2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 8102-1994
自動車用油圧式ガレージジャッキ
Hydraulic garage jacks for automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車に用いる移動装置をもつ油圧式ガレージジャッキ(以下,ジャッキと
いう。)について規定する。
備考1. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS G 3101 一般構造用圧延鋼材
JIS G 3445 機械構造用炭素鋼鋼管
JIS G 3452 配管用炭素鋼鋼管
JIS G 3454 圧力配管用炭素鋼鋼管
JIS G 4051 機械構造用炭素鋼鋼材
JIS G 5501 ねずみ鋳鉄品
JIS G 5702 黒心可鍛鋳鉄品
2. この規格の中で { } を付けて示してある単位及び数値は,従来単位によるものであって,
参考として併記したものである。
2. 呼び荷重 呼び荷重は,1.5,2,3,4,5,7,8及び10tとする。
3. 主要部の名称及び材料 主要部の名称及び材料は,原則として付図1に示すとおりとする。
4. 構造
4.1
ジャッキの構造は,原則として付図1に示すとおりとする。
4.2
ジャッキは,最大使用荷重(質量)の110%以上の荷重(質量)が上がらないような構造とする。
5. 最大使用荷重(質量)及び寸法 最大使用荷重(質量)及び寸法,次の表1に示すとおりとする。
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表1
単位mm
呼び荷重
(質量)
(t)
最大使
用荷重
(質量)
(kg)
揚程
(最小)
縮小時
の高さ
(最大)
フレーム
の高さ
(最大)
前輪における
全幅
参考
車輪径
車輪幅
前車
軸径
本体の質量
(kg)
前輪 後輪 前輪 後輪
1.5
1 500
300
130
170
200〜300
100
60
35
25
20
35〜 55
2
2 000
350
130
180
200〜300
100
60
35
25
20
50〜 80
3
3 000
400
140
200
250〜350
100
60
40
25
25
60〜 90
4
4 000
400
160
200
250〜350
100
60
45
25
25
80〜120
5
5 000
400
160
210
300〜400
110
90
50
35
30
110〜140
7
7 000
400
160
230
300〜400
120
90
55
35
30
120〜160
8
8 000
400
170
240
300〜400
125
90
60
35
35
130〜200
10
10 000
400
170
250
300〜450
135
90
60
35
35
130〜200
備考 縮小時の高さは,受金上面までの高さとする。
6. 検査
6.1
検査項目 検査項目は,次のとおりとする。
(1) 外観検査
(2) 構造及び寸法検査
(3) 性能検査
(a) 無負荷作動検査
(b) 負荷作動検査
(c) セフティバルブ作動検査
(d) 漏れ検査
6.2
外観検査 鋳す,割れ,さびなどがなく,溶接,塗装が良好でがたが少なく,その他有害な欠点が
あってはならない。
6.3
構造及び寸法検査 構造及び寸法検査は,4.及び5.の規定に適合しなければならない。
6.4
性能検査
6.4.1
無負荷作動検査
(1) ジャッキの移動は,コンクリート床上を1人で容易に操作でき,前輪は後輪を支点として軽く浮き上
げられなければならない。
(2) 受金を最低位置から最高位置まで作動させたとき,バルブの作動に異常があってはならない。
(3) 最高位置における揚程制限装置の作動は,確実でなければならない。
(4) 最高位置からリリーズバルブを用いて受金を降下させたとき,受金は円滑に降下しなければならない。
(5) 軸受部は潤滑が十分で,きしり音,がたがあってはならない。
6.4.2
負荷作動検査 ジャッキの受金の中心部に最大使用荷重(質量)を加え,アームの上面がほぼ水平
位置から最高位置まで繰り返し3回押し上げたとき,作動状況は,円滑,確実で,各部に永久変形,油漏
れその他の異常があってはならない。
また,最大使用荷重(質量)におけるリリーズバルブの操作は,安全で,その作動は,良好でなければ
ならない。
なお,ハンドル操作力は,最大使用荷重時において600N {60kgf} 以下でなければならない。
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6.4.3
セフティバルブ検査 セフティバルブは,受金を最大揚程の約21の位置にして,最大使用荷重(質
量)100%を超え110%以内で確実に作動しなければならない。
6.4.4
漏れ検査 最大揚程の約21の位置にしてジャッキの受金に最大使用荷重(質量)に相当する静荷重
を加えたとき,3分後の受金の降下量は,0.5mm以下でなければならない。ただし,油の温度は常温とす
る。
その後,無負荷のまま1時間以上放置し,油漏れがあってはならない。
7. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格名称及び呼び荷重による。
例 自動車用油圧式ガレージジャッキ10t
8. 表示 ジャッキには,次の事項を表示する。
なお,製品には,“ブレーキ液を使用してはならない”ということを明記した銘板をちょう(貼)付する。
(1) 製造業者名又はその略号
(2) 製造年月又はその略号
(3) 呼び荷重
付図1 自動車用油圧式ガレージジャッキ(参考)
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付図1 (続き)
番号
主要部の名称
材料
番号
主要部の名称
材料
1 車輪
JIS G 5501のFC200
16 ピストンロッド
JIS G 4051のS35C
2 車軸
JIS G 4051のS35C
17 ピストン
JIS G 4051のS20C又は
JIS G 5501のFC200
3 受金
JIS G 4051のS20C又は
JIS G 5702のFCMB310
18
アーム作動用シリンダ JIS G 3454のSTPG370又は
JIS G 3445のSTKM13A
4 受金台
JIS G 5501のFC200
19 油圧ポンプシリンダ
5 リンクロッド
JIS G 3101のSS4100
20 ポンププランジャ
JIS G 4051のS43C
6 アーム
JIS G 3101のSS400
21 リリーズバルブ(1)
−
7 リンクロッドピン
JIS G 4051のS43C
22 セフティバルブ(1)
−
8 アームピン
23 揚程制限装置
−
9 ピストンピン
24 給油口
−
10 フレーム
JIS G 3101のSS400
25 空気抜き(2)
−
11 ハンドル
JIS G 3452のSGP又は
JIS G 3101のSS400
26 ピストンパッキン
クロムなめし牛革又は耐油
性ゴム
27 プランジャパッキン
12 降下ハンドル
JIS G 5501のFC200又は
JIS G 3101のSS400
28 ピストン油止めパッ
キン
13 ブラケット
JIS G 5501のFC200又は
JIS G 3101のSS400
29 プランジャ油止めパ
ッキン
14 シリンダ取付ボルト JIS G 3101のSS400
30 リリーズバルブ油止
めパツキン
15 足踏みペダル
JIS G 5501のFC200又は
JIS G 3101のSS400
注(1) リリーズバルブ及びセフティバルブは兼用してもよい。
(2) 空気抜き,給油口及び油量点検口は兼用してもよい。
備考 形状は一例を示す。
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自動車部会 自動車用ジャッキ専門委員会 構成表(昭和52年10月1日改正のとき)
氏名
所属
(委員会長)
正 木 六 郎
東京理科大学工学部
中 沢 忠 義
通商産業省機械情報産業局
浦 野 力 光
運輸省自動車局
青 地 慎太郎
通商産業省工業品検査所
若曽根 和 之
工業技術院標準部
山 口 殿 夫
自動車機械工具工業会
村 上 邦 彦
社団法人日本自動車機械工具協会
堀 山 健
社団法人日本自動車整備振興会連合会
鈴 本 作 良
社団法人日本自動車部品工業会
田 口 早 苗
日野自動車工業株式会社
桑 原 忠 夫
三菱自動車工業株式会社
杉 田 良 一
トヨタ自動車販売株式会社
加 藤 克 二
富士重工業株式会社
藤 川 一 夫
萱場工業株式会社
正 田 容 章
株式会社マサダ製作所
竹 内 常 男
竹内工業株式会社
川 崎 泰 司
川崎工業株式会社
田 窪 久 男
タクボ工業株式会社
田 中 広
安全自工株式会社
望 月 忠 義
ヤスヰ産業株式会社
大 嶋 伸之助
和光工業株式会社
小 俣 邦 明
萬平産業株式会社
中 沢 高 明
アイシン精機株式会社
(事務局)
村 里 利 明
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
笹 尾 照 夫
工業技術院標準部機械規格課(平成6年9月1日改正のとき)