2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 8105-1994
自動車用ホイ−ルナットレンチ
Wheel nut wrenches for automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車用ホイ−ルナットの着脱に用いるホイ−ルナットレンチ(以下,レン
チという。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材材
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼
JIS Z 2245 ロックウェル硬さ試験方法
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 種類 レンチの種類は,その形状によって両口形,片口T形及び片口L形の3種類とする。
3. 形状及び寸法 レンチの形状は,付図1に示すものを普通とし,寸法は付表1〜4に示すとおりとする。
4. 品質
4.1
外観 レンチの外観は,次のとおりとする。
(1) レンチには有害な傷・割れ・まくれ・さび・曲がりその他の欠点がなく,仕上りの程度は,良好なも
のとする。
(2) レンチのナットにはまり合う面は,平滑であって,等辺な六角又は四角とする。
4.2
硬さ レンチ本体の硬さは,頭部でHRC30以上とする。
4.3
強さ レンチ本体及びハンドルの強さは,次のとおりとする。
(1) レンチ本体は,表1に示す値以上のねじり強さをもつものとする。
(2) ハンドルは,表1に示す値の60%以上の曲げ強さをもつものとする。ただし,両口形の場合は,大き
い二面幅の値からとるものとする。
表1
単位N・m {kgf・m}
二面幅 (mm)
14
17
19
20
21
23
26
29
32
35
38
41
六角部
206
{21}
294
{30}
353
{36}
−
412
{42}
481
{49}
569
{58}
686
{70}
834
{85}
981
{100}
981
{100}
981
{100}
四角部
−
382
{39}
−
510
{52}
539
{55}
−
−
−
−
−
−
−
2
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5. 材料 レンチの材料は,表2に示すもの又はこれらと同等以上の品質をもつ材料とする。
表2
名称
材料
本体(頭部及びシャンク部) JIS G 4051のS45C
ハンドル
JIS G 3101のSS330
6. 試験方法
6.1
硬さ試験 レンチの硬さ試験は,JIS Z 2245による。
なお,これに準じた試験方法によっても差し支えない。
6.2
強さ試験 レンチ本体及びハンドルの強さ試験は,次のとおりとする。
(1) 両口形及び片口T形のレンチは,レンチ本体の六角部口径(又は四角部口径)に六角(又は四角)試
験棒を挿入し,他端のハンドル穴には,これに適合するハンドル試験棒を挿入して,六角(又は四角)
試験棒又はハンドル試験棒のどちらかを固定し,固定してない試験棒に表1に示す値のねじりモ−メ
ントを約1分間加えて行う。
(2) 片口L形のレンチは,レンチ本体の六角部口径に六角試験棒を挿入して,試験棒又はシャンク部末端
のどちらかを固定し,固定してない方から表1に示す値のねじりモ−メントを約1分間加えて行う。
(3) ハンドルは,ハンドルの端を固定し,他の末端に表1に示す値の60%の曲げモ−メントを約1分間加
えて行う。
7. 検査
7.1
形状及び寸法検査 形状及び寸法は,3.の規定に適合しなければならない。
7.2
外観検査 外観は目視によって検査を行ったとき,4.1の規定に適合しなければならない。
7.3
硬さ検査 レンチ本体の硬さは,6.1の試験方法によって試験を行ったとき,4.2の規定に適合しな
ければならない。
7.4
強さ検査 レンチ本体及びハンドルの強さは,6.2の試験方法によって試験を行ったとき,4.3の規
定に適合しなければならない。
8. 製品の呼び方 レンチの呼び方は,規格名称(又は規格番号),種類及び呼びによる。ただし,両口形
のうち四角口径の場合は,呼びの末尾にSの記号を付ける。
例 自動車用ホイ−ルナットレンチ両口形S 38×21 S又はJIS D 8105 S 38×21 S
自動車ホイ−ルナットレンチ片口T形43又はJIS D 8105 T43
9. 表示 レンチ本体の適当な箇所に,原則として口径及び製造業者名又はその略号を刻印で表示する。
関連規格 JIS D 2701 自動車用ホイ−ルナット
3
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1 形状
備考1. 本体は,頭部とシャンク部を溶接したものでもよい。
2. 片口L形のシャンク部末端は,図に示すような形状としてもよい。
3. ハンドルには,必要がある場合,適当な抜け止めを付ける。
4
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表1 両口形ホイ−ルナットレンチ
単位 mm
呼び
S1
S2
W1
W2
l1
l2
l3
D1
D2
D3
d
L1
L2
最小 最大 最小 最大 最小 最大 最小 最小 最小 最小 最大 最大 最小 最大
A式
35×17
35.2
35.6
−
−
17.1
17.3
23
23
13
33
53
38
27
26
330
300
(35×20)
35.2
35.6
−
−
20.15 20.4
26
23
15
35
53
44
30
26
445
415
(35×21)
35.2
35.6
−
−
21.15 21.4
27
23
17
37
53
46
32
26
445
415
S38×20
38.2
38.6
−
−
20.15 20.4
26
26
15
38
57
44
30
26
330
300
L38×20
445
415
S38×21
38.2
38.6
−
−
21.15 21.4
27
26
17
39
57
46
32
26
330
300
L38×21
445
415
(41×20)
41.2
41.6
−
−
20.15 20.4
26
27
15
40
62
44
30
26
445
415
41×21
41.2
41.6
−
−
21.15 21.4
27
27
17
41
62
46
32
26
445
415
21×19
21.15 21.4 19.15 19.4
−
−
−
17
17
−
32
30
−
20
200
170
23×21
23.15 23.4 21.15 21.4
−
−
−
19
17
−
35
32
−
20
220
190
26×23
26.15 26.4 23.15 23.4
−
̀
−
21
19
−
39
35
−
20
250
220
(S32×29)
32.2
32.6 29.15 29.4
−
−
−
25
25
−
48
44
−
26
330
290
(L32×29)
445
405
B式 (
)
16
13
2
1
1×
S
38.3
38.7
−
−
20.79 21.04
26
26
15
38
57
44
30
26
330
300
(
)
16
13
211×
L
445
415
備考1. 呼びで括弧を付けた寸法は,なるべく用いない方がよい。
2. 呼びのうち記号Sは,全長が短いもの,記号Lは,全長が長いものを示す。
3. L1及びL2寸法は,特に受渡当事者間の協定のない限り,上表の寸法によるものとし,その許容差は±2%以内
とする。
4. 呼びに対するハンドル穴径dとハンドルとの組合せは,別表1によることが望ましい。
5
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表2 片口T形ホイ−ルナットレンチ
単位 mm
呼び
S
l
d
D1
D2
L1
L2
最小
最大
最小
最大
最大
最大
A式
14
14.1
14.3
14
17
21
25
115
100
17
17.1
17.3
17
17
26
25
145
130
19
19.15
19.4
17
17
29
25
165
150
21
21.15
21.4
17
20
32
30
190
170
23
23.15
23.4
19
20
35
30
210
190
26
26.15
26.4
21
20
39
30
240
220
B式
169
14.39
14.59
14
17
21
25
115
100
85
15.98
16.18
17
17
26
25
145
130
4
3
19.20
19.45
17
17
29
25
165
150
16
13
20.79
21.04
17
20
32
30
190
170
8
7
22.37
22.62
19
20
35
30
210
190
1615
23.96
24.21
19
20
35
30
210
190
備考1. 呼びで括弧を付けた寸法は,なるべく用いない方がよい。
2. L1及びL2寸法は,特に受渡当事者問の協定のない限り,上表の寸法による
ものとし,その許容差は±2%以内とする。
3. 呼びに対するハンドル穴径dとハンドルとの組合せは,別表1によること
が望ましい。
6
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表3 片口L形ホイ−ルナットレンチ
7
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表3 (続き)
単位 mm
呼び
S
l
D
H
L
最小
最大
最小
最大
A式
14
14.1
14.3
14
21
100
200
17
17.1
17.3
17
26
130
250
19
19.15
19.4
17
29
150
280
21
21.15
21.4
17
32
170
280
23
23.15
23.4
19
35
190
300
26
26.15
26.4
21
39
220
300
B式
169
14.39
14.59
14
21
100
200
85
15.98
16.18
17
26
130
250
4
3
19.20
19.45
17
29
150
280
16
13
20.79
21.04
17
32
170
280
8
7
22.37
22.62
19
35
190
300
1615
23.96
24.21
19
35
190
300
備考1. 呼びで括弧を付けた寸法は,なるべく用いない方がよい。
2. H及びL寸法は,特に受渡当事者間の協定のない限り,上
表の寸法によるものとし,その許容差は±2%以内とする。
3. シャンク部の角度 (θ) は,90度又は105度を普通とする。
8
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表4 ハンドル
単位 mm
d
L 最小
14
300
16
300
19
350
22
400
25
450
備考 d寸法は,特に受渡当事者間の協定のない限
り上表の寸法による。
別表1 ハンドル穴とハンドルとの組合せ
単位 mm
両口形
片口T形
ホイ−ルナットレンチ
ホイ−ルナットレンチ
呼び
本体のハンド
ル穴径
組み合わされ
るハンドル
呼び
本体のハンド
ル穴径
組み合わされ
るハンドル
A式
35×17
23
22
A式
14
15
14
26
25
17
16
(35×20)
23
22
17
17
16
26
25
15
14
(35×21)
23
22
19
17
16
26
25
15
14
38×20
26
25
21
20
19
38×21
26
25
17
16
(41×20)
26
25
23
20
19
(41×21)
26
25
17
16
21×19
17
16
26
20
19
20
19
B式
169
15
14
23×21
17
16
17
16
20
19
85
17
16
26×23
20
19
15
14
(32×29)
23
22
4
3
17
16
26
25
15
14
B式
2
1
1×16
13
26
25
16
13
20
19
17
16
8
7
20
19
17
16
1615
20
19
9
D 8105-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
自動車部会 自動車用ホイ−ルナットレンチ専門委員会 構成表(昭和38年3月1日制定のとき)
氏名
所属
(委員会長)
伊 藤 文 蔵
工業技術院機械技術研究所
安 達 幸 一
工業技術院標準部
岩 倉 左 門
運輸省自動車局
鈴 本 作 良
社団法人日本自動車部品工業会
遠 間 武 夫
社団法人日本自動車整備振興会連合会
阿 部 勢 一
社団法人日本乗合自動車協会
小 林 光 雄
自動車機械工具工業会
八 田 弘
油野工業株式会社
阿 部 達 一
車輪工業株式会社
斉 藤 喜 一
京都機械工具株式会社
前 田 軍 治
前田金属工業株式会社
高 梨 銀 三
江東産業株式会社
河 口 彰
京都機械株式会社
芦 沢 幸 栄
荏原工業株式会社
長 林 茂
萬平産業株式会社
新 田 英 昭
株式会社巴製作所
斉 藤 善一郎
日産自動車株式会社
岩 田 清
トヨタ自動車販売株式会社
角 田 正 夫
東洋工業株式会社
渡 瀬 善次郎
鈴木自動車工業株式会社
桜 井 真一郎
プリンス自動車工業株式会社
木 村 高 明
富士重工業株式会社
中 川 公
愛知機械工業株式会社
北 条 晃
日野自動車工業株式会社
宮 川 茂
日産ディーゼル工業株式会社
立 松 通
日本小型自動車工業会
(事務局)
井 田 孝
工業技術院標準部運輸航空規格課
(事務局)
村 里 利 明
工業技術院標準部機械規格課(昭和52年11月1日改正のとき)
(事務局)
笹 尾 照 夫
工業技術院標準部機械規格課(平成6年9月1日改正のとき)