E 7501 : 2001
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鉄道
車輌工業会 (JARI) /財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべ
きとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。こ
れによってJIS E 7501 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。
E 7501 : 2001
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目次
ページ
1. 適用範囲 ························································································································ 1
2. 引用規格 ························································································································ 1
3. 定義 ······························································································································ 1
4. 構造 ······························································································································ 1
5. 形状・寸法 ····················································································································· 1
6. 外観 ······························································································································ 2
7. 硬さ試験 ························································································································ 2
8. ブレーキ試験 ·················································································································· 2
9. 検査 ······························································································································ 4
10. 表示 ···························································································································· 4
付図1 鋳鉄制輪子各部の名称 ·························································································· 5
付図2 鋳鉄制輪子(例) ································································································ 6
付図3 鋳鉄制輪子(例) ································································································ 7
付図4 鋳鉄制輪子(例) ································································································ 8
付図5 鋳鉄制輪子(例) ································································································ 9
付図6 鋳鉄制輪子(例) ······························································································ 10
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
E 7501 : 2001
鉄道車両用鋳鉄制輪子の性能試験
及び検査方法
Method of performance test and inspection methods
for cast iron brake shoes of railway rolling stock
1. 適用範囲 この規格は,鉄道車両の車輪踏面に用いる鋳鉄制輪子(以下,制輪子という。)の実物大ブ
レーキ試験機(以下,試験機という。)での性能試験方法及び検査方法について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS E 4001 鉄道車両用語
JIS E 5401-1 鉄道車両用炭素鋼タイヤ−品質要求
JIS E 5401-2 鉄道車両用炭素鋼タイヤ−輪心及びタイヤ付車輪−寸法,釣合い及び組立の要求事項
JIS E 5402-1 鉄道車両用−一体車輪−品質要求
JIS E 5402-2 鉄道車両用−一体車輪−寸法要求
JIS Z 2243 ブリネル硬さ試験−試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS E 4001によるほか,次による。
a) ブレーキ開始 制輪子押付力が設定値に対し65 %に達した時点。
b) ブレーキ停止距離 ブレーキ開始から車輪が停止するまでの距離。
c) 平均摩擦係数 ブレーキ停止距離,ブレーキ吸収エネルギー及び制輪子総押付力から算出した制輪子
と車輪との摩擦係数[8.4a)参照]。
d) 瞬間摩擦係数 ブレーキ開始から終了までのブレーキ時における瞬間の摩擦係数。摩擦力を制輪子押
付力で除した無次元数で表される[8.4b)参照]。
e) 等価輪重 試験機の慣性モーメントから換算した実車両における1車輪が負担する質量相当値[8.4a)
参照]。
4. 構造 制輪子の構造は,制輪子が鋳鉄製で単一のものと,制輪子背面を補強板などで強化したものと
があり,各々の制輪子頭との取付け方法の違いによって,コッタ穴があるものとないものとがある。さら
に,車輪踏面からのはみ出し防止を目的とした耳付きのものと,耳なしのものとがある。付図1にその代
表例と制輪子の各部の名称を示す。
5. 形状・寸法 制輪子の形状,寸法及び寸法許容差は,受渡当事者間の協定による。
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なお,形状・寸法の例を付図2〜付図6に示す。
6. 外観 制輪子は,使用上有害なきず,割れなどの欠陥があってはならない。
7. 硬さ試験 硬さの試験は,1溶解ごとに制輪子を1個抽出し,いずれかの側面の中央部で鋳肌面を除
去した上で,JIS Z 2243によって測定する。
8. ブレーキ試験
8.1
試験機 試験機は,駆動部,はずみ車,車輪,揺動架台,ブレーキ部,制御機,計測器などで構成
する。試験に供する車輪は,JIS E 5401-1,JIS E 5401-2,JIS E 5402-1,JIS E 5402-2を満足しなければな
らない。
なお,使用した車輪の種別を試験結果に明記する。
8.2
試験条件 試験条件は,次による。
a) 車輪径,等価輪重及び制輪子押付力の条件を表1に示す。
表1 試験条件
条件
車輪径
m
等価輪重(1)
kg
制輪子押付力(2)
kN
A
0.81
6 000
25
B
0.86
6 000
25
C
1.12
8 000
50
注(1) この値とするのがよい。
(2) 制輪子1個あたりの押付力を示し,両抱き
又は片押しとする。また,押付力の許容差
を設定押付力の±2.5%とする。
b) ブレーキ初速度は,35,65,95 km/h及び最高速度+5km/hとし,試験は低速側から各ブレーキ初速度
ごとに5回ずつ行う。
なお,ブレーキ初速度に対するブレーキ開始速度の許容差を
km/h
0
3
−
とする。
c) 各ブレーキ試験ごとに次の項目を測定し,記録する。
1) ブレーキ開始速度
2) ブレーキ停止時間
3) ブレーキ停止距離
4) 瞬間摩擦係数
5) 車輪及び制輪子の温度
6) 各ブレーキ初速度試験ごとの制輪子の摩耗量
d) それぞれのブレーキ開始時の車輪温度は,60℃以下とする。
e) 制輪子と車輪踏面とが当たる部分は,制輪子の摩擦面積の70%以上とする。この場合,早く当たり面
積が得られるように制輪子の摩擦面をと(砥)石などで研削してもよい。
8.3
車輪及び制輪子の温度測定 車輪及び制輪子の温度は,連続測定し,開始温度と最高温度とを記録
する。この際,車輪を冷却する特別な手段は用いないものとする。
なお,測定位置は次の事項及び図1による。
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a) 車輪の温度は,車輪摩擦面中央部の表面から10mmの深さで測定する。
b) 制輪子の温度は,制輪子摩擦面中央部で,進入端部から50mmで,表面から10mm(試験開始時)の
位置で測定する。
図1 車輪及び制輪子の温度測定位置
8.4
データの整理
a) 平均摩擦係数 平均摩擦係数は,次の式で求める。
LP
MV
fm
2
2
0
=
ここに,
fm: 平均摩擦係数
M: 等価輪重
)
kg
(
2
r
I
M=
(ここに,I:慣性モーメントkg・m2,r:車輪半径m)
V0: ブレーキ開始速度 (m/s)
L: ブレーキ停止距離 (m)
P: 制輪子の総押付力 (N)
b) 瞬間摩擦係数 瞬間摩擦係数は,次の式で求める。
n
n
n
P
F
f=
ここに,
fn: 瞬間摩擦係数
Fn: 各瞬時のブレーキ力 (N)
Pn: 各瞬時の制輪子総押付力 (N)
データの提供形式については,受渡当事者間の協定による。
c) 摩耗量 制輪子の摩耗量は,各ブレーキ初速度試験前後の制輪子質量を測定し,次の式で求める。
ρ
δ
A
m
Δ
=
ここに,
δ: 摩耗量 (mm)
∆m: 制輪子の摩耗質量 (g)
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A: 制輪子の摩擦面積 (mm2)
ρ: 制輪子の密度 (g/mm3)
9. 検査 制輪子の検査は,形式検査(3)と受渡検査(4)とに区分し,それぞれの検査項目は表2の○印のと
おりとし,箇条4.,5.,6.,7.及び8.について行う。
なお,受渡検査における抜取検査方式は,受渡当事者間の協定による。
注(3) 製品の品質が設計で示したすべての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
(4) すでに形式検査に合格したものと同じ設計,製造による製品が,受渡しに際して,必要と認め
る特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。
表2 検査項目
検査項目
形式検査
受渡検査
構造
○
○
形状・寸法
○
○
外観
○
○
硬さ
○
○
摩擦係数
○
摩耗量
○
10. 表示 制輪子には,次の事項を容易に消えない方法で表示する。
a) 記号又は受渡当事者間の協定による識別表記
b) 製造業者名又はその略号
c) 製造年月又はその略号
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付図1 鋳鉄制輪子各部の名称
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付図2 鋳鉄制輪子(例)
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付図3 鋳鉄制輪子(例)
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付図4 鋳鉄制輪子(例)
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付図5 鋳鉄制輪子(例)
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付図6 鋳鉄制輪子(例)
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JIS E 7501(鉄道車両用鋳鉄制輪子の性能試験及び検査方法)改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 辻 村 太 郎
財団法人鉄道総合技術研究所
池 川 澄 夫
工業技術院標準部
新 津 武 史
運輸省鉄道局
山 村 修 蔵
財団法人日本規格協会
○ 山 田 幸 一
東海旅客鉄道株式会社
岸 本 博 之
西日本旅客鉄道株式会社
○ 浅 倉 康 二
日本貨物鉄道株式会社
加 進 昇
近畿車輌株式会社
鈴 木 肇
社団法人日本民営鉄道協会
○ 佐 藤 巌
北海道旅客鉄道株式会社
○ 新 井 浩
東日本旅客鉄道株式会社
脇 田 明 位
住友金属工業株式会社
野 崎 展 世
株式会社ナブコ
小野寺 勝 弘
曙ブレーキ工業株式会社
○ 宮 地 豊
上田ブレーキ株式会社
(事務局)
小笠原 静 夫
社団法人日本鉄道車輌工業会
備考 ○印は分科会委員