5
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
1306
アフラマックスタン
カー
平均的市況の実勢を示す運賃指数 (AFRA :
Average Freight Rate Assessments) において,経
済的な船型のタンカー。
AFRA max. tanker
1307
ケープサイズばら積
貨物船
南アフリカのRichards Bayに入港できる載貨重
量14〜17万トン程度のばら積貨物船。
Cape size bulk carrier
1308
ハンディーサイズば
ら積貨物船
港湾設備が整っていない港にでも自由に出入り
し,荷役できるように荷役装備をもつ,25 000
〜45 000載荷重量 (t) 型の多目的ばら積貨物
船。
handy size bulk carrier
1309
パナマックス船
パナマ運河の通航制限内での最大船型の船。
Panamax ship
(2) 船の区画及び構造
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2001
機関室
推進用原動機及び補助機械を据え付けている区
画。
machinery space ;
engine room
2002
貨物倉
貨物を積載する区画。
cargo space ;
cargo hold
2003
居住区
船客及び船員の居住する区画。
accommodation space ;
living quarter
2004
ボイラ室
ボイラを設置してある区画。
boiler room
かま(罐)室
2005
船楼
上甲板上に設けた船側から船側に達する区画。 superstructure
2006
甲板室
上甲板上又は船楼甲板上に設けた,船側から船
側に達しない区画。
deck house
2007
操だ(舵)機室
操だ(舵)機を据え付けている区画。
steering gear room
2008
ポンプ室
ポンプを据え付けている区画。
pump room
2009
びょう(錨)鎖庫
びょう(錨)鎖を納めておく場所。
chain locker
2010
軸路
推進軸を保護するため機関室後端から船尾に至
るトンネル状をした水密区画。
shaft tunnel ;
shaft trunk
軸室
2011
甲板間貨物倉
甲板間に設けた貨物倉。
tweendeck cargo space
2012
コファダム
二つの隣接区画を分けるスペースで,損傷など
によって油や水が他に侵入するのを防ぐ区画。
cofferdam
2013
清水タンク
(せいすいたんく)
清水を積載するタンク。
fresh water tank
2014
飲料水タンク
飲料水を積載するタンク。
drinking water tank ;
potable water tank
2015
貨物油タンク
貨物油を積載するタンク。
cargo oil tank
2016
スロップタンク
貨物油タンク洗浄後の油水を一時保持し,油分
を分離するためのタンク。
slop tank
2017
ビルジタンク
船の底にたまるビルジをためるタンク。
bilge tank
2018
潤滑油タンク
潤滑油を入れるタンク。
lubricating oil tank
2019
燃料油タンク
燃料油を入れるタンク(JIS F 0026参照)。
fuel oil tank
2020
船首水倉
船首隔壁の前に設ける水タンク。
forepeak tank
2021
船尾水倉
船尾隔壁の後に設ける水タンク。
afterpeak tank
2022
ディープタンク
主として水,油その他の液体を積むために,二
重底より高さが高い船体構造の一部として構成
されたタンク。
deep tank
深水槽(法)
6
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2023
バラストウォータタ
ンク
喫水やトリムやヒールを調整するために設ける
水タンク。
ballast water tank
脚荷水倉
2024
コンパス甲板
磁気コンパスが取り付けてある最上層の甲板
(付図2参照)。
compass deck
ら針儀甲板
2025
航海船橋甲板
操船を行う甲板(付図2参照)。
navigation bridge deck
2026
船長甲板
船長室がある甲板。
captain deck
2027
ボート甲板
救命艇及び救命艇揚卸し装置を取り付けてある
甲板(付図2参照)。
boat deck
端艇甲板
2028
船橋甲板
上甲板より一層上の甲板(付図2参照)。
bridge deck
2029
暴露甲板
大気に露出している甲板。
weather deck ;
exposed deck
2030
上甲板
船体の主要部を構成する最上層の全通甲板(付
図2参照)。
upper deck
2031
第二甲板
上甲板より一層下の甲板(付図2参照)。
second deck
2032
船首楼甲板
船の最前部で上甲板より一層上の甲板(付図2
参照)。
forecastle deck
2033
船尾楼甲板
船の最後部で上甲板より一層上の甲板(付図2
参照)。
poop deck
2034
遊歩甲板
旅客の遊歩又は運動のため設けた甲板。
promenade deck
2035
車両甲板
機関車,客車,貨車などを積載する甲板。
wagon deck
2036
自動車甲板
自動車を積載する甲板。
car deck
2037
ナビゲーションウィ
ング
航海船橋甲板の一部で船側に張り出している部
分。
dodger ;
navigation wing
2038
隔壁
船内の区画を形作る仕切壁。
備考 目的によって水密,油密,非水密隔
壁など,また配置によって横,縦,
囲壁隔壁,部分隔壁などの区分があ
る。
bulkhead
2039
縦通隔壁
船の縦方向に設ける隔壁。
longitudinal bulkhead
2040
横隔壁
船の横方向に設ける隔壁(付図2参照)。
transverse bulkhead
横置隔壁(法)
2041
船首隔壁
船の最前部に設ける水密横隔壁(付図2参照)。 collision bulkhead
2042
船尾隔壁
船の最後部に設ける水密横隔壁(付図2参照)。 afterpeak bulkhead
2043
部分隔壁
船側から船側まで,又は前後に全通しないで一
部分に設ける隔壁。
partial bulkhead
2044
制水壁
タンク内の自由水の流動を押さえる目的で設け
る壁。
swash bulkhead ;
swash plate ;
wash plate
2045
船楼端隔壁
船楼端に設ける水密隔壁。
break bulkhead
2046
機関室囲壁
機関室開口の周囲壁。
engine room casing ;
engine casing ;
machinery casing
2047
船首材
船の最前端部を強固に構成し,これに外板を取
り付けるための骨材。
備考 骨材とは,骨組みを構成する材料の
総称をいう。
stem
2048
船尾材
船尾端を強固に構成し,かじ,推進軸などを支
持する骨材。
stern frame
船尾骨材(法)
2049
フレーム
外板の内側に,横又は縦方向に配置する骨材。 frame
ろっ(肋)骨
7
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
2050
ビーム
甲板の下面に,ある間隔で横又は縦方向に配置
する骨材。
beam
はり(梁)
2051
外板
船体の外殻を形成する板。
shell plating ;
shell
2052
二重底
二重に構成した船底(付図2参照)。
double bottom
2053
キール
船底中心部を縦通する部材。
keel
竜骨
2054
ダクトキール
箱形に造ってあるキール。
duct keel
2055
ビルジキール
船の動揺軽減の目的で船底わん曲部外側に取り
付ける部材。
bilge keel
2056
ブルワーク
人や貨物が船外に落ちないように,又は波が甲
板に打ち込まないように暴露甲板玄側に立てる
囲い。
bulwark
玄墻(法)
(3) 船員及び役職
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3001
船員
船長,海員及び予備船員の総称。
seafarers ;
crew ;
mariner
3002
予備船員
休暇,病気,待機などのため船舶に乗り組んで
いない船員。
reserved seafarers ;
reserved crew ;
reserved mariner
3003
海員
乗船中の船員で船長以外の者。
seaman
3004
船舶職員
船長,機関長,航海士,機関士,通信長,通信
士,事務長,船医の総称。
officer ;
shipʼs personnel
3005
船舶部員
船舶職員以外の海員。
rating
3006
船長
船の最高責任者。
captain ;
master
3007
一等航海士
甲板部の船務を指揮監督するとともに船長の職
務を代行する甲板部の主任者。
chief offcer ;
chief mate
3008
二等航海士
一等航海士を補佐し,その指示業務に従事する
航海士。
second offcer ;
second mate
3009
甲板長
甲板部の職長。
boatswain
3010
操だ(舵)手
船の操だ(舵)及び操だ(舵)装置の整備など
に従事する甲板部員。
quartermaster
3011
甲板手
荷役,機器の保守点検などの作業に従事する先
任の甲板部員。
able seaman
3012
甲板員
先任以外の甲板部員。
sailor
3013
機関長
機関部の最高責任者。
chief engineer
3014
一等機関士
機関長を補佐し,機関部員を指揮監督する機関
部の主任者。
first engineer
3015
二等機関士
一等機関士を補佐し,その指示業務に従事する
機関士。
second engineer
3016
操機長
機関部の職長。
No.1 oiler
3017
操機手
機関士,操機長の指示に基づいて機関部の業務
を行う先任の機関部員。
oiler
3018
操機員
先任以外の機関部員。
assistant oiler
3019
運航土
航海士及び機関士の職能をもつ人。
watch officer
8
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
3020
船舶技士
甲板部及び機関部両方の資格をもつ船舶部員。 dual purpose crew
3021
通信長
無線電信関係及び事務部(事務長兼務の場合)
の最高責任者。
chief radio operator ;
chief radio officer
3022
通信士
無線電信関係の機器によって外部との通信,気
象通報などの職務に従事する船舶職員。
radio operator ;
radio officer
3023
司ちゅう長
事務部主任者(事務長,一等航海士)の指示に
基づき事務部員の仕事を指揮監督する事務部の
職長。
chief steward
3024
司ちゅう員
事務部でちゅう房に従事する部員。
steward
3025
事務長
事務部の最高責任者。
purser
3026
船医
船に乗り組む医師。
doctor
3027
実習生
船舶に乗り組み実務の見習いをする者,又は商
船学校などの船舶練習生。
apprentice ;
cadet
3028
水先人
(みずさきにん)
港及び水域で,船長に代わって操船を指導し,
船を案内する人。
pilot
(4) 航海及び操船
(a) 海洋及び海上気象
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4001
海上模様
海面の状態。
sea condition ;
sea state
4002
ビューフォート風力
階級
風力の程度を海面の状態によって分けたもの。 Beaufort wind scale
4003
順風
針路の後から吹く風。
following wind
追い風
4004
逆風
針路の前から吹く風。
against wind ;
head wind
向い風
4005
風浪階級
風浪の程度を波高によって分けたもの。
wave scale
4006
うねり階級
うねりの程度を波高及び波長によって分けたも
の。
swell scale
4007
風浪
風によって直接起こされた波。
wave
4008
うねり
その場所の風に関係なく伝ぱ(播)してきた波。 swell
4009
向い波
針路の前からくる波。
head sea
4010
横波
針路の横からくる波。
beam sea
4011
追い波
針路の後ろからくる波。
following wave
4012
逆波
風と反対方向に進行する波。
cross sea
4013
波頂
波の最も高い部分で,進行方向に直角な山の線。 wave crest
4014
海流
風などによって起こる一定方向の海水の流動。 ocean current
4015
潮流
潮せき(汐)によって起こる海水の流動。
tidal current
4016
順流
針路の向きに流れる海流又は潮流。
following current
4017
潮せき(汐)
潮の干満。
tide
(b) 航行区域
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4101
国際航海
一国と他の国との間の航海。
international voyage
4102
平水区域
船舶安全法による湖,川,港内などの水域。
smooth water area
9
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4103
沿海区域
船舶安全法による日本沿海の水域。
coasting area
4104
近海区域
船舶安全法による日本近海の水域。
greater coasting area ;
major coasting area
4105
遠洋区域
船舶安全法によるすべての水域。
ocean going area
4106
制限水路
航行が制限された水路。
restricted waters
4107
狭水路
狭い水路。
narrow waters
4108
浅水路
浅い水路。
shallow waters
4109
航路標識
航路を示す標識。
aids to navigation
4110
立標
航路標識のうち,礁たい(堆)浅瀬上に設けた
標識。
beacon
(c) 航海・航法・操船
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4201
針路
船が進む方向。
course
4202
保針
針路を保持すること。
course keeping
4203
保針だ(舵)角
保針のためのだ(舵)角度。
helm angle for course
keeping
あて舵
4204
前進
前方に進むこと。
ahead
4205
後進
後方に進むこと。
astern
4206
回航
ある場所へ船を移すこと。
shift
4207
回頭
船首の向きを変えること。
turning round
4208
操だ(舵)
かじ(舵)をとること。
steering
4209
接岸
船を岸壁につけること。
alongside pier
4210
接玄
船と船とが船側を付けること。
alongside ship
4211
係留運転
主機各部の異常の有無を確認するため係留のま
ま行う試運転(JIS F 0028参照)。
basin trial ;
mooring trial
4212
海上試運転
諸性能を確認するために海上に出て行う試運
転。
sea trial
4213
試運転最大速力
試運転時の速力試験において得られる速力(JIS
F 0011参照)。
sea trial speed
4214
マイルポスト
試運転の速力試験に使用するため陸岸に特に設
けた標識。
milepost
標柱
4215
航海速力
満載航海状態において機関の常用出力で得られ
る速力(JIS F 0011参照)。
service speed ;
sea speed
4216
港内速力
港内・狭水道などにおける速力。
harbour speed
4217
対水速力
水に対する船の速力。
log speed
4218
対地速力
陸地又は海底に対する船の速力。
ground speed ;
speed over the ground
(O.G.)
4219
電波ログ
電波を利用して速力を測定する装置。
radio log
4220
満載状態
貨物,燃料,水などを満載喫水まで搭載した状
態。
full load condition
4221
バラスト状態
通常,貨物を積載しない場合,喫水を増加した
りトリムを調整したりするため,バラスト水を
搭載した状態。
ballast condition
4222
ホギング
船体中央部か船首部及び船尾部に対してもち上
がっている状態。
hogging
10
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4223
サギング
船体中央部が船首部及び船尾部に対して下がっ
ている状態。
sagging
4224
ヒール
船体の横方向の傾き。
heel
4225
トリム
船首喫水と船尾喫水との差。
trim
(d) 係留・びょう泊
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
4301
係船
長期間船をつなぎ止めて航行の用に供しないこ
と。
lay-up
4302
係留
いつでも運航できる状態で,船を一時的につな
ぎ止めておくこと。
mooring
4303
ブイ係留
ブイに係留すること。
buoy mooring
4304
岸壁係留
岸壁に係留すること。
pier mooring
4305
びょう(錨)泊
投びょう(錨)して停泊すること。
anchoring
4306
投びょう(錨)
いかり(錨)をおろすこと。
let go anchor
4307
びょう(錨)地
びょう(錨)泊する場所。
anchorage
4308
単びょう(錨)泊
片玄のいかり(錨)を使用するびょう(錨)泊。 single anchor mooring
4309
双びょう(錨)泊
両玄のいかり(錨)を使用するびょう(錨)泊。 two anchor mooring
4310
荒天びょう(錨)泊 荒天に備えて行うびょう(錨)泊法。
heavy sea anchoring
(5) 船舶,港湾,航海に関する条約,規則及び関連事項
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5001
国際安全管理コード 船舶の安全運航及び海洋汚染防止のための国際
管理基準。
International Safety
Management Code
5002
サブスタンダード船 安全面において国際的な基準に適合していない
船。
substandard ship
5003
海上人命安全条約
海上における人命の安全を確保する目的で船舶
の構造,設備,信号,通信,衝突予防などにつ
いて規定した条約。
International Convention
for the Safety of Life
at Sea
SOLAS
5004
国際満載喫水線条約 載貨の最高限度について,国際的基準を定め,
船舶の安全を図るために締結された条約。
International Load Line
Convention
ILLC
5005
海洋汚染防止条約
環境を保護するため,船舶が排出する油,及び
油以外の有害物質による海洋の汚染を防止する
条約。
International Convention
for the Prevention of
Pollution from Ships
MARPOL
5006
国際海事機関
海上運送について,技術的・経済的な政府間の
協力を促進し,また海上の安全,航行の能率を
確保するために設置された国際連合の専門機
関。
International Maritime
Organization
IMO
5007
国際船級協会連合
各国の船級協会規則の統一などを図るために設
けた国際的な組織。
International Association
of Classification
Societies
IACS
5008
国際満載喫水線証書 国際満載喫水線条約に基づいて国際航海に従事
する船舶の満載喫水線を指定するため,管海官
庁が交付する証書。
International Load Line
Certificate
11
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5009
国際油汚染防止証書 海洋汚染防止条約に適合した,国際航海に従事
する船舶に対して交付される証書。
International Oil
Pollution Prevention
Certificate
5010
旅客船安全証書
海上人命安全条約に基づいて,国際航海に従事
する旅客船に対して管海官庁が交付する安全証
書。
Passenger Ship Safety
Certificate
5011
貨物船安全構造証書 船体,機関及び設備が海上人命安全条約に基づ
く各種の規定に適合した貨物船に対して管海官
庁が交付する証書。
Cargo Ship Safety
Construction
Certificate
5012
貨物船安全設備証書 海上人命安全条約に基づいて,国際航海に従事
する貨物船に対して管海官庁が交付する救命,
消火設備に関する証書。
Cargo Ship Safety
Equipment Certificate
5013
貨物船安全無線証書 海上人命安全条約に基づいて,国際航海に従事
する貨物船で,無線設備をもつものに対して,
管海官庁が交付する証書。
Cargo Ship Safety Radio
Certificate
5014
免除証書
海上人命安全条約に基づいて,条約に決められ
た設備が全部若しくは一部免除され,又は条約
の規定の適用を緩和することを認められた船舶
に対して管海官庁が交付する証書。
Exemption Certificate
5015
国際満載喫水線免除
証書
国際満載喫水線条約の規定を免除することが認
められた船舶に対して管海官庁が交付する証
書。
International Load Line
Exemption Certificate
5016
船舶国籍証書
船舶の国籍を証明するため,国が交付する証書。 certificate of shipʼs
nationality
5017
船級証書
船級協会の検査を受け,その規則に適合した船
舶に対して船舶協会が交付する証書。
certificate of
classification
5018
冷蔵設備証書
冷凍冷蔵貨物運搬設備に対して,その効力を認
定されたことを証するため,船級協会が交付す
る証書。
certificate for
refrigerating
installation
5019
国際トン数証書
国際総トン数及び純トン数を証明する証書。
International tonnage
certificate
5020
パナマ運河トン数証
書
パナマ運河の運航料算定の基準とするため,パ
ナマ運河委員会が交付する証書。
PC/UMS net tonnage
certificate
5021
スエズ運河トン数証
書
スエズ運河の通航料算定の基準とするため,管
海官庁が交付する証書。
Suez Canal tonnage
certificate
5022
船舶検査証書
定期検査に合格した船舶に対して,管海官庁が
交付する証書。
ship inspection
certificate
5023
船舶検査手帳
船舶の検査終了時,管海官庁が交付する検査手
帳。
records of marine boards
of inspection
5024
管海官庁
船舶の安全などに関する行政官庁
maritime authority
5025
船級協会
船舶の建造に関し,設計の承認,検査を行い各
種証書を交付する機関。
classification society
5026
船舶番号
船舶を登録したとき,その船舶に与えられた番
号。
official number;
distinctive number
5027
IMO船舶識別番号
(あいえむおーせん
ぱくしきべつばんご
う)
SOLAS(海上人命安全条約)によって,100t以
上の客船と300t以上の貨物船に適用される番
号。
IMO ship identification
No.
12
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
5028
船籍港
船舶国籍証書が交付される所で,船舶が登録さ
れた港。
port of registry
5029
国際信号書
船舶間の通信のため,国際的に規定された通信
の規約,信文符号などが書いてある図書。
international code of
signal
5030
信号符字
船舶間で通信を迅速に行うため,各船舶に与え
られた国際的な符号。
signal letter ;
distinctive letter ;
call sign
5031
港湾規則
船舶の荷役,港内運航及び港湾労務者の安全の
ため,各国が定めた規則。
port regulations
5032
製造中登録検査
船舶の建造中に船体,機関,ぎ装及び備品が,
それぞれの規定に適合するか否かを確かめる検
査。
classification survey
during construction
5033
製造後登録検査
建造された船舶を新たに登録する必要上,船齢
に応じて行う,定期検査と同程度の検査。
classification survey of
ships not built under
survey
5034
定期検査
船舶及び人命の安全保持のため,定期的に行う
精密な検査。
special survey
5035
中間検査
定期検査と定期検査との中間に行われる簡易な
検査。
intermediate survey ;
annual survey
5036
臨時検査
損傷,修理,改造などの場合,必要な事項につ
いて行う検査。
occasional survey
(6) 造船施設
番号
用語
定義
参考
対応英語
慣用語
6001
造船所
船舶の建造及び修理を行う工場。
shipyard ;
dockyard
6002
船台
船を建造又は修理するため水辺に構築した傾斜
台。
building berth ;
slipway
6003
ドック
船体の清掃,塗装,検査,修理,建造などを行
うため水辺に構築された施設。
dry dock ;
dock
船きょ(渠)
6004
ぎ装岸壁
進水後の船をぎ装するための岸壁。
outfitting basin ;
outfitting quay
6005
ぎ装工場
ぎ装品の加工・組立を行う工場。
outfitting shop
6006
船こく(殻)工場
船こく(殻)の部材加工からブロックの組立ま
での作業を行う工場。
hull assembly shop
6007
管工場
管の加工を行う工場。
pipe shop
6008
現図場
船体構造を描いたり,型板を造ったりする工場。 mould loft
13
F 0010-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 船型による船の種類
付図2 甲板及び隔壁
原案担当作業委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
小 川 隆 也
アイ・エイチ・アイ・クラフト株式会社
(委員)
村 瀬 孝 明
社団法人日本船主協会
丸 山 修 史
住友重機械工業株式会社船舶艦艇鉄構事業本部
熊 田 展 雄
NKK総合エンジニアリング事業部
上 谷 秀 雄
三井造船株式会社千葉事業所
友 井 武 人
三菱重工業株式会社船舶・海洋事業本部
高 濱 秀 正
日立造船株式会社船舶防衛事業本部
(事務局)
小 林 正 雄
財団法人日本船舶標準協会
今 井 要 介
財団法人日本船舶標準協会