2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 5701-1982
自動車用ホーン
Electric Horns for Automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車用ホーン(以下,ホーンという。)について規定する。
引用規格:
JIS B 0205 メートル並目ねじ
JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS C 1502 普通騒音計
JIS D 0201 自動車部品の電気めっき通則
JIS D 0202 自動車部品の塗膜通則
JIS D 0203 自動車部品の耐湿及び耐水試験方法
JIS D 0204 自動車部品の高温及び低温試験方法
JIS D 1601 自動車部品振動試験方法
JIS D 5403 自動車用電線端子
JIS Z 8702 楽器用周波数基準
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
JIS Z 8731 騒音レベル測定方法
2. 公称電圧 ホーンの公称電圧は,6V,12V及び24Vとする。
3. 種類 ホーンの種類は,形状及び呼び外径(付表参照)により区分し,表1に示すとおりとする。
表1
形状
呼び外径
渦巻形
130
115
100
90
平形
150
130
115
100
90
75
4. 性能
4.1
試験条件
4.1.1
試験場所 ホーンの試験場所は,JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する常温,常湿の無響
室又はできるだけ周囲からの反射音による影響を受けない場所とし,その場所の暗騒音の影響は,JIS Z
8731(騒音レベル測定方法)の2.2による。
4.1.2
試験装置 試験装置は,次のとおりとする。
(1) ホーンの試験には,電源としてよく充電された蓄電池又はこれと同等の直流電源を使用し,電源か
らホーン端子までの配線回路の抵抗は,表2に示すとおりとする。
2
D 5701-1982
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(2) 騒音計は,JIS C 1502(普通騒音計)に規定するもの又はこれと同等以上のものを使用し,聴感補
正回路はA特性を,指示計器の動特性は速 (Fast) を使用する。
(3) マイクロホンの位置は,試験されるホーンの正面,先端の前方2±0.01mの距離に正対し,しかも,
それぞれの高さは,地上から1.20±0.05mとする。
(4) ホーンは,剛性ある取付台に確実に取り付けた状態で試験を行う。
4.1.3
試験電圧 ホーンを試験する試験電圧は,吹き鳴らしたときのホーンの端子電圧とし,表2に示す
とおりとする。
表2
公称電圧V
試験電圧V
配線回路抵抗Ω
6
6.5±0.1
0.05 (±10%)
12
13.0±0.1
0.10 (±10%)
24
26.0±0.1
0.20 (±10%)
4.2
音圧レベル,音色及び指向性 ホーンを4.1に示す試験条件で鳴らしたとき,音圧レベル及び音色は,
次のとおりとする。ただし,2個以上のホーンを組み合わせて使用する複式ホーンの場合,それぞれのホ
ーンがこの規定に適合するものとする。
(1) 音圧レベル 表3に示すとおりとする。
(2) 音色 基本周波数は,表3に示すとおりとし,有害なびびり,割れ,かすれなどがないこと。
表3
形
状
呼び
外径
音圧レベル
dB (A)
音色
基本周波数Hz
許容差Hz
渦
巻
形
130
105〜115
−
310
330
350
−
390
415 440
−
−
−
−
−
±15
115
100〜115
−
310
330
350
370
390
415 440 465 490
−
−
−
100
95〜115
−
−
330
350
370
390
415 440 465 490
−
−
−
90
95〜110
−
−
−
−
370
390
415 440 465 490 520 555 580
±20
平
形
150
105〜125
290
−
−
350
−
390
−
−
−
−
520
−
−
±15
130
100〜125
290
310
330
350
370
390
415
−
−
−
−
−
−
115
100〜120
290
310
330
350
370
390
415 440
−
−
−
−
−
100
95〜115
−
310
330
350
370
390
415 440
−
−
−
−
−
±20
90
95〜115
−
−
330
350
370
390
415 440
−
−
−
−
−
±20
75
90〜105
−
−
−
350
370
390
415 440
−
−
−
−
−
±30
備考1. 音圧レベルは,2×10-4μbarを基準として,dB (A) で表す。
2. 基本周波数は,JIS Z 8702(楽器用周波数基準)の規定により,端数を調整した数値を基準とする。
3. 音圧レベルの上限値は,推奨値を示す。
(3) 指向性 平形ホーンについては,指向性に最も影響を与える1800〜3550Hzの周波数帯に音圧主成
分を持つこと。
4.3
作動電圧 ホーンを表4に示す端子電圧の範囲で鳴らしたとき,音色に有害なびびり,割れ,かす
れなどがあってはならない。
3
D 5701-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4
単位V
公称電圧
ホーンの端子電圧
最低
最高
6
5
7.5
12
10
14.5
24
20
28.0
4.4
耐温度性 ホーンを正規の姿勢に取り付け,JIS D 0204(自動車部品の高温及び低温試験方法)に規
定する3種により,放置試験は高温 +90℃(ただし,合成樹脂製のものについては+80℃),低温−30℃
の状態でそれぞれ約1時間放置した後常温に戻したとき,形状,寸法に異状があってはならない。
また,作動試験は,高温+70℃,低温−20℃の状態で約1時間放置した直後に,表2の試験電圧で鳴ら
したとき音圧レベル及び音色に有害なびびり,割れ,かすれなどがなく,安定した鳴りをしなければなら
ない。
4.5
耐振性 ホーンを振動試験機台上に正規の姿勢に取り付け,JIS D 1601(自動車部品振動試験方法)
の5.3(1)に規定する表3の段階2,4又は7による試験を行った後,試験電圧で鳴らしたとき,音圧レベル
及び音色に有害なびびり,割れ,かすれなどがなく,安定した鳴りをするものとする。
4.6
耐久性 ホーンを正規の姿勢に取り付け,表5に示す耐久試験を行い,試験終了後,試験電圧で異
常なく鳴り,音圧レベルの低下は5dB (A) 以下とし,しかも音色に有害な異常を生じてはならない。
表5
項目
試験条件
鳴らし回数
1種(主として二輪車用)30 000回
2種(主として四輪車用)50 000回
継続鳴らしサイクル
12回/分(1秒鳴らし,4秒休止を繰り返す)
端子電圧
公称電圧 6Vのものは 6.5±0.2V
公称電圧12Vのものは13.0±0.2V
公称電圧24Vのものは26.0±0.2V
備考 ホーンは試験中,1種は15 000回,2種は25 000回鳴らした後
及び試験終了後,電流調整機構により音圧レベルを調整しても
よい。
4.7
耐水性 ホーンを正規の姿勢に取り付け,JIS D 0203(自動車部品の耐湿及び耐水試験方法)に規定
するR2又はS1による試験を行い,試験後外部の水をふきとり1時間放置した後,絶縁抵抗,音圧レベル,
音色その他各部に異常があってはならない。
5. 形状及び寸法
5.1
外形寸法 ホーンの外形各部の寸法は,原則として付表に示すとおりとする。
5.2
取付部の寸法 ホーンの取付部の寸法は,表6に示すとおりとする。ただし,取付穴2個のものは,
なるべく使用しないのがよい。
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D 5701-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表6
単位mm
取付穴
穴径
穴のピッチ
1個の場合
10.5
−
8.5
6.5
2個の場合
8.5
28±0.25
20±0.25
6.5
28±0.25
20±0.25
5.3
端子の寸法 ホーンに使用する端子の寸法は,次のとおりとする。
(1) ねじ端子のねじは,原則としてJIS B 0205(メートル並目ねじ)によるM4×0.7とし,その精度は,
原則としてJIS B 0209(メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差)に規定する2級とする。
(2) 差し込み式の端子は,原則としてJIS D 5403(自動車用電線端子)に規定するぎぼし形おす端子 (CA),
ぎぼし形めす端子 (CB) 及び平形おす端子 (PA) の寸法とする。
6. 外観 ホーンの外観は,次のとおりとする。
(1) ホーンには,有害な傷,割れ,凹凸,しわその他の欠点がないこと。
(2) 外部に露出する鉄素地には,塗装又はめっきなどによるさび止め処理を施すこと。
なお,めっきを施す場合は,JIS D 0201(自動車部品の電気めっき通則)に規定するMFZn5以上,
MFCr10以上又はそれと同等以上とする。
(3) 鉄素地以外のものでも,ホーンの機能に影響を及ぼすものには,適当な表面処理を施すこと。
(4) 塗装を施したものは,JIS D 0202(自動車部品の塗膜通則)の8.4の耐食性試験方法の2種による検
査を行ったとき,JIS D 0202の9.3の判定基準に適合すること。
(5) めっきを施したものは,JIS D 0201の7.3の耐食性試験方法による検査を行ったとき,JIS D 0201
の8.3の判定基準に適合すること。
7. 絶縁抵抗 ホーンのコイル及び各導体と本体との間の絶縁抵抗は,500V絶縁抵抗計で測定し,常温,
常湿において1MΩ以上とする。
8. 製品の呼び方 ホーンの呼び方は,規格名称又は規格番号,種類及び公称電圧の順による。
例:自動車用ホーン渦巻形115-12V又はJIS D 5701渦巻形115-12V
9. 表示 ホーンには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,次の事項を表示する。
(1) 公称電圧
(2) 電流
(3) 音圧レベル
(4) 製造業者名又はその略号
0 0.5
+
0 0.5
+
0 0.5
+
0 0.5
+
0 0.5
+
5
D
5
7
0
1
-1
9
8
2
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付表
単位mm
形状
呼び外径
基準寸法の範囲
D
最大寸法
A
B
C
渦巻形
130
120〜135
168
143
170
115
105〜120
150
135
155
100
95〜105
133
118
130
90
80〜 95
118
98
115
平形
150
135〜155
−
−
90
130
120〜135
−
−
80
115
105〜120
−
−
70
100
95〜105
−
−
60
90
80〜 95
−
−
55
75
60〜 80
−
−
45
6
D 5701-1982
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
自動車 航空部会 自動車附属電装品専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
柳 原 茂
工業技術院機械技術研究所
清 水 達 夫
運輸省自動車局
西 中 真二郎
通商産業省機械情報産業局
菅 原 惇 夫
工業技術院標準部
村 岡 良 三
社団法人日本自動車部品工業会
上 山 明
株式会社三ッ葉電機製作所
平 井 英 一
田中計器工業株式会社
小 林 京 二
自動車電機工業株式会社
渡 辺 多加志
いすゞ自動車株式会社関発本部
清 田 益 男
日産自動車株式会社第2車両設計部
吉 川 保 行
富士重工業株式会社スバル技術本部
野 路 明 男
株式会社本田技術研究所
藤 森 広 美
三菱自動車工業株式会社設計部
榊 原 良 平
社団法人日本自動車整備振興会連合会
小 田 富 彦
軽自動車検査協会
鈴 木 栄
社団法人日本自動車連盟
荒 井 宏
トヨタ自動車工業株式会社
狼 嘉 郎
財団法人日本自動車研究所
川内野 芳 郎
ダイハツ工業株式会社
志 賀 庸 晃
ニッコー金属工業株式会社
北 原 誠一郎
株式会社北原製作所
宮 沢 博
丸子警報器株式会社
内 藤 太 郎
株式会社今仙電機製作所
平 利 二
日本電装株式会社電二技術部
皆 川 阿吾三
宮本警報器株式会社
(事携局)
松 川 東 一
工業技術院標準部機械規格課
鈴 木 一 規
工業技術院標準部機械現格課