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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5808-1994 

自動車用機械式 

ストップランプスイッチ 

Mechanical stop lamp switches for automobiles 

1. 適用範囲 この規格は,自動車のブレーキ装置が作動するとき機械的に連動してストップランプを点

灯させるスイッチ(以下,スイッチという。)について規定する。ただし,二輪自動車用には適用しない。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS B 1181 六角ナット 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS C 1302 絶縁抵抗計 

JIS C 7506 自動車用電球 

JIS D 0201 自動車部品の電気めっき通則 

JIS D 0203 自動車部品の耐湿及び耐水試験方法 

JIS D 1601 自動車部品振動試験方法 

JIS D 5403 自動車用電線端子 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

2. 種類及び記号 スイッチの種類及び記号は,最大使用灯数,公称電圧及び全ストロークによって区分

し,表1に示すとおりとする。 

表1 

種類 

記号 

最大使用灯数(1) 

公称電圧 

全ストローク 

mm 

1種 

1A4 

12 

1A6 

2種 

2A4 

12 

2A6 

2B4 

24 

2B6 

3種 

3A4 

12 

3A6 

3B4 

24 

3B6 

注(1) 最大使用灯数の電球は,JIS C 7506に規定するM2972又は

M2964とする。 

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D 5808-1994  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. 構造 

3.1 

一般構造 スイッチは,できるだけ取扱いが簡単で,堅ろうなものとし,使用中各部が緩まないよ

うにしなければならない。 

3.2 

作動機構 スイッチは,ブレーキ装置と機械的に連動されるもので,プッシュロッドの指定された

ストローク範囲で電気回路がON(ストップランプが点灯)となり,プッシュロッドの指定されたストロ

ークを超えたときに電気回路がOFF(ストップランプが消灯)となる機構とする。 

3.3 

形状及び寸法 スイッチの形状及び主要寸法は,付図1に示すとおりとする。 

3.4 

端子の強さ 本体に直接取り付けられた端子は接続の向きに,またリード線付きのものはリード線

の方向へ静荷重50Nを1分間加えても,有害な変形,端子固定部のがた及びその他に異常が生じてはなら

ない。 

4. 材料及びめっき スイッチの主要部の材料及びめっきは,原則として表2に示すとおりとする。 

なお,めっきはJIS D 0201の規定による。 

表2 

部品名 

材料 

めっき 

取付ねじ 

軟鋼又はアルミニウム 

軟鋼の場合 MFZn5 

接点 

銅又は銅合金,銀又は銀合金 

− 

ケース 

軟鋼,アルミニウム又は合成樹脂 

軟鋼の場合 MFZn5 

端子 

銅又は銅合金 

− 

ばね 

ピアノ線,硬鋼線又はステンレス鋼線 

− 

絶縁体 

耐熱・耐衝撃性合成樹脂 

− 

プッシュロッド 

軟鋼又は耐熱・耐衝撃性合成樹脂 

軟鋼の場合 MFZn5 

備考 MFZn5の場合には,クロメート処理B又はCを施す。 

5. 性能 

5.1 

絶縁抵抗 スイッチのプッシュロッドを全ストローク押した状態で,端子間及び端子とケースとの

間の絶縁抵抗は,常温・常湿の状態において1 MΩ以上でなければならない。 

5.2 

接触抵抗 スイッチのプッシュロッドを押さない状態で,端子間に表1に示す最大使用灯数の負荷

を加えたときの接触抵抗による電圧降下は,表3に示す値以下でなければならない。 

表3 

単位 V 

項目 

1種及び2種 

3種 

耐久検査前 

0.15 

0.20 

耐久検査後 

0.25 

0.30 

5.3 

作動 スイッチは,プッシュロッドを全ストローク押した状態において3.0〜15.0Nの力を加えたと

き作動しなければならない。 

なお,プッシュロッドの全ストロークは表1,また,スイッチONのときのストロークは2±1mmとす

る。 

5.4 

耐温度性 スイッチは,−30〜80℃の温度範囲において各部に異常がなく,−20〜60℃の温度範囲

で作動しなければならない。 

また,接触抵抗は5.2に規定する耐久検査前の値を,作動荷重は5.3の規定を満足しなければならない。 

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D 5808-1994  

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5.5 

耐水性 防水を必要とするスイッチは,JIS D 0203に規定するR2の試験を行い,常温・常湿の状態

に24時間放置した後,絶縁抵抗が5.1の規定を,接触抵抗は5.2に規定する耐久検査前の値を満足しなけ

ればならない。 

5.6 

温度上昇 スイッチのプッシュロッドを押さない状態で,端子間に表1に示す最大使用灯数の負荷

を加え,各部の温度がほぼ一定となったときの導電部の温度と,負荷を加える前の温度との差は,表4に

示す値以下でなければならない。 

表4 

単位 ℃ 

接触部の種類 

温度差 

自力接触 

銅又は銅合金 

30 

銀又は銀合金 

50 

他力接触 

銅又は銅合金 

40 

銀又は銀合金 

65 

備考1. 自力接触とは,接触部の弾性などによって導

電部分の一部又は全部によって接触圧力が
生じるような構造のものをいう。 

2. 他力接触とは,接触部における導電部分が単

に通電を目的とし,接触圧力が,通電を目的
としない他の弾性体(例えば,ばね鋼のばね)
に依存するような構造のものをいう。 

3. 自力,他力両効果のある構造で,自力接触の

効果が失われても他力で十分接触効果のあ
るものは,他力接触とみなす。 

5.7 

耐振性 スイッチのON状態及びOFF状態において,JIS D 1601に規定する段階4Gの試験を行っ

たとき,接点の接触ふらつき及び有害な異常音を生じてはならない。 

また,試験後,接触抵抗は,5.2に規定する耐久検査前の値を,作動は,5.3の規定を満足しなければな

らない。 

5.8 

耐久性 スイッチは,通常の使用状態において,作動回数700 000回以上使用できるもので,5.1〜

5.3の規定を満足しなければならない。 

6. 検査 

6.1 

形式検査 形式検査は,新規の設計製作によるスイッチが設計どおりの性能を発揮するかどうか,

又は新規の受渡しに際し,設計仕様どおりの性能を発揮するかどうかを知るために行うもので,次の各項

目について行い,同一試験品で全部の検査に合格しなければならない。ただし,構造検査のうちの端子の

強さ,材料検査及び耐温度検査は,別の試験品で行ってもよい。 

(1) 構造検査 

(2) 材料検査 

(3) 絶縁抵抗検査 

(4) 接触抵抗検査 

(5) 作動検査 

(6) 耐温度検査 

(7) 耐水検査 

(8) 温度上昇検査 

D 5808-1994  

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(9) 耐振検査 

(10) 耐久検査 

(11) 表示検査 

6.2 

受渡し検査 受渡し検査は,形式検査に合格した同一形式のスイッチを製造又は受渡しする際に行

うもので,同一試験品について,次の各項目全部の検査に合格しなければならない。ただし,構造検査の

うち,端子の強さについては検査を行わない。 

また,受渡し当事者間の協定によって,検査項目の一部を省略してもよい。 

(1) 構造検査 

(2) 絶縁抵抗検査 

(3) 作動検査 

(4) 表示検査 

6.3 

検査条件 

6.3.1 

検査場所の標準状態 特に指定がない限り,原則としてJIS Z 8703に規定する常温・常湿とする。 

6.3.2 

測定用電気計器 電圧計及び電流計は,JIS C 1102に規定する0.5級以上,絶縁抵抗計はJIS C 1302

に規定する500V用のものを使用する。 

6.3.3 

検査電圧 特に指定がなければ,検査端子電圧は12Vとする。 

6.3.4 

検査負荷 特に指定がなければ,JIS C 7506に規定するM2972の電球2個,4個又は6個を使用す

る。 

6.4 

検査方法及び判定基準 

6.4.1 

構造検査 構造は,3.の規定に適合しなければならない。 

6.4.2 

材料検査 材料は,4.の規定に適合しなければならない。 

6.4.3 

絶縁抵抗検査 絶縁抵抗は,5.1の規定に適合しなければならない。 

6.4.4 

接触抵抗検査 接触抵抗は,3回測定し,その平均値が5.2の規定に適合しなければならない。 

6.4.5 

作動検査 作動は,5.3の規定に適合しなければならない。 

6.4.6 

耐温度検査 

(1) スイッチを低温槽に入れ,プッシュロッドを押さない状態で槽内の周囲温度を−30℃に下げ,ほぼ安

定してから約60分間保持し,温度を徐々に−20℃まで上げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に約

30分間保持してから全ストロークを10回作動させた後,作動検査を行い,5.4の規定に適合しなけれ

ばならない。 

(2) スイッチを高温槽に入れ,プッシュロッドを押さない状態で槽内の周囲温度を80℃に上げ,ほぼ安定

してから約60分間保持し,温度を徐々に60℃まで下げる。周囲温度がほぼ安定した後,更に約30分

間保持してから全ストロークを10回作動させた後,作動検査を行い,5.4の規定に適合しなければな

らない。 

6.4.7 

耐水検査 耐水性は,5.5の規定に適合しなければならない。 

6.4.8 

温度上昇検査 スイッチに表1に示す最大使用灯数の負荷を加え,各部の温度がほぼ安定した後,

熱電対を使用して測定したとき,導電部の最高温度上昇は,表4に示す値以下でなければならない。 

6.4.9 

耐振検査 耐振性は,5.7の規定に適合しなければならない。 

なお,この場合,スイッチは振動試験機台上に垂直に取り付ける。 

また,振動耐久試験の時間はON状態及びOFF状態の合計時間とする。 

備考 スイッチの左右方向へ振動を加える場合,正規の使用状態の取付けに対してスイッチの左

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右方向の向きを90度回転させて,もとの左右方向が垂直となるようにして上下振動を加え

てもよい。 

6.4.10 耐久検査 表5に示す条件によってスイッチを作動させたとき,各部に異常がなく,5.8の規定に

適合しなければならない。 

表5 

項目 

試験条件 

作動回数 

毎分15〜30回700 000回(全ストローク) 

繰返作動速度 

全ストローク0.1〜0.5秒 

試験端子電圧 

公称電圧12Vのものは約14V 

公称電圧24Vのものは約28V 

端子負荷 

1種 

公称電圧12VのものはJIS C 7506に規定するM2972の電球2個 

2種 

公称電圧12VのものはJIS C 7506に規定するM2972の電球4個 

公称電圧24VのものはJIS C 7506に規定するM2964の電球4個 

3種 

公称電圧12VのものはJIS C 7506に規定するM2972の電球6個 

公称電圧24VのものはJIS C 7506に規定するM2964の電球6個 

6.4.11 表示検査 表示は,8.の規定に適合しなければならない。 

7. 製品の呼び方 スイッチの呼び方は,規格名称又は規格番号,種類・公称電圧・全ストローク又は記

号,リード線の有無又はリード線付きの記号及び端子の種類又は端子記号による。 

例1. 自動車用機械式ストップランプスイッチ2種12V全ストローク4mm,リード線付きぎぼし形おす

端子又はJIS D 5808-2A4LCA 

例2. 自動車用機械式ストップランプスイッチ3種24V全ストローク6mm,リード線なし平形おす端子

又はJIS D 5808-3B6PA 

8. 表示 スイッチは,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を明りょうに表示する。 

(1) 製造業者名又はその略号 

(2) 製造年月又はその略号 

(3) 種類(1種は1,2種は2,3種は3と表示する。ただし,3種は省略してもよい。) 

(4) 公称電圧(12V及び24V兼用のものは表示しなくてもよい。) 

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D 5808-1994  

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付図1 

備考1. ぎぼし形おす端子は,JIS D 5403のCA104とする。 

2. 平形おす端子は,JIS D 5403のPAとする。 
3. 括弧を付けた寸法は,なるべく使用しない。 
4. 取付けナットは,JIS B 1181の小形六角ナット3種,中級M10×1.25とする。 
5. リード線付きの記号はLとする。 

D 5808-1994  

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自動車部会 自動車用スイッチ専門委員会 構成表(昭和47年2月1日制定のとき) 

氏名 

所属 

(委員会長) 

岩 崎   賢 

工業技術院機械技術研究所 

飯 塚 良 政 

運輸省自動車局 

石 原 尚 久 

通商産業省重工業局 

杉 山 量 重 

通商産業省工業品検査所 

福 島 公 夫 

工業技術院標準部 

中 野 貞 雄 

ナイルス部品株式会社 

金 子 雄一郎 

株式会社東海理化電機製作所 

下 村 美 貞 

有信精器工業株式会社 

海老名 秀 澄 

株式会社エビナ電機製作所 

豊 島 正 雄 

山口電機工業株式会社 

栂 村 正 信 

富士電器株式会社 

鈴 本 作 良 

社団法人日本自動車部品工業会 

豊 田 益 見 

いすゞ自動車株式会社 

石 川 二 郎 

ダイハツ工業株式会社 

末 田 俊 雄 

東洋工業株式会社 

松 井 俊 次 

トヨタ自動車工業株式会社 

渡 辺 顕 一 

日産自動車株式会社 

関 口   浩 

日産ディーゼル工業株式会社 

北 条   晃 

日野自動車工業株式会杜 

荒 木 昌 信 

富士重工業株式会社 

近 田 隆 愛 

株式会社本田技術研究所 

高 山 英 一 

三菱自動車工業株式会社 

片 岡 秀 之 

日本国有鉄道自動車局 

永 沢   治 

京王帝都電鉄株式会社 

中 村   清 

明治産業株式会社 

(専門委員) 

相 原   守 

工業技術院標準部機械規格課 

(事務局) 

西 沢 和 夫 

工業技術院標準部機械規格課 

橋 本 孔 佐 

工業技術院標準部機械規格課 

(事務局) 

村 里 利 明 

工業技術院標準部機械規格課(昭和51年2月1日改正のとき) 

(事務局) 

笹 尾 照 夫 

工業技術院標準部機械規格課(平成6年9月1日改正のとき)