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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5811-1994 

自動車用ハザードウォーニング 

スイッチ性能検査 

Inspection of hazard warning switches for automobiles 

1. 適用範囲 この規格は,自動車に用いるハザードウォーニングスイッチ(以下,スイッチという。)の

性能検査方法及び判定基準について規定する。 

備考1. このスイッチはプッシュプル式,スライド式及びトグル式(シーソ式を含む。)で,使用負荷

が175W以下のものをいう。 

2. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS D 1601 自動車部品振動試験方法 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. 検査 

2.1 

検査項目 検査項目は,次のとおりとする。 

(1) ノブのストローク検査 

(2) ノブの操作検査 

(3) 強さ検査 

(4) 接触抵抗検査 

(5) 絶縁抵抗検査 

(6) 耐振検査 

(7) 耐温度検査 

(8) 温度上昇検査 

(9) 通電検査 

(10) 耐久検査 

2.2 

検査条件 

2.2.1 

検査場所の標準状態 JIS Z 8703に規定する常温,常湿とする。 

2.2.2 

測定用電気計器 電圧計及び電流計はJIS C 1102に規定する0.5級以上,絶縁抵抗計はJIS C 1302

に規定する500Vのものを使用する。 

2.2.3 

スイッチの取付け スイッチは,試験台上に正規の使用状態に近い姿勢で取り付ける。 

2.3 

検査方法 

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D 5811-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.3.1 

ノブの作動検査方法 ノブの作動検査方法は,ノブをOFF位置からON位置まで操作したときの

ストローク又は作動角度を測定する。 

2.3.2 

ノブの操作検査方法 ノブの操作検査方法は次による。 

(1) 操作力 ノブの操作力は,ノブを操作するために必要な最大荷重で表し,ノブがOFF位置からON位

置及びON位置からOFF位置に移動するに要する最大荷重をそれぞれ3回測定し,その平均値をとる。 

(2) 節度感 ノブの節度感は,ノブをOFF位置からON位置及びON位置からOFF位置に手で操作して

調べる。 

2.3.3 

強さ検査方法 強さ検査方法は次による。 

(1) リード線の取付強さ リード線の取付強さは,リード線を正規の使用状態と同様に線束にしてリード

線の引出し方向へ静荷重50Nを1分間加えて行う。 

(2) ノブ及びシャフトの強さ ノブ及びシャフトの強さは,図1に示すようにノブの先端付近に垂直静荷

重 (W ) 50Nを1分間加えて行う。 

図1 ノブ及びシャフトの強さ荷重点 

(3) 取付部の強さ 取付部の強さは,スイッチを正規の使用状態に取り付け,本体先端へ垂直静荷重50N

を1分間加えて行う。 

2.3.4 

接触抵抗検査方法 接触抵抗検査方法は,スイッチONの状態で表1の電圧で指定された最大負荷

を加え,入力端子と出力端子間又はリード線付のスイッチについては,それぞれ端子からリード線が約

80mm出た点でスイッチの接触抵抗による電圧降下を3回測定し,その平均値で表す。 

表1 

単位 V 

公称電圧 

12 

24 

検査電圧 

13.0 

26.0 

2.3.5 

絶縁抵抗検査方法 絶縁抵抗検査方法はノブのOFF位置及びON位置において,それぞれ導通し

ていない各端子間及び各端子とほかの導電部材との間の絶縁抵抗を測定する。 

2.3.6 

耐振検査方法 耐振検査方法はJIS D 1601の5.3(振動耐久試験方法)の(1)(共振がない場合)に

規定する段階4により試験を行う。ただし,ノブのOFF位置及びON位置について,それぞれ行うものと

し,加振時間は表2による。 

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D 5811-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表2 

単位 h 

ノブの位置 

振動方向 

上下 

左右 

前後 

OFF位置 

1.5 

1.5 

   ON位置 

0.5 

0.5 

2.3.7 

耐温度検査方法 耐温度検査方法は次による。 

(1) 低温及び高温作動 

(a) スイッチを低温槽に入れ,ノブをOFF位置に置き,槽内の周囲温度を−30±2℃に下げ,ほぼ安定

してから約60分間保持し,温度を徐々に−20±2℃まで上げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に

30分間保持してからスイッチの切換操作を10回行う。 

(b) スイッチを高温槽に入れ,ノブをOFF位置に置き,槽内の周囲温度を80±2℃に上げ,ほぼ安定し

てから約60分間保持し,温度を徐々に60±2℃まで下げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に30

分間保持してからスイッチの切換操作を10回行う。 

(2) 温度サイクル スイッチを低温槽に入れ,槽内の周囲温度を−30±2℃まで下げ,ほぼ安定してから約

60分間保持したのち,槽から取り出し,30分間室温に放置し,次にスイッチを高温槽に入れ,槽内の

周囲温度を80±2℃まで上げ,ほぼ安定してから約60分間保持した後,槽から取り出し,30分間室温

に放置することを1サイクルとし,これを3サイクル繰り返し行う。 

2.3.8 

温度上昇検査方法 温度上昇検査方法は,ノブのON位置において2.3.4と同じ負荷を加え各部の

温度がほぼ安定した後,導電部の温度を熱電対を用いて測定する。 

2.3.9 

耐連続点灯検査方法 耐連続点灯検査方法はノブをON位置に置き,表3に示す試験電圧及び端子

負荷で1時間連続通電して行う。 

2.3.10 耐久検査方法 耐久検査方法は,スイッチを耐久試験機台上に取り付け,OFF→ON→OFFの操作

を1回とし,表3に示す条件で試験を行う。このときスイッチにフラッシャが含まれているもの以外はフ

ラッシャを回路に入れない。ただし,ターンシグナルスイッチと一体の構造のものについては,ターンシ

グナルレバーは原則としてニュートラル位置に置いて行うものとする。 

表3 

項目 

試験条件 

試験電圧 
(電球端子間) 

公称電圧12Vのものは14±0.5V 

公称電圧24Vのものは28±1.0V 

負荷 

指定された最大負荷 

繰返し作動速度 

10〜30回/分 

ノブの移動時間 (1) 

0.1〜0.5秒 

ノブの停止時間 (2) 

0.4秒以上 

試験回数 

10 000回 

注(1) 試験装置の作動体がノブに接触し,ノブがOFF

位置からON位置,又はON位置からOFF位置に
移るまでの時間。 

(2) ノブが停止位置で停止している時間。 

2.4 

判定基準 

2.4.1 

ノブの作動量 ノブの作動量は,2.3.1の方法で検査したとき,指定された長さに対して±1mm又

は操作角度に対して±5°の範囲内になければならない。 

2.4.2 

ノブの操作 ノブの操作は次による。 

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D 5811-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(1) 操作力 操作力は2.3.2(1)の方法で検査したとき,5〜35Nの範囲内になければならない。 

(2) 節度感 スイッチは2.3.2(2)の方法で検査したとき,操作は滑らかで,停止位置が手ごたえで容易に感

知でき,それぞれの停止位置の中間においては引っかかり,きしみ,がたなどがあってはならない。 

2.4.3 

強さ リード線の取付強さと,ノブ及びシャフトの強さは次による。 

(1) リード線の取付強さは,2.3.3(1)の方法で検査したとき,有害な変形,端子固定部のがた及び接続回路

に異常があってはならない。 

(2) ノブ及びシャフトの強さは2.3.3(2)の方法で検査したとき,ノブの破損,脱落,シャフトの曲がり及び

接続回路などスイッチの機能に異常が生じてはならない。 

(3) 取付部の強さは,2.3.3(3)の方法で検査したとき,取付部に著しい変形,破損などの異常が生じてはな

らない。 

2.4.4 

接触抵抗 接触抵抗による電圧降下は2.3.4の方法で検査したとき,表4に示す値以下でなければ

ならない。 

表4 

単位 V 

項目 

電圧降下 

耐久検査前 

0.15 

耐久検査後 

0.25 

2.4.5 

絶縁抵抗 絶縁抵抗は2.3.5の方法で検査したとき,1MΩ以上でなければならない。 

2.4.6 

耐振性 スイッチは2.3.6の方法で検査したとき,接点の接触ふらつき及び有害な異常音がなく,

振動を加えた後の操作力は2.4.2(1)に,接触抵抗は2.4.4の耐久検査前の値に,絶縁抵抗は2.4.5の規定にそ

れぞれ適合しなければならない。 

2.4.7 

耐温度性 スイッチは2.3.7(1)の方法で検査した後の操作力は2.4.2(1)に,ノブの強さは2.4.3(2)に,

接触抵抗は2.4.4の耐久検査前の値に,絶縁抵抗は2.4.5の規定に適合しなければならない。 

また,2.3.7(2)の方法で検査したとき,各部に有害な変形及びき裂を生じてはならない。 

2.4.8 

温度上昇 スイッチの温度上昇は2.3.8の方法で検査したとき,導電部の温度と負荷を加える前の

温度との差は,表5に示す値以下でなければならない。 

表5 

単位 ℃ 

接触部の種類 

温度差 

自力接触 

銅又は銅合金 

30 

銀又は銀合金 

50 

他力接触 

銅又は銅合金 

40 

銀又は銀合金 

65 

備考1. 自力接触とは,接触部の弾性などによって

導電部の一部又は全部によって接触圧力
が生じるような構造のものをいう。 

2. 他力接触とは,接触部における導電部分は

単に通電を目的とし,接触圧力が,通電を
目的としない他の弾性体(例えば,ばね鋼
のばね)に依存するような構造のものをい
う。 

3. 自力,他力両効果のある構造で,自力接触

の効果が失われても他力で十分接触効果
のあるものは,他力接触とみなす。 

D 5811-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2.4.9 

耐連続点灯性 スイッチは2.3.9の方法で検査したとき,異常がなく,1時間点灯した後の接触抵

抗は2.4.4の耐久検査前の値に,絶縁抵抗は2.4.5の規定に適合しなければならない。 

2.4.10 耐久性 スイッチは2.3.10の方法で検査したとき,各部に異常がなく,操作力は検査前の±40%に,

接触抵抗は2.4.4に,絶縁抵抗は2.4.5の規定に適合しなければならない。 

D 5811-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

自動車部会 自動車用スイッチ専門委員会 構成表(昭和49年5月1日制定のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

岩 崎   賢 

工業技術院機械技術研究所 

飯 塚 良 政 

運輸省自動車局 

北 村 光 三 

通商産業省工業品検査所 

竹 内 健 二 

工業技術院標準部 

中 村 泰 男 

通商産業省機械情報産業局 

海老名 秀 澄 

株式会社エビナ電機製作所 

清 水 哲 二 

株式会社東海理化電機製作所 

下 村 美 貞 

有信精器工業株式会社 

鈴 本 作 良 

社団法人日本自動車部品工業会 

豊 島 正 雄 

山口電機工業株式会社 

中 野 貞 雄 

ナイルス部品株式会社 

天 野 康 彦 

トヨタ自動車工業株式会社 

荒 木 昌 信 

富士重工業株式会社 

芋 田   勉 

日本国有鉄道自動車局 

小 川   隆 

日野自動車工業株式会社 

阪 下 広 治 

ダイハツ工業株式会社 

末 田 俊 雄 

東洋工業株式会社 

関 口   浩 

日産ディーゼル工業株式会社 

高 山 英 一 

三菱自動車工業株式会社 

近 田 隆 愛 

株式会社本田技術研究所 

豊 田 益 見 

いすゞ自動車株式会社 

中 村   清 

明治産業株式会社 

永 沢   治 

京王帝都電鉄株式会社 

渡 辺 顕 一 

日産自動車株式会社 

(専門委員) 

井 田   孝 

工業技術院標準部機械規格課 

(関係者) 

栂 村 正 信 

富士電器株式会社 

長 尾 雅 利 

自動車電機工業株式会社技術部 

萩 谷 利 雄 

松下電器産業株式会社機構部品事業部 

(事務局) 

横 溝 眞一郎 

工業技術院標準部機械規格課 

柾 谷 栄 吾 

工業技術院標準部機械規格課 

(事務局) 

笹 尾 照 夫 

工業技術院標準部機械規格課(平成6年9月1日改正のとき)