E 3014 : 1999
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,運輸大臣が改正した日本工
業規格である。これによってJIS E 3014-1992は改正され,この規格に置き換えられる。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
E 3014 : 1999
鉄道信号保安部品−
振動試験方法
Parts for railway signal−Vibration test methods
1. 適用範囲 この規格は,鉄道の信号保安設備の信号機,リレー架,器具箱,動力転てつ機,レールな
どに取り付ける機器及び部品(以下,部品という。)について,振動台に取り付けて行う一般的な振動試験
(以下,振動試験という。)方法について規定する。ただし,車両に搭載する信号保安部品には,適用しな
い。
備考1. 振動試験とは,共振試験,振動機能試験及び振動耐久試験をいう。
2. 部品とは,信号機,リレー架,器具箱,動力転てつ機,レールなどの部材に直接又は緩衝材
若しくは緩衝装置を介して取り付けられるものをいう。
3. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS E 3013 鉄道信号保安用語
3. 用語の定義 この規格の中で用いる主な用語の定義は,JIS E 3013に規定するもののほかは次のとお
りとする。
a) 共振試験 部品の特定部分に共振が起きるかどうかを調べ,その共振振動数を求める試験。
b) 振動機能試験 振動を与えたときの部品の機能を調べ,振動を与えないときと比較する試験。
c) 振動耐久試験 部品の振動に対する耐久性を調べる試験。
4. 種類 振動試験の種類は,部品に与える振動の大きさによって,表1のとおりとする。
表1 種類
種類
適用部品
1種
リレー室,信号扱所などの室内などに設置される機器の内部部品
2種
信号機,器具箱,インピーダンスボンドなど,線路わきに設置される機器
の内部部品
3種
動力転てつ機,電気鎖錠器など,まくらぎ上に設置される機器の内部部品
4種
接着照査器,レール絶縁などレール直結部品
備考 部品の適用範囲が種類の2区分以上に重複しているものについては,その
部品によって考慮する。
2
E 3014 : 1999
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5. 試験の順序 振動試験は,原則として共振試験,振動機能試験,振動耐久試験の順序で行う。ただし,
共振試験と振動機能試験は,同時に行ってもよい。
6. 部品の取付け 部品は,振動台上に原則としてほぼ使用時に近い取付方法及び取付姿勢で取り付ける。
7. 部品の作動 振動機能試験は,部品の作動状態で試験するが,共振試験及び振動耐久試験は,特に指
定がなければ無作動状態で行ってもよい。ただし,振動耐久試験の場合には,試験開始前と試験終了後に
部品の作動状態を比較する。
8. 振動の与え方 部品の取付姿勢に対する上下,左右及び前後の直交3方向に単振動を任意の順序に与
える。ただし,受渡当事者間の協定によって特定の方向を省略することができる。
なお,振動は,供試品を取り付ける部分に規定の加速度複振幅及び複振幅を与える。
9. 試験方法
9.1
共振試験 共振試験は,次のとおりとする。
a) 各種類は,表2に示す振動数範囲で,振動数を連続的に上昇及び下降させて行う。
b) 振動数の変化速度は,共振振動数を見逃さない程度で一様とする。
c) 最低・最高振動数の間(例えば,1種については10〜150Hz)を1往復するのに要する時間は,共振
振動数を見逃さないよう,十分長くする。
d) 振動数の往復回数は,1回以上とする。
e) 振動の大きさは,表2による。低振動数範囲では複振幅を一定とし,振動数の変化に応じて加速度複
振幅を変化させる。高振動数範囲では加速度複振幅を一定とし,振動数の変化に応じて複振幅を変化
させる。
表2 振動数範囲及び振動の大きさ
種類
振動数範囲 Hz
振動の大きさ
1種
10〜 150 加速度複振幅4.90m/s2 {0.5G}
2種
10〜 500 加速度複振幅9.81m/s2 {1G}
3種
低振動
10〜
38 複振幅2.5mm
高振動
38〜 1 000 加速度複振幅147m/s2 {15G}
4種
低振動
10〜 100 複振幅2.5mm
高振動
100〜 1 000 加速度複振幅981m/s2 {100G}
備考 加速度複振幅と振動の複振幅及び振動数との関係は,次の式
で表される。
2α=
000
4
2
1
π×2a×
2f≒2a×
2
5 f
ここに,
2α: 加速度複振幅 (m/s2)
2a: 複振幅 (mm)
f: 振動数 (Hz)
f)
振動台の能力が不足している場合又は試験を簡単にする必要がある場合は,表3に示す振動数範囲及
び複振幅で行ってもよい。
この振動数範囲では,振動数を一様な割合で連続的に上昇及び下降させて行う。
なお,振動数の変化速度,振動数の往復回数などは(2)〜(4)の規定による。
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表3 振動数範囲及び複振幅
種類
振動数範囲
振動の大きさ
複振幅
(参考)
最大加速度複振幅
Hz
mm
m/s2 {G}
1種
10〜
50
0.1
9.90 {
1.01 }
50〜150
0.01
8.92 {
0.91 }
2種
10〜
70
0.1
19.3 {
1.97 }
70〜150
0.02
17.8 {
1.81 }
150〜500
0.002
19.7 {
2.01 }
3種
10〜
38
2.5
147
{ 15
}
38〜200
0.2
316
{ 32.2 }
200〜1 000
0.008 316
{ 32.2 }
4種
10〜100
2.5
981
{ 100
}
100〜300
0.5
1 780
{ 181
}
300〜1 000
0.05
1 970
{ 201
}
備考 最大加速度複振幅は,最大振動数及び複振幅に
対応する値で,参考として示す。
9.2
振動機能試験 振動機能試験は,共振試験の場合と同じ方法で,表2又は表3によって振動数を連
続的に上昇及び下降させて行う。
9.3
振動耐久試験 振動耐久試験は,各種類について,共振のある場合とない場合とに分け,更に試験
時間によってA種,B種及びC種に区分する。特に指定のない限りB種によるが,試験時間,振動台の能
力などの条件によっては,A種又はC種によってもよい。
なお,試験は連続又は断続のいずれの方法で行ってもよいが,試験時間の合計は,表4〜表6に示す時
間とする。
a) 共振のない場合 共振のない場合は,表4によって試験を行う。
表4 振動耐久試験(共振のない場合)
種類
振動数
A種
B種
C種
複振幅
(参考)
加速度
複振幅
試験時間
複振幅
(参考)
加速度
複振幅
試験時間
複振幅
(参考)
加速度
複振幅
試験時間
Hz
mm
m/s2 {G}
min
mm
m/s2 {G}
h
mm
m/s2 {G}
h
1種
20
0.60
9.81
{ 1}
30
0.42
6.86 {0.7}
5
0.30
4.90 { 0.5}
50
2種
40
0.30
19.6
{ 2}
15
0.23
13.7
{1.4}
2.5
0.16
9.81 { 1}
25
3種
100
0.74
294
{ 30}
6
0.52
206
{ 21}
1
0.37
147
{ 15}
10
4種
100
5
1 960
{200}
6
3.5
1 370
{140}
1
2.5
981
{100}
10
備考 試験時間は上下,左右,前後方向について同じ。
b) 共振のある場合 共振のある場合は,次による。
1) 部品の共振振動数が一つある場合は,共振振動数で,表2に示す複振幅又は加速度複振幅に対応す
る複振幅(表2の備考の算式による。)を2ammとするとき,各種類は,表5によって試験を行う。
次いで表4に示す振動数と複振幅によって,表6に示す試験時間で試験を行う。
2) 部品の共振振動数が二つ以上ある場合は,複振幅又は加速度複振幅の大きい方の共振振動数をとり,
1)と同様に試験を行う。
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表5 振動耐久試験(共振のある場合)
種類
振動数
A種
B種
C種
複振幅
mm
試験時間
min
複振幅
mm
試験時間
min
複振幅
mm
試験時間
min
1種
共振振動数
4a
8
2.8a
75
2a
750
2種
4
38
375
3種
1.5
15
150
4種
1.5
15
150
備考 試験時間は上下,左右,前後方向について同じ。
表6 共振のある場合の試験時間
種類 A種試験時間
min
B種試験時間
min
C種試験時間
min
1種
22
225
2 250
2種
11
110
1 125
3種
4.5
45
450
4種
4.5
45
450
備考 試験時間は上下,左右,前後方向について同じ。
関連規格 JIS E 4031 鉄道車両部品−振動試験方法
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E 3014 : 1999
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平成9年度工業標準改正原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
高 重 哲 夫
財団法人鉄道総合技術研究所
(委員)
穐 山 貞 治
通商産業省工業技術院標準部
綱 島 和 憲
運輸省鉄道局
川 村 忠 男
電気技術開発株式会社
佐々木 孝 一
東日本旅客鉄道株式会社設備部
久保田 清 登
東海旅客鉄道株式会社技術本部
村 上 恒 美
西日本旅客鉄道株式会社電気部
大 熊 康 義
東武鉄道株式会社鉄道事業本部電気部
沼 野 恵 一
相模鉄道株式会社運輸営業本部電気部
小 室 誠 一
株式会社京三製作所信号事業部第3技術部
飯 野 弘四郎
日本信号株式会社与野事業所鉄道信号技術部機械技術部
平 石 多嘉夫
大同信号株式会社第一技術部
山 崎 昭
東邦電機工業株式会社事業開発室
市 川 和 男
株式会社三工社第一技術部
安 原 碩 人
社団法人日本鉄道電気技術協会
(幹事長)
若 林 武 夫
財団法人鉄道総合技術研究所
(幹事)
池 川 澄 夫
通商産業省工業技術院標準部
兵 動 宜 久
運輸省鉄道局
田 中 義 一
電気技術開発株式会社第一技術本部信号通信部
内 木 直 和
東日本旅客鉄道株式会社設備部
奥 野 春 樹
東海旅客鉄道株式会社建設工事部
廣 瀬 雄 造
西日本旅客鉄道株式会社電気部
石 塚 豊 作
東武鉄道株式会社鉄道事業本部電気部
大 越 充
相模鉄道株式会社運輸営業本部電気部
菊 池 芳 文
日本信号株式会社与野事業所鉄道信号技術部機械技術部
笹 川 邦 夫
株式会社京三製作所信号事業部第3技術部
弘 光 勉
大同信号株式会社第一技術部
大 竹 真
東邦電機工業株式会社相模工場相模事業部設計部
原 宇多茂
株式会社三工社第一技術部
(事務局)
石 原 誠
社団法人日本鉄道電気技術協会