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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 8004-1986 

自動車用ディーゼルエンジン排気煙 

濃度測定用反射式スモークメータ 

Reflection Type Smokemeters for Automobile Diesel Engine 

1. 適用範囲 この規格は,JIS D 1101(自動車用ディーゼルエンジン排気煙濃度測定方法)により排気

煙の濃度を測定する際に用いる反射式スモークメータ(以下,スモークメータという。)について規定する。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

(1) 汚染度 JIS D 1101に定める排気煙濃度測定用ろ紙(以下,ろ紙という。)が排気ガスによって汚染さ

れる度合。 

(2) 放射輝度率 特定の照明及び観測条件における物体表面の輝度Lと酸化マグネシウム標準白色面の輝

度L0からL/L0を求め,これを百分率で表したもの。 

(3) 吸引量 吸引装置部のろ紙挿入部にろ紙を装着し,吸引ピストンを作動させて,吸引される排気ガス

の容積。 

(4) デッドボリューム 採取部先端からろ紙挿入部までの管路,分岐部,弁及びろ紙挿入部の広がり部分

の内容積の合計。  

3. 種類及び定格 スモークメータの種類及び定格は,次のとおりとする。 

(1) 種類 種類は,次のとおりとする。 

(a) 手動式(円形ろ紙使用形) 

(b) 自動式(テープろ紙使用形) 

(2) 電源及び定格周波数 スモークメータの電源は,乾電池,蓄電池又は単相交流100V,定格周波数は,

50Hz若しくは60Hz専用,又は50Hz及び60Hz共用とする。 

4. 性能 スモークメータの性能は,次のとおりとする。 

(1) 吸引量 吸引量は,7.(1)の試験方法で試験を行ったとき330±15mlでなければならない。 

(2) デッドボリューム 7.(2)の方法で算出したとき吸引量の10%以下とする。 

(3) 気密性 7.(3)の試験方法で試験を行ったとき,降下水量は60ml以下でなければならない。 

(4) 吸引時間 吸引時間は,7.(4)の試験方法で試験を行ったとき,1.4±0.2秒でなければならない。 

(5) ろ紙の汚染面積 7.(5)の試験方法で試験を行ったとき,8±0.24cm2でなければならない。 

(6) 吸引ピストンの作動性 7.(6)の試験方法で試験を行ったとき,急激な速度の変化がなく,全行程が滑

                                                        

  引用規格及び関連規格:5ページ参照 

D 8004-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

らかに作動しなければならない。 

(7) 汚染度指示目盛の直線性 7.(7)の試験方法で試験を行ったとき,それぞれの指示値と標準色紙の放射

輝度率に対する汚染度の差が最大目盛値(100%)の±3%以内でなければならない。 

(8) 繰返し性 7.(8)の試験方法で試験を行ったとき,汚染度計測装置による,それぞれの指示値の平均値

に対する偏差がすべて,最大目盛値(100%)の±2%以内でなければならない。 

(9) 電源電圧の変化に対する安定性 7.(9)の試験方法で試験を行ったとき,指示値の変化は最大目盛値

(100%)の±1.5%以内でなければならない。 

(10) 応答時間 7.(10)の試験方法で試験を行ったとき,応答時間は3秒以下でなければならない。 

(11) 絶縁抵抗 7.(11)の試験方法で試験を行ったとき,絶縁低抗は,5MΩ以上でなければならない。ただ

し,電池内蔵形の場合は適用しない。 

5. 構造 スモークメータは,ろ紙を通して排気ガスを採取する採取装置と,そのろ紙の汚染度を測定す

る汚染度計測装置で構成し,その基本構造を付図1,付図2(採取装置),付図3(検出部)及び付図4(指

示部)に示す。 

5.1 

採取装置 採取装置は,採取部,吸引装置部及び採取用接続管で構成し,次の各項に適合しなけれ

ばならない。 

(1) 採取部 採取部は,排気管に取り付けられ容易に排気ガスの吸引ができ,しかも,採取孔が直接試料

ガスの動圧を受けないこと。 

(a) 採取部の先端位置ができるだけ排気管の中心に取り付けられるような取付具を備えること。 

(b) 採取部は,採取ガスを冷却するために冷却フィンを備えること。 

(2) 吸引装置部 吸引装置は,ろ紙挿入部と吸引ポンプ部を備え,4.(1)に規定するガス量を容易に吸引で

きること。 

(a) ろ紙挿入部は,ろ紙の着脱が容易にできる構造のもので,かつ,ろ紙を装着したとき,ろ紙押え部

の気密性は4.(3)を満足すること。 

(b) 吸引ポンプ部は,円滑に作動し一定量の排気ガスを吸引できること。 

(3) 採取用接続管 採取用接続管は,その両端にそれぞれ採取部と吸引装置部に接続できる耐熱性の接続

具を備えた,たわみ管とする。 

5.2 

汚染度計測装置 汚染度計測装置は,検出部及び指示計で構成し,次の各項に適合し,かつ,汚染

度50%付近の校正用標準色紙が備えられなければならない。 

(1) 検出部 光源から光束を入射させ,汚染されたろ紙の反射を光電素子を通じて電気信号に変換させる

構造とする。 

(a) 検出部のろ紙に当たる面は,平滑であること。 

(b) 電球の光軸は,ろ紙面の中心に,しかも垂直に当たる位置とする。 

(c) ランプ室は,電球を長時間点灯しても,光電素子の性能に悪影響を与えない構造とする。 

(d) 電球の交換が容易にできる構造とする。 

(e) 光電素子は,4.の(7),(8),(9)及び(10)を満足するもので,セレン光電池又は同等の性能をもつもの

とする。 

(2) 指示部 指示部は,汚染度目盛が0%から100%までを等分目盛で指示し,その最小目盛が2%以下と

するもので,電源スイッチ,感度調整用可変低抗器,電流計又は電圧計などから構成する。 

備考 汚染度と放射輝度率の相関は,次式による。 

D 8004-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

汚染度 (%) =100−1.15×放射輝度率 (%)  

(a) 電源スイッチは,JIS C 6571(電子機器用トグルスイッチ),JIS C 6437(電子機器用ロータリスイ

ッチ)又はJIS C 8304(屋内用小形スイッチ類)に規定するものを用いる。 

(b) 感度調整用可変抵抗器は,JIS C 6444(特殊級炭素系可変抵抗器)又はJIS C 6445(巻線形可変抵

抗器)に規定するものを用いる。 

(c) 汚染度指示に用いる電流計又は電圧計は,JIS C 1102(指示電気計器)に規定する1.5級以上のもの

又はJIS C 1003(ディジタル電圧計試験方法)に規定する試験方法で試験された電圧計を用いなけ

ればならない。 

(d) 電源は,単相交流100V,JIS C 8501(マンガン乾電池)に規定するマンガン乾電池又はJIS D 5301

(自動車用蓄電池)に規定する蓄電池とする。 

(e) 電源ケーブル及び検出部と指示部の接続に用いる電線は,JIS C 3327(600Vゴムキャブタイヤケー

ブル)又はJIS C 3306(ビニルコード)に規定するものを用いる。 

6. 材料 材料は,次の各項に適合しなければならない。 

(1) 主要部品は,金属,その他耐久性の大きい材料で作られていること。 

(2) 排気ガスに触れる部分に用いる材料は,耐食性の大きいもの,又は適当な表面処理を施したものであ

ること。 

7. 試験方法 試験方法は,次のとおりとする。 

(1) 吸引量 吸引量は,吸引装置部のろ紙挿入部にろ紙を装着し,次に採取部先端をビニルホース又はゴ

ムホースで接続し,その他端を付図5に示す吸引量試験装置の容器(以下,容器という。)の上部に設

けられた管に接続し,コック◯

Aの操作により容器内の圧力をいったん外部と通じた後,これを密閉し,

ピストンを作動させ,容器内に侵入する容積を測定する。 

備考1. 吸引量試験装置の容器は,内径が43±2.5mm,高さが370±20mmのもので,目盛づけを,JIS 

R 3505(ガラス製化学用体積計)に規定する呼び容量500mlのもので行い,容器のゼロ目盛

から容量を目盛ったものとする。 

2. 試験用水槽の水面の面積は,600〜700cm2のものを用いる。 

(2) デッドボリューム デッドボリュームは,採取部先端からろ紙挿入部までの管路,分岐部,弁及びろ

紙挿入部の広がり部分の内容積の合計を計算によって求め,mlで表す。 

(3) 気密性 ろ紙挿入部にろ紙を装着して,これを密閉し,(1)吸引量に規定する方法で試験を行い,容器

内の水面が1分間に降下する水量を測定する。 

(4) 吸引時間 (1)吸引量に規定する方法でピストンを作動させたとき,ピストンが移動し終わるまでの時

間をストップウオッチで3回測定し,その平均時間を求める。 

(5) ろ紙の汚染面積 ろ紙挿入部にろ紙を装着した状態で排気煙又はアルコールランプを用いて発生させ

たすすをピストンを作動させて吸引したときに,ろ紙の汚染された部分をJIS B 7507(ノギス)に規

定するノギスを用いて測定し,面積を求める。 

(6) 吸引ピストンの作動性 (4)吸引時間に規定する方法でピストンを作動させ,目視により速度の変化を

調べる。 

(7) 汚染度指示目盛の直線性 放射輝度率が約20%間隔の標準色紙を用い,それぞれの指示値を求める。 

(8) 繰返し性 放射輝度率が80%付近及び40%付近の標準色紙を用い,5分ごとに5回交互に繰り返し測

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定し,指示値の変化を調べる。 

(9) 電源電圧の変化に対する安定性 放射輝度率が40%付近の標準色紙を用いて,電源電圧を定格電圧の

±10%変化させたときの指示値を調べる。 

(10) 応答時間 放射輝度率が40%付近の標準色紙を用いて測定し,指示値が当該放射輝度率の90%を指示

するまでに要する時間を調べる。 

(11) 絶縁抵抗 電源端子と外箱(金属部)との間にJIS C 1302[絶縁抵抗計(電池式)]よる直流500V絶

縁抵抗計によって測定する。 

8. 表示 スモークメータには見やすいところに容易に消えない方法で,次の項目を表示しなければなら

ない。 

(1) 名称 

(2) 種類 

(3) 定格電圧及び定格周波数 

(4) 製造業者名(又はその略号) 

(5) 製造年月(又はその略号) 

(6) 製造番号 

9. 取扱い上の注意事項 本体又は取扱説明書に次の事項を明記しておかなければならない。 

(1) 使用方法に関する事項 

(2) 保守に関する事項 

(a) 整備方法 

(b) 格納及び保管方法 

(c) 運搬方法 

(3) 点検に関する事項 

(a) 日常点検 

(b) 定期点検 

(4) その他必要な事項 

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引用規格: 

JIS B 7507 ノギス 

JIS C 1003 ディジタル電圧計試験方法 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計(電池式) 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS C 3327 600Vゴムキャブタイヤケーブル 

JIS C 6437 電子機器用ロータリスイッチ 

JIS C 6444 特殊級炭素系可変抵抗器 

JIS C 6445 巻線形可変抵抗器 

JIS C 6571 電子機器用トグルスイッチ 

JIS C 8304 屋内用小形スイッチ類 

JIS C 8501 マンガン乾電池 

JIS D 1101 自動車用ディーゼルエンジン排気煙濃度測定方法 

JIS D 5301 自動車用蓄電池 

JIS R 3505 ガラス製化学用体積計 

関連規格:JIS Z 8105 色に関する用語 

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付図1 手動式採取装置(一例)(5.参照) 

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付図2 自動式採取装置(一例)(5.参照) 

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付図3 検出部(一例)(5.参照) 

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付図4 指示部(一例)(5.参照) 

付図5 吸引量試験装置(一例)[7.(1)参照] 

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改正原案作成委員会委員(エンジンテスト分科会) 構成表 

氏名 

所属 

(分科会長) 白 川   貢 

三菱自動車工業株式会社トラック・バス技術センターエンジン技術部 

(幹事) 

平河内 信 義 

三菱自動車工業株式会社トラック・バス技術センター研究部 

田 代 和 也 

工業技術院標準部機械規格課 

吉 田 信 之 

工業技術院標準部繊維化学規格課 

斉 藤 敬 三 

機械技術研究所自動車安全公害部排気課 

佐 藤 慶 蔵 

運輸省地域交通局陸上技術安全部自動車審査課 

和 田 恒 人 

運輸省地域交通局陸上技術安全部技術企画課 

葭 原 和 典 

交通安全公害研究所交通公害部 

大 野 慶 三 

交通安全公害研究所自動車審査部 

川 廷 勝 敏 

いすゞ自動車株式会社大型エンジン設計部 

鎌 田 正 明 

鈴木自動車工業株式会社四輪エンジン設計部 

長谷川 国 生 

ダイハツ工業株式会社エンジン部 

白 倉 忠 孝 

マツダ株式会社東京支社技術部 

森 光 信 孝 

トヨタ自動車株式会社第1エンジン部 

笹 部 憲 一 

日産自動車株式会社機関実験部 

越 川 恵 生 

日産ディーゼル工業株式会社第3設計部 

中 島   勝 

日野自動車工業株式会社第4研究部 

鈴 木   旬 

富士重工株式会社スバル技術本部発動機開発部 

右 川 春 雄 

株式会社本田技術研究所(和光)所長室 

掘   政 彦 

財団法人日本自動車研究所第2部 

貞 方 義 博 

東京精密測器株式会社特機製造部 

梶 本 利 彦 

東京航空計器株式会社技術本部技術3部 

高 村 昭 生 

株式会社小野測器開発室 

小 竹 利 明 

ヂーゼル機器株式会社噴射ポンプ第1事業部 

津 田 一 造 

社団法人日本自動車機械器具工業会 

(事務局) 

平 野 修 二 

社団法人自動車技術会規格課