2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 9422-1992
自転車用タイヤバルブ
Tire valves for bicycles
1. 適用範囲 この規格は,JIS K 6304に定めるゴムチューブに用いるタイヤバルブ(以下,バルブとい
う。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS D 4211 自動車用タイヤバルブコア
JIS G 3141 冷間圧延鋼板及び鋼帯
JIS H 3250 銅及び銅合金棒
JIS K 6304 自転車用ゴムチューブ
JIS K 6307 虫ゴム
2. この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 4570/1 : 1977 Tyre valve threads−Part 1 : Threads 5V1, 5V2, 6V1 and 8V1
3. この規格の中で{ }を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって参
考として併記したものである。
2. 種類及び記号 バルブは,空気のシール構造及びチューブとの接合方式によって,(1)及び(2)のとおり
に分類し,記号を用いて種類を表す場合は,(3)による。
(1) 空気のシール構造は,表1の3種類とする。
表1 空気のシール構造による種類
種類
記号
空気のシール構造
英式バルブ
E
虫ゴムによるもの
米式バルブ
A
弁パッキングを用いるもの
仏式バルブ
F
胴パッキングによるもの
(2) チューブへの接合方式は,表2の2種類とする。
表2 チューブへの接合方式による種類
種類
記号
チューブの接合方式
備考
メタルベースバルブ
M
金属圧接
ボデーのつばと座金でチューブを挟む方式
ラバーベースバルブ(1)
R
ゴム座接着
ゴム座でチューブに接着する方式
注(1) ラバーカバードバルブを含む。
(3) 種類の記号 バルブの種類を記号で表す場合は,バルブを表すVに続いて,空気のシール構造,チュ
ーブへの接合方式による記号を配列して表す。
なお,(1)及び(2)で規定していない事項を表す場合は,随時記号を追加してもよい。ただし,ボデー
長さ及びナットを指定する場合は,チューブへの接合方式記号に続いて“ボデー長さ”,“ナット指定
記号”の順序に配列して表す。
2
D 9422-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
例
3. 性能
3.1
気密性 バルブは,7.1に規定する方法によって空気圧を加えたとき,弁口から気泡が離れてはなら
ない。
3.2
ゴム座の接着力 ラバーベースバルブのゴム座とボデー間の接着力は,7.2に規定する方法によって
試験し,表3の規定に適合しなければならない。
表3 ゴム座の接着力
種類
接着力N {kgf}
はく離状態
VER
150 {15} 以上
金属はく離面が,40%未
満であること。
VAR
100 {10} 以上
VFR
70 { 7} 以上
4. バルブの構成 バルブの構成は,表4による。
なお,構成部品の名称を付図1に示す。
表4 バルブの構成
構成部品
種類
主な使用材料
(参考)
VEM
[付図1(1)]
VER
[付図1(2)]
VFM
[付図1(3)]
VFR
[付図1(4)]
VAM
[付図1(5)]
VAR
[付図1(6)]
ボデー
付図2(1)
(BEM)
付図2(2)
(BER)
付図2(3)
(BFM)
付図2(4)
(BFR)
付図2(5)
(BAM)
付図2(6)
(BAR)
JIS H 3250
プランジャ
付図3 (PE)
−
−
トップナット 付図4 (TE)
−
−
キャップ
付図5(1) (CP−2)
付図5(2) (CPF)
付図5(3) (CA)
付図5(4) (CP−1) JIS H 3250又は
ゴム若しくは合
成樹脂
ナット
付図6(1) (NE)
付図6(2) (NF−1) 又は付
図6(3) (NF−2)
付図6 (1) (NA)
−
JIS H 3250
座金
付図7(1) (WB) 又は付図
7(2) (WR)
付図7(3) (WRF)
付図7(2) (WR)
−
JIS G 3141の
SPCC
虫ゴム
JIS K 6307による
−
−
−
バルブコア
−
−
JIS D 4211のA形又はB形
−
備考1. この表で,付図番号,その他の指定がある場合は,指定の構成部品でバルブが構成されることを示す。
2. この表で,付図番号の後に括弧書きで示した記号は,その構成部品の形式であり,参考として併記した。
5. 寸法 バルブの寸法は,付図2〜5による。ただし,許容差を指定していない寸法は,推奨寸法とする。
また,括弧内の寸法は参考として示す。
なお,ねじは附属書(自転車用タイヤバルブのねじ)の規定による。
3
D 9422-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
6. 外観 バルブの構成部品の仕上げ及び組立ては良好で,きず,割れ,ばり,その他の有害な欠点がな
く,外部に現れる部分には適当なさび止め処理が施されていなければならない。
7. 試験方法
7.1
気密性試験 供試バルブを水中に入れ,弁口を上向きにして350kPa {3.5kgf/cm2} [VFM及びVFR
では700kPa {7kgf/cm2}]の空気圧を30秒間加え,弁口から気泡が離れるかどうかを調べる。
7.2
ゴム座の接着力試験 供試バルブを蒸気缶に入れ,蒸気圧600±200kPa {6±2kgf/cm2} で15分間加
熱するか,又はギヤ式老化試験機で,槽内中央温度180±1℃で20分間加熱した後,常温常湿 (20±15℃,
60±20%) で1時間放置冷却した後,良く切れる刃物で図1に示すように,ボデーの中心を通る直線に沿
ってゴム座に切込みを入れる。この切込みは,ゴム座部分のボデーの形状に合わせてボデーに達するまで
行わなければならない。
次に,引張試験機を用い,切込みが入ったゴム座の一方を上部つかみ具に,他の一方を下部つかみ具に
取り付け,常温常湿で,1分間500±25mmの速さで引張試験を行い,その最大荷重を求めてこれを接着力
とする。さらに,ボデーのゴム座接着を目視で観察し,金属はく離面積を測定する。
図1 切込みの入れ方
8. 製品の呼び方 バルブの呼び方は, “JIS D 9422” 及び種類の記号,又は“自転車用タイヤバルブ”
及び種類の記号による。
例1. JIS D 9422 VEM 34
例2. 自転車用タイヤバルブ VFM
9. 表示 バルブには次の事項を表示する。
製造業者名又はその略号
4
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付図1 バルブの構成
5
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付図2 ボデー
6
D 9422-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図2 (続き)
7
D 9422-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図5 キャップ
8
D 9422-1992
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付図6 ナット
9
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付図7 座金
10
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附属書 自転車用タイヤバルブのねじ
1. 適用範囲 この附属書は,自転車用タイヤバルブのねじについて規定する。
2. VEM,VER,VAM及びVARのバルブねじ VEM,VER,VAM及びVARのバルブに用いるねじは,
次による。
(1) 基準山形及び基準寸法
n
P
4.
25
=
H=0.866 025P
D =d
H1=0.541 266P
d2=d−0.649 519P
D2=d2
d1=d−1.082 532P
D1=d1
ここに,n:25.4mmについてのねじ山数
単位 mm
ねじの呼び
ピッチ
P
(参考)
ひっかかり
の高さ
H1
めねじ
谷の径
D
有効径
D2
内径
D1
おねじ
外径
d
有効径
d2
谷の径
d1
CTV5 山36
0.705 6
0.382
5.330
4.872
4.566
CTV5 山24
1.058 3
0.573
5.100
4.413
3.954
CTV8 山32
0.793 8
0.430
7.900
7.384
7.041
CTV8 山30
0.846 6
0.458
8.100
7.550
7.183
11
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(2) 基準山形,基準寸法,許容差及び公差の関係図
単位0.001mm
ねじの呼び
ピッチ
P
(参考)
mm
おねじ
めねじ
外径
d
有効径
d2
谷の径
d1
谷の径
D
有効径
D2
内径
D1
上
の
許
容
差
下
の
許
容
差
公
差
上
の
許
容
差
下
の
許
容
差
公
差
上
の
許
容
差
下
の
許
容
差
公
差
下
の
許
容
差
上
の
許
容
差
下
の
許
容
差
上
の
許
容
差
公
差
下
の
許
容
差
上
の
許
容
差
公
差
− −
− −
− −
+ +
+ +
CTV5 山36
0.705 6
81 292 211 81 197 116 183 350 167 注
(1)
参
照
注
(2)
参
照
0 150 150 +64 166 102
CTV5 山24
1.058 3
54 329 275 54 191 137 206 419 213
0 178 178
0 260 260
CTV8 山32
0.793 8
138 364 226 138 264 126 253 436 183
0 164 164 −1 151 152
CTV8 山30
0.846 6
137 374 237 137 266 129 259 449 190
0 168 168
0 161 161
注(1) めねじの谷の径の下の許容差は規定しないが,図のように谷底とおねじの外径の最大寸法との間に,原則
として多少のすきまを設ける。
(2) めねじの谷の径の上の許容差は規定しない。
備考 おねじの山頂の角は,公差の範囲内で丸みがついても差し支えない。
12
D 9422-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
3. VFM及びVFRのバルブねじ VFM及びVFRのバルブに用いるねじは,次による。
(1) 基準山形
(2) 許容限界寸法及び公差
単位 mm
呼び 径×ピッチ
おねじ
めねじ
外径
d
有効径
d2
谷の径
d1
谷の径
D1
有効径
D2
内径
D
最大 最小 公差 最大 最小 公差
最大
最小
最大 最小 公差 最大 最小 公差
5V2 5.2×1.058 5.220 5.040 0.180 4.705 4.555 0.150 4.200
5.370 4.865 4.760 0.105 4.600 4.400 0.200
6V1 6 ×0.8
6.030 5.830 0.200 5.670 5.520 0.150 5.385
6.160 5.830 5.725 0.105 5.540 5.440 0.100
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D 9422-1992
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
社団法人日本自転車工業会工業標準改正原案調査作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
杉 山 量 重
財団法人日本車両検査協会
羽 山 正 孝
通商産業省機械情報産業局
伊 東 厚
通商産業省工業技術院標準部
賀 来 敏
警察庁交通局
村 田 兼 房
財団法人自転車産業振興協会
山 下 文 郎
財団法人日本車両検査協会東京検査所
三 枝 繁 雄
製品安全協会
伊 藤 文 一
財団法人日本消費者協会
鳥 山 新 一
鳥山研究所
豊 増 武 志
有限会社ユタカ技術研究所
瀬 尾 宏 介
国民生活センター商品テスト部
小 沢 福次郎
日本自転車軽自動車商協同組合連合会
祭 本 良 樹
日本自転車製造卸協同組合連合会
塚 本 四 郎
郵政省大臣官房資材部
杉 浦 法 夫
ブリヂストンサイクル株式会社技術部
金 本 強
宮田工業株式会社
大 塚 俊 実
ナショナル自転車工業株式会社商品開発部
天 野 源 紀
丸石自転車株式会社製造部
瀬 川 俊
島野工業株式会社品質管理部
岩 田 久
株式会社岩田製作所
田 中 健 次
東和工業株式会社
(関係者)
小 林 光
日本自転車タイヤ工業組合
(事務局)
野 村 正 一
社団法人日本自転車工業会
小 倉 建 昭
社団法人日本自転車工業会
村 田 豊
社団法人日本自転車工業会