2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 5603-1994
自動車用オイルプレッシャゲージ
Oil pressure gauges for automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車機関の潤滑系統の油圧を指示するオイルプレッシャゲージ(以下,オ
イルプレッシャゲージという。)について規定する。
備考1. JIS D 0103参照。
2. この規格の引用規格を,次に示す。
JIS B 0209 メートル並目ねじの許容限界寸法及び公差
JIS D 0103 自動車用電装部品の名称に関する用語
JIS D 0201 自動車部品の電気めっき通則
JIS D 0202 自動車部品の塗膜通則
JIS D 0203 自動車部品の耐湿及び耐水試験方法
JIS D 0204 自動車部品の高温及び低温試験方法
JIS D 1601 自動車部品振動試験方法
JIS D 5403 自動車用電線端子
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
JIS Z 8741 鏡面光沢度測定方法
2. 形式及び種類 オイルプレッシャゲージの形式及び種類は,作動方式により電気式及び機械式の2形
式とし,その構造により5種類に区分し,表1に示すとおりとする。
表1
形式
種類
レシーバユニットとセンダユニットの方式
レシーバユニット
センダユニット
附属装置
電気式
1種
コイル式
可変抵抗式
−
2種
バイメタル式
バイメタル式
−
3種
バイメタル式
可変抵抗式
メータ用
ボルテージレギュレータ
機械式
4種
ブルドン管式
−
5種
ダイヤフラム式
−
3. 構造
3.1
構造一般 オイルプレッシャゲージの構造は,次のとおりとする。
(1) オイルプレッシャゲージは,油圧を検出するセンダユニットと,それを指示するレシーバユニットか
ら構成する。
(2) 電気式オイルプレッシャゲージは,センダユニットとレシーバユニットに分かれ,3種にはメータ用
2
D 5603-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
ボルテージレギュレータが含まれる。
(3) 機械式オイルプレッシャゲージは,センダユニットとレシーバユニットが一体で構成する。
3.2
単位及び目盛 オイルプレッシャゲージの単位はキロパスカル (kPa) とし,目盛は原則として最低,
中間,最高の3点とする。
4. 形状及び寸法 オイルプレッシャゲージの取付部と端子類の形状及び寸法は,付図1に示すとおりと
する。
5. 外観 外観は,次のとおりとする。
(1) めっきを施したもので外部に現われる部分には,めっきむら,著しい傷,その他有害な欠点があって
はならない。
(2) 塗装を施したものは,表面に著しいぶつ,むら,傷その他有害な欠点があってはならない。
(3) めっき及び塗装面で防げん(眩)処理を施したものは,その表面の光沢度は,JIS Z 8741に規定する
方法2の光学条件により試験をしたとき,反射率は40%以下とする。
6. 塗装及びめっき
6.1
塗装 表縁及びケースに塗装を施したものは表2の試験条件により試験し,塗膜のはがれ,軟化,
浮き及び変色が生じてはならない。ただし,樹脂素地については適用しない。
表2
直接風雨にさらされないもの
直接風雨にさらされるもの
浸せき液:水
JIS D 0202の4.8(耐水性試験方法)に規定する168h
の試験又はJIS D 0202の4.6(耐食性試験方法)に
規定する48hの試験及び4.8に規定する96hの試験
液温:40℃
浸せき時間:1時間
判定時間:浸せきし,更に1時間空気中放置後
6.2
めっき 表縁及びケースにめっきを施すものは表3による。
なお,樹脂素地にクロムめっきを施すものは,その合計厚さを20 μm以上とする。
表3
種類
素地別
直接風雨にさら
されないもの
直接風雨にさら
されるもの
適用規格名
ニッケルめっき
鉄素地
MFNi 10
−
JIS D 0201
黄銅素地
MBNi 5
−
クロムめっき
鉄素地
MFCr 10
MFCr 20
黄銅素地
MBCr 5
MBCr 5
亜鉛めっき
鉄素地
MFZn 5
MFZn 8
7. 性能
7.1
試験条件 試験条件は,次のとおりとする。
(1) 試験場所の状態は,JIS Z 8703に規定する常温常湿とする。ただし,指示誤差試験は温度20±2℃と
し,受圧部は常温から80℃の範囲とする。
(2) 取付状態は,使用車種に応じたものとする。
(3) 測定には基準重錘形圧力計又はそれによって校正された標準圧力計を用いる。
(4) 電気式オイルプレッシャゲージでは試験電圧は表4による。
3
D 5603-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
表4
単位 V
公称電圧
性能試験電圧
耐久試験電圧
6
6.5
7.0±0.5
12
13.5
14.0±0.5
24
27.0
28.0±1.0
(5) 指示許容差試験の際にはレシーバユニット及びセンダユニットに微振動又は軽打を与え,摩擦抵抗の
影響をなくす。
7.2
指示誤差 オイルプレッシャゲージの指示誤差は表5による。
表5
形式
指示誤差
レシーバユニット
センダユニット
電気式(1)
中間目盛圧力(2)において最高目盛圧力の
1種:±6%
2種:±6%
3種:±8%
なお,通電時圧力0においては指針は0
目盛より離れないこと。
中間目盛圧力(2)において最高目盛圧力の
1種:± 8%
2種:±10%
3種:± 8%
なお,最高目盛圧力の6%の圧力を加えた
とき指針は動き始めること。ただし,その
最小値は49.0kPaとする。
機械式
中間目盛圧力(2)及び最高目盛圧力において,最高目盛圧力の±5%以下,その最小値は±
19.6kPaとする。
なお,圧力0においては指針は0目盛より離れず,また最高目盛圧力の6%の圧力を加
えたとき指針は動き始めること。ただし,その最小値は49.0kPaとする。
注(1) メータ用ボルテージレギュレータをもつものは,その誤差をレシーバユニット側に含める。
(2) 中間目盛圧力とは,最高目盛圧力の約21をいう。
7.3
指示の遅れ 最高目盛圧力から急激に圧力を零としたとき,指針は2分以内に最高目盛圧力の10%
以下にもどらなければならない。
7.4
耐圧性 オイルプレッシャゲージの耐圧は,次のとおりとする。
(1) オイルプレッシャゲージに最高目盛圧力の130%の油圧を1分間加えたとき,指示誤差は7.2を満足し,
またこの間に,油漏れ,その他の異常があってはならない。
(2) オイルプレッシャゲージに最高目盛圧力の250%の油圧を1分間加えたとき,各部に油漏れがあって
はならない。
7.5
絶縁抵抗 電気式オイルプレッシャゲージにおいては,レシーバユニット端子とケースとの間を
500V絶縁抵抗計で測定したとき,1MΩ以上でなければならない。
7.6
耐温度性 オイルプレッシャゲージのレシーバユニットをJIS D 0204に規定する5種,またセンダ
ユニットを同2種のTSH及びTSLにより試験を行ったとき,各部に異常がなく,更に7.2, 7.3, 7.4及び
7.5に適合しなければならない。
7.7
耐振性 オイルプレッシャゲージを振動試験機台上に取り付け,JIS D 1601に規定する5.3(振動耐
久試験方法)により,レシーバユニットは段階2又は段階4,センダユニットは段階7又は段階9で振動
させ,使用車種に応じた常用圧力で作動させる試験を行ったとき,試験前に対する指示の狂いは,最高目
盛圧力の7%以下であり,その他各部に異常があってはならない。ただし,レシーバユニットとセンダユ
ニットは,個々に試験を行ってもよい。
4
D 5603-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.8
耐久性 オイルプレッシャゲージに,使用車種に応じた常用圧力を約1分間に1回断続する割合で
30 000回作動させたとき試験前に対する指示の狂いは,最高目盛圧力の7%以下であり,その他各部に異
常があってはならない。
7.9
耐水性 直接風雨にさらされるオイルプレッシャゲージはJIS D 0203に規定する噴水試験のS1を行
ったとき,試験後内部に水の残留がなく,レシーバユニットにおいてはガラス内面に著しいくもりの発生
があってはならない。ただし,照明装置,通気孔などがある場合は,前面ガラス部だけを試験する。
8. 検査
8.1
構造検査 構造は,3.の規定に適合しなければならない。
8.2
形状及び寸法検査 形状及び寸法は,4.の規定に適合しなければならない。
8.3
外観検査 外観の有効面に約300lxの均一な照度を与え,約50cmの距離を隔てて自然の姿で目視で
検査を行ったとき,5.の規定に適合しなければならない。
8.4
塗装及びめっき検査 塗装及びめっきは,6.の規定に適合しなければならない。
8.5
性能検査 性能は,7.の規定に適合しなければならない。
9. 製品の呼び方 製品の呼び方は,規格名称又は規格番号,及び種類による。
例 自動車用オイルプレッシャゲージ1種又は
JIS D 5603 1種
10. 表示 オイルプレッシャゲージには,次の事項を表示する。
(1) レシーバユニットの端子にはセンダユニット側にUNITの符号。ただし極性のないものは除く。
(2) 製造年月又はその略号
(3) 製造業者名又はその略号
5
D 5603-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図1
1. 取付部寸法
2. 電気式オイルプレッシャゲージの端子寸法
(1) ねじ端子のねじ(記号S)は,原則としてJIS B 0209に規定するM4×0.7又はM5×0.8の2級とす
る。
(2) 平形おす端子は,JIS D 5403に規定するPAとする。
(3) ぎぼし形おす端子は,JIS D 5403に規定するCA呼び104とする。
(4) T形おす端子は,JIS D 5403に規定するTAとする。
6
D 5603-1994
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
参考図1 電気式オイルプレッシャゲージ
機械式オイルプレッシャゲージ
備考 参考図1は参考のために示したもので,規格の一部ではない。