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E 4051 : 2001 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,国土交通大臣が制定した日

本工業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。国土交通大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS E 4051には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) 寸法記録表(例) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

E 4051 : 2001 

鉄道車両− 

車体及び台車−寸法測定方法 

Railway rolling stock−Dimension of carbody and bogie−Measuring 

methods 

1. 適用範囲 この規格は,普通鉄道及び新幹線鉄道に使用される機関車,旅客車及び貨物車(以下,車

両という。)の完成後における車体及び台車の寸法測定方法について規定する。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7510 精密水準器 

JIS B 7512 鋼製巻尺 

JIS B 7516 金属製直尺 

JIS E 4001 鉄道車両用語 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS E 4001によるほか,次による。 

a) 基準平たん(坦)線 直線で水平な面をなす軌道。 

b) 部品相互位置 車両が直線から使用される最小半径の曲線に至るまでを移動する間に,車体台枠部品

と台車部品及び/又は車体台枠部品と車輪外周とのすき間が最も狭くなったときの相互の位置関係。 

c) 機器ぎ装限界 車両限界の中で指定された部品を除く床下機器に対する限界であり,空気ばねのパン

ク,車輪削正代,及び軸ばね変位量などを想定した場合に床下機器のどの部分もはみ出してはならな

い左右・上下の限界。 

d) 測定基準線 車体の反りなどを測定する際に,ピアノ線,水盛り,水準器及び/又は基準延長直定規

などによって設定する基準線。 

e) 基準延長直定規 レール上面高さなどの測定基準を延長するための直定規。 

f) 

棒ゲージ 2点間の内面距離を測定するための棒状の伸縮する測定具。 

g) 重錘 鉛直線を出すための道具で,糸の先に円すい(錐)形のおもりを取り付けたもの。 

h) 指定 車両の受渡当事者間の協定に基づくもの。 

i) 

車両限界ゲージ 車両の寸法が車両限界内に納まっていることを確認するためのゲージ。 

j) 

機器ぎ装限界ゲージ 床下機器などが機器ぎ装限界内に納まっていることを確認するためのゲージ。 

k) 偏い(倚)試験装置 車両が使用される線路区間の最小曲線半径を想定して,車体端部の部品などの

偏いを測定する装置。 

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E 4051 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 測定方法の共通条件 

4.1 

測定場所の環境 測定場所の環境は,測定に支障を及ぼすような熱影響,風,振動などがあっては

ならない。 

4.2 

車両条件 空車状態又は運転整備状態とし,車両のばね装置の状態を安定させた後,ブレーキを緩

めて測定する。 

なお,台車単体の場合は,車体質量に相当する荷重を加えた状態で測定する。 

4.3 

軌道条件 

a) 車体及び台車の関係寸法は,車両質量による水平面の狂いが,測定に当たって十分に少ない基準平た

ん(坦)線上で測定する。 

b) 部品相互位置は,直線から車両が使用される線路区間の最小半径の曲線までの線路上で測定するか,

偏い試験装置によってこれと同等な条件を設定して測定する。 

5. 測定項目 測定項目は,表1のとおりとする。なお,それぞれの測定項目は,当該車両の構造,性能,

品質及び指定によって選択できる。 

表1 測定項目 

No. 

測定項目 

該当箇条番号 

5.1 

車体及び台車の関係寸法 

7.1 

a) 

 全高,屋根高さ 

 a) 

b) 

 全幅,車体幅 

 b) 

c) 

 連結面間及び車体長さ 

 c) 

d) 

 車体台枠の水平度 

 d) 

e) 

 車体の反り 

 e) 

f) 

 集電装置の折りたたみ位置における高さ 

 f) 

g) 

 旅客用乗降口の有効幅及び有効高さ 

 g) 

h) 

 貫通口の有効幅及び有効高さ 

 h) 

i) 

 台車枠の水平度 

 i) 

j) 

 連結器中心の高さ 

 j) 

k) 

 床面の高さ 

 k) 

l) 

 車体と台車とのすき間 

 l) 

m) 

 排障器の高さ 

 m) 

n) 

 受電器及び車上子の高さ並びに受電器及び車上子の偏位 

 n) 

o) 

 側受けすき間 

 o) 

p) 

 主電動機軸と駆動装置軸との偏心度 

 p) 

5.2 

車両の限界 

7.2 

a) 

 車両限界 

 a) 

b) 

 機器ぎ装限界 

 b) 

5.3 

部品相互位置 

7.3 

a) 

 車体台枠部品と台車部品とのすき間 

 a) 

b) 

 車体台枠部品と車輪外周とのすき間 

 b) 

6. 測定器及び測定装置 

6.1 

一般 測定器及び測定装置は,計量法の検定を受けたものを使用し,6.2及び6.3による。測定方法

では一般の測定器を使用した場合について記述するが,精度が保証された専用の測定ジグ及び/又は測定

ゲージを必要に応じて使用する。 

6.2 

測定器 

E 4051 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

a) 寸法の測定は,JIS B 7510,JIS B 7512の1級,JIS B 7516,基準延長直定規,棒ゲージ,すき間ゲー

ジなどを使用する。 

b) 基準延長直定規は,測定中のねじれ又は曲がりが微少であり,使用される面の真直度が3m当たり2mm

以内のものを使用する。 

(c) 棒ゲージは,精度がJIS B 7512の2級相当のものを使用する。 

6.3 

測定装置 

a) 車両限界ゲージは,基準平たん線に設置し,車両限界形状線の精度が確認されたものを使用する。 

b) 機器ぎ装限界ゲージは,レール上面と平行に移動できるものを使用する。 

c) 偏い試験装置は,回転角度などと使用される線路区間の最小曲線半径との関係が確認されたものを使

用する。 

7. 測定方法 

7.1 

車体及び台車の関係寸法 車体及び台車の関係寸法測定は,次による。 

a) 全高,屋根高さ レール上面から車体最高部(附属部品を含む,集電装置は含まない)。までの垂直距

離及びレール上面から屋根上面までの垂直距離をJIS B 7512及び基準延長直定規によって測定する。 

b) 全幅,車体幅 車両の側部における最突出部と車体中心線との水平距離の2倍及び車体側板の外面間

の水平距離をJIS B 7512及び重錘によって測定する。 

c) 連結面間及び車体長さ 連結器の連結面間の水平距離及び車体妻外面間の水平距離をJIS B 7512及び

重錘によって測定する。 

d) 車体台枠の水平度 車体台枠四隅の端ばり下面とレール上面間の垂直距離をJIS B 7512,JIS B 7516

及び/又は基準延長直定規によって測定し測定値から水平度を算出する。 

e) 車体の反り 車体台枠の側ばり下面と測定基準線間の指定された箇所における垂直距離をJIS B 7512

及び/又はJIS B 7516によって測定し測定値から車体の反りを算出する。 

f) 

集電装置の折りたたみ位置における高さ 集電装置を折りたたみ,レール上面から集電舟すり板上面

までの垂直距離をJIS B 7512及び基準延長直定規によって測定する。 

g) 旅客用乗降口の有効幅及び有効高さ 扉を開放した状態で,指定の箇所を棒ゲージによって測定する。 

h) 貫通口の有効幅及び有効高さ 扉を開放した状態で,指定の箇所を棒ゲージによって測定する。 

i) 

台車枠の水平度 各台車枠四隅の端ばり上面又は側ばり最前後端部上面の指定箇所とレール上面の垂

直距離又は各軸箱基準面間隔をJIS B 7512,JIS B 7516及び/又は基準延長直定規によって測定し,

測定値から台車枠の水平度を算出する。 

j) 

連結器中心の高さ レール上面から各連結器中心までの垂直距離を,JIS B 7512及び基準延長直定規

を使用して測定する。 

k) 床面の高さ レール上面から指定された箇所の床面までの垂直距離を,JIS B 7512及び基準延長直定

規によって測定する。 

l) 

車体と台車とのすき間 車体又は車体部品と台車台枠又は台車部品との最小すき間を,JIS B 7516及

び/又はパスによって測定する。 

m) 排障器の高さ 各排障器下面とレール上面との垂直距離を,JIS B 7516によって測定する。 

n) 受電器及び車上子の高さ並びに受電器及び車上子の偏位 受電器及び車上子の高さ並びに受電器及

び車上子の偏位は,次による。 

1) 受電器,車上子の高さ 自動列車停止装置,自動列車制御装置,列車情報装置などの受電器及び車

E 4051 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

上子とレール上面の最小垂直距離を,JIS B 7516及び/又は基準延長直定規によって測定する。 

2) 受電器及び車上子の偏位 自動列車停止装置,自動列車制御装置,列車情報装置などの受電器及び

車上子の中心と左右レール中心との水平距離を,JIS B 7516及び/又はJIS B 7512によって測定す

る。 

o) 側受けすき間 各側受けのすき間を指定のすき間ゲージで測定する。 

p) 主電動機軸と駆動装置軸との偏心度 レール上面から主電動機軸中心及び駆動装置の小歯車軸中心の

垂直距離をJIS B 7516及び基準延長直定規によって測定し,垂直距離の差を求め,偏心度を算出する。 

7.2 

車両の限界 車両の限界の測定は,次による。 

a) 車両限界 車両によって空車状態又は運転整備状態の車両を車両限界ゲージ設置線に低速度で入線さ

せ,車両各部が車両限界ゲージに接触しないことを確認する。ただし,振子車については,車両又は

車両限界ゲージを最大振子角相当に傾斜させ,同様に確認する。 

b) 機器ぎ装限界 車両によって空車状態又は運転整備状態とし,機器ぎ装限界ゲージを停止した車両に

対して移動させるか,車両を機器ぎ装限界ゲージ設置線に低速度で入線させ,車体部品及びぎ装部品

について,機器ぎ装限界ゲージに接触しないことを確認するとともに,最も接近したものについては,

その名称と機器ぎ装限界ゲージとのすき間をJIS B 7516によって測定する。ただし,振子車について

は,車両又は機器ぎ装限界ゲージを最大振子角相当に傾斜させ,同様に確認及び測定する。 

7.3 

部品相互位置 部品相互位置の測定は,次による。 

a) 車体台枠部品と台車部品のすき間 車両の車体台枠部品と台車部品のすき間をJIS B 7516によって測

定する。ただし,振子車については,車両を最大振子角相当に傾斜させ,車体台枠部品と台車部品の

すき間をJIS B 7516によって測定する。 

b) 車体台枠部品と車輪外周とのすき間 車両の車体台枠部品と車輪外周のすき間をJIS B 7516によって

測定する。ただし,振子車については,車両を最大振子角相当に傾斜させ,車体台枠部品と車輪外周

のすき間をJIS B 7516及び/又はパスによって測定する。 

8. 記録様式 測定結果の記録様式例を附属書(参考)に示す。 

関連規格 JIS E 1001 鉄道線路用語 

JIS E 4001 鉄道車両の質量測定方法 

JIS E 4041 : 1995 電車の完成検査通則 

JIS E 4042 : 1995 電気機関車の完成検査通則 

JIS E 4043 : 1995 ディーゼル動車の完成検査通則 

JIS E 4044 : 1995 ディーゼル機関車の完成検査通則 

JIS E 4045 : 1994 貨車完成検査通則 

JIS E 4046 : 1985 客車の完成検査通則 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

IEC 61133 Electric traction−Rolling stock−Test methods for electric and thermal/electric rolling 

stock on completion of construction and before entry into service 

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E 4051 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) 寸法記録表(例) 

E 4051 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

鉄道車両−車体及び台車−寸法測定方法JIS原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

鈴 木 康 文 

財団法人鉄道総合技術研究所基礎研究部 

山 本 克 己 

工業技術院標準部 

秋 元 孝 生 

運輸省鉄道局 

鈴 木   隆 

運輸省鉄道局 

慶 伊   寛 

東日本旅客鉄道株式会社新津車両製作所技術部 

○ 穂 苅 秀 憲 

東海旅客鉄道株式会社新幹線鉄道事業本部車両部 

廣 江 修 司 

西日本旅客鉄道株式会社鉄道本部車両部 

小 川 久 雄 

日本貨物鉄道株式会社鉄道事業本部技術開発室 

鈴 木   肇 

社団法人日本民営鉄道協会技術部 

(主査) 

○ 吉 田 修 平 

関東鉄道協会車両部会委員(東武鉄道株式会社運転車両部) 

矢 辺 保 行 

関西鉄道協会車両分科会委員(阪神電気鉄道株式会社車両部) 

○ 五百川 幹 夫 

株式会社日立製作所笠戸工場品質保証部 

○ 上 野 竹一郎 

富士重工業株式会社車両工場品質保証部 

(副主査) 

○ 前 田 秀 幸 

東急車輌製造株式会社車両事業本部品質保証部 

○ 平 松 里 司 

日本車輌製造株式会社鉄道車両本部品質保証部 

○ 吉 田   力 

アルナ工機株式会社設計部 

○ 梶 本 和 男 

川崎重工業株式会社車両事業本部品質保証部 

○ 上 原 義 則 

近畿車輛株式会社車両事業本部品質保証部 

○ 佐 藤 偉 織 

住友金属工業株式会社関西製造所鉄道台車製造部 

(事務局) 

岡 田 和佐久 

社団法人日本鉄道車輌工業会技術部 

備考 ○印委員は,小委員会委員を示す。