2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
E 4501-1995
鉄道車両−車軸強度設計方法
Railway rolling stock−Design methods for
strength of axles
1. 適用範囲 この規格は,JIS E 4502に規定する車軸(以下,車軸という。)の輪座の強度設計方法につ
いて規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS E 4502 鉄道車両用車軸
2. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 量記号,量記号の意味及び単位 この規格に用いる量記号,量記号の意味及び単位は,表1のとおり
とする。
表1 量記号,量記号の意味及び単位
量記号
量記号の意味
単位
a
ジャーナル中心から車輪ボス外側端面までの距離
mm
d
輪座径
mm
g
車輪踏面間距離
mm
h
車輪中心線から車両重心までの高さ
mm
j
ジャーナル中心間距離
mm
l
車輪ボスの長さ(x+y)
mm
r
車輪踏面半径
mm
Z
輪座における車軸の断面係数
mm3
P
水平力
N {kgf}
Q0
水平力によってジャーナル上に加わる垂直力
N {kgf}
R0
水平力によって踏面上に加わる垂直力
N {kgf}
W
1軸上の質量による荷重
N {kgf}
M1
1軸上の質量による荷重によって輪座に生じる曲げモーメント
mN・m {kgf・mm}
M2
上下付加力によって輪座に加わる曲げモーメント
mN・m {kgf・mm}
M3
水平力によって輪座ボス内側に生じる曲げモーメント
mN・m {kgf・mm}
σb
車輪ボス内側の輪座に生じる応力
N/mm2 {kgf/mm2}
σWb
輪座の疲れに対する許容応力
N/mm2 {kgf/mm2}
αL
水平力の1軸上の質量による荷重に対する割合
−
αV
上下付加力の1軸上の質量による荷重に対する割合
−
m
車軸の用途による応力の割増係数
−
n
疲れ安全率
−
G
車両重心
−
V
使用最高速度
km/h
備考 表中の記号は,表2,表3及び付図1と対応する。
2
E 4501-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. 強度計算上考慮する事項
3.1
1軸上の質量による荷重 1軸上の質量による荷重は,積車荷重の場合に,左右ジャーナル上に加わ
る荷重の和をとる。
3.2
上下付加力及び水平力の1軸上の質量による荷重に対する割合 上下付加力及び水平力の1軸上の
質量による荷重に対する割合は,適用する鉄道システムを,高速度鉄道システム(以下,システム1とい
う。)及び在来鉄道システム(以下,システム2という。)に区分して,使用最高速度に応じて表2のとお
りとする。
なお,車両及び軌道状態に応じて区分を設ける。
システム1においては,
区分SAは,車両及び軌道が最高速度350km/h以下の使用を前提に特別の配慮がなされた場合,
区分Aは,車両及び軌道が最高速度280km/h以下の使用を前提にされた状態の場合,
に適用する。
システム2においては,
区分Aは,車両及び軌道が最高速度160km/h以下の使用を前提にされた状態の場合,
区分Bは,最高速度が130km/h以下で,区分A以外の場合,
に適用する。
表2 上下付加力及び水平力の1軸上の質量による荷重に対する割合
鉄道システム
適用区分
V km/h
αV
αL
システム1
SA
200を超え350以下 0.002 7V
0.030+0.000 60V
A
150を超え280以下 0.002 7V
0.030+0.000 85V
システム2
A
60を超え160以下 0.002 7V
0.040+0.001 2V
60以下 0.16
0.11
B
60を超え130以下 0.005 2V
0.060+0.001 8V
60以下 0.31
0.17
3.3
応力の割増係数 車軸の用途による応力の割増係数は,1.0〜1.3とする。
3.4
輪座の疲れに対する許容応力 輪座の疲れ安全率の計算に用いる許容応力は,JIS E 4502に規定す
る車軸の種類によって表3のとおりとする。
表3 車軸の種類及びσwb
単位 N/mm2 {kgf/mm2}
車軸の種類
σwb
1種
98.1 {10.0}
2種
103 {10.5}
3種
108 {11.0}
4種
147 {15.0}
3.5
疲れ安全率 疲れ安全率は,1.0以上とする。
4. 強度計算式 輪座の強度計算は,次の式(1)〜(5)による(付図1参照)
W
g
j
M
4
1
−
=
············································································ (1)
1
V
2
M
M
α
=
············································································ (2)
y
R
l
a
Q
r
P
M
0
0
3
)
(
−
+
+
=
························································· (3)
3
E 4501-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
Z
M
M
M
m
b
)
(
3
2
1
+
+
=
σ
································································ (4)
b
wb
n
σ
σ
=
·················································································· (5)
ここに,
P
j
h
Q=
0
P
g
r
h
R
+
=
0
P=αL・W
2
g
j
l
a
y
−
−
+
=
l=x+y
付図1
備考 図中の記号は,表1と対応する。
4
E 4501-1995
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
JIS E 4501 鉄道車両−車軸強度設計方法改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
田 中 眞 一
財団法人鉄道総合技術研究所
山 村 修 蔵
工業技術院標準部
秋 元 孝 生
運輸省鉄道局
箕 田 誠
運輸省鉄道局
○ 手 塚 和 彦
財団法人鉄道総合技術研究所
柿 沼 博 彦
北海道旅客鉄道株式会社鉄道事業本部
○ 田 島 信一郎
東日本旅客鉄道株式会社鉄道事業本部
(主査)
○ 上 林 賢治郎
東海旅客鉄道株式会社新幹線鉄道事業本部
○ 吉 江 則 彦
西日本旅客鉄道株式会社鉄道本部
黒 田 武 定
財団法人日本民営鉄道協会技術部
望 月 一 正
京成電鉄株式会社車両部
岡 根 修 司
近畿日本鉄道株式会社技術室
○ 山 田 博 之
株式会社日立製作所笠戸工場
○ 志 磨 貴 司
川崎重工業株式会社車両事業本部
○ 上 野 照 雄
東洋電機製造株式会社横浜事業所
○ 鈴 木 寿 雄
日本精工株式会社軸受技術センター
(幹事)
○ 戸 谷 靖 隆
住友金属工業株式会社・製鋼所
○ 中 栄 周 三
株式会社日本製鋼所電子・産業機械事業部
小笠原 静 夫
社団法人日本鉄道車輌工業会
(事務局)
太 田 治
社団法人日本鉄道車輌工業会
備考 ○印は,小委員会委員を示す。