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E 4036 : 1998  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が制定した日本工

業規格である。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。主務大臣及び日本工業標準調査会は,

このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出類,実用新案権,又は出願公開後の実用新案登

録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

E 4036 : 1998 

鉄道車両構成部品−ダスト試験通則 

Railway rolling stok-components−General rules for dust tests 

1. 適用範囲 この規格は,鉄道車両部品(以下,部品という。)の防じん性(1)及び耐じん性(2)を調べるた

めの,ダスト試験(以下,試験という。)の基本的及び共通的事項について規定する。 

注(1) 部品の内部に,じんあいが侵入するのを防ぐ性質。 

(2) じんあいの付着,侵入などによる品質低下に耐える性質。 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。 

JIS D 0207 自動車部品の防じん及び耐じん試験通則 

JIS E 4001 鉄道車両用語 

JIS Z 8813 浮遊粉じん濃度測定方法通則 

JIS Z 8901 試験用粉体及び試験用粒子 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS E 4001及びJIS D 0207による。 

4. 試験の種類及び記号 試験の種類及び記号は,表1のとおりとする。 

表1 試験の種類及び記号 

試験の種類 記号 

試験の目的 

浮遊試験 

RF 

空気中に浮遊するじんあいに対する
部品の防じん性又は耐じん性を調べ
る試験。 

気流試験 

RC 

じんあい流を受ける部品の防じん性
又は耐じん性を調べる試験。 

5. 試験方法 試験は,試験装置に供試品を正規の使用状態で取り付け,JIS Z 8901に規定する試験用粉

体1(以下,ダストという。)を用い,表2の条件で行う。ただし,気流試験における供試品の取付けは,

じんあい流の方向を車両取付け時に受ける気流の方向にできるだけ合わせる。 

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E 4036 : 1998  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 試験条件 

試験
の種

類 




分 

ダストの種

類 

ダス
トの
濃度

(3) 

環境条件 

流速

(4) 

試験
槽の
容積

(5) 

試験品の位

置 

ダストの与え方 

試験時間 

温度 湿度 

かく
はん
時間 

休止
時間 

繰返
し合
計時
間 

mg/m3 

℃ 

m/s 

m3 

min 

RF 

JIS Z 8901
の8種又は
6種 

3 000 

以上 

20±15 65±20 

0.5

以上 

試験槽内面
より80m以
上離して取
り付ける。 

ファン又は空気
圧などでダスト
が試験槽内にほ
ぼ均一になるよ
う一定時間かく
はんし,その後
指定時間休止
し,これを1サ
イクルとして繰
り返す。 

又は 

10 

又は 

15 

100 

以上 

− 

− 

RC 

5 000 

以上 

約5 

− 

− 

指定された濃度
のダストを指定
された流速で循
環させる。 

100 

以上 


10 

注(3) 試験槽内に拡散し,ほぼ安定した状態でのダストの値。 

(4) 流速は,供試品付近の気流を測定する。 
(5) 試験槽の容積は,有効試験空間について規定する。 

備考1. 試験装置の概要を,参考図1及び参考図2に示す。 

2. ダストの種類及び試験時間は,必要に応じて受渡当事者間の協定によって変更してもよい。 
3. ダストの濃度は,JIS Z 8813に規定する方法によって測定する。 
4. ダストは,乾燥状態のものがよい。試験槽内の雰囲気を特に高温若しくは低温又は湿気を与えて試験を行

う必要がある場合は,受渡当事者間の協定による。 

5. 試験中試験品に与える負荷及び作動は,それぞれの部品規格によるほか,受渡当事者間の協定による。 
6. 試験品の寸法や質量の関係で完全な試験品のままで試験を実施することが困難であったり,不可能な場合

は,受渡当事者間の協定によって,構成する個々の部品で試験を行ってもよい。 

参考図1 浮遊試験装置 

参考図2 気流試験装置 

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E 4036 : 1998  

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6. 適用基準 試験の適用基準は,部品が受けるじんあい環境及び部品の使用箇所によって区分し,表3

による。 

表3 試験の適用基準 

試験方法 

部品の使用箇所 

じんあい環境

(6) 

適用例 


類 


分 

車体外部 

車体内部 

通気あり 通気なし 通気あり 通気なし 

RF 

− 

○ 

− 

− 

○ − − − 車体外部で,比較的密閉度が低い部品。 

(例 

断流器) 

− 

− 

− 

○ 

− ○ − − 車体内部又は密閉度が高い機器内の部品。 

(例 

継電器,プリント基板,配線用遮

断器) 

RC 

○ 

− 

− 

− 

− − ○ − 車体外部で,直接の外気又は冷却風を受け

る部品。 
(例 

速度計発電機,ジャンパ連結器,

安全弁,コック) 

− 

− 

○ 

− 

− − − ○ 車体内部で,冷却風などを受ける部品。 

(例 

空調機器,冷却ファン付き部品) 

注(6) じんあい環境の区分は,次による。 

a:高濃度浮遊じんあいを受ける場合 
b:低濃度浮遊じんあいを受ける場合 
c:高濃度じんあい流を受ける場合 
d:低濃度じんあい流を受ける場合 

備考1. 表中の○印は,適用する部品の使用箇所及びじんあい環境を示す。 

なお,この表によれない場合は,受渡当事者間の協定による。 

2. 表中の“通気あり”とは,直接の外気流又はファンなどによる強制気流を受ける状態をいい,“通気なし”

とは,外気と遮断された又は遮断に近い状態をいう。 

7. 評価 5.によって試験を行い,部品の品質の変化の程度,及びダストの侵入の程度を調べる。 

関連規格 JIS E 4034 鉄道車両部品−耐湿及び耐水試験方法 

E 4036 : 1998  

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鉄道車両部品−防じん及び耐じん試験通則 

JIS原案審議委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

潤 賀 健 一 

財団法人鉄道総合技術研究所在来線高速化推進部 

前 川 武 也 

工業技術院標準部運輸航空規格室 

秋 元 孝 生 

運輸省鉄道局技術企画課 

女 屋 正 一 

運輸省鉄道局保安車両課 

松 野 政 夫 

東日本旅客鉄道株式会社鉄道事業本部運輸車両部 

○ 渋 谷 正 之 

東海旅客鉄道株式会社新幹線鉄道事業本部車両部 

森   征 博 

西日本旅客鉄道株式会社鉄道本部車両部 

柳 生 宏 義 

日本貨物鉄道株式会社鉄道事業本部運輸車両部 

黒 田 武 定 

社団法人日本民営鉄道協会技術部 

○ 新井田   基 

相模鉄道株式会社車両部 

後 藤 広 和 

阪神電気鉄道株式会社鉄道事業本部車両部 

○ 吉 永 佳 弘 

富士重工業株式会社宇都宮車両工場技術部 

○ 有 馬 仁 志 

日本車輛製造株式会社鉄道車両本部技術部 

○ 大 手 靖 之 

株式会社東芝交通品質管理部 

○ 海老塚 龍 次 

東洋電機製造株式会社横浜事業所品質保証部 

○ 坂 手 勝 廣 

三菱電機株式会社伊丹製作所電鉄システム部 

(主査) 

○ 星 谷 俊 二 

神鋼電機株式会社営業総本部 

○ 藤 原 正 明 

株式会社不二越軸受事業部 

○ 古 杉 光 史 

三菱重工業株式会社三原製作所 

(関係者) 

○ 須 賀 茂 雄 

スガ試験機株式会社 

(事務局) 

太 田   治 

社団法人日本鉄道車輛工業会技術部 

備考 ○印委員は,小委員会委員を示す。