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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5812-1994 

自動車用イグニションスイッチ付き 

ステアリングロック 

Steering locks with ignition switches for automobiles 

1. 適用範囲 この規格は,自動車の盗難防止装置としてステアリングシャフトをキーにより施錠,開錠

されるイグニションスイッチ付きステアリングロック(以下,ステアリングロックという。)について規定

する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS D 0201 自動車部品の電気めっき通則 

JIS D 1601 自動車部品振動試験方法 

JIS D 5806 自動車用スタータスイッチ 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. 種類及び記号 ステアリングロックの種類及び記号は,ステアリングロックの切換段数による形式(図

1参照),接続負荷別最大負荷,切換接続回路,接続端子及び端子記号により区分し,表1に示すとおりと

する。 

図1 

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D 5812-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表1 

種類 形式 

記号(1) 

負荷の高低及び切換接続回路(3) 

接続端子,端子記号及び接続最大負荷W 

蓄電池 イグニシ

ョンコイ
ル 

イグニショ
ンコイル
(始動時) 

スタータリ
レー又はス
タータマグ
ネチックコ
イル 

ラジオ,冷
暖房器など 

IG 

R(2) 

ST 

ACC 

1種 3段式 1LA, 1LB 低負荷用切換接続回路A及びB

− 

120 

− 

120 

120 

1LC, 1LD 低負荷用切換接続回路C及びD

− 

120 

60 

120 

120 

1MA, 1MB 中負荷用切換接続回路A及びB

− 

240 

− 

120 

240 

1MC, 1MD 中負荷用切換接続回路C及びD

− 

240 

60 

120 

240 

1HA, 1HB 高負荷用切換接続回路A及びB

− 

300 

− 

180 

300 

1HC, 1HD 高負荷用切換接続回路C及びD

− 

300 

60 

180 

300 

2種 4段式 2LB 

低負荷用切換接続回路B 

− 

120 

− 

120 

120 

2LC, 2LD 低負荷用切換接続回路C及びD

− 

120 

60 

120 

120 

2MB 

中負荷用切換接続回路B 

− 

240 

− 

120 

240 

2MC, 2MD 中負荷用切換接続回路C及びD

− 

240 

60 

120 

240 

2HB 

高負荷用切換接続回路B 

− 

300 

− 

180 

300 

2HC, 2HD 高負荷用切換接続回路C及びD

− 

300 

60 

180 

300 

注(1) Lは低負荷用,Mは中負荷用,Hは高負荷用,A,B,C及びDは切換接続回路記号を示す。 

(2) 始動時に抵抗を通さずにイグニションコイルへ接続する端子。 
(3) 切換接続回路は表3による。 

3. 性能 

3.1 

本体及び取付部強さ ステアリングロックの本体及び取付部は堅ろうで容易に破壊できないもので

あって,これを正規の使用状態に取り付け,ステアリングシャフトをロック状態にして,200N・mのトル

クをステアリングシャフトに加えても機能に異常がないものとする。 

なお,トルクは左右両方向に各20秒間加える。 

3.2 

キーの強さ キーをキーシリンダに正常にそう入した状態で,つまみ部に2.0N・mのトルクを10秒

加えたとき著しい変形があってはならない。 

3.3 

端子の強さ イグニションスイッチ本体に直接取り付けられた端子はリード線の接続の向きに,リ

ード線付きのものはリード線引出し方向へ50Nの力で1分間引っぱっても有害な変形,がた及びその他の

異常があってはならない。 

3.4 

絶縁抵抗 スイッチ部分の絶縁抵抗は,JIS D 5806の3.1(絶縁抵抗)の規定を満足しなければなら

ない。 

3.5 

接触抵抗 スイッチ部分の接触抵抗は,JIS D 5806の3.2(接触抵抗)の規定を満足しなければなら

ない。 

3.6 

耐温度性 ステアリングロックは−30〜80℃の温度範囲において異常を生じないものとし,−20〜

60℃の温度範囲で作動させたとき正常でなければならない。 

なお,スイッチ部の接触抵抗は,JIS D 5806の耐久検査前の値を満足しなければならない。 

3.7 

温度上昇 スイッチ部の温度上昇は,JIS D 5806の3.4(温度上昇)の規定を満足しなければならな

い。 

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D 5812-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.8 

耐振性 キーを走行位置において,JIS D 1601の5.3(振動耐久試験方法)の(1)に規定する段階4に

よる試験を行ったとき,接点の接触ふらつき,キーの移動ロック構成部分の破損,き裂及び有害な異常音

を生じてはならない。 

3.9 

耐久性 ステアリングロックを通常の使用状態において表2の試験条件による試験を行ったとき,

各部に異常がなく,また,スイッチ部分は,JIS D 5806の3.6(耐久性)を満足しなければならない。 

なお,作動は,キー差し込み(LOCK位置)→START位置→LOCK位置→キーを抜く の操作を1回と

する。 

表2 

項目 

試験条件 

作動回数 

毎分10〜20回で25 000回 

試験電圧 

14.0±0.5V 

端子負荷電流 

負荷は電球又は実負荷とする。 

4. 構造 

4.1 

一般構造 ステアリングロックの構造はキーにより操作され,機械的な作動によりステアリングシ

ャフトにロックピンが係合するものであって,また,イグニションスイッチが運動するもので,キーが1

段目の停止位置まで回されたとき開錠されるものとする。 

また,ON位置から施錠する場合,キーの単に回転操作だけでは施錠しない構造とする。施錠されたも

のは,キーを用いる以外には容易に開錠できない構造とする(付図1,2参照)。 

4.2 

切換接続回路 スイッチの切換接続回路は表3に示すとおりとする。 

表3 

注(4) 表中の破線は,切換途中でオーバーラップしていることを示す。 
備考 表の接続回路は基本的なものを示し,その他の接続回路をもつものもある。 

4.3 

キーの組合せ種類数 キーの組合せ種類数は1 000以上とする。 

D 5812-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4.4 

操作,節度及び自動もどり キーによる操作は滑らかで停止すべき正しい位置(図に示すキー位置

でSTARTを除く各位置。以下,位置という。)を手ごたえで容易に感知できるものとする(以下,節度と

いう。)。 

各停止位置の中間においては有害な引掛り,きしみ,がたなどがないものとし,その操作の最大トルク

は0.15〜0.40N・mとする。ON位置から時計方向に回して停止する位置 (START) まで滑らかに回転するも

ので,この間で手を離したときON位置まで確実に自動的にもどらなければならない。 

なお,このときの最大トルクは0.65N・m以下とする。 

4.5 

キーの遊び角度 ステアリングロックの外わくに対して,キーの各停止位置における遊び角度は

15°以下とする。 

4.6 

ロックピンの有効ストローク ロックピンの有効ストローク(5)は5mm以上とする。 

注(5) 有効ストロークは付図1及び付図2による。 

4.7 

取付け ステアリングロックをロック状態にしたとき,本体は車両取付状態で特殊な道具を使用す

る以外は容易に取り外しができない構造でなければならない。 

5. 外観 ステアリングロックの外観は機能上有害な傷,割れ,でこぼこ,さびなどの欠点があってはな

らない。 

6. めっき ステアリングロックに施すめっきは,JIS D 0201による。 

7. 検査 

7.1 

検査項目 検査項目は次のとおりとする。 

(1) 性能検査 

(2) 構造検査 

(3) 外観検査 

(4) めっき検査 

(5) 表示検査 

7.2 

検査条件 

7.2.1 

検査場所の標準状態 特に指定がなければ,原則としてJIS Z 8703による常温・常湿とする。 

7.2.2 

測定用電気計器 電圧計及び電流計は,JIS C 1102に規定する0.5級以上,絶縁抵抗計は,JIS C 1302

に規定する500V用のものを使用する。 

7.2.3 

検査電圧 特に指定がなければ検査電圧は12Vとする。 

7.2.4 

検査電流 特に指定がなければ検査電流は10Aとする。 

7.2.5 

検査負荷 特に指定がなければ抵抗負荷(電球を含む。)を用いる。 

7.3 

性能検査 

7.3.1 

本体及び取付部強さ 本体及び取付部強さは3.1の規定に適合しなければならない。 

7.3.2 

キーの強さ キーの強さは3.2の規定に適合しなければならない。 

7.3.3 

端子の強さ 端子の強さは3.3の規定に適合しなければならない。 

7.3.4 

絶縁抵抗検査 絶縁抵抗は3.4の規定に適合しなければならない。 

7.3.5 

接触抵抗検査 接触抵抗は3回測定し,その平均値が3.5の規定に適合しなければならない。 

7.3.6 

耐温度検査 

D 5812-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) ステアリングロックを低温槽に入れ,キーをLOCK位置にし,キーを抜かない状態で槽内の周囲温度

を−30℃に下げ,ほぼ安定してから約60分間保持し,次いで温度を徐々に−20℃まで上げる。周囲温

度がほぼ安定した後,更に約30分間保持してからスイッチのキーを10回作動させて作動検査を行い,

3.6の規定に適合しなければならない。 

(2) ステアリングロックを高温槽に入れ,キーをLOCK位置にし,キーを抜かない状態で槽内の周囲温度

を80℃に上げ,ほぼ安定してから約60分間保持し,次いで温度を徐々に60℃まで下げる。周囲温度

がほぼ安定した後,更に約30分間保持してからスイッチのキーを10回作動させて作動検査を行い,

3.6の規定に適合しなければならない。 

7.3.7 

温度上昇検査 スイッチ部の温度上昇は3.7の規定に適合しなければならない。 

なお,測定は端子の最も接点に近い箇所で熱電対を使用して行う。 

7.3.8 

耐振検査 耐振性は3.8の規定に適合しなければならない。 

備考 ステアリングロックの左右方向へ振動を加える場合,正規の使用状態の取付けに対してスイッ

チの左右方向の向きを90°回転させて,もとの左右方向が垂直となるようにして上下振動を加

えても良い。 

7.3.9 

耐久検査 耐久性は3.9の規定に適合しなければならない。ただし,接触抵抗の測定は3回行い,

その平均値を取る。 

7.4 

構造検査 構造は4.の規定に適合しなければならない。 

7.5 

外観検査 外観は目視で検査を行い,5.の規定に適合しなければならない。 

7.6 

めっき検査 めっきは6.の規定に適合しなければならない。 

7.7 

表示検査 表示は9.の規定に適合しなければならない。 

8. 製品の呼び方 ステアリングロックの呼び方は規格名称又は規格番号,及び種類又は記号による。 

例 自動車用ステアリングロック1種低負荷用切換接続回路A又は,JIS D 5812 ILA 

9. 表示 ステアリングロックには単体として見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を明りょ

うに表示しなければならない。 

(1) 製造業者名又はその略号 

(2) 製造年月又はその略号 

(3) 端子記号(多極コネクタ付きのものは表示しなくてもよい。) 

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D 5812-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図1 

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D 5812-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図2 

D 5812-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

自動車部会 ステアリング施錠装置専門委員会 構成表(昭和51年3月1日制定のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

岩 崎   賢 

工業技術院機械技術研究所 

宇 野 則 義 

運輸省自動車局 

逢 坂 国 一 

工業技術院標準部 

富 永 孝 雄 

通商産業省機械情報産業局 

清 水 哲 二 

株式会社東海理化電機製作所 

内 山   淳 

ナイルス部品株式会社 

軽 部 宗 一 

関東精器株式会社 

下 村 貞 美 

有信精器工業株式会社 

田 辺   清 

社団法人日本自動車部品工業会 

宮 川 昭 一 

トヨタ自動車工業株式会社 

原 田 昭 三 

三菱自動車工業株式会社 

末 田 俊 雄 

東洋工業株式会社 

渡 辺 顕 一 

日産自動車株式会社 

近 田 隆 愛 

株式会社本田技術研究所 

(事務局) 

村 里 利 明 

工業技術院標準部機械規格課 

(事務局) 

笹 尾 照 夫 

工業技術院標準部機械規格課(平成6年9月1日改正のとき)