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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 8006-1983 

自動車整備用一酸化炭素測定器 

Simplified Carbonmonoxide Testers for Automobiles 

1. 適用範囲 この規格は,火花点火機関を備えた自動車の整備点検などの,アイドリングにおける排気

ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を測定するための測定器(以下,測定器という。)について規定する。 

引用規格: 

JIS C 1301 絶縁抵抗計(発電機式) 

JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式) 

JIS K 0002 一酸化炭素標準ガス 

JIS K 0151 赤外線ガス分析計 

JIS K 0212 分析化学用語(光学部門) 

JIS K 0213 分析化学用語(電気化学部門) 

JIS Z 8103 計測用語 

対応国際規格: 

ISO 3930 Road vehicles−Carbon monoxide analyzer equipment−Technical specifications 

関連規格:JIS D 1028 自動車排気ガス中の一酸化炭素測定方法(アイドリング時) 

ISO 3929 Road vehicles−Determination of exhaust carbon monoxide concentration at idle speed 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次によるほかJIS K 0212[分析化学用語(光学部

門)],JIS K 0213[分析化学用語(電気化学部門)]及びJIS Z 8103(計測用語)による。 

(1) ゼロガス 測定器の零点目盛の校正に用いるガス。 

(2) スパンガス 測定器の最大目盛の校正に用いるガス。 

(3) 校正用ガス 測定器の校正に用いるガス。ゼロガス,スパンガスなどの総称。 

(4) ゼロドリフト 測定器にゼロガスを流したときの指示値のある期間内の変動。 

(5) スパンドリフト 測定器にスパンガスを流したときの指示値のある期間内の変動。 

(6) 干渉成分 測定を防害する排気ガス中の一酸化炭素以外の共存成分。 

3. 測定範囲 測定器の測定可能範囲は,容積比 (V/V%) 0から10V/V%以下とする。 

4. 性能 測定器は,次の各性能を満足していなければならない。 

(1) 繰返し性 6.2(1)の試験を行ったとき,それぞれの測定値の平均値からの差は,最大目盛値の±2%以

内でなければならない。 

D 8006-1983  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(2) ゼロドリフト 6.2(2)の試験を行ったとき,測定器の1時間ごとの指示値の変動が最大目盛値の±3%

以内でなければならない。 

(3) スパンドリフト 6.2(3)の試験を行ったとき,測定器の指示値のそれぞれの変動が最大目盛値の±3%

以内でなければならない。 

(4) 正確さ(器差) 6.2(4)の試験を行ったとき,指示値と校正用ガス濃度との差は,最大目盛値の±3%

以内でなければならない。 

(5) 応答時間 6.2(5)の試験を行ったとき,濃度の90%を指示するまでの時間は,10秒以下でなければな

らない。 

(6) 暖機時間 6.2(6)の試験を行ったとき,30分以下でなければならない。 

(7) 干渉成分の影響 6.2(7)の試験を行ったとき,指示値の合計が0.2V/V%以内でなければならない。 

(8) 周囲温度に対する安定性 6.2(8)の試験を行ったとき,4.(2)及び4.(3)の性能を満足しなければならない。 

(9) 電源変動に対する安定性 6.2(9)の試験を行ったとき,指示値の変化は,最大目盛値の±1.5%以内でな

ければならない。 

(10) 耐電圧 6.2(10)の試験を行ったとき,異常が生じてはならない。 

(11) 絶縁抵抗 6.2(11)の試験を行ったとき,絶縁抵抗は2MΩ以上なければならない。 

5. 構造 

5.1 

構造一般 構造一般は,次のとおりとする。 

(1) 測定器の各作動箇所は,円滑かつ,確実に作動するものでなければならない。 

(2) 測定器は,人及び付近の装置を保護する構造及び機構であること。 

(3) 測定器は,自動車の点火系,電装系による電磁放射線及び導電干渉を受けないこと。 

(4) 測定器は,自動車整備工場における振動及び衝撃の影響を受けにくいこと。 

(5) 測定器は,記録用の外部出力信号用端子をもつものでなければならない。 

5.2 

排気ガス採取部 排気ガス採取部は,次のとおりとする。 

(1) 自動車の排気管から測定に必要な排気ガスを容易に採取することができるものであること。 

(2) 測定上障害となる物質を除去するためのフィルタ,水分分離器などの装置(以下,前処理装置という。)

を備えていること。 

(3) 材質は,測定に悪影響を与えないものでなければならない。 

また,耐食性をもっていること。 

(4) 採取管,導管,ポンプ及び前処理装置は,清掃及び部品の交換が容易に行える構造であること。 

(5) 機能低下について,容易に判定することができるようになっていること。 

(6) 導管の長さは,2m以上であること。 

(7) 採取管の長さは,60cm以上テールパイプに挿入可能であること。ただし,4サイクルエンジンで大気

による希釈の影響を受けない場合には,30cmの挿入が可能であればよい。 

5.3 

排気ガス分析部 排気ガス分析部は,次のとおりとする。 

(1) 清掃及び部品の交換が容易に行えること。 

(2) 材質は,測定に悪影響を与えないものでなければならない。 

また,耐食性をもっていること。 

5.4 

濃度指示部 測定器の濃度指示部の指示計は,一酸化炭素の容積比を百分率 (%) で直接指示するも

のであること。 

D 8006-1983  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

なお,指示範囲は,二段以上の切換え式によるものでもよい。 

5.5 

校正装置 校正装置は,次のとおりとする。 

(1) 測定器は,校正ガスによる校正装置及び電気式などによる校正装置をもっていること。 

(2) 校正ガスによる校正装置は,ゼロガス及びスパンガスを用い,校正を容易に行えるものであること。 

(3) ゼロとスパンの調整つまみは,容易に調整できるものであること。 

6. 試験 

6.1 

共通事項 共通事項は,次のとおりとする。 

(1) この測定器の性能を試験する場合は,JIS K 0151(赤外線ガス分析計)に規定する赤外線ガス分析計

を用い,校正ガスについては,JIS K 0002(一酸化炭素標準ガス)に規定する一酸化炭素標準ガスを

用いる。 

(2) 測定器は,(a)〜(d)の条件において試験を行う。 

(a) 温度20℃ 

(b) 相対湿度 65±20% 

(c) 電源電圧 定格電圧 

(d) 電源周波数 定格周波数 

6.2 

試験方法 試験方法は,次のとおりとする。 

(1) 繰返し性 ゼロガスとスパンガスを交互に5回導入し,それぞれの測定値の平均値からの差を求める。 

(2) ゼロドリフト ゼロガスを3時間連続的に導入し,1時間ごとの測定器の指示値の変動を調べる。 

(3) スパンドリフト ゼロガスを流しながら1時間ごとにスパンガスを流し,測定器の指示値の変動を調

べる。 

この操作を3回繰り返し,それぞれの指示値からゼロドリフトを除いた値を求める。 

(4) 正確さ(器差) ゼロ調整及びスパン調整を行ったのち,中間目盛付近を指示するような校正用ガス

を流し,指示値と校正用ガス濃度との差を調べる。 

(5) 応答時間 濃度一定の排気ガスを採取管から導入し始めたときからその濃度の90%を指示するまでの

時間を調べる。 

備考 試験する場合の排気ガス濃度は,最大目盛値に近い濃度が望ましい。 

(6) 暖機時間 電源を投入してからゼロドリフト及びスパンドリフトについて4.(2)及び4.(3)の性能が得

られるまでの時間を調べる。 

(7) 干渉成分の影響 排気ガス中の一酸化炭素以外の成分による指示値の合計を調べる。 

(8) 周囲温度に対する安定性 周囲温度変化に対する安定性は,周囲温度を使用周囲温度範囲内で5℃変

動させ6.2(2)及び6.2(3)の試験を行う。 

(9) 電源変動に対する安定性 電源電圧を定格電圧の±10%変化させたときの指示値を調べる。 

(10) 耐電圧 電源端子を一括して外箱との間にAC1 000Vを1分間加え,異常の有無を調べる。 

(11) 絶縁抵抗 電源端子を一括して外箱との間の絶縁抵抗を,JIS C 1301[絶縁抵抗計(発電機式)]又は

JIS C 1302[絶縁抵抗計(電池式)]に規定する直流500V絶縁抵抗計で測定する。 

7. 表示 測定器には,容易に消えない方法で,次の事項を見やすい位置に表示しなければならない。 

(1) 名称 

(2) 製造業者が定めた測定器の形式 

D 8006-1983  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 測定範囲 

(4) 使用周囲温度範囲(製造業者が保証する使用温度範囲) 

(5) 電源の種類,電圧 (V),周波数 (Hz) 及び所要電力 (W) 又は皮相電力 (VA) 

(6) 製造業者名(又はその略号) 

(7) 製造年月日(又はその略号) 

(8) 使用上特に必要な注意事項 

8. 取扱説明書 測定器には,校正方法等の操作手順を含んだ取扱説明書を添付しなければならない。 

改正原案作成委員会 委員名簿 

氏名 

所属 

(委員長) 

宇田川 正 則 

日産自動車株式会社第2機関設計部 

加 藤 新 蔵 

日産自動車株式会社第2機関設計部 

相 馬 哲 夫 

通商産業省機械情報産業局自動車課 

松 川 東 一 

工業技術院標準部機械規格課 

黒 河 亀千代 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

篠 山 鋭 一 

機械技術研究所自動車安全公害部排気課 

鈴 木 康 夫 

運輸省自動車局整備部公害防止課 

中 山 寛 治 

交通安全公害研究所自動車審査部 

松 村 義 彦 

いすゞ自動車株式会社開発本部小型エンジン設計部 

杢 屋 博 一 

鈴木自動車工業株式会社開発部 

石 田 富 雄 

ダイハツ工業株式会社エンジン部 

遠 山 昭 雄 

東洋工業株式会社エンジン開発部 

野 口 博 史 

トヨタ自動車株式会社第12技術部 

原 田 健 二 

日産ディーゼル工業株式会社機関設計部 

荻 野 多 平 

富士重工業株式会社スバル技術本部発動機技術第2部 

長谷川 俊 平 

株式会社本田技術研究所和光研究所 

久保田 忠 郎 

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター実験部 

細 井 賢 三 

財団法人日本自動車研究所研究第2部 

斉 藤   修 

株式会社堀場製作所 

田 中 好 久 

株式会社ヤナコ計測 

河 合 隆 昌 

社団法人日本分析機器工業会 

(事務局) 

香 取 恭 三 

社団法人自動車技術会