D 9412:2019
(1)
目 次
ページ
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 構成及び種類 ··················································································································· 1
4 部品名称························································································································· 2
5 強度······························································································································· 8
6 構造······························································································································· 8
7 形状及び寸法 ··················································································································· 8
8 めっき又は塗装 ················································································································ 9
8.1 めっき ························································································································· 9
8.2 塗装 ···························································································································· 9
9 外観······························································································································· 9
10 製品の呼び方 ················································································································· 9
11 表示 ···························································································································· 10
D 9412:2019
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,一般財団法人自転
車産業振興協会(JBPI)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規
格を改正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規
格である。これによって,JIS D 9412:2009は改正され,この規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
日本工業規格 JIS
D 9412:2019
自転車−ハンドル
Bicycles-Handlebars and stems
1
適用範囲
この規格は,主にJIS D 9111に規定されている一般用自転車,幼児用自転車及び電動アシスト自転車に
用いるハンドル(以下,ハンドルという。)について規定する。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0205-1 一般用メートルねじ−第1部:基準山形
JIS B 0205-2 一般用メートルねじ−第2部:全体系
JIS B 0205-3 一般用メートルねじ−第3部:ねじ部品用に選択したサイズ
JIS B 0205-4 一般用メートルねじ−第4部:基準寸法
JIS B 0209-1 一般用メートルねじ−公差−第1部:原則及び基礎データ
JIS B 0209-2 一般用メートルねじ−公差−第2部:一般用おねじ及びめねじの許容限界寸法−中(は
めあい区分)
JIS B 0209-3 一般用メートルねじ−公差−第3部:構造体用ねじの寸法許容差
JIS D 9111 自転車−分類,用語及び諸元
JIS D 9115 電動アシスト自転車
JIS D 9301 一般用自転車
JIS D 9302 幼児用自転車
JIS H 8610 電気亜鉛めっき
JIS H 8617 ニッケルめっき及びニッケル−クロムめっき
JIS K 5600-5-4 塗料一般試験方法−第5部:塗膜の機械的性質−第4節:引っかき硬度(鉛筆法)
3
構成及び種類
ハンドルは,ハンドルバー(以下,バーという。)とハンドルステム(一体形のものを含む。以下,ステ
ムという。)とによって構成し,種類は,ハンドルの用途及び形式によって区分し,表1による。ステム
は,ステム軸(ポスト)を備えた構造及びホークステムの延長部分に固定する構造がある[図1 e)及び f)
参照]。
2
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表1−種類
種類
バーの形状
用途
ハンドルの形式
一般用a)
組立形
一体形
レバー付き形
ドロップ形[図1 a)]
フラット形[図1 b)]
アップ形[図1 c)]
ハイライズ形c)[図1 d)]
その他
幼児用b)
注a) JIS D 9301に規定する一般用自転車及びJIS D 9115に規定する
電動アシスト自転車に用いるもの。
b) JIS D 9302に規定する幼児用自転車に用いるもの。
c) バーの上がりが250 mmを超えるもの。
4
部品名称
ハンドルの部品名称を,表2及び図1に示す。
表2−部品名称
番号
部品名称
1
バー
2
ステム
ステムパイプ又はポスト
3
(ハンドル)ラグ
4
引上げ棒
5
引上げうす
6
クランプボルト
7
クランプナット
8
スペーサ
9
キャップ
10
右ブレーキレバー
11
左ブレーキレバー
12
右はと
13
左はと
14
ブレーキ右ばね
15
ブレーキ左ばね
16
レバー受け
17
ホークステム
3
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a) ドロップ形バー(組立形ハンドル)
b) フラット形バー(組立形ハンドル)
図1−形状の一例及び寸法
4
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単位 mm
c) アップ形バー(組立形ハンドル)
d) ハイライズ形バー(組立形ハンドル)
図1−形状の一例及び寸法(続き)
5
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単位 mm
e) ステム軸を備えた構造のステム(組立形ハンドル)
図1−形状の一例及び寸法(続き)
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f) ホークステムの延長部分に固定する構造のステム(組立形ハンドル)
図1−形状の一例及び寸法(続き)
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単位 mm
g) レバー付き形ハンドル
単位 mm
h) 幼児用(一体形)ハンドル
図1−形状の一例及び寸法(続き)
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5
強度
ハンドルの強度は,表3による。
表3−ハンドルの強度
項目
一般用
幼児用
バー及びステムの片側曲げ
強度
JIS D 9301の5.3.2.2(ハンドルバー及びステ
ムの片側曲げ強度)による。
JIS D 9302の5.3.3.1(ハンドルバー及
びステムの片側曲げ強度)による。
ハンドルステムの前方曲げ
強度
JIS D 9301の5.3.2.3(ハンドルステムの前方
曲げ強度)による。
JIS D 9302の5.3.3.2(ハンドルステム
の前方曲げ強度)による。
バーとステムとの固定強度
JIS D 9301の5.3.2.4(ハンドルバーとハンド
ルステムとの固定強度)による。
JIS D 9302の5.3.3.3(ハンドルバーと
ハンドルステムとの固定強度)による。
ハンドルステムとホークス
テムとの固定強度
JIS D 9301の5.3.2.5(ハンドルステムとホー
クステムとの固定強度)による。
JIS D 9302の5.3.3.4(ハンドルステム
とホークステムとの固定強度)による。
バーエンドとバーとの固定
強度
JIS D 9301の5.3.2.6(バーエンドとハンドル
バーとの固定強度)による。
適用しない。
エアロエクステンションと
バーとの固定強度
JIS D 9301の5.3.2.7(エアロエクステンショ
ンとハンドルバーとの固定強度)による。
適用しない。
ブレーキレバーの固定強度
JIS D 9301の5.3.2.8(ブレーキレバーの固定
強度)による。
適用しない。
ハンドルバー及びステムの
疲労強度
JIS D 9301の5.3.2.9(ハンドルバー及びステ
ムの疲労強度)による。
JIS D 9302の5.3.3.5(ハンドルバー及
びステムの疲労強度)による。
ねじの強度
JIS D 9301の5.1.4.2(ねじの強度)による。 JIS D 9302の5.1.5.2(ねじの強度)に
よる。
6
構造
構造は,次による。
a) 各部の接合,結合及び組立は,確実でなければならない。
b) ステムのはめ合せ限界標識は,一般用がJIS D 9301の5.3.2.1(一般)のb),幼児用がJIS D 9302の
5.3.2(ハンドル及びグリップ)のd) による。
7
形状及び寸法
ハンドルの形状の例及び主な寸法を,図1に示す。ただし,許容差の記入のない寸法は,推奨寸法を示
す。ねじは,JIS B 0205-1〜JIS B 0205-4の規定による。その許容限界寸法及び公差は,JIS B 0209-1〜JIS
B 0209-3に規定する公差域クラス6H/6g以上とする。
なお,各部の寸法は,次による。
a) バーの全幅は,一般用がJIS D 9301の5.3.2.1(一般)のa),幼児用がJIS D 9302の5.3.2(ハンドル
及びグリップ)のa) による。
b) ステムの外径の許容差は,ホークステムとのはめ合わせ調整範囲の上限まで適用する。
c) バーの湾曲部における直径のひずみは,2 mm以下でなければならない。
d) バーの握り部直線部分の片側を定盤上に密着させたときに,他の方の浮きは3 mm以下でなければな
らない。
e) ステムのバーに対する傾きは,図2においてb/aが1/50以下でなければならない。
9
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図2−ステムのバーに対する傾き
f)
レバー付きハンドルの,レバー受けの穴とブレーキレバーとの隙間は,0.5 mm以下でなければならな
い。
g) ハンドルステムと前ホークとの組立寸法は,一般用がJIS D 9301のJC.1.2(ハンドルステムと前ホー
クとの組立寸法),幼児用がJIS D 9302のJA.1.2(ハンドルステムと前ホークとの組立寸法)による。
h) バーとステムとの組立寸法は,一般用がJIS D 9301のJC.1.3(ハンドルバーとハンドルステムとの組
立寸法),幼児用がJIS D 9302のJA.1.3(ハンドルバーとハンドルステムとの組立寸法)による。
i)
ハンドルバーとグリップとの組立寸法は,一般用がJIS D 9301のJC.1.4(ハンドルバーとグリップと
の組立寸法),幼児用がJIS D 9302のJA.1.4(ハンドルバーとグリップとの組立寸法)による。
8
めっき又は塗装
8.1
めっき
めっきの厚さ及び耐食性は,バー,ステムパイプ及びラグでは,JIS H 8617に規定する表2(種類,等
級及び記号)の3級以上,その他の部分では,JIS H 8617に規定する表1(種類,等級及び記号)の2級
以上又はJIS H 8610に規定する表1(めっきの等級及びめっきの最小厚さ)の2級以上とする。ただし,
角部,ねじ部及びめっき後加工を施した部分には適用しない。
なお,クロムめっきを施したものは,クロム層の厚さが0.05 μm以上とする。
8.2
塗装
塗装を施した面は,JIS K 5600-5-4に規定する,芯の種類Fの鉛筆を用いて鉛筆引っかき抵抗性試験を
行ったとき,試験面の塗膜に破れを生じてはならない。
9
外観
外観は,次による。
a) 各部に鋭い先端,かえり,ばりなどがあってはならない。
b) めっき又は塗装を施した面には,素地の露出,剝がれ,さび,その他の著しい欠点があってはならな
い。
c) めっき又は塗装を施さない仕上げ面には,さび,割れ,その他の著しい欠点があってはならない。
d) マーク類には,打刻不良,位置ずれ,色むら,かすれ,その他の著しい欠点があってはならない。
10 製品の呼び方
製品の呼び方は,規格番号又は“自転車用ハンドル”(名称)及び用途による種類による。
10
D 9412:2019
例1 JIS D 9412 一般用
例2 自転車用ハンドル 幼児用
11 表示
ハンドルには,ステムの表面に刻印,浮き出しするなどの容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
また,幼児用には,幼児用ハンドルであることを示す略号“幼”を表示する。
a) 製造業者名又はその略号
b) 製造年月又はその略号