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D 6023:2012  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲························································································································· 1 

2 引用規格························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 1 

4 性能······························································································································· 2 

4.1 一般 ···························································································································· 2 

4.2 常用ブレーキ ················································································································ 3 

4.3 パーキングブレーキ ······································································································· 3 

4.4 ブレーキ操作力及び部材強度 ··························································································· 3 

4.5 蓄積エネルギー装置 ······································································································· 3 

5 試験条件························································································································· 4 

5.1 一般 ···························································································································· 4 

5.2 停止距離試験 ················································································································ 4 

5.3 けん引力試験 ················································································································ 4 

6 性能試験························································································································· 5 

6.1 常用ブレーキの試験 ······································································································· 5 

6.2 警告装置の試験(蓄積エネルギー装置用) ·········································································· 6 

6.3 フェード試験 ················································································································ 6 

6.4 パーキングブレーキの試験 ······························································································ 6 

附属書JA(規定)制動装置に関する追加規定 ············································································ 8 

附属書JB(参考)停止距離及びけん引力の計算方法 ··································································· 9 

附属書JC(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12 

D 6023:2012  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本産業

車両協会(JIVA)及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改

正すべきとの申出があり,日本工業標準調査会の審議を経て,厚生労働大臣及び経済産業大臣が改正した

日本工業規格である。これによって,JIS D 6023:1999は改正され,この規格に置き換えられた。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意

を喚起する。厚生労働大臣,経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の

特許出願及び実用新案権に関わる確認について,責任はもたない。 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格 

      JIS 

D 6023:2012 

フォークリフトトラック− 
ブレーキ性能及び試験方法 

Fork lift trucks-Brake performance and brake tests 

序文 

この規格は,2008年に第2版として発行されたISO 6292を基に,対応する部分については対応国際規

格を翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格には規定され

ていない規定項目(制動装置に関する追加規定並びに停止距離及びけん引力の計算方法)を日本工業規格

として追加している。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはない事項である。 

適用範囲 

この規格は,全ての定格荷重のフォークリフトトラック(以下,フォークリフトという。)に装備するブ

レーキ装置の性能,試験方法及び部材強度について規定する。 

注記1 緊急時(例えば,緊急スイッチの作動又は制御装置のシャットダウン)の制動はこの規格で

は扱わない。 

注記2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 6292:2008,Powered industrial trucks and tractors−Brake performance and component strength

(MOD) 

なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”

ことを示す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS D 0106 自動車−ブレーキ用語−種類,力学及び現象 

注記 対応国際規格:ISO 611: 2003,Road vehicles−Braking of automotive vehicles and their trailers−

Vocabulary(MOD) 

JIS D 6201 フォークリフトトラック−用語 

注記 対応国際規格:ISO 5053:1987,Powered industrial trucks−Terminology(MOD) 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS D 0106及びJIS D 6201によるほか,次による。 

D 6023:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.1 

車速,v(truck velocity,v) 

常用ブレーキが適用される直前に実際に計測した車両の速度。 

3.2 

制動力,F(braking force,F) 

ブレーキ装置の効果によって生じる,タイヤと接地面における車両の速度又は動作方向に反対する力。 

3.3 

ブレーキ性能(braking performance) 

車速に対する制動距離又は制動力,及び傾斜地で車両を停止したまま保つ能力から測定されたブレーキ

装置の性能。 

3.4 

ブレーキ装置(braking system) 

次の機能のうちの一つ以上を満たす部品の組合せ。 

a) 車両の速度を制御(通常は減速)する機能。 

b) 車両を停止,又は静止したまま保つ機能。 

3.5 

常温ブレーキ(cold brakes) 

次の条件のうちの一つを満たすブレーキの状態。 

a) ディスクの外周又はドラムの外面で測定した温度が100 ℃未満である。 

b) 湿式ブレーキなどの全閉形ブレーキの場合,ハウジングの温度が50 ℃未満又は製造業者の仕様値以

内である。 

c) ブレーキを1時間以上作動させていない。 

3.6 

制御装置(control device) 

ブレーキ装置の一部で,その作動を開始する部分。ブレーキペダルなどがある。 

3.7 

フェード試験(fade test) 

影響のある熱が発生した制動又は連続した引きずり制動からなる,ブレーキ性能の違いが観察できる試

験手順。 

3.8 

停止距離,S0(stopping distance,S0) 

制動装置の作動を開始させた瞬間から停止する瞬間までに車両が走行した距離。 

3.9 

試験速度(test velocity) 

車両最大速度の設計値の90 %を超える速度。 

車両速度が特定の負荷条件又は荷重位置(リフトの高さに依存)において自動的に減少する場合には,

この減少した速度がその負荷条件及び荷重位置での最大走行速度である。 

性能 

4.1 

一般 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

フォークリフトは,それぞれ独立に作用する常用ブレーキ及びパーキングブレーキを備え,走行時基準

負荷状態の性能は4.2及び4.3の規定に従わなければならない。ただし,両ブレーキ装置は同じブレーキ

部品,例えばブレーキシュー,ブレーキドラム及び関連作動部品を使用してもよい。また,常用ブレーキ

がデッドマンブレーキの場合には,常用ブレーキはパーキングブレーキを兼用してもよい。 

制動力については,この規格の規定のほかに労働安全衛生法第42条の規定に基づくフォークリフト構造

規格(昭和47年労働省告示第89号)(以下,フォークリフト構造規格という。)があり,車種・用途など

に応じてこの規定を満足しなければならない。フォークリフト構造規格の規定を,附属書JAに示す。 

4.2 

常用ブレーキ 

常用ブレーキは箇条5の試験条件で,6.1,6.2及び6.3の性能試験に適合しなければならない。 

4.3 

パーキングブレーキ 

パーキングブレーキは,箇条5の試験条件で,6.4の性能試験に適合しなければならない。 

4.4 

ブレーキ操作力及び部材強度 

常用ブレーキ及びパーキングブレーキは,表1に示す運転者の操作力以下で作動しなければならない。

また,表1に示す最小部材強度操作力を加えたとき,ブレーキ性能及び各部材の機能に影響を与える変形

又は破損があってはならない。 

表1−ブレーキ操作力及び最小部材強度操作力 

ブレーキの種類 

常用ブレーキ 

パーキングブレーキ 

最大操作力 

最小部材強度操作力 

最大操作力 

最小部材強度操作力 

フットブレーキ 

450 N 

1 200 N 

− 

− 

足踏み式パーキングブ
レーキ 

− 

− 

450 N 

1 200 N 

デッドマンブレーキa) 

200 N 

開放時:最大スプリングセッ

ト力の200 % 

踏込時:1 800 N 

200 N 

開放時:最大スプリングセ

ット力の200 % 

踏込時:1 800 N 

ハンドブレーキb) 

− 

− 

300 Nd) 

600 N 

ハンドグリップブレー
キb) 

150 N 

300 N 

− 

− 

ステアリングタングブ
レーキc) 

150 N 

900 N 

− 

900 N 

注a) デッドマンブレーキの操作力は,ブレーキペダル作動面の中央の値である。 

b) ハンドブレーキ及びハンドグリップブレーキの操作力は,ハンドレバーの握り部の値である。 

c) ステアリングタングブレーキの操作力は,ハンドグリップの中点でタングを最大ストローク押し下げた位置

の値である。 

d) 規定の勾配が15 %を超える場合は300 Nを超えてもよいが,500 Nを超えてはならない。 

4.5 

蓄積エネルギー装置 

4.5.1 

常用ブレーキの蓄積エネルギー回復能力 

蓄積エネルギーを使う空気作動式常用ブレーキ装置が使用されている場合,車両停止状態,かつ,蓄積

エネルギーの回復に最適なエンジン回転速度において,1分間当たり6回の割合で20回完全にブレーキを

かけたとき,常用ブレーキ装置は,ブレーキのところで測定して,装置の最高圧力の70 %を保持できなけ

ればならない。 

4.5.2 

蓄積エネルギー装置の警告装置 

D 6023:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

蓄積エネルギーを使う常用ブレーキ装置は,蓄積エネルギーが製造業者によって指定された最大作動エ

ネルギーレベルの50 %を下回る前に作動する警告装置を装備していなければならない。警告の表示は運転

者に容易に見え,警告音は連続的に聞こえなければならない。圧力又は真空度を示すゲージはこれらの要

求事項を満たすことにはならない。 

試験条件 

5.1 

一般 

試験は,次の条件で行う。 

a) テストコースは,コンクリート,アスファルト又は同等の表層でできた硬い乾燥路面とする。走行方

向に90°の方向の傾きが2 %以下で,かつ,走行方向の傾きは水平(±0.5 %)とする。 

b) フォークリフトの燃料,冷却水,潤滑及び作動油の量並びにタイヤの空気圧は,そのフォークリフト

に定められた規定値とする。 

c) ブレーキ装置は,十分なすり合せを行う。 

d) フォークリフトは,走行時基準負荷状態とする。 

e) 常用ブレーキの試験に用いる連結器の高さは,地上から900 mm以下とし,水平に取り付ける。 

f) 

サーボ装置付きブレーキをもつフォークリフトの場合は,その装置を作動させる。 

g) 常用ブレーキ性能試験時は,パーキングブレーキを完全に解除し,また,パーキングブレーキ性能試

験時には常用ブレーキを完全に解除する。 

h) 試験中,負荷は車両に固定してもよい。 

i) 

車両質量及び軸荷重配分は,測定し記録しておく。 

j) 

試験直前に,車両のエンジンオイル及びトランスミッションオイルが製造業者の指定する通常の使用

温度になるまで,車両を稼働させておく。 

パーキングブレーキ性能試験及び常用ブレーキ性能試験の開始時には,ブレーキ装置は常温とする。 

k) 各性能試験中,ブレーキ装置に対して調整を行ってはならない。 

5.2 

停止距離試験 

停止距離試験の条件は,次による。 

a) テストコースは,制動前に試験速度に達することができる十分な長さがあり,平たんで一様とする。 

b) 車両のトランスミッションがギヤ比を選択できるとき,試験はそのトランスミッションを規定の試験

速度に対応するギヤ比にして行う。 

c) 車両が完全に停止する前に駆動装置の係合を切ってもよい。 

d) 車両の試験速度はブレーキをかける直前に測定する。 

5.3 

けん引力試験 

けん引力試験の条件は,次による。 

a) けん引力試験は制動力が車速に直接関係する,例えば,電子回生制動装置の車両で行ってはならない。 

b) けん引力を測定するとき,車速は1.6 km/h以下とする。けん引棒は,通常,水平で製造業者が推奨す

る位置に取り付ける。 

c) 常用ブレーキ及びパーキングブレーキが同じ装置である場合を除き,走行操作部品は中立の位置でパ

ーキングブレーキは完全に解除しておく。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

性能試験 

6.1 

常用ブレーキの試験 

6.1.1A 一般 

常用ブレーキは,停止距離又はけん引力の要求事項のいずれかに適合することで,この規格に関する要

求事項を満たすことができる。 

6.1.1 

停止距離 

常用ブレーキ装置は箇条5に規定した試験条件で,表2に示したブレーキをかける地点から測定した停

止距離S0内で車両を完全に停止しなければならない。 

停止距離試験は,次による。 

a) 停止距離の測定は,制御装置の作動を開始させた瞬間に開始する。 

b) ブレーキ装置の停止試験は前進走行中2回,すなわち,コースの各方向で1回(行きに1回,帰りに

1回)及び同様の方法で後進走行中2回行う。各試験走行には,常温ブレーキを使用する。 

c) 前進方向の停止距離及び車速は,コースの各方向で測定された試験結果の平均値とする。後進方向に

おいても同様に平均値の計算をする。 

表2−速度を考慮した停止距離 

グループ 

車両のタイプ 

車速区分v 

km/h 

停止距離S0 

A1 

 
 

16 000 kg未満の定格荷重 
 
 

v≦5 

S0<0.15 v+v 2/23.6 

5<v≦13.4 

S0<0.15 v+v /4.7 

v>13.4 

S0<0.15 v+v 2/63.6 

A2 

 
 

16 000 kg以上の定格荷重 
 
 

v≦5 

S0<0.15 v+v 2/19.1 

5<v≦13.4 

S0<0.15 v+v /3.8 

v>13.4 

S0<0.15 v+v 2/50.9 

1 200 mmを超えて運転操作位置が上昇
する車両及び荷を上げた状態で走行する
よう特別に設計された車両 

v≦5 

S0<0.15 v+v 2/11.4 

5<v≦13.4 

S0<0.15 v+v /2.8 

v>13.4 

S0<0.15 v+v 2/38.1 

ラフテレインフォークリフト 

全車速 

S0<0.15 v+v 2/63.5 

注記 計算式は附属書JBに示す。附属書JBは,ISO/TR 29944の翻訳を記載したものである。ISO/TR 29944は,こ

の規格の対応国際規格で必要とされる停止距離及びけん引力の計算方法について規定している。 

6.1.2 

けん引力 

ブレーキ装置は,箇条5に規定した試験条件で車両をけん引したときの制動力(けん引力)をけん引力

計で測定し,表3の要求事項を満たさなければならない。 

けん引力試験は,前進・後進の両方向において試験する。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表3−車速及び負荷車両の質量を考慮した制動力(けん引力) 

グループ 

車両のタイプ 

車速区分v 

km/h 

車両質量m(kg)を考慮し

た制動力(けん引力)F 

A1 

16 000 kg未満の定格荷重 

v≦5 

F>0.91m 

5<v≦13.4 

F>0.182vm 

v>13.4 

F>2.45m 

A2 

16 000 kg以上の定格荷重 

v≦5 

F>0.73m 

5<v≦13.4 

F>0.146vm 

v>13.4 

F>1.96m 

1 200 mmを超えて運転操作位置が上昇
する車両及び荷を上げた状態で走行する
よう特別に設計された車両 

v≦5 

F>0.44m 

5<v≦13.4 

F>0.110vm 

v>13.4 

F>1.47m 

ラフテレインフォークリフト 

全車速域 

F>2.45m 

注記 計算式は,附属書JBに示す。 

6.1.3 

代替試験手順 

代替試験手順は,加速度計,勾配などを使うような同等の精度を出す他の試験手順を用いてもよい。こ

れらの手順は,停止距離の測定値を参照して確認しなければならない。 

常用ブレーキ及びパーキングブレーキの各性能の適合性を示すために,類似の車両における実際の試験

データによって裏付けされた論理のモデリング又は計算を用いてもよい。 

6.2 

警告装置の試験(蓄積エネルギー装置用) 

警告装置(4.5.2参照)は装置のエネルギーが製造業者の規定最大使用エネルギーレベルの50 %を下回

る前に作動しなければならず,それを保証するための試験を実施しなければならない。 

6.3 

フェード試験 

フェード試験は,次による。 

a) フェード試験は,6.1.1及び6.1.2で要求される試験が行われた後に実施する。 

b) タイヤがスリップしない最大車両減速度又はそれにできるだけ近い減速度で連続4回車両を完全停止

させるため,常用ブレーキをかけてから解除する。各停止後,最大加速してできるだけ早く初速度を

回復しなければならない。連続5回目の停止では停止距離を測定し,その値は6.1.1の停止距離の125 %

を超えてはならない。 

c) b)の代替として,ブレーキ装置は4回の連続したけん引力試験を行うことでもよい。この場合,続く

5回目のけん引力を測定し,6.1.2で報告された制動力の75 %以上でなければならない。 

6.4 

パーキングブレーキの試験 

パーキングブレーキの試験は,次による。 

a) パーキングブレーキの試験は,車両の各走行方向に対して試験しなければならない。 

b) パーキングブレーキは,運転者による操作なしに表4の傾きの路面又は製造業者が規定する勾配のい

ずれか大きい方において,路面上で車両を保持することができる。 

c) 規定の勾配が15 %を超える場合は,パーキングブレーキをかけるハンドレバーの最大操作力は300 N

を超えてもよいが,500 Nを超えてはならない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表4−パーキングブレーキ性能 

単位 % 

適用車両 

勾配 

運転操作位置が1 200 mmを超えて上昇する車両,及び荷を上げた状態で走行
するよう特別に設計された車両 

5  

プラットフォームスタッキングトラック,パレットスタッキングトラック,
オーダピッキングトラック,ストラドルフォークリフト,リーチフォークリ
フト及びマルチディレクショナルフォークリフト 

10  

その他全ての座席式及び立席式のフォークリフト 

15  

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(規定) 

制動装置に関する追加規定 

JA.1 一般 

この附属書は,労働安全衛生法第42条の規定に基づくフォークリフト構造規格の第4条の規定(制動装

置)を記載したものである。 

JA.2〜JA.4の題名の括弧内は,フォークリフト構造規格の条項を示す。 

JA.2 常用ブレーキ及びパーキングブレーキ(第1項) 

フォークリフトは,走行を制動し,及び停止の状態を保持するための制動装置を備えるものでなければ

ならない。 

JA.3 常用ブレーキ(第2項) 

JA.2の制動装置のうち走行を制動するための制動装置は,表JA.1の左欄に掲げるフォークリフトの状

態に応じ,それぞれ,同表の中欄に掲げる制動初速度において同表の右欄に掲げる停止距離以内で当該フ

ォークリフトを停止させることができる性能をもつものでなければならない。 

表JA.1−常用ブレーキ 

単位 m 

フォークリフト
の状態 

制動初速度 

停止距離 

走行時の基準無
負荷状態 

20 km/h(最高速度が20 km/h未満のフォークリフ
トにあっては,その最高速度) 

走行時の基準負
荷状態 

10 km/h(最高速度が10 km/h未満のフォークリフ
トにあっては,その最高速度) 

2.5 

注記 この表において,走行時の基準無負荷状態及び走行時の基準負荷状態とは,フォークリフトの

種類に応じ,それぞれフォークリフト構造規格の前3条の表に掲げる走行時の基準無負荷状態
及び走行時の基準負荷状態をいう(表JA.2において同じ)。 

JA.4 パーキングブレーキ(第3項) 

JA.2の制動装置のうち停止の状態を保持するための制動装置は,表JA.2の左欄に掲げるフォークリフ

トの状態に応じ,それぞれ同表の右欄に掲げる勾配の床面で当該フォークリフトを停止の状態に保持する

ことができる性能をもつものでなければならない。 

表JA.2−パーキングブレーキ 

単位 % 

フォークリフトの状態 

勾配 

走行時の基準無負荷状態 

20 

走行時の基準負荷状態 

15 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JB 

(参考) 

停止距離及びけん引力の計算方法 

JB.1 停止距離の計算方法 

停止距離の計算方法は,制動時間に車両が走行した距離,すなわち,運転者が制動装置の作動を開始し

た瞬間から停止するまでの間に車両が走行した距離を,次の式によって算出する。 

なお,ブレーキ反応時間は大型トラックの値0.54 sを基準として使用する。 

S0=Sr+Sb 

ここに, 

S0: 停止距離(m) 

Sr: ブレーキ反応距離(m) 

Sb: 制動距離(m) 

v

v

t

v

S

×

×

×

0.15

54

.0

600

3

000

1

r

ここに, 

v: 実際の車速(km/h) 

81

.9

100

2

600

3

000

1

2

600

3

000

1

2

b

2

2

m

2

2

m

2

b

×

×

×

×

×

×

C

v

a

v

a

v

S

ここに, 

am: 平均飽和減速度(m/s2) 

ブレーキの性能Cbについては,表JB.1に従う。 

表JB.1−常用ブレーキの性能 

種類 

最高速度v 

km/h 

Cb 

カウンタバランスフォークリフト 
ストラドルフォークリフト 
サイドフォークリフト 
リーチフォークリフト 
 

定格荷重 

16 000 kg未満 

5以下 

9.3 

以上 

5を超え13.4以下 

1.86 v  以上 

13.4を超えるもの 

25 

以上 

定格荷重 

16 000 kg以上 

5以下 

7.5 

以上 

5を超え13.4以下 

1.49 v  以上 

13.4を超えるもの 

20 

以上 

オーダピッキングトラック 
ラテラルスタッキングフォークリフト 

4未満 

 4 

以上 

4以上13.4以下 

 1 

以上 

13.4を超えるもの 

 9 

以上 

ラフテレインフォークリフト 

全速度域 

25 

以上 

JB.1.1 最高速度による分類 

最高速度による停止距離は,次による。 

a) 5 km/h以下の車速の場合,質量比としての平均減速度は,Cb=9.3 %で一定である。 

6.

23

81

.9

100

3.9

2

600

3

000

1

2

2

2

b

v

v

S

×

×

×

10 

D 6023:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この速度範囲での停止距離は次のようになる。 

6.

23

15

.0

2

b

0

v

v

S

S

S

×

b) 車速が5 km/hを超え13.4 km/h以下の場合,平均減速度はCb=1.86 vから変化する。 

7.4

81

.9

100

86

.1

2

600

3

000

1

81

.9

100

2

600

3

000

1

2

2

b

2

2

b

v

v

v

C

v

S

×

×

×

×

×

×

×

この速度範囲での停止距離は次のようになる。 

7.4

15

.0

0

v

v

S

×

c) 13.4 km/hを超える車速の場合,質量比としての平均減速度は,Cb=25 %で一定である。 

6.

63

81

.9

100

25

2

600

3

000

1

2

2

2

b

v

v

S

×

×

×

車速が13.4 km/hを超える場合の停止距離は次のようになる。 

6.

63

15

.0

2

0

v

v

S

×

JB.2 けん引力の計算方法 

けん引力の計算方法は,車両をけん引しそのときの制動力(けん引力)を次の式によって算出する。 

F=m×a 

100

b

×

×g

m

F

C=

100

bg

×

×C

m

F=

ここに, 

Cb: 平均減速度(%) 

F: 制動力(N) 

m: 負荷車両の総質量(kg) 

g: 自由落下の標準加速度(m/s2)(g=9.81 m/s2) 

最高速度による制動力は,次による。 

a) 5 km/h以下の車速の場合,質量比としての平均減速度は,Cb=9.3 %で一定である。 

91

.0

100

81

9

3.9

100

b

×

×

×

×

×

m

.

m

C

m

F

g

b) 車速が5 km/hを超え13.4 km/h以下の場合,平均減速度は車速Cb=1.86 vから変化する。 

v

m

v

m

F

×

×

×

×

×

182

.0

100

81

.9

)

86

.1(

c) 13.4 km/hを超える車速の場合,質量比としての平均減速度は,Cb=25 %で一定である。 

45

.2

100

81

9

25

100

b

×

×

×

×

×

m

.

m

C

m

F

g

11 

D 6023:2012  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考文献 ISO/TR 29944,Powered industrial trucks and tractors−Brake Performance−Determination of 

measurement procedures 

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JC 

(参考) 

JISと対応国際規格との対比表 

JIS D 6023:2012 フォークリフトトラック−ブレーキ性能及び試験方法 

ISO 6292:2008 Powered industrial trucks and tractors−Brake performance and 
component strength 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1適用範
囲 

全ての定格荷重のフ
ォークリフトについ
て規定。 

動力付産業車両及びけん
引力20 000 N以下の産業
用トラクタについて規
定。 

変更 

フォークリフトに限定した。 

フォークリフト構造規格との関
係からフォークリフトに限定し
た。 

2 引用規
格 

4性能 

常用ブレーキ及びパ
ーキングブレーキの
装備及び制動力につ
いて規定。 

JISとほぼ同じ 

追加 

常用ブレーキがデッドマンブ
レーキの場合には,常用ブレー
キはパーキングブレーキを兼
用してもよい旨を追加し,また
強制法規との関連について追
加した。 

フォークリフト構造規格との関
係を明確にした。 

5試験条
件 

テストコース及び車
両条件について規
定。 

JISとほぼ同じ 

変更 

5.1のb),c),e)及びg)を変更
した。 

ISO 6292 及びフォークリフト構
造規格の要求事項を明確にした。 

6性能試
験 

常用ブレーキ及びパ
ーキングブレーキの
停止距離及び制動力
を測定し,規定され
た要求事項への適応
の有無について規
定。 

JISとほぼ同じ 

追加 

表2及び表3の注記で附属書と
の関係を明確にした。実質的な
差異はない。 

− 

1

2

D

 6

0

2

3

2

0

1

2

background image

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II) 
国際規
格番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(V)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び題名 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

附属書JA 
(規定) 

制動装置に関する追
加規定。 

− 

追加 

強制法規であるフォークリフ
ト構造規格を追加した。 

ISO 6292附属書の追加要求事項
を明確にした。 

附属書JB 
(参考) 

停止距離及びけん引
力の計算方法。 

− 

追加 

この規格の理解を図るため参
考としてISO/TR 29944を翻訳
して記載した。 

− 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6292:2008,MOD 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 追加……………… 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更……………… 国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 

1

3

D

 6

0

2

3

2

0

1

2