2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
E 1103-1993
軽レール
Light rails
1. 適用範囲 この規格は,炭素鋼の軽レール(以下,レールという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,付表1に示す。
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
規格値である。
なお,従来単位及び数値は,平成7年4月1日以降は附属書に切り換える。
2. 種類 レールの種類は,表1のとおりとする。
表1 種類
種類
記号
摘要
計算質量 kg/m
6kgレール
6
5.98
9kgレール
9
8.94
10kgレール
10
10.1
12kgレール
12
12.2
15kgレール
15
15.2
22kgレール
22
22.3
備考 10 kgレールは,なるべく使用しないこと。
3. 化学成分及び機械的性質
3.1
化学成分 レールの化学成分は,7.1によって試験を行ったとき,表2の規定に適合しなければなら
ない。
表2 化学成分
種類
化学成分 %
C
Si
Mn
P
S
6kg, 9kg, 10kg, 12kg及び15kgレール
0.40〜0.60
0.40以下
0.50〜0.90
0.045以下
0.050以下
22kgレール
0.45〜0.65
3.2
機械的性質 レールの機械的性質は,7.2によって試験を行ったとき,表3の規定に適合しなければ
ならない。
表3 機械的性質
種類
引張強さ
N/mm2 {kgf/mm2}
伸び
%
6kg, 9kg, 10kg, 12kg及び15kgレール
569 {58} 以上
12以上
22kgレール
637 {65} 以上
10以上
2
E 1103-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 形状・寸法 レールの形状・寸法は,次のとおりとする。
(1) レールの形状及び寸法は,付図1〜6に示すとおりとする。
(2) レールの標準長さは,表4のとおりとする。
表4 標準長さ
単位 m
種類
標準長さ
備考
短尺物
6kgレール
5.5
5
4.5
9kgレール
10kgレール
12kgレール
10.0
9
8
7
6
15kgレール
22kgレール
(3) レールの寸法の許容差は,20 ℃において表5のとおりとする。
表5 寸法許容差
単位 mm
項目
種類
6kg, 9kg, 10kg, 12kg及び15kgレール
22kgレール
長さ
5.5m以下のもの
±12
−
6.0〜10.0mのもの
±18
±7
高さ
± 1.5
+1.0
−0.5
頭部の幅
± 1.0
+1.0
−0.5
腹部の幅
−
+1.0
−0.5
底部の幅
± 2.0
±2.0
継目穴の径
± 1.0
±0.5
継目穴の位置
± 1.0
±0.8
備考 継目板に接触する部分の形状及び寸法は,正確でなければならない。
5. 外観 レールの外観は,次のとおりとする。
(1) レールは,全長にわたり,きず,ねじれその他有害な欠点があってはならない。
(2) レールの切断面は,パイプきずその他有害な内部欠陥があってはならない。
6. 製造方法及び加工方法
6.1
製造方法 レールの製造方法は,次のとおりとする。
(1) レールの製造に用いる鋼塊及び連続鋳造鋼片(以下,鋳片という。)は,電気炉又は純酸素転炉によっ
て製造する。
(2) 鋼塊及び鋳片の端は,レールの内部に欠点を残さないよう,十分の長さを切り捨てなければならない。
6.2
加工方法 レールの加工方法は,次のとおりとする。
(1) レールの両端は,その長さの方向に対して直角に切り,その切り口に残ったまくれは取り除かなけれ
ばならない。
3
E 1103-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) レールの両端の腹部は,付図1〜6に示すとおり正確に穴をあけ,まくれは取り除かなければならない。
(3) 冷却後のレールの曲がりは,徐々に圧力を加えて直さなければならない。
7. 試験
7.1
化学成分分析試験 化学成分分析試験は,次のとおりとする。
(1) 化学成分分析試験の試料は,JIS G 0303の規定によって採取する。
(2) 分析試験方法は,次の規格による。
JIS G 1211
JIS G 1212
JIS G 1213
JIS G 1214
JIS G 1215
JIS G 1253
JIS G 1256
JIS G 1257
7.2
引張試験 引張試験は,次のとおりとする。
(1) 引張試験は,1溶鋼ごとに任意の鋼塊又は鋳片から圧延されたレールの鋼塊の頭部側に相当する部分
の前端,又は鋳片の場合は任意の部分から,図1に示す位置で採取した試験片によって行う。
なお,試験片が所定の位置で採取できない場合は,頭部中央から採取する。
図1 引張試験の試験片採取位置
(2) 引張試験片は,JIS Z 2201に規定する4号試験片とする。
(3) 試験方法は,JIS Z 2241の規定による。
8. 検査
8.1
材質検査 レールの化学成分及び機械的性質は,7.によって試験し,3.の規定に適合しなければなら
ない。
8.2
形状・寸法検査 レールの形状・寸法は,4.の規定に適合しなければならない。
8.3
外観検査 レールの外観は,5.の規定に適合しなければならない。
9. 製品の呼び方 レールの呼び方は,規格番号又は規格の名称及び種類による。
例 JIS E 110322kgレール
軽レール22kgレール
4
E 1103-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
10. 表示 レールの腹部の片面に,レールの種類の記号及び製造業者名を表す略号を,鮮明に浮き出さな
ければならない。
付表1 引用規格
JIS G 0303 鋼材の検査通則
JIS G 1211 鉄及び鋼中の炭素定量方法
JIS G 1212 鉄及び鋼中のけい素定量方法
JIS G 1213 鉄及び鋼中のマンガン定量方法
JIS G 1214 鉄及び鋼中のりん定量方法
JIS G 1215 鉄及び鋼中の硫黄定量方法
JIS G 1253 鉄及び鋼の光電測光法による発光分光分析方法
JIS G 1256 鉄及び鋼の蛍光X線分析方法
JIS G 1257 鉄及び鋼の原子吸光分析方法
JIS Z 2201 金属材料引張試験片
JIS Z 2241 金属材料引張試験方法
付図1 6kgレール
付図2 9kgレール
5
E 1103-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図3 10kgレール
付図4 12kgレール
付図5 15kgレール
付図6 22kgレール
6
E 1103-1993
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書
規格本体の3.2に規定の従来単位による引張強さの規格値は,平成7年4月1日以降,ここに記載する
SI単位による規格値を適用する。
3.2
機械的性質 レールの機械的性質は,7.2によって試験を行ったとき,表3の規定に適合しなければ
ならない。
表3 機械的性質
種類
引張強さ
N/mm2
伸び
%
6kg, 9kg, 10kg, 12kg及び15kgレール
569以上
12以上
22kgレール
637以上
10以上
鉄道部会 レール及び継目板専門委員会 構成表(昭和56年7月1日改正のとき)
氏名
名前
(委員会長)
高 橋 寛
社団法人日本鉄道施設協会
角 南 平
通商産業省基礎産業局
堀 木 常 雄
運輸省鉄道監督局
原 慧
運輸省鉄道監督局
菅 原 淳 夫
工業技術院標準部
黒河内 浩
東海大学工学部
水 野 幸四郎
社団法人日本鉄鋼協会
小 倉 卓 雄
新日本製鉄株式会社
梅 原 望
日本鋼管株式会社
石 橋 義 行
合同製鉄株式会社
南 部 信 雄
大阪製鉄株式会社
福 嶋 七 郎
トピー工業株式会社
愛 智 猛 生
九州鉄道機器製造株式会社
鳥 越 信 一
鉄道分岐器工業協会
石 野 則 明
大和工業株式会社
柿 澤 實
日本国有鉄道
神 谷 牧 夫
日本国有鉄道
清 水 敬 二
日本国有鉄道
高 沢 克 朗
日本国有鉄道
和 気 行 雄
社団法人日本民営鉄道協会
秋 元 清
日本車輛製造株式会社
大 橋 脩 作
日本石炭協会
鈴 木 隆
鹿島建設株式会社
藤 原 隆 郎
帝都高速度交通営団
綾 部 光 義
東武鉄道株式会社
尾 澤 幸 三
小田急電鉄株式会社
(関係者)
栗 原 利喜雄
日本国有鉄道
山 本 和 幸
新日本製鉄株式会社
(事務局)
石 井 清 次
工業技術院標準部機械規格課
岡 部 康 恒
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
藤 田 富 男
工業技術院標準部機械規格課(平成5年3月1日改正のとき)