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E 7105:2006  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本鉄道

車輌工業会(JARI)/財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきと

の申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が改正した日本工業規格である。これに

よってJIS E 7105:1989は改正され,この規格に置き換えられる。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

E 7105:2006  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 試験の種類 ····················································································································· 1 

5. 試験方法 ························································································································ 2 

5.1 測定項目 ······················································································································ 2 

5.2 計測器 ························································································································· 2 

5.3 測定点の選び方 ············································································································· 2 

5.4 負荷荷重 ······················································································································ 3 

5.5 気密室内圧力 ················································································································ 3 

5.6 構体の支持方法及び試験荷重の負荷方法············································································· 3 

6. 試験結果の評価方法 ········································································································· 7 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

E 7105:2006 

鉄道車両−旅客車用構体−荷重試験方法 

Rolling stock-Test methods of static load for body structures 

1. 適用範囲 この規格は,主として,電車,内燃動車,客車などの旅客車用構体の強度,剛性などを確

認する場合の静荷重試験(以下,試験という。)の方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 0153 機械振動・衝撃用語 

JIS B 0155 工業プロセス計測制御用語及び定義 

JIS B 7505 ブルドン管圧力計 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS E 4001 鉄道車両用語 

JIS E 4208 鉄道車両−台車−荷重試験方法 

JIS E 7106 鉄道車両−旅客車用構体−設計通則 

JIS Z 2300 非破壊試験用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS E 4001及びJIS B 0153によるほか,次による。 

a) 供試構体 台枠,側構体,妻構体,屋根構体などの主な構体及びその他の強度・剛性に影響がある部

材を取り付けた姿。ただし,5.6.7に対しては,測定中の気密室内全体が同一設定圧力を維持できるよ

うに,正規の部品又は閉そく用仮設ふさぎ部材を用いて開口部を密封した姿。 

b) ひずみゲージ JIS Z 2300の(8)(ひずみ・応力測定)による。 

c) ロードセル JIS B 0155の2.2)(圧力測定用機器用語)による。 

d) 応力 ひずみゲージで測定したひずみとそのゲージをはり付けた部材の縦弾性係数との積。 

備考 応力は,本来,直接的には測定できないが,この規格では,従来からの慣用に沿って,“ひずみ

測定”の代わりに“応力測定”などと表現する。 

4. 試験の種類 試験の種類は,通常,次の7種類とする。これと異なる試験が必要な場合,その試験方

法は,受渡当事者間の協定による。 

a) 垂直荷重試験 

b) 車端圧縮荷重試験 

c) ねじり荷重試験 

d) 三点支持試験 

e) 曲げ固有振動数測定試験 

f) 

ねじり固有振動数測定試験 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

g) 気密強度試験(1) 

注(1) 気密構造をもつ車両に対し,受渡当事者間で協定した車両に適用する。 

5. 試験方法  

5.1 

測定項目 各試験の種類に対する測定項目は,表1のとおりとする。 

表 1 測定項目 

試験の種類 

測定項目 

応力 

変位量 

固有 

振動数 

負荷荷重 

気密室内

圧力 

垂直荷重試験 

○ 

○ 

○ 

車端圧縮荷重試験 

○ 

○ 

○ 

ねじり荷重試験 

○ 

○ 

○ 

三点支持試験 

○ 

○ 

○ 

曲げ固有振動数測定試験 

○ 

ねじり固有振動数測定試験 

○ 

気密強度試験 

○ 

○ 

○ 

5.2 

計測器 各測定項目に対する計測器の一例を,表2に示す。 

表 2 計測器(一例) 

測定項目 

計測器 

応力 

ひずみゲージ 

変位量 

変位計,JIS B 7516に規定する金属製直尺 

振動数 

ひずみゲージ,変位計,加速度センサ及び周波数分析器 

負荷荷重 

ロードセル 

気密室内圧力 JIS B 7505に規定する圧力計又はマノメータ 

備考 ひずみゲージの使用方法は,JIS E 4208の6.3(ひずみゲージの使用方

法)の規定による。 

5.3 

測定点の選び方  

5.3.1 

応力の測定点 応力の測定点は,次のとおりとする。 

a) 計算応力と実測応力との対比が容易な基本部材の部分。 

b) 強度計算の結果,高い応力の発生が予測される部分。 

c) 形状及び断面の急変化部分,溶接ビードの止端部など応力集中が予測される部分。 

d) 構体の製作時に,溶接・加工などに注意を要する部分。 

5.3.2 

変位量の測定点 変位量の測定点は,次のとおりとする。 

a) 車両の長手方向における垂直方向の変位量(2) 

1) 構体の支持点。ただし,負荷荷重に明確な作用点がある場合は,その点。 

2) 出入口の開口部の両端など,構体の変形モードが変曲点となる点。 

3) 変形モードが観測できるようなピッチで,ほぼ等間隔となるような点。 

注(2) たわみ量ともいう。 

b) 車両の断面における断面内の変位量(3) 形状及び断面の急変部分など,構体機能に影響を与える点と

する。 

注(3) 変形量ともいう。 

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5.3.3 

振動数の測定点 振動数の測定点は,固有振動モードが最も明確に現れる点とする。 

5.4 

負荷荷重 負荷荷重の大きさは,JIS E 7106による。 

5.5 

気密室内圧力 気密強度試験において室内に加える空気圧力の大きさは,JIS E 7106による。 

5.6 

構体の支持方法及び試験荷重の負荷方法  

5.6.1 

垂直荷重試験 垂直荷重試験は,次による。 

a) 構体の支持方法 構体の支持位置は,台車によって支持される部位とし,その支持部の構造は,次に

よる。 

1) 車体と直結する空気ばねをもつ車両の場合は,仮の空気ばね座。 

2) 車体と直結するコイルばねをもつ車両の場合は,仮のコイルばね座。 

3) 心皿又は側受で支持される車両は,仮の心皿又は仮の補助側受。 

構体支持方法の一例を,図1に示す。 

注(4) 5.6.1 a) 1)〜3)のいずれかとする。 

(5) 試験荷重の測定器。ただし,あらかじめ測定した荷重を負荷する場合は,省略してもよい。 

図 1 垂直荷重試験における構体の支持方法(一例) 

b) 荷重の負荷方法 荷重の負荷方法は,次による。 

1) 試験荷重は,床面への等分布負荷とし,油圧,エアーバッグ,水タンク,砂袋,鉄塊,鋳物用なま

こなどを用いて,設定した最大荷重まで段階的に垂直荷重を増・減し,それぞれの段階ごとに,測

定を行う(6)。この試験荷重は、一般的に、JIS E 7106の表3に規定する最大荷重から供試構体及び

試験機材の質量に重力加速度を乗じた荷重分を減じた大きさとしている。 

2) 質量の大きな機器を取り付ける車両は,別途,その取付け部分に機器質量に対応する集中荷重を負

荷して測定する。 

注(6) 予備試験において,荷重段階ごとの荷重に対する応力及びたわみの関係が,直線関係にあるこ

とを確認する。直線関係にないときは,その要因を確認する必要がある。また,負荷荷重の増・

減の測定値に差(ヒステリシス)があるときは,供試構体又は試験ジグなどの構造的な要因を

確認する。さらに,荷重除荷後の応力及びたわみ量が,荷重の負荷前とほぼ同じであることを

確認する。 

5.6.2 

車端圧縮荷重試験 車端圧縮荷重試験は,次による。 

a) 構体の支持方法 構体の支持方法は,5.6.1 a)による。ただし,図1に示す平形上部ころ受け及び平形

下部ころ受けは,構体の圧縮変形を阻害しないように圧縮荷重の負荷側に用いる。 

b) 荷重の負荷方法 荷重の負荷方法は,次による。 

1) 負荷荷重は,油圧ジャッキによる圧縮荷重とする。 

支持金具(4)

ロードセル(5)

支持台

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2) 構体の位置を安定させるため,鉛直方向に,5.6.1 b)に規定する方法で,垂直荷重を負荷する。その

大きさは,特に規定しないが,一般的には空車相当の荷重が使われている。 

3) 構体の両側の連結器取付部に,図2のように仮の試験用押し棒を取り付け,構体の一方から油圧ジ

ャッキで設定した最大荷重まで段階的に圧縮荷重を増・減し,それぞれの段階ごとに,測定を行う

(6)。 

注(7) 負荷荷重の測定器。ただし,負荷荷重を油圧ジャッキに供給する圧力を圧力計で測定して算出する場合は,

省略してもよい。 

図 2 車端圧縮荷重試験における試験荷重の負荷方法(一例) 

5.6.3 

ねじり試験 ねじり試験は,次による。 

a) 構体の支持方法 構体の支持方法は,図3のように構体の一方のまくらばり中心線上の2か所(8)を支

持台で支え,固定ばりで固定するか又は支持点付近に垂直荷重を負荷して固定し,他方のまくらばり

中心位置をねじりはりを介して,ナイフエッジ又は小径のころをもつ支持台で支える。 

注(8) 車体と直結する空気ばね又はコイルばねをもつ車両の場合は,支持位置は空気ばね又はコイル

ばねの位置とし,心皿で支持される車両の場合は,補助側受部とする。 

b) 負荷荷重の負荷方法 負荷荷重の負荷方法は,図3の例に示すように,偶力によるねじりモーメント

だけが構体に加わるように負荷するものとし,設定した最大荷重まで段階的に負荷荷重を増・減し,

それぞれの段階ごとに,測定を行う(6)。 

ロードセル(7) 

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図 3 ねじり荷重試験における構体の支持方法及び負荷荷重の負荷方法(一例) 

5.6.4 

三点支持試験 三点支持試験は,次による。 

a) 構体の支持方法 構体の支持方法は,図4のようにまくらばり付近のジャッキ受部4か所を,頭部に

球面座又はボールを備えたロードセルで水平に支える。その四つの支持点のうち,1か所の支持点(図

4では後側)は,ロードセルを載せた油圧(又はねじ)ジャッキとする。 

b) 荷重の負荷方法 荷重の負荷方法は,次による。 

1) 負荷荷重は,5.6.1 b) 1)による。荷重の大きさは,当該車両の空車相当荷重から供試構体の質量と重

力加速度との積に相当する垂直荷重を減じた値とする。 

2) ジャッキを設置した支持点において,ジャッキ部のロードセルが構体から離れるまで,段階的にジ

ャッキの高さを減少・復元し,それぞれの段階ごとに,測定試験を行う(6)。ただし,小さなねじり

剛性を特徴とする構体にあっては,ジャッキの高さを減少してもロードセルが構体から離れない場

合があるので,ジャッキ高さの最大減少量は,受渡当事者間の協定による。 

図 4 三点支持試験における構体の支持方法(一例) 

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5.6.5 

曲げ固有振動数測定試験 曲げ固有振動数測定試験は,次による。 

a) 構体の支持方法 構体の支持方法は,5.6.1 a)と同様の支持台を用いる。 

b) 加振方法 構体に振動を与える方法は,いろいろあるが,次の方法が一般的に多く使われている。 

1) おもりの瞬時切離し方式 図5のように構体中央の下面におもりをつり下げておき,瞬時におもり

を切り離すことによって構体に自由振動を起こさせる方法。 

2) 打撃加振法 図5のおもりの代わりに構体中央の台枠の床上面に砂袋又は土のうなどを落下させ,

構体を加振させる方法。  

3) 強制加振方式 図5のおもりの代わりに構体中央に強制加振機を取り付ける方法,又は地上に設置

した加振機に接続したワイヤで構体の中央に加振力を与える方法。 

4) インパクトハンマによる方式 図5のおもりは取り付けず,台枠の部分をインパクトハンマで垂直

方向に打撃を与えて構体に曲げ振動を与える方法。 

c) 振動数測定 構体に取り付けた加速度センサの出力信号を記録紙に出力し,その波形から曲げ固有振

動数を読み取る方法又は加速度センサの出力を周波数分析器で分析する方法による。 

図 5 曲げ固有振動数測定試験のおもりの瞬時切離し方式の例 

5.6.6 

ねじり固有振動数測定試験 ねじり固有振動数測定試験は,次による。 

a) 構体の支持方法 構体の支持は,5.6.3 a)の図3から,固定ボルト、固定ばり、油圧ジャッキ及びロー

ドセルを除いた状態とする。 

b) 加振方法 構体に振動を与える方法は,いろいろあるが,次の方法が一般的に多く使われている。 

1) おもりの瞬時切離し方式 図6のようにねじりはりの一端におもりをつり下げておき,瞬時におも

りを切り離すことによって構体に自由振動を起こさせる方法。 

2) 強制加振方式 図6のおもりの代わりにねじりはりの一端に強制加振機を取り付けて振動を与える

方法又は地上に設置した加振機に接続したワイヤでねじりはりの先端に加振力を与える方法。 

3) インパクトハンマによる方式 図6のようなねじりはり及びおもりは取り付けずに,ナイフエッジ

で支えた側の台枠の部分をインパクトハンマで垂直方向に打撃を与えて,構体にねじり振動を与え

る方法。 

c) 振動数測定 構体に取り付けた加速度センサの出力信号を記録紙に出力し,その波形からねじり固有

振動数を読み取る方法又は加速度センサの出力を周波数分析器で分析する方法による。 

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図 6 ねじり固有振動数測定試験における一般的な方法(一例) 

5.6.7 

気密強度試験 気密強度試験は,次による。 

a) 構体の支持方法 構体の支持方法は,構体のまくらばり部の4か所を支持台で支える。 

b) 圧力の負荷方法 圧力の負荷方法は,供試構体の仮設ふさぎ部に設けた空気供給口に,圧縮空気を段

階的に送りこむ方法とし,気密室内の圧力を設定した最大値まで段階的に増し,それぞれの段階ごと

に,計測を行う。圧力を減じるときは,空気を段階的に減圧・調整する作業が難しいので,一般的に

は途中段階を設けないで,圧力零(0)の状態に戻して計測する(6)。 

6. 試験結果の評価方法 試験結果の評価方法は,JIS E 7106の4.3及び4.4による。