E 2220 : 2001
(1)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,電車線工業協会
(JAOTE)/財団法人日本規格協会 (JSA) から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申し
出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。これによっ
てJIS E 2220 : 1994は改正され,この規格に置き換えられる。
また,令和2年10月20日,産業標準化法第17条又は第18条の規定に基づく確認公示に際し,産業標
準化法の用語に合わせ,規格中“日本工業規格”を“日本産業規格”に改めた。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本産業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
日本産業規格 JIS
E 2220 : 2001
電車線路用より線スリーブ
Electric traction overhead lines−Connecting sleeves
of stranded conductors
1. 適用範囲 この規格は,電車線路に使用する電線及びワイヤ(以下,電線という。)を,圧縮接続法に
よって接続するのに用いるスリーブ(以下,スリーブという。)について規定する。
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す
る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0405 普通公差−第1部:個々に公差の指示がない長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3105 硬銅より線
JIS C 3109 硬アルミニウムより線
JIS E 2001 電車線路用金具用語
JIS E 2002 電車線路用金具試験方法
JIS G 3537 亜鉛めっき鋼より線
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS H 2110 電気用アルミニウム地金
JIS H 2121 電気銅地金
JIS H 3250 銅及び銅合金棒
JIS H 3300 銅及び銅合金継目無管
JIS H 4040 アルミニウム及びアルミニウム合金の棒及び線
JIS H 4080 アルミニウム及びアルミニウム合金継目無管
JIS H 8641 溶融亜鉛めっき
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS E 2001による。
4. 種類及び記号 スリーブの種類は接続方法によって,記号は接続方法及び適用電線によって分類し,
表1による。
2
E 2220 : 2001
表1 種類及び記号
種類
記号
接続方法
適用電線
直線スリーブ
SC
直線接続
JIS C 3105の1種硬銅より線(以下,硬銅より線と
いう。)で表5に示す38〜100mm2。
SH
硬銅より線で表5に示す125〜325mm2。
SA
JIS C 3109の硬アルミニウムより線で表5に示すも
の。
SS
JIS G 3537の亜鉛めっき鋼より線2種(以下,鋼よ
り線という。)で表5に示すもの。
ジャンパスリーブ
JC
ジャンパ線
の接続
硬銅より線で表7に示すもの。
JA
硬アルミニウムより線で表7に示すもの,及び硬銅
より線と硬アルミニウムより線で表7に示すもの。
平行分岐スリーブ
PC
分岐線の平
行接続
硬銅より線で表9に示すもの。
PA
硬アルミニウムより線で表9に示すもの,及び硬銅
より線と硬アルミニウムより線で表9に示すもの。
Y分岐スリーブ
YC 分岐線のY
接続
硬銅より線とJIS C 3102の電気用軟銅線を用いた
より線で表11に示すもの。
補修スリーブ
RC
軽微な損傷
箇所の補修
硬銅より線で表13に示すもの。
RA
硬アルミニウムより線で表13に示すもの。
備考 補修スリーブは,適用電線の素線の損傷又は切断した数が,全素線数の10%
以下のものを補修する場合に用いる。
5. 品質
5.1
外観 スリーブの外観は,次による。
a) スリーブには,さび,裂け目,割れ,著しい偏肉など使用上有害な欠陥があってはならない。また,
鋳物の部品は,10.3.1によって試験をしたとき肌荒れ,きず,ひび,鋳ばり又は鋳巣があってはなら
ない。
b) 振動による素線の断線を防止するため,端部は面取りをする。
c) スリーブに適用電線を挿入し,適合したダイスで圧縮し,10.1.1によって試験を行ったとき,き裂,
開口などの欠陥を生じてはならない。
5.2
性能 スリーブの性能は,次による。
5.2.1
最大引張荷重 スリーブの最大引張荷重は,10.1.2によって試験を行ったとき,表2及び表3によ
るものとし,各部の破壊,供試電線からの離脱などがあってはならない。
なお,硬銅より線と硬アルミニウムより線とを接続するジャンパスリーブの最大引張荷重の基準とする
適用電線の引張荷重は,その小さい方を適用し,Y分岐スリーブの分岐側電線の引張荷重は,25kN以上と
する。
3
E 2220 : 2001
表2 最大引張荷重(SHを除く。)
種類
記号
最大引張荷重
直線スリーブ
SC,SA 適用電線の引張荷重の90%以上
SS
適用鋼より線の引張荷重の95%以上
ジャンパスリーブ JC,JA 適用電線の引張荷重の30%以上
平行分岐スリーブ PC,PA 分岐線側は分岐線側適用電線の引張荷重の30%以上
本線側は,分岐線側適用電線の引張荷重の30%以上の荷重で滑
ることなく本線側適用電線の引張荷重を10%以上減らしては
ならない。
Y分岐スリーブ
YC
分岐線側,本線側とも,分岐線側適用電線の引張荷重の30%以
上
補修スリーブ
RC,RA 補修部分は,適用電線の引張荷重を10%以上減らしてはならな
い。
備考 適用電線は,表1による。
表3 最大引張荷重(SHに限る。)
種類
記号 表5に示す硬銅より線の公称断面積
mm2
最大引張荷重
kN
直線スリーブ SH
125
32
150
37
200
43
250
48
325
53
5.2.2
接続部電気抵抗 スリーブの接続部電気抵抗は,10.2によって試験を行ったとき,表4による。
表4 接続部電気抵抗
種類
記号
接続部電気抵抗
直線スリーブ,ジャンパスリ
ーブ及び補修スリーブ
SC,SH,JC及びRC スリーブの長さと同長の適用電線の電気抵抗の95%以下
SA,JA及びRA
スリーブの長さと同長の適用電線の電気抵抗以下
平行分岐スリーブ及びY分
岐スリーブ
PC及びYC
スリーブの長さと同長の分岐線側適用電線の電気抵抗の95%以下
PA
スリーブの長さと同長の分岐線側適用電線の電気抵抗以下
備考 硬銅より線と硬アルミニウムより線とを接続するジャンパスリーブの接続部電気抵抗の基準とする適
用電線の電気抵抗は,その大きい方を適用する。
6. 構造 スリーブの構造は,次による。
a) 直線スリーブ及びジャンパスリーブには,電線を正しい位置に保持するため,その中央に止めを設け
る。
b) 平行分岐スリーブの本線側及び補修スリーブは,電線を切断しないでスリーブに挿入できるものとす
る。
7. 形状,寸法及び許容差 スリーブの形状,寸法及び許容差は表5〜14による。
なお,規定のない許容差は,JIS B 0405 C級による。
4
E 2220 : 2001
表5 直線スリーブの寸法
単位 mm
記号
適用電線
寸法
圧縮後の寸法(参考値)
公称断面積
(mm2)
より線構成
(素線数/素線径)
より線外径
(約)
L
D
d
E
(参考値)
Df
Dc
SC
38
7/2.6
7.8
180 14
8.3
30
14
12.1
50
19/1.8
9.0
210 19
9.6
40
19
16.5
60
19/2.0
10.0
230
10.6
80
19/2.3
11.5
260 23 12.1
23
19.9
100
19/2.6
13.0
300
13.7
SH
125
19/2.9
14.5
300 26 15.2
40
26
22.5
150
37/2.3
16.1
17.0
200
37/2.6
18.2
320 29 19.2
45
29
25.1
250
61/2.3
20.7
330 32 21.9
50
32
27.7
325
61/2.6
23.4
350 38 24.7
60
38
32.9
SA
55
7/3.2
9.6
220 22 10.2
45
22
19.1
95
7/4.2
12.6
270 26 13.3
50
26
22.5
150
19/3.2
16.0
320 30 16.9
60
30
25.0
200
19/3.7
18.5
350 34 19.5
70
34
28.4
300
37/3.2
22.4
400 38 23.6
75
38
31.9
400
37/3.7
25.9
450 44 27.2
90
44
37.1
510
37/4.2
29.4
500 52 30.8
105
52
45.0
SS
55
7/3.2
9.6
245 22 10.2
22
22
19.1
90
7/4.0
12.0
340 26 12.6
26
26
22.5
135
7/5.0
15.0
400 34 15.7
34
34
29.4
180
19/3.5
17.5
36 18.2
36
36
31.2
表6 直線スリーブの寸法許容差
単位 mm
記号
D
d
電線の公称断面積
300mm2以上 250〜135mm2 125mm2以下
寸法許容差 +0.6
+0.5
+0.4
+0.3
−0.2
−0.2
−0.2
−0.1
5
E 2220 : 2001
表7 ジャンパスリーブの寸法
単位 mm
記号
適用電線
寸法
圧縮後の寸法
(参考値)
公称断面積
(mm2)
より線構成
(素線数/素線径)
より線外径
(約)
L
D
d
E
(参考値)
Df
Dc
JC
38
7/2.6
7.8
75 14
8.3
14
14
12.1
50
19/1.8
9.0
90 19
9.6
19
19
16.5
60
19/2.0
10.0
95
10.6
80
19/2.3
11.5
110 23
12.1
23
23
19.9
100
19/2.6
13.0
125
13.7
125
19/2.9
14.5
135 26
15.2
26
26
22.5
150
37/2.3
16.1
150
17.0
200
37/2.6
18.2
170 29
19.2
29
29
25.1
250
61/2.3
20.7
200 32
21.9
32
32
27.7
325
61/2.6
23.4
225 38
24.7
38
38
32.9
JA
55
7/3.2
9.6
120 22
10.2
22
22
19.1
95
7/4.2
12.6
140 26
13.3
26
26
22.5
150
19/3.2
16.0
190 30
16.9
30
30
25.0
200
19/3.7
18.5
34
19.5
34
34
28.4
300
37/3.2
22.4
235 38
23.6
38
38
31.9
400
37/3.7
25.9
260 44
27.2
44
44
37.1
510
37/4.2
29.4
275 52
30.8
52
52
45.0
Cu100・Al 200
19/2.6・19/3.7
13.0・18.5 190 34 13.7・19.5
34
34
28.4
Cu125・Al 200
19/2.9・19/3.7
14.5・18.5
15.2・19.5
Cu200・Al 300
37/2.6・37/3.2
18.2・22.4 235 38 19.2・23.6
38
38
31.9
Cu250・Al 400
61/2.3・37/3.7
20.7・25.9 255 44 21.9・27.2
44
44
37.1
Cu325・Al 510
61/2.6・37/4.2
23.4・29.4 275 52 24.7・30.8
52
52
45.0
表8 ジャンパスリーブの寸法許容差
単位 mm
記号
D
d
電線の公称断面積
300mm2以上 250〜150mm2 125mm2以下
寸法許容差 +0.6
−0.2
+0.5
−0.2
+0.4
−0.2
+0.3
−0.1
6
E 2220 : 2001
表9 平行分岐スリーブの寸法
単位 mm
記号 適用電線(1)及びその
公称断面積 (mm2)
寸法
圧縮後の寸法
(参考値)
本線
分岐線
d1
d2
A1
A2
B
C
L
A1ʼ A2ʼ C1ʼ
PC
Cu 38
Cu 38
9.0
8.3 16
16 24
10
45
14
14 10
Cu 60
Cu 38
11.2
8.3 20
20 31
14
45
17
17 14
Cu 60
10.6
55
Cu100
13.7 25
25 37
16
75
21
21 16
Cu200
19.2 35
35 49.5 20.5
95
29
29 20.5
Cu 80
Cu100
12.7 13.7 25
25 37
16
75
21
21 16
Cu200
19.2 35
35 49.5 20.5
95
29
29 20.5
Cu100
Cu 38
14.3
8.3 25
25 37
16
45
21
21 16
Cu 60
10.6
75
Cu100
13.7
Cu125
Cu 38
16.3
8.3 35
35 49.5 20.5
45
29
29 20.5
Cu125
15.2
95
Cu150
Cu100
17.8 13.7 35
35 49.5 20.5
95
29
29 20.5
Cu200
19.2
Cu200
Cu100
20.1 13.7 35
35 49.5 20.5
95
29
29 20.5
Cu200
19.2
Cu325
24.7 44
44 62
26
125
36
36 26
Cu250
Cu100
22.6 13.7 44
27 51
22
95
36
22 22
Cu200
19.2
44 62
26
125
36 26
Cu250
21.9
Cu325
Cu100
25.4 13.7 44
27 51
22
95
36
22 22
Cu200
19.2
44 62
26
125
36 26
Cu325
24.7
注(1) 適用電線のより線構成は,ジャンパスリーブの適用電線と同じ。
7
E 2220 : 2001
表9 平行分岐スリーブの寸法(続き)
単位 mm
記号 適用電線(1)及びその
公称断面積 (mm2)
寸法
圧縮後の寸法
(参考値)
本線
分岐線
d1
d2
A1
A2
B
C
L
A1ʼ A2ʼ
Cʼ
PA
Al 150
Al 95
17.8 13.3 35
35 49.5 20.5
95
29
29 20.5
Al 150
16.9
Al 200
Cu100
20.4 13.7 44
44
62
26
125
36
36 26
Al 200
19.5
Al 300
Cu100
24.3 13.7 44
44
62
26
125
36
36 26
Cu200
19.2
Cu325
24.7 54
54
77
32
160
45
45 32
Al 95
13.3 44
27
51
22
95
36
22 22
Al 150
16.9
44
62
26
125
36 26
Al 200
19.5
Al 300
23.6
Al 400
Cu100
27.9 13.7 54
34
65
28
95
45
28 28
Cu150
17.0
54
77
32
160
45 32
Al 400
27.2
Al 510
Cu100
39.9 13.7 54
34
65
28
95
45
28 28
Cu150
17.0
54
77
32
160
45 32
Cu200
19.2
Cu325
24.7
Al 150
16.9
Al 200
19.5
Al 300
23.6
Al 510
30.8
注(1) 適用電線のより線構成は,ジャンパスリーブの適用電線と同じ。
表10 平行分岐スリーブの寸法許容差
単位 mm
記号
A1,A2,B,
C
d1
d2
電線の公称断面積
電線の公称断面積
300mm2以上 250〜150mm2 125mm2以下 300mm2以上 250〜150mm2 125mm2以下
寸法許容差
+1.0
−0.2
+0.6
−0.2
+0.5
−0.2
+0.4
−0.2
+0.5
−0.2
+0.4
−0.2
+0.3
−0.1
8
E 2220 : 2001
表11 Y分岐スリーブの寸法
単位 mm
記号
適用電線及びその
公称断面積(mm2)
より線構成
(素線数/素線径)
A
(参考
値)
B
C
(参考
値)
E D D1 d
d1
圧縮後の寸法
(参考値)
F G H
I
YC Cu100・Cu100・Cu100
19/2.6・91/1.2・91/1.2
80 62 55 37 23 23 13.7 13.7 23 23 19.9 19.9
Cu125・Cu100・Cu100
19/2.9・91/1.2・91/1.2
15.2
Cu150・Cu100・Cu100
37/2.3・91/1.2・91/1.2
17.0
Cu200・Cu100・Cu100
37/2.6・91/1.2・91/1.2
32
19.2
32
27.7
表12 Y分岐スリーブの寸法許容差
単位 mm
記号
D,D1
d,d1
寸法許容差
+0.6
−0.2
+0.3
−0.1
9
E 2220 : 2001
表13 補修スリーブの寸法
単位 mm
記号
適用電線
寸法
圧縮後の寸法
(参考値)
公称断面積
(mm2)
より線構成
(素線数/素線径)
より線外径
(約)
L
d
B
C
E
(参考値)
Df
Dc
RC
38
7/2.6
7.8
80
8.7 16
13
14
14
12.1
50
19/1.8
9.0
90 10.0 21
18
19
19
16.5
60
19/2.0
10.0
95 11.0
80
19/2.3
11.5
115 12.5 26
20
23
23
19.9
100
19/2.6
13.0
125 14.1
125
19/2.9
14.5
135 15.7 29
23
26
26
22.5
150
37/2.3
16.1
150 17.3 32
26
29
29
25.1
200
37/2.6
18.2
170 19.5 35
29
32
32
27.7
250
61/2.3
20.7
200 22.2 40
36
38
38
32.9
325
61/2.6
23.4
225 24.9 44
39
42
42
36.4
RA
55
7/3.2
9.6
200 10.8 25
20
22
22
19.1
95
7/4.2
12.6
230 13.9 29
23
26
26
22.5
150
19/3.2
16.0
17.8 33
28
30
30
25.0
200
19/3.7
18.5
250 20.4 38
30
34
34
28.4
300
37/3.2
22.4
300 24.3 43
34
38
38
31.9
400
37/3.7
25.9
27.9 49
40
44
44
37.1
510
37/4.2
29.4
330 31.5 58
47
52
52
45.0
表14 補修スリーブの寸法許容差
単位 mm
記号
B,C
d
電線の公称断面積
150mm2以上 125mm2以下
寸法許容差 +1.0
−0.2
+0.5
−0.2
+0.4
−0.2
8. 材料 スリーブに使用する主な材料は,表15に示すもの又はこれらと品質が同等以上のものとする。
10
E 2220 : 2001
表15 材料
種類
記号
材料
直線スリーブ
SC JIS H 3250のC1020BE,C1100BE,JIS H 3300のC1020T又はC1100T
SH
SA JIS H 4040のA1070BE,A1050BE,JIS H 4080のA1070TE又はA1050TE
SS JIS G 4051のS15C
ジャンパスリーブ
JC JIS H 3250のC1020BE,C1100BE,JIS H 3300のC1020T又はC1100T
JA JIS H 4040のA1070BE,A1050BE,JIS H 4080のA1070TE又はA1050TE
平行分岐スリーブ
PC JIS H 2121,JIS H 3250のC1020BE又はC1100BE
PA JIS H 2110,JIS H 4040のA1070BE又はA1050BE
Y分岐スリーブ
YC JIS H 2121,JIS H 3250のC1020BE又はC1100BE
補修スリーブ
RC JIS H 2121,JIS H 3250のC1020BE又はC1100BE
RA JIS H 2110,JIS H 4040のA1070BE又はA1050BE
備考 硬銅より線と硬アルミニウムより線とを接続するジャンパスリーブ及び平行分岐スリー
ブには,スリーブと硬銅より線とが直接触れる部分に異種金属接触腐食を生じないよう
に,防食中間合金層(一般的には,すずと亜鉛との合金を用いる。)を介在させる。
9. 表面処理 直線スリーブの鋼より線用の表面処理は,10.3.2によって試験を行ったとき,JIS H 8641
に規定するHDZ35とする。
10. 試験方法
10.1 機械試験 スリーブの機械試験は,次による。
備考 スリーブの機械試験に関する一般事項は,JIS E 2002の5.1(共通事項)及び5.2.1(試験機,
測定器,支持台及び金具の取付け方)による。
10.1.1 圧縮試験 スリーブの圧縮試験は,JIS E 2002の5.2.2のh)(圧縮試験)による。
10.1.2 最大引張荷重試験 スリーブの最大引張荷重試験は,JIS E 2002の5.2.2のc)(最大荷重試験)に
よる。
10.2 接続部電気抵抗試験 スリーブの接続部電気抵抗試験は,JIS E 2002の5.3.3のa)(接続部電気抵抗
試験)による。
備考 スリーブの電気試験に関する一般事項は,JIS E 2002の5.1(共通事項),5.3.1(試験用電源)
及び5.3.2(測定器及び装置)による。
10.3 材料試験
10.3.1 浸透探傷試験 鋳物部品の欠陥調査は,JIS E 2002の5.4.1(浸透探傷試験)による。
10.3.2 めっき膜厚試験 スリーブの溶融亜鉛めっき試験は,JIS E 2002の5.4.3(めっき膜厚試験)によ
る。
11. 検査 スリーブの検査は,形式検査(2)と受渡検査(3)とに区分し,それぞれの検査項目は表16の○印の
とおりとし,5.〜9.及び13.の規定に適合しなければならない。
なお,受渡検査における抜取方式は,受渡当事者間の協定による。
注(2) 製品の品質が設計で示したすべての特性を満足するかどうかを判定するための検査。
(3) 既に形式検査に合格したものと同一の設計及び製造による製品が,受渡しに際して,必要と認
める特性を満足するものであるかどうかを判定するための検査。
11
E 2220 : 2001
表16 検査項目
検査項目
形式検査 受渡検査
検査項目
形式検査 受渡検査
外観
○
○
圧縮
○
−
構造
○
○
最大引張荷重
○
−
形状・寸法
○
○
接続部電気抵抗
○
−
材料
○
○
表面処理
○
−
表示
○
○
12. 製品の呼び方 スリーブの呼び方は,製品の名称,種類(4)又は記号,適用電線(5)の材料及び公称断面
積(6)による。
注(4) 種類の呼び方のうち,“スリーブ”は,省略してもよい。
(5) 平行分岐スリーブ及びY分岐スリーブの適用電線は,本線側電線,分岐側電線の順にいう。
(6) 硬銅より線と硬アルミニウムより線とを接続するスリーブには,電線材料の略号を付ける。
例1. (直線スリーブの種類による場合)
電車線路用スリーブ 直線Cu325
例2. (直線スリーブの記号による場合)
電車線路用スリーブ SH Cu325
例3. (平行分岐スリーブの種類による場合)
電車線路用スリーブ 平行分岐 Al510 : Cu325
例4. (平行分岐スリーブの記号による場合)
電車線路用スリーブ PA Al510 : Cu325
例5. (Y分岐スリーブの種類による場合)
電車線路用スリーブ Y分岐 Cu200,Cu100,Cu100
例6. (Y分岐スリーブの記号による場合)
電車線路用スリーブ YC Cu200,Cu100,Cu100
13. 表示 スリーブの表示は,次による。
13.1 製品の表示 スリーブには,次の事項を容易に消えない方法によって表示する。
a) 電車線路用を表す記号“車”
b) 表1に示す記号
c) 適用電線の材料及び公称断面積又はその略号
d) 製造業者名又はその略号
e) 製造年月又はその略号
13.2 包装の表示 包装の外面には,次の事項を表示する。
a) 規格の名称
b) 種類(4)又は記号
c) 適用電線の材料及び公称断面積又はその略号
d) 製造業者名又はその略号
e) 数量
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E 2220 : 2001
JIS改正原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
(本委員会委員長)
木 村 脩 之
東邦電気工業株式会社
(委員)
白 取 健 治
運輸省鉄道局
橋 本 進
財団法人日本規格協会
(小委員会主査)
長 澤 広 樹
財団法人鉄道総合技術研究所
(委員)
江 川 健太郎
東日本旅客鉄道株式会社
土 屋 忠 巳
東日本旅客鉄道株式会社
加 藤 慎一郎
東海旅客鉄道株式会社
石 田 義 博
西日本旅客鉄道株式会社
沼 沢 隆 治
社団法人日本民営鉄道協会
嶋 崎 章 臣
(前半) 関東鉄道協会(小田急電鉄株式会社)
村 上 凱 勇
(後半) 関東鉄道協会(京王電鉄株式会社)
石 井 良 夫
三和テッキ株式会社
冨 樫 敏
株式会社電業
舟 山 友 治
電鉄工業株式会社
西 辻 保 昭
日本架線工業株式会社
萬 葉 重 雄
電車線工業協会
湯 田 豊 人
運輸省鉄道局
三 留 弘
日本電設工業株式会社
横 澤 芳 廣
東日本旅客鉄道株式会社
坂 下 則 明
東海旅客鉄道株式会社
小笠原 祥二郎
(前半) 社団法人日本民営鉄道協会
有 間 正 信
(後半) 社団法人日本民営鉄道協会
村 本 道 明
(前半) 関東鉄道協会(東京急行電鉄株式会社)
尾 崎 匡
(後半) 関東鉄道協会(西武鉄道株式会社)
竹 内 優
株式会社電業
太 田 信 司
電鉄工業株式会社
大 山 一 男
日本架線工業株式会社
(事務局)
吉 川 武 司
電車線工業協会