令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業
規格”を“日本産業規格”に改めた。
日本産業規格 JIS
E 3601-1992
レールボンド
Rail bonds
1. 適用範囲 この規格は,電気鉄道の帰線用レールの電気的接続に用いるレールボンド(以下,ボンド
という。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 7721 引張試験機
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3131 熱間圧延軟鋼板及び鋼帯
JIS H 3100 銅及び銅合金の板及び条
JIS H 3250 銅及び銅合金棒
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,規格値で
ある。
なお,従来単位及び数値は,平成7年4月1日以降は附属書に切り換える。
2. 種類及び記号 ボンドの種類及び記号は,導体の形状及び端子の形状によって分類し,表1による。
表1 種類及び記号
種類
記号
備考
導体の形状
による種類
端子の形状
による種類
V形
船形
筒形
CV1B
SV1
端子がVに対し対称に
なっているもの
船形
筒形
CV2B
SV2
端子がVに対し非対称
になっているもの
L形
船形
丸形
角形
CLB
PL
SL
−
備考 記号末尾のBは低温溶接用のものとする。
3. 性能
3.1
電気抵抗 ボンドの電気抵抗は,7.1によって試験したとき,表2の値以下でなければならない。
2
E 3601-1992
表2 電気抵抗
単位 μΩ
ボンドの呼び
電気抵抗値
ボンドの呼び
電気抵抗値
CV1B - 15- 230
CV1B - 15- 430
CV1B - 55- 280
CV1B - 55- 500
CV1B - 70- 280
CV1B - 70- 550
CV1B - 110- 280
CV1B - 110- 550
CV1B - 140- 270
CV1B - 140- 550
SV1 - 70- 270
SV1 - 110- 280
SV1 - 140- 300
CV2B - 22- 230
CV2B - 110- 280
320
550
105
175
90
160
50
95
40
80
70
50
45
220
55
CV2B - 140- 270
SV2 - 110- 260
CLB - 15- 600
CLB - 15-1 200
CLB - 22- 600
CLB - 22-1 200
CLB - 55- 600
CLB - 55-1 200
CLB - 55-1 500
CLB - 70-1 200
CLB - 100-1 500
CLB - 110- 600
CLB - 110-1 200
PL
- 115-1 200
SL
- 115-1 100
40
55
630
1 350
420
900
175
360
455
300
250
95
190
190
180
備考 ボンドの呼びは,種類の記号,導体の公称断面積及びL1で表す。
3.2
耐引張荷童 ボンドの耐引張荷重は,7.2によって試験したとき,導体の素線切れ,端子導体間の外
れの発生等ボンドの各部に異常があってはならない。
4. 構造及び加工方法 ボンドの構造及び加工方法は,次のとおりとする。
(1) 導体は,JIS C 3102に規定する軟銅線を各層とも右よりの方向に同心円により合わせたもので,その
よりのピッチは,外層で層心径の20倍以下とする。
(2) 導体が2条の製品は,必要によって導体の中央部を軟銅線で縛る。
(3) 端子とレールとを溶接によって取り付けるものは,導体の両端に保護銅帯を介して端子を固く取り付
けた後,導体の端を端子に溶接したものとする。
なお,低温溶接用のものは300℃以下で溶接する。
(4) レールにあけたボンド穴に圧着によって端子を取り付けるものは,端子と導体とを鍛接によって結合
させる。
5. 形状及び寸法 ボンドの形状及び寸法は,付図1〜7によるのがよい。
この付図以外の寸法のものについては,受渡当事者間の協定による。
6. 材料 ボンドに使用する材料は,表3に示すもの又はこれらと品質が同等以上のものとする。
表3 材料
部品名
材料
導体
JIS C 3102
端子
JIS G 3101
JIS G 3131
JIS H 3100
JIS H 3250
保護銅帯
JIS H 3100
3
E 3601-1992
7. 試験方法
7.1
電気抵抗試験 ボンドの電気抵抗試験は,次の方法によって行う。
(1) 試験条件 試験場所の標準状態は,JIS Z 8703による常温,常湿 (20±15℃,65±20%) とする。
また,試験用電源は直流とし,測定装置は電流計,電圧計による電圧降下法又はダブルブリッジと
する。
(2) 試験方法 試験は,付図1〜7の×印間の電気抵抗を測定する。
7.2
引張荷重試験 ボンドの引張荷重試験は,次の方法によって行う。
(1) 試験条件 試験に用いる試験機は,JIS B 7721又は張力計などを用いた装置とし,ジグは,試験中,
変形,ひずみなどによって測定誤差の生じないものでなければならない。
(2) 試験方法 試験は,ボンドの両端の端子間又は端子と導体との間に表4に示す値の引張荷重を3分間
加えてボンド各部の異常の有無を調べる。
表4 引張荷重
導体の公称断面積
mm2
引張荷重
kN {kgf}
15
22
55
70
100
110
140
115 (PL)
115 (SL)
2.94
3.43
4.90
4.90
6.86
7.85
9.81
17.70
8.34
{ 300}
{ 350}
{ 500}
{ 500}
{ 700}
{ 800}
{ 1 000}
{ 1 800}
{ 850}
8. 検査 ボンドの検査は,性能,構造,形状及び寸法について行い3.,4.及び5.の規定に適合しなけれ
ばならない。
9. 包装 ボンドは,運搬中損傷しないように包装する。ただし,鉄端子のものは,端子に油脂類を塗布
してさび止めをする。
10. 製品の呼び方 ボンドの呼び方は,規格番号又は規格の名称,種類の記号,導体の公称断面積及び付
図のL1寸法とする。
例 JIS E 3601 CV1B-15-230
レールボンド CV1B-15-230
11. 表示
11.1 製品の表示 ボンドの端子部には,製造業者名又はその略号を刻印又は浮出しで表示する。
11.2 包装の表示 包装には,次の事項を容易に消えない方法で表示する。
(1) 規格番号又は規格の名称,種類の記号,導体の公称断面積及びL1
(2) 数量
(3) 製造年月
(4) 製造業者名
4
E 3601-1992
付図1 CV1B(例)
単位 mm
ボンドの呼び
導体の公称
断面積
より線構成
素線数/素線径
×条数
L1
L2
L3
L4
L
mm2
本/mm
CV1B - 15- 230
CV1B - 15- 430
CV1B - 55- 280
CV1B - 55- 500
CV1B - 70- 280
CV1B - 70- 550
CV1B - 110- 280
CV1B - 110- 550
CV1B - 140- 270
CV1B - 140- 550
15
15
55
55
70
70
110
110
140
140
19/1.0×1
19/1.0×1
37/1.4×1
37/1.4×1
61/1.2×1
61/1.2×1
37/1.4×2
37/1.4×2
61/1.2×2
61/1.2×2
230
430
280
500
280
550
280
550
270
550
140
340
170
390
170
440
160
430
140
420
60
60
70
70
70
70
75
75
80
80
110
310
140
360
140
410
130
400
110
390
200
400
230
450
230
500
185
455
165
445
5
E 3601-1992
付図2 SV1(例)
mm
ボンドの呼び
導体の公称
断面積
mm2
より線構成
素線数/素線径
×条数
L1
L2
L3
L4
L
本/mm
SV1 - 70- 270
SV1 - 110- 280
SV1 - 140- 300
70
110
140
61/1.2×1
37/1.4×2
61/1.2×2
270
280
300
190
195
210
70
75
80
130
130
140
180
180
200
付図3 CV2B(例)
単位 mm
ボンドの呼び
導体の公称
断面積
mm2
より線構成
素線数/素線径
×条数
L1
L2
L3
L4
L5
L
本/mm
CV2B - 22- 230
CV2B - 110- 280
CV2B - 140- 270
22
110
140
19/1.2×1
37/1.4×2
61/1.2×2
230
280
270
160
180
155
65
75
80
100
130
110
57
85
60
190
220
165
6
E 3601-1992
付図4 SV2-110-260(例)
備考1. 導体の公称断面積 110mm2
2. より線構成(素線数/素線径mm×条数)37/1.4×2
付図5 CLB(例)
単位 mm
ボンドの呼び
導体の公称
断面積
より線構成
素線数/素線
径×条数
L1
L2
L3
L4
mm2
本/mm
CLB - 15- 600
CLB - 15-1 200
CLB - 22- 600
CLB - 22-1 200
CLB - 55- 600
CLB - 55-1 200
CLB - 55-1 500
CLB - 70-1 200
CLB - 100-1 500
CLB - 110- 600
CLB - 10-1 200
15
15
22
22
55
55
55
70
100
110
110
19/1.0×1
19/1.0×1
19/1.2×1
19/1.2×1
37/1.4×1
37/1.4×1
37/1.4×1
61/1.2×1
91/1.2×1
37/1.4×2
37/1.4×2
600
1 200
600
1 200
600
1 200
1 500
1 200
1 500
600
1 200
510
1 110
500
1 100
490
1 090
1 390
1 090
1 380
480
1 080
60
60
65
65
70
70
70
70
75
75
75
480
1 080
470
1 070
460
1 060
1 360
1 060
1 350
450
1 050
7
E 3601-1992
付図6 PL-115-1 200(例)
備考1. 導体の公称断面積 115mm2
2. より線構成(素線数/素線径mm×条数)37/2.0×1
付図7 SL-115-1 100(例)
備考1. 導体の公称断面積 115mm2
2. より線構成(素線数/素線径mm×条数)37/2.0×1
8
E 3601-1992
附属書
規格本体の7.2に規定の従来単位による引張荷重の規格値は,平成7年4月1日以降ここに記載する国
際単位系による規格値を適用する。
附属書表1 引張荷重
導体の公称断面
mm2
引張荷重
kN
15
22
55
70
100
110
140
115 (PL)
115 (SL)
3.0
3.5
5.0
5.0
7.0
8.0
10.0
17.0
8.0
9
E 3601-1992
工業標準改正原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
本委員会(委員長)
佐々木 敏 明
財団法人鉄道総合技術研究所
伊佐山 建 志
通商産業省機械情報産業局
伊 東 厚
工業技術院標準部
小野山 悟
運輸省鉄道局
片 岡 章
電気技術開発株式会社
冨加見 昌 男
東日本旅客鉄道株式会社施設電気部
玉 井 義 興
西日本旅客鉄道株式会社電気部
黒 田 武 定
社団法人日本民営鉄道協会
斎 藤 義 進
東武鉄道株式会社電気部
村 島 弘 益
京浜急行電鉄株式会社電気部
小松原 哲 夫
京阪電気鉄道株式会社電気部
中 村 菊 雄
信号工業協会
中 島 保 三
信号器材株式会社
石 井 良 夫
三和テッキ株式会社
富 樫 敏
株式会社電業
森 田 節 司
電鉄工業株式会社
分科会(主査)
若 林 武 夫
財団法人鉄道総合技術研究所
藤 田 富 男
工業技術院標準部
廣 瀬 道 雄
運輸省鉄道局
古 川 昭 典
東日本旅客鉄道株式会社施設電気部
廣 瀬 雄 造
西日本旅客鉄道株式会社電気部
小 林 実
東武鉄道株式会社電気部
岩 崎 靖 俊
京浜急行電鉄株式会社電気部
中 村 菊 雄
信号工業協会
中 島 保 三
信号器材株式会社
石 井 良 夫
三和テッキ株式会社
山 口 浩 一
株式会社電業
森 田 節 司
電鉄工業株式会社
(事務局)
鴫 原 和 夫
社団法人日本鉄道電気技術協会