D 5704-2 : 1998
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が制定した日
本工業規格である。これによって,JIS D 5704-1983は廃止され,JIS D 5704-1及びJIS D 5704-2に置き換
えられる。
今回の制定では,国際規格との整合を図るためにウインドシールドウォッシャの仕様を第1部とし,ISO
3469 (Passenger cars−Windscreen washing systems−Test methods) に整合する試験方法を第2部とした。
このJIS D 5704は,次の2部で構成されている。
JIS D 5704-1 自動車部品−ウインドシールドウォッシャ−第1部:要求事項
JIS D 5704-2 自動車部品−ウインドシールドウォッシャ−第2部:試験方法
なお,JIS D 5704-2は,自動車用に製品化したウォッシャ単体として試験する場合の方法を規定してい
るが,自動車に装着されたウインドシールドウォッシャの性能及び試験方法については,道路運送車両法
に基づく技術基準が適用される。
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 5704-2 : 1998
自動車部品−ウインドシールド
ウォッシャ−第2部:試験方法
Automotive parts−Windshield washer systems−Test methods
序文 この規格は,1989年に第2版が発行されたISO 3469, Passenger cars−Windscreen washing systems−
Test methodsを翻訳し,技術的内容を変更することなく作成した日本工業規格であるが,対応国際規格に
は規定されていない規定項目を日本工業規格として追加している。また,対応国際規格は,乗用車のウイ
ンドシールドウォッシャを対象とし,ワイパシステムと組み合わせた実車試験(洗浄性試験)も規定して
いるが,JIS D 5704-2は自動車用に製品化したウォッシャ単体として試験する場合の方法を適用範囲とし
ており,この実車試験(洗浄性試験)を削除している。
なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない追加事項である。
1. 適用範囲 この規格は,自動車の前面ガラスに使用するウインドシールドウォッシャ(以下,ウオッ
シャという。)を,部品単体の製品として試験する場合の方法について規定する。
なお,後部窓ガラス用ウォッシャなどに適用してもよい。
備考 この規格の対応国際規格を次に示す。
ISO 3469 Passenger cars−Windscreen washing systems−Test methods
2. 引用規格 次に掲げる規格は,この部に引用されることによって,この部の規定の一部を構成する。
これらの引用規格は,その最新版を適用する。
JIS D 5704-1 自動車部品−ウインドシールドウォッシャ−第1部:要求事項
JIS D 0203 自動車部品の耐湿及び耐水試験方法
3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,JIS D 5704-1の3.(定義)による。
4. 試験方法
4.1
試験条件
a) 試験温度 試験場所の状態は,特に規定がない限り,常温常湿 [20±15℃, (65±20) %] とする。
b) 試験電圧 特に規定がない限り表1による。
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表1 試験電圧
単位V
公称電圧
12
24
標準作動試験電圧
13.5±0.3
27.0±0.6
耐久試験電圧
14.0±0.5
28.0±1.0
備考 試験電圧は,ポンプの端子における電圧をいう。
4.2
試験装置 試験装置は,次のとおりとする。
a) ウォッシャの噴射試験には,実車を用いるか,又は実車に準じた位置及び向きにウォッシャを取り付
けることができる試験台を用いる。また,ノズルはあらかじめ前面ガラスのターゲットエリアに向け
て噴射できるように固定しておく。
b) 噴射試験以外の試験では,それぞれの試験目的に合わせてウォッシャの構成部品を取り付け,ホース
などはコイル状にまとめて装置全体を小さくしてもよい。
4.3
試験用液
a) 水 蒸発後のCaCO3残留物が1リットル当たり205mgを超えない水。
b) ウォッシャ液 a)の水,又は所定の添加剤が入ったウォッシャに用いる水溶液。
c) 低温用ウォッシャ液 メチルアルコール,エチルアルコール,イソプロピルアルコール,又はエチレ
ングリコールの容積比50%水溶液で低温試験の際に用いる液。
d) ウォッシャ液用添加剤 ウォッシャ及びワイピングシステムに適合し,またウォッシャ液の凍結温度
を下げるため,洗浄を補佐するため,及びウォッシャ液の湿潤能力を高めるために添加することがで
きる製品。
4.4
試験手順
4.4.1
噴射性試験 ウォッシャを作動させ,前面ガラスのターゲットエリアにウォッシャ液を噴射する。
4.4.2
吐出量試験 実車,又は実車に準じた位置及び向きにウォッシャを取り付け,標準作動試験電圧で
設定したポンプを作動させ,ノズルから10秒間吐出させる。
4.4.3 耐拘束性試験 ウォッシャを水で十分に満たし,常温常湿の環境においてノズル穴をすべてふさぎ,
表2に規定する作動条件で,ウォッシャを1分間に6回の割合で作動させる。
表2 ポンプ作動条件
単位 秒
試験電圧
作動時間
表1による耐久試験電圧
4±1
4.4.4
耐温度性試験 ウォッシャを水で十分に満たし,同一供試品にてa)〜c)までの試験終了後,常温常
湿で4.4.1,4.4.2及び4.4.3を実施する。
a) 凍結強度試験 ウォッシャを水で十分に満たし,−18℃±3℃の周囲温度で8時間以上放置し,ウォッ
シャ内の水を凍結させ,表2に規定する条件で,ウォッシャを1分間に6回の割合で作動させる。
備考 ウォッシャ構成品が周囲温度であること,及び水が凍っていることを確認するために計測機器
を使用することができる場合には,均熱処理時間を短くすることができる。
b) 凍結・解氷の繰返し強度試験 ウォッシャを水で十分に満たし,−18℃±3℃の周囲温度で8時間以上
放置し,ウォッシャ内の水を凍結させる。その後,周囲温度を常温まで上げ8時間以上放置し,解氷
する。この凍結/解氷のサイクルを1サイクルとし,合計6サイクル行う。
備考 ウォッシャ構成品が周囲温度であること,及び水が凍っていることを確認するために計測機器
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を使用することができる場合には,均熱処理時間を短くすることができる。
c) 高温放置試験 ウォッシャを水で十分に満たし,60℃±3℃の周囲温度で8時間以上放置し,そしてす
べてのノズル穴をふさぎ,表2に規定する条件で,ウォッシャを1分間に6回の割合で作動させる。
ウォッシャの一部分がエンジンルームに取り付けられている場合には,その部分は80℃±3℃の周
囲温度で試験される。
備考 ウォッシャ構成品が周囲温度であることを確認するために計測機器を使用することができる場
合には,均熱処理時間を短くすることができる。
4.4.5
低温及び高温作動試験
a) 低温作動 ウォッシャを−18℃±3℃の周囲温度で8時間以上放置し,同じ雰囲気内で4.4.1を実施す
る。
備考 低温用ウォッシャ液及びウォッシャ構成品が周囲温度であることを確認するために計測機器を
使用することができる場合には,均熱処理時間を短くすることができる。
b) 高温作動 ウォッシャを60℃±3℃の周囲温度で8時間以上放置し,同じ雰囲気内で4.4.1を実施する。
ウォッシャの一部分がエンジンルームに取り付けられている場合には,その部分は80℃±3℃の雰
囲気温度で試験される。
備考 ウォッシャ液及びウォッシャ構成品が周囲温度であることを確認するために計測機器を使用す
ることができる場合には,均熱処理時間を短くすることができる。
4.4.6
耐水性試験 ウォッシャを実車相当の取付け状態にし,JIS D 0203による散水試験R2を行う。
4.4.7
耐振性試験 タンクに水を満たし,実車相当の取付け状態にし,表3に示す条件で試験を行う。た
だし,振動試験中はウォッシャを作動させない。
表3 耐振試験
項目
試験条件
振動数
33Hz
振動加速度
29.4m/s2
振動方向
上下
左右
前後
振動時間
4時間
2時間
2時間
備考1. 全振幅は,約1.3mmに相当する。ただし,33Hzで共振点のある場合には,共振点を避けた振
動数及び全振幅を振動加速度が29.4m/s2になるように選び,同様の試験を行う。
2. 振動加速度の測定点は,車体側及び試験台の取付け部。
4.4.8
耐久性試験 ウォッシャに水を満たし,3秒作動,27秒休止(これを1サイクルとする。)の条件
で,表4に示す試験を行う。
表4 耐久試験順序
試験順序
サイクル数
周囲温度
1
2 000
常温
2
2 000
65℃±3℃
3
2 000
−12℃±3℃
4
2 000
常温
備考 試験順序3を行う場合には,試験中に凍結し
ないように低温用ウォッシャ液を使用する。
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ワイパ・ウォッシャJIS改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
三 橋 英 夫
東海大学
(幹事)
木 村 好 正
株式会社ミツバ
田 中 勇
日本ワイパブレード株式会社
(委員)
中 込 常 雄
日本工業標準調査会
浦 田 益太郎
通商産業省
市 川 英 雄
通商産業省工業技術院
佐々木 均
社団法人日本自動車整備振興会連合会
照 山 勝
社団法人自動車技術会
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
川内野 芳 郎
ダイハツ工業株式会社
竹 村 幸 人
トヨタ自動車株式会社
西 川 至
日産自動車株式会社
小 川 和 雄
富士重工業株式会社
寺 岡 淳 一
株式会社本田技術研究所
玉 村 学
三菱自動車工業株式会社
村 田 行 帆
自動車電機工業株式会社
伊 東 功
アスモ株式会社
平 位 佳 秋
市光工業株式会社
村 岡 良 三
社団法人日本自動車部品工業会
(関係者)
津 金 秀 幸
通商産業省工業技術院
三 塚 隆 正
財団法人日本規格協会
(事務局)
宮 田 圭
社団法人日本自動車部品工業会