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D 5305-3:2007  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1 適用範囲 ························································································································· 1 

2 引用規格 ························································································································· 1 

3 用語及び定義 ··················································································································· 2 

4 電気回路の電圧等級 ·········································································································· 4 

5 電気危害の保護 ················································································································ 4 

5.1 概要 ···························································································································· 4 

5.2 直接接触に対する保護····································································································· 5 

5.3 基礎絶縁故障時の保護····································································································· 5 

6 電気危害の保護要求 ·········································································································· 5 

6.1 概要 ···························································································································· 5 

6.2 基礎絶縁,補助絶縁,二重絶縁及び強化絶縁の要求事項 ························································ 5 

6.3 エンクロージャ・バリア及びサービスプラグの要求事項 ························································ 7 

6.4 等電位化の要求 ············································································································· 8 

7 水の影響に対する保護 ······································································································· 8 

7.1 概要 ···························································································································· 8 

7.2 試験手順 ······················································································································ 8 

7.3 要求事項 ······················································································································ 9 

附属書JA(参考)JISと対応する国際規格との対比表 ································································ 10 

D 5305-3:2007  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法に基づき,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本

工業規格である。 

この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。 

この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に

抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許

権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は

もたない。 

JIS D 5305の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS D 5305-1 第1部:主電池 

JIS D 5305-2 第2部:機能的安全手段及び故障時の保護 

JIS D 5305-3 第3部:電気危害に対する人の保護 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5305-3:2007 

電気自動車−安全に関する仕様− 

第3部:電気危害に対する人の保護 

Electric road vehicles−Safety specifications− 

Part 3: Protection of persons against electric hazards 

序文 

この規格は,2001年に第1版として発行されたISO 6469-3を翻訳し,技術的内容を変更して作成した

日本工業規格である。 

なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。

変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。 

適用範囲 

この規格は,車載電池(以下,主電池という。)だけを動力源とする軽自動車,乗用自動車及び小型貨物

自動車(以下,車両という。)が外部電源に接続されていない場合に,電気危害から人を保護するための要

求事項について規定する。これら以外の人の保護に関しては,他の内燃機関自動車の規格を適用する。 

車載されている電気回路の最大動作電圧がD.C. 1 500 V以下,又はA.C. 1 000 V以下の場合に適用する。 

注記1 外部電源に接続された車両の要求事項は,IEC 61851-21に規定されている。 

注記2 車両の組立て,保守,修理には適用しない。 

注記3 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。 

ISO 6469-3:2001,Electric road vehicles−Safety specifications−Part 3: Protection of persons against 

electric hazards (MOD) 

なお,対応の程度を表す記号(MOD)は,ISO/IEC Guide 21に基づき,修正していることを示

す。 

引用規格 

次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの

引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。)

には適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS C 0365:1997 感電保護−設備及び機器の共通事項 

JIS C 0644 低圧系統内機器の絶縁協調 第1部:原理,要求事項及び試験 

注記 対応国際規格:IEC 60664-1,Insulation coordination for equipment within low-voltage systems−

Part 1: Principles, requirements and tests (MOD) 

JIS C 0920 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード) 

注記 対応国際規格:IEC 60529:2001,Degrees of protection provided by enclosures(IP Code)(IDT) 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

JIS D 0112:2000  電気自動車用語(車両) 

JIS D 5305-1 電気自動車−安全に関する仕様−第1部:主電池 

注記 対応国際規格:ISO 6469-1:2001,Electric road vehicles−Safety specification−Part 1: On-board 

energy storage (MOD) 

JIS Z 8721:1993  色の表示方法−三属性による表示 

ISO 23273-3:2006  Fuel cell road vehicles−Safety specifications−Part 3: Protection of persons against 

electric shock 

ISO 8713:2002,Electric road vehicles−Vocabulary 

IEC 60417-1:2000,Graphical symbols for use on equipments−Part 1: Overview and application 

IEC 60417-2:1998,Graphical symbols for use on equipments−Part 2: Symbol originals 

IEC 61851-21:2001,Electric vehicle conductive charging system−Part 21: Electric vehicle requirements for 

conductive connection to an a.c./d.c. supply 

用語及び定義 

この規格で用いる主な用語及び定義は,次による。 

3.1 

露出導電性部分(exposed conductive part) 

接触する可能性があり,かつ,通常は充電されていないが,基礎絶縁が故障したときに活電部となり得

る電気機器の導電性部分。露出導電性部分との接触を通してだけ活電部となり得る電気機器の導電性部分

は,それ自身露出導電性部分とはみなさない(JIS C 0365参照)。 

3.2 

活電部(live part) 

正常な使用で通電する導体又は導電性部分(ISO 8713参照)。 

3.3 

電気回路(electrical circuit) 

電流を流すために接続された活電部の集合体(ISO 8713参照)。 

3.4 

補助電気回路(auxiliary electrical circuit) 

照明,ワイパモータ,ラジオなど駆動以外の車両機能に供する電気回路(ISO 8713参照)。 

3.5 

電気的シャシ(electrical chassis) 

電気的に接続された導電性部分。その電位差を基準として扱う(ISO 8713参照)。 

3.6 

公称電圧(nominal voltage) 

当該電気回路の設計電圧で,その特性のもととなる,製造業者が指定した電圧実効値(r.m.s)(ISO 8713

参照)。 

D 5305-3:2007  

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3.7 

最大動作電圧(maximum working voltage) 

過渡現象を除いた正常な作動状態において,電気システム内で生じるA.C.電圧(r.m.s),又はD.C.電圧

の最高値で製造業者が定める(ISO 23273-3参照)。 

3.8 

パワーユニット(power unit) 

走行用電動機とインバータ,コントローラなど電動機制御装置との組合せ(JIS D 0112参照)。 

3.9 

パワーシステム(power system) 

パワーユニットと車載エネルギー源との組合せ。(ISO 8713参照)。 

3.10 

直接接触(direct contact) 

活電部への人の接触(ISO 8713参照)。 

3.11 

間接接触(indirect contact) 

活電部の基礎絶縁の故障によって電位をもった露出導電性部分への人の接触(ISO 8713参照)。 

3.12 

基礎絶縁(basic insulation) 

感電に対し,基本保護を行う活電部の絶縁(ISO 8713参照)。 

3.13 

補助絶縁(supplementary insulation) 

基礎絶縁の故障時の感電保護(故障保護)を行うために,基礎絶縁に加えて施す独立した絶縁(JIS C 0365

参照)。 

3.14 

二重絶縁(double insulation) 

基礎絶縁と補助絶縁の両方で構成する絶縁(ISO 8713参照)。 

3.15 

強化絶縁(reinforced insulation) 

感電に対し,二重絶縁と同等の保護を行う活電部の絶縁(ISO 8713参照)。 

注記 強化絶縁は,基礎絶縁又は,補助絶縁として単独に試験できない数層で構成してもよい(JIS C 

0365参照)。 

3.16 

保護等級(protection degree) 

JIS C 0920に決められたテストフィンガ(IPXXB),テストロッド(IPXXC),テストワイヤ(IPXXD)

の,活電部への接触に対する保護(ISO 8713参照)。 

注記 JIS C 0920は,エンクロージャから浸入する水に対する保護等級も規定している(例えば,水

噴霧によるIPX3,又は水噴射によるIPX5など)。 

3.17 

クラスⅠ機器(classⅠequipment) 

基本保護のための手段の要素として基礎絶縁をもち,故障保護のための手段の要素として保護ボンディ

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D 5305-3:2007  

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ングをもつ機器(JIS C 0365参照)。 

3.18 

クラスⅡ機器(classⅡequipment) 

次のものをいう。 

− 基本保護のための保護手段の要素として基礎絶縁をもち,かつ, 

− 故障保護のための保護手段の要素として補助絶縁をもつか,又は, 

− 基本保護,及び故障保護を強化絶縁によって行う機器(JIS C 0365参照)。 

3.19 

等電位化(potential equalization) 

電気機器における露出導電性部分の電気的接続(ISO 8713参照)。 

3.20 

開口部(opening part) 

ドア,ボンネット(フード),ブーツ(トランク),アクセスリッド(充電インレットカバー,燃料タン

ク開口部など),サンルーフ,ハードトップなどの電気自動車部品(ISO 8713参照)。 

3.21 

絶縁抵抗モニタシステム(insulation monitoring system) 

主電池と電気的シャシとの間の絶縁抵抗を定期的,又は継続的に監視するシステム(ISO 8713参照)。 

3.22 

サービスプラグ(service plug) 

主電池の点検,交換時などに電気回路を遮断する装置(JIS D 0112参照)。 

電気回路の電圧等級 

電気回路は,その最大動作電圧Uによって,表1に規定する電圧等級に分類されている。 

表 1−電気回路の電圧等級 

電圧等級 

最大動作電圧 

D.C.システム 

(V) 

A.C.システム(15 Hz〜150 Hz) 

[V(r.m.s)] 

0 < U ≦ 60 

0 < U ≦ 25 

60 < U ≦ 1 500 

25 < U ≦ 1 000 

注記1 60 V(D.C.)又は25 V(A.C.)の数値は,湿気のある天候を考慮して選択されたものである。非A.C.だが

反復性のあるパルス電圧に関して,ピーク持続時間が10 ms以上の場合,最大動作電圧は最大ピーク値と
なる。ピーク持続時間が10 ms未満の場合,最大動作電圧はr.m.s値になる。報告されたA.C.電圧値は,規
定された周波数範囲内では最も重要となる。 

注記2 D.C.電圧のリップル電圧(r.m.s)は10 %以下とする。 

電気危害の保護 

5.1 

概要 

電気危害に対する保護は,活電部への直接接触保護,及び活電部基礎絶縁の故障時保護で構成しなけれ

ばならない。電圧等級Aの電気回路には,電気危害に対し特別の保護手段を必要としない。 

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5.2 

直接接触に対する保護 

電圧等級Bの電気回路の活電部への直接接触によって生じる電気危害から,人をまもらなければならな

い。 

直接接触に対する保護は,6.2の活電部の基礎絶縁,又は6.3のエンクロージャ・バリア及びサービスプ

ラグの要求事項に従い行う,若しくは双方の組合せで行うものとする。 

基礎絶縁とは,活電部を絶縁材料によって覆う,又は活電部をエンクロージャ・バリアによって空気層

を確保し絶縁する,などのことをいう。 

5.3 

基礎絶縁故障時の保護 

電圧等級Bの電気回路の活電部の基礎絶縁に故障が生じた場合,絶縁されていない露出導電性部分への

接触による電気危害から,人をまもらなければならない。 

故障状態における保護及び要求事項には,次がある。 

・クラスⅡ機器−絶縁抵抗 

・クラスⅠ機器−等電位化 

・クラスⅠ,クラスⅡ両方機器−絶縁抵抗及び等電位化 

クラスⅡ機器の補助絶縁,二重絶縁及び強化絶縁は6.2の要求事項を満足しなければならない。クラス

Ⅰ機器の等電位化は,6.4の要求事項を満足しなければならない。 

クラスⅡ機器は,IEC 60417に従って,次の記号で識別するものとする。 

電圧等級Bの電気回路の活電部への直接接触に対する保護のために設置されるエンクロージャ・バリアに

は,JIS D 5305-1の5.1で規定する記号を備えなければならない。ただし,工具を使用することによって部

品を取り外す,又はジャッキアップなどをしなければ到達できないエンクロージャ又はバリアについては
この限りではない。 

また,電圧等級Bのハーネスには,JIS Z 8721で規定する8.8R 5.8/12.5相当(オレンジ色)のハーネス

を用いるのが望ましい。 

注記 シールド構造をもち電気的シャシと等電位化を行ったハーネスは,クラスⅠ機器とみなせる。 

電気危害の保護要求 

この箇条は,電圧等級Bの電気回路に適用する。 

6.1 

概要 

5.2,5.3の保護手段の検証は,車両の電圧等級Bの電気回路ごとに行われるものとする。 

車両全体が影響を受けない安全については,個々の構成部品の試験に代えてもよい。 

6.2 

基礎絶縁,補助絶縁,二重絶縁及び強化絶縁の要求事項 

6.2.1 

概要 

絶縁で保護する場合,電気システムの活電部は絶縁物で完全に覆われるものとする。その絶縁物は破壊

によってだけ取り除くことができる。 

絶縁材料は,車両とシステムの公称電圧又は最大動作電圧,及び温度規格に適合していなければならな

い。絶縁用のワニス,ドープ,エナメル,それに類似する他の材料などは基礎絶縁として認められない。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

絶縁材料は,十分な絶縁抵抗をもち,耐電圧試験を満足しなければならない。 

要求事項の適合性は,6.2.2及び6.2.3に規定した試験で確認するものとする。 

6.2.2 

絶縁抵抗の測定 

絶縁抵抗モニタシステムを装備する場合,7.3.1の要求事項を適用するものとする。絶縁抵抗モニタシス

テムを装備しない場合は,車両の各電気回路は,次との間で十分な絶縁抵抗をもたなければならない。 

− 電気的シャシとの間 

− 他の電気回路との間 

6.2.2.1 測定条件 

機器は次の条件にさらされるものとする。ただし,結露が生じない場合は条件を変えてもよい。 

a) 周囲温度(5±2)℃において,最低8時間のプレコンディショニングを実施する。 

b) 上記a)を実施後,次の条件下で8時間のコンディショニングを実施する。 

− 周囲温度:(23±5) ℃ 
− 湿度:9010

5

+− % 

− 大気圧:86 kPa〜106 kPa 

6.2.2.2 測定器 

パワーシステムの最大動作電圧よりも高いD.C.電圧を印加できる計器(例えば,絶縁抵抗計)を用いる。 

6.2.2.3 測定方法 

主電池,及び補助電池を開放し,補助電気回路の両端は電気的シャシに接続されるものとする。そのこ

とによって, 

− パワーシステム活電部と電気的シャシとの間 

− パワーシステム活電部と補助電気回路との間 

の合わせた抵抗値が測定できる。測定場所は上記のとおりとし,コンディショニング期間中に定期的に

絶縁抵抗を測定する。 

なお,測定に当たっては,パワーシステムの最大動作電圧よりも高いD.C.電圧を印加して行う。 

なお,分割測定を実施する場合は,計算によって合成抵抗値を求め,絶縁抵抗値とする。 

パワーシステムに関する絶縁抵抗は,表2に従わなければならない。 

クラスⅠとクラスⅡとが混在する場合は,クラスⅡを優先させる。 

表 2−要求絶縁抵抗値 

機器 

単位電圧当たりの絶縁抵抗値 

クラスⅠ 

100 Ω/V以上 

クラスⅡ 

500 Ω/V以上 

注記 主電池の絶縁抵抗は,JIS D 5305-1を参照。 

6.2.3 

耐電圧試験 

6.2.3.1 概要 

電圧等級Bの電気回路は,JIS C 0664に従い設計されるか,又は次の耐電圧試験を実施するものとする。 

6.2.3.1.1 目的 

この試験は,正常状態におけるハーネス,バスバー,コネクタの活電部が適切な絶縁をもっていること

を確認するものである。 

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6.2.3.1.2 試験方法及び判定基準 

50〜60 HzのA.C.電圧又は,当該A.C.電圧の実効値の1.41倍のD.C.電圧を次に示す部位間に1分間印加

する。 

なお,試験電圧は,表3とし,試験中に誘電破壊又はフラッシオーバを生じてはならない。 

− 端子と,直流電気的に絶縁された導電性の表面をもつハウジングとの間 

− プラスチックハウジングにおいては,その周囲を金属薄片などで包み,当該金属薄片などと,

端子との間 

表3−試験電圧 

試験電圧 

クラスⅠ機器 

クラスⅡ機器 

基礎絶縁 

A.C. 

補助絶縁 

A.C. 

二重絶縁又は強化絶縁 

A.C. 

2 U + 1 000 

ただし最低 1 500 

2 U + 2 250 

ただし最低 2 750 

2 U + 3 250 

ただし最低 3 750 

Uは,電気回路の最大動作電圧 

6.3 

エンクロージャ・バリア及びサービスプラグの要求事項 

6.3.1 

概要 

エンクロージャ又はバリアで保護する場合,活電部はエンクロージャの内部又はバリアの後部に配置さ

れなければならない。これらは正常動作状態で製造業者が規定する機械的強度をもち,かつ,工具なしで

取り外せないものとする。ただし,サービスプラグにおいては,工具なしで取外し可能であってもよい。 

JIS C 0920に規定する保護等級は,エンクロージャ又はバリアの開放部サイズ及び活電部との距離によ

って決められる。 

6.3.2 

直接,接触可能なエンクロージャ・バリア 

直接エンクロージャ又はバリアに接触可能な場合は,保護等級IPXXDの要求事項を満足しなければな

らない。 

フロアの地上高が30 cm以下の場合でフロア下に取り付けられており,地面側からだけ接触可能な機器,

及びボンネット(フード)を開けた状態のモータルーム内において接触可能な機器は,保護等級IPXXB

でもよい。 

6.3.3 

カバーされているエンクロージャ・バリア 

フロアの地上高が30 cm以下の場合でフロア下に取り付けられており,地面側からだけ接触可能な機器,

及びボンネット(フード)を開けた状態のモータルーム内において接触可能な機器を除き,工具なしでカ

バーを開放,分解又は除去することができる場合は,カバーを開放,分解又は除去しない状態でIPXXD

を満足しなければならない。 

なお,客室内及び荷室内におけるサービスプラグを除く機器は,工具なしでカバーを開放,分解又は除

去した後においても,IPXXDを満足しなければならないものとし,客室外及び荷室外における機器は,工

具なしでカバーを開放,分解又は除去した後においても,少なくとも保護等級IPXXBを満足しなければな

らない。 

6.3.4 

サービスプラグ 

取り付けられた状態では保護等級IPXXDの要求事項を満足しなければならず,工具なしで取外し可能

D 5305-3:2007  

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なサービスプラグにあっては,取り外した状態では保護等級IPXXBの要求事項を満足しなければならな

い。 

6.4 

等電位化の要求 

6.4.1 

概要 

接続部品の抵抗は,6.4.2の連続試験を満足しなければならない。 

6.4.2 

接続部品の連続試験 

露出導電性部分と電気的シャシとの間で少なくとも5秒間は通電させ,その間の電圧降下を測定するも

のとする。 

電流及び電圧降下から計算した抵抗値は,0.1 Ωを超えてはならない。測定電流は0.2 A以上とする。 

供給するコードの抵抗,及び計測中の計測プローブのチップと露出導電性部分との間及び電気的シャシ

との間の接触抵抗は,いずれも試験結果に影響を与えないように注意しなければならない。 

水の影響に対する保護 

この箇条は,電圧等級Bの電気回路に適用する。 

7.1 

概要 

水の影響に対する保護は,絶縁抵抗モニタシステム,電圧等級B機器の水からの遮へい,その他の適正

な方法で行わなければならない。絶縁抵抗モニタシステムを装備する場合,7.3.1の要求事項を適用するも

のとする。絶縁抵抗モニタシステムを装備しない場合は,7.3.2の要求事項を満足することを示すために7.2

の試験を実施しなければならない。 

7.2 

試験手順 

7.2.1 

概要 

次の手順で洗車,暴風雨及び洪水を模擬した試験を行うものとする。 

7.2.2 

洗車 

この試験は,車両の一般的な洗車を模擬しているが,高水圧を使用する特殊洗浄及び床下洗浄は考慮し

ていない。 

この試験にかかわる車両の危険部位は,境界部分,すなわちフラップ,ガラスのシール部,開口部品の

輪郭部,フロントグリルの輪郭部及びランプのシール部などの部品間のシール部である。 

この試験では,JIS C 0920に規定するIPX5の放水ノズル(JIS C 0920 付図6を参照。)を用い,放水ノ

ズル先端部分と上記境界部分との距離を3 mに保ち,毎分12.5 Lの流量,かつ,毎秒0.1 mの流速ですべ

ての境界部分にあらゆる方向から淡水を吹きつけるものとする。 

7.2.3 

暴風雨 

この試験は,利用目的で設けられた,客室,荷室及びモータルームの開口部を開放しているときの突然

の暴風雨(例えば,雷雨)を模擬している。ただし,開けるときに工具を必要とする開口部は除くものと

する。 

水を遮へいした電圧等級B機器の場合,実車試験を個々の機器での同等な試験に置き換えてもよい。 

この試験にかかわる車両の危険部位は,開放された利用可能な開口部である。 

この試験では,JIS C 0920に規定するIPX3の散水ノズル(JIS C 0920 付図5を参照。)を用い,毎分10 

Lの流量で,通常開放する開口部の全表面に散水ノズルを可能な限り均一に動かして5分間淡水を吹きつ

けるものとする。 

7.2.4 

洪水 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

この試験は,冠水した道路又は水たまりにおける車両の走行を模擬している。 

深さ10 cmの徒歩で渡ることが可能なプールを20 km/hの速度で500 mの距離を走行するものとする。 

用いるプールの長さが500 m以下であることによってプールを数回往復しなければならない場合,プー

ル外における時間を含め試験時間は10分以内とする。 

7.3 

要求事項 

7.3.1 

絶縁抵抗モニタシステムを装備している車両の要求事項 

絶縁抵抗モニタシステムは,絶縁抵抗が100 Ω/Vに低下するまでに音又は表示等の明白な手段で運転者

に知らせなければならない。絶縁抵抗低下の検出時にパワーオンモードの場合,パワーオフモードにする

と遮断する(JIS D 5305-2を参照)。 

絶縁抵抗モニタシステムは,障害が復旧するまで車両を再通電させてはならない。ただし,運転者によ

る強制的な再通電を許可するように設計されたシステムは,再通電中,運転者に対し明白な警告を与えな

ければならない。車両は通常の走行状態が保てないなどの二次障害を検出した場合,動作のモードに関ら

ず自動的に非通電状態にしなければならない。 

7.3.2 

絶縁抵抗モニタシステムを装備していない車両の要求事項 

7.2に規定する各々の試験終了直後の車両がぬれている状態において,JIS D 5305-1の6.1に規定する絶

縁抵抗試験方法で,主電池を接続した状態(メインスイッチを閉)を追加条件として当該絶縁抵抗試験を

行う。車両は,電気回路の公称電圧を基準とした絶縁抵抗100 Ω/V以上を満足しなければならない。 

さらに,24時間後JIS D 5305-1の6.1に規定する絶縁抵抗試験方法で,追加条件として主電池に接続し

た状態で当該絶縁抵抗試験を再度行い,車両は,電気回路の公称電圧を基準とした絶縁抵抗100 Ω/V以上

を満足しなければならない。 

background image

10 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書JA 

(参考) 

JISと対応する国際規格との対比表 

JIS D 5305-3: 2007 電気自動車−安全に関する仕様−第3部:電気危害に対する人
の保護 

ISO 6469-3: 2001 Electric road vehicles−Safety specifications−Part 3: Protection of 
persons against electric hazards 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1 適用範
囲 

車載電池だけを動
力源とする軽自動
車,乗用自動車及び
小型貨物自動車が
外部電源に接続さ
れていない場合に,
電気危害から人を
保護するための要
求事項について規
定。 
 
これら以外の人の
保護に関しては,他
の内燃機関自動車
の規格を適用。 
車載されている電気
回路の最大動作電圧
がD.C. 1 500 V以下,
又はA.C. 1 000 V以
下。 

電気自動車(乗用車及び
軽商用車)が外部充電に
接続されていない場合
の,電気危害に対する人
の保護。 
車載されている電気回路の
最大動作電圧が交流1 000 V
又は直流1 500 V未満。 

変更 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
追加 
 
 
 
 
 
 
 

乗用車及び軽商用車を,軽自動
車,乗用自動車及び小型貨物自
動車に変更した。 
 
 
 
 
 
 
 
 
従来の内燃機関自動車の規格
に対する位置付けを明記した。 
 
 
 
 
 

乗用車及び軽商用車の定義を国内
における車両分類に変更し適用車
種を明確化した。 

2 引用規
格 

2  

1

0

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

background image

11 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3 用語及
び定義 
 

3.1 露出導電性部分 
 
3.7 最大動作電圧 
 
 
 
3.18 クラスⅡ機器 
JIS C 0365の用語 
 
3.22 サービスプラ
グ 

3  
 
 
 
 
 
 
 
 
 

3.1 導電性部分 
3.2 露出導電性部分 
3.8 動作電圧 
 
 
 
3.19 クラスⅡ機器 
ISO 8713の用語 
 
規定なし 

削除 
変更 
変更 
 
 
 
変更 
 
 
追加 

導電性部分の定義を削除した。 
 
“製造業者が定める。”を追加
した。 
 
 
JISの定義の方が詳細に記述し
た。 
 
サービスプラグにかかわる規
定を追加した。 

露出導電性部分の定義の中に説明
を追加することによって削除し
た。JIS C 0365の用語を引用した。 
ISO 23273-3に定義されている用
語を使用した。 
 
JIS C 0365で定義されている用語
を使用した。 
 
サービスプラグの規定を設けたこ
とによって用語及び定義を追加し
た。 

4 電気回
路の電圧
等級 

4  

5 電気危
害の保護 

5.3電圧等級B用の
エンクロージャ・バ
リアには,JIS D 
5305-1の5.1で規定
する記号を備える。 
電圧等級B用のハー
ネスにはJIS Z 8721
で規定する8.8R 
5.8/12.5相当(オレン
ジ色)のハーネスを
用いるのが望まし
い。 

6.3.3  

カバーを開けたときの活
電部の状態によって,エ
ンクロージャ・バリアへ
の記号の取付けの要否を
規定。 
 
ハーネスの色に関する規
定はなし。 

変更 
 
 
 
 
 
追加 
 
 

高電圧部の識別記号の取付け
要否の条件。 
 
 
 
 
電圧等級B用であるハーネス
の色に関する規定を設けた。 

識別記号及び取付け要否の条件に
ついては,道路運送車両の保安基
準の細目告示別添101(燃料電池自
動車の高電圧からの乗車人員の保
護に関する技術基準)における規
定と同等の規定とした。 
電圧等級B用であるハーネスは,
色によって識別することが可能で
あるため。 
 
ISOに改正提案する。 

6 電気危
害の保護
要求 

電圧等級Bの電気
回路だけに適用す
る。 

6  

電圧等級Bの電気回路だ
けに適用する規定なし。 

変更 

適用する電圧等級。 

電圧等級Bにだけ適用することを
明記する必要がある。 
ISOに改正提案する。 

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

11

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

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12 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6.2.2絶縁
抵抗の測
定 

絶縁抵抗モニタシ
ステムを装備しな
い場合,絶縁抵抗の
測定を実施。装備す
る場合,絶縁抵抗の
測定は不要とし,
7.3.1の規定に従う。 
 

6.2.2 

絶縁抵抗モニタシステム
の装備の有無にかかわら
ず絶縁抵抗試験を実施。 
 
 
 

変更 
 
 
 
 
 
 

絶縁抵抗モニタシステムを装
備する場合に限り絶縁抵抗の
測定を不要とした。 
 
 
 

ISOにおける7(水の影響に対する
保護)において絶縁抵抗モニタシ
ステムを装備する場合“洗車”,“暴
風雨”及び“洪水”を模擬した試
験を不要とし,絶縁抵抗モニタシ
ステムに関する要求事項を規定し
ている。絶縁抵抗の測定において
も結露時における測定を要求して
いることから,箇条7と同じ扱い
でよい。 
ISOに改正提案する。 

6.2.2.1 測
定条件 
 

結露が生じない場
合は条件を変えて
もよい。 

6.2.2 

コンディショニング開始
直後に結露点を通過する
場合,別のプレコンディ
ショニング並びにコンデ
ィショニング条件を選択
してよい。 

変更 

結露が生じない場合の対処方
法を規定した。 

ISOの規定の趣旨は,結露が生じ
ない場合の対処方法であり,分か
りやすい表現で規定した。 
ISOに改正提案する。 

6.2.2.2 測
定器 
6.2.2.3測
定方法 

パワーシステムの
最大動作電圧より
も高いD.C.電圧を
印加できる計器(例
えば,絶縁抵抗計)
を用いて測定を行
う。 

6.2.2 

例えば,メグオームテス
タを用いて,パワーシス
テムの公称電圧の1.5倍
の電圧又はD.C.500 Vの
いずれか高い試験電圧を
印加して測定する。 

変更 

試験電圧 

絶縁抵抗の測定電圧は,最大動作電
圧(電気システム内で生じる電圧の
最高値)より高い電圧を用いれば十
分である。また,公称電圧(製造業
者が指定した電圧実効値)を基準電
圧としたISOの規定より最大動作
電圧(電圧の最高値)を基準電圧と
するJISの規定の方が合理的であ
る。 
ISOに改正提案する。 
 
 

1

2

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

background image

13 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6.2.2.3 測
定方法 
(続き) 

コンディショニン
グ期間中(結露状
態)における要求絶
縁抵抗値が,クラス
Ⅰ機器の場合100 
Ω/V以上,クラスⅡ
機器の場合500 Ω/V
以上。クラスⅠ機器
とクラスⅡ機器と
が混在する場合,
500 Ω/V以上。 

6.2.2 

コンディショニング期間
中(結露状態)における
要求絶縁抵抗値が,クラ
スⅠ機器の場合100 Ω/V
以上,クラスⅡ機器の場
合500 Ω/V以上。コンデ
ィショニング終了後(乾
燥状態)において,クラ
スⅠ機器1 kΩ/V以上,ク
ラスⅡ機器5 kΩ/V以上。 

追加 
 
 
 
 
削除 

クラスⅠ機器とクラスⅡ機器
とが混在した場合の規定を追
加した。 
 
 
プレコンディショニング終了
後の規定(クラスⅠ機器1 
kΩ/V以上,クラスⅡ機器5 
kΩ/V以上。)を削除した。 

クラスⅠ機器とクラスⅡ機器とが
混在することもあり得ないことは
ないので,混在する場合はクラス
Ⅱ機器の要求事項を適用すること
とした。 
ISOに改正提案する。 
ISOがコンディショニング終了時に
10倍の値を要求しているのは寿命
劣化を考慮した値と考えられるが,1 
kΩ/V又は5 kΩ/Vが新車時にあった
としても寿命末期に100Ω/V以上又
は500 Ω/V以上を保証できるとは限
らない。したがって,時期(寿命劣
化時)に限らず100 Ω/V以上又は500 
Ω/V以上を要求事項とするのが妥当
である。 
ISOに改正提案する。 

6.2.3 耐電
圧試験 

対象部品:ハーネ
ス,バスバー,コネ
クタ。上記部品の端
子部とハウジング
との間に試験電圧
を1分間印加する。 

6.2.3  

電気回路と露出部との間
に試験電圧を1分間印加
する。電気的シャシと活
電部との間に接続した電
子部品が耐えられない場
合それらを取り外す。 

変更 

試験対象部品 

ISO 6469-3における試験も“電子
部品が耐えられない場合取り外
す”との記述から,対象部品はISO 
23273-3の8.2.5に規定するハーネ
ス,バスバー,コネクタであると
考えられる。そこで対象部品をハ
ーネス,バスバー,コネクタとし
明確化した。 
ISOに改正提案する。 
 
 
 

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

1

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

background image

14 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6.3.1 概要 エンクロージャ又

はバリアの取り外
し方法について,工
具の使用を要求。 
サービスプラグに
おいては,工具なし
で取外し可能であ
っても可とする。 

6.3.1  

エンクロージャ又はバリ
アの取外し方法について
の規定なし。 
また,サービスプラグに
かかわる規定もなし。 

MOD/追
加 

サービスプラグを除き,エンク
ロージャ又はバリアを取り外
すときには工具の使用を要求
した。 

エンクロージャ又はバリアの取外
し方法,及びサービスプラグに関
する規定は,道路運送車両の保安
基準の細目告示別添101(燃料電池
自動車の高電圧からの乗車人員の
保護に関する技術基準)における
規定と同等の規定とした。 
ISOに改正提案する。 

6.3.2 

接,接触可
能なエン
クロージ
ャ・バリア 

機器の設置箇所に
よる要求を規定。 
ボンネット(フー
ド)を開けた状態の
モータルームにお
いて接触可能な機
器の保護等級を
IPXXBとする。 

6.3.2  

モータルーム内において
もIPXXDを要求。 
 

変更 

モータルーム内においては,
IPXXBを要求した。 
 

ガソリン自動車におけるエンジン
ルーム内においては,回転部分,
高温部分からの保護がIPXXBを満
たしていない現状を考慮すると電
気自動車のモータルームにIPXXD
を適用することは,過剰と考えら
れる。そこで,IPXXBに変更した。 
ISOに改正提案する。 

6.3.3 カバ
ーされて
いるエン
クロージ
ャ・バリア 

工具なしでカバー
を開閉できる場合
の保護等級に関す
る要求事項を規定。 

6.3.3  

カバーを開けたときの活
電部状態を3タイプに分
け,それぞれに対する要
求事項を規定。 

変更 

活電部の状態にかかわらず,カ
バーを開ける前の状態での保
護等級と工具なしでカバーを
開けたときの保護等級とを規
定した。 

道路運送車両の保安基準の細目告示
別添101(燃料電池自動車の高電圧
からの乗車人員の保護に関する技術
基準)における規定を含む規定とし
た。 
ISOに改正提案する。 

6.3.4 サー
ビスプラ
グ 

取り付けられた状
態と,工具なしで取
り外した状態での
保護等級を規定。 

− 

サービスプラグに関する
規定なし。 
 
 
 

追加 

取り付けた状態でIPXXDを要
求。工具なしで取り外せるもの
にあっては,取り外した状態で
IPXXBを要求した。 

道路運送車両の保安基準の細目告示
別添101(燃料電池自動車の高電圧
からの乗車人員の保護に関する技術
基準)における規定を含む規定とし
た。 
ISOに改正提案する。 
 

1

4

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

background image

15 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

6.4.2 接続
部品の連
続試験 

抵抗測定部位は,各
部品と電気的シャ
シとの間とする。 
測定電流を0.2 A以
上とする。 

6.4.2  

無負荷の電圧でD.C.60 V
以下の電源から供給さ
れ,パワーサーキットの
最大電流の1.5倍,又は
25 Aのいずれか大きい電
流を流す。 

変更 

測定電流値 

ISOの試験電流は,片側接地式の
高電圧システムも含め短絡故障発
生時の大きな電流を考慮したもの
と考えられるが,JISでは両極非接
地式の高電圧システムを対象にし
ているので条件を変更。 
ISOに改正提案する。 

7 水の影
響に対す
る保護 

電圧等級Bの電気
回路だけに適用す
る。 

7  

電圧等級Bの電気回路だ
けに適用する規定なし。 

変更 

適用する電圧等級。 

100 Ω/Vの絶縁抵抗を要求してい
ることから電圧等級Bにだけ適用
することを明記する必要がある。 
ISOに改正提案する。 

7.2.2 洗車  

7.2.2  

車両製造業者は,取扱説明
書に特殊洗浄の詳細条件
について記載しなければ
ならない。 

削除 

ISOの規定を削除した。 

車両の構造によって記載の要否が
判断される事項であり,構造によ
って不要なので削除した。 
ISOに改正提案する。 

7.2.4 洪水 プールを20 km/hの

速度で500 mの距離
を走行するものと
する。 

7.2.3  

プールを20 km/hの速度
で500 mの距離を約1.5分
以内に走行するものとす
る。 

変更 

“約1.5分以内に”を削除した。 距離及び速度を規定すれば,時間

は一意的に決まるため,時間を規
定する必要性がないことから削
除。 
ISOに改正提案する。 

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

1

5

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

background image

16 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規格
番号 

(Ⅲ)国際規格の規定 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の箇条
ごとの評価及びその内容 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 

箇条番号
及び名称 

内容 

箇条番号 

内容 

箇条ごと
の評価 

技術的差異の内容 

7.3.1絶縁
抵抗モニ
タシステ
ムを装備
している
車両の要
求事項 

絶縁抵抗モニタシ
ステムが装備され
ている場合,絶縁抵
抗が100 Ω/Vに低下
するまでに音又は
表示等の明白な手
段で運転者に知ら
せなければならな
い。 
 

7.3.1 

絶縁抵抗モニタシステム
が100 Ω/V以下の絶縁抵
抗の低下を検出した場
合,音又は表示等の明白
な手段で運転者に知らせ
なければならない。 

変更 

ISOの規定では,100 Ω/V以下
の絶縁低下を検出した場合に
知らせるのに対して,JISでは
絶縁抵抗が100 Ω/Vに低下す
るまでに絶縁低下を検出し,知
らせる規定とした。 
 
 

道路運送車両の保安基準の細目告
示別添101(燃料電池自動車の高電
圧からの乗車人員の保護に関する
技術基準)において,絶縁抵抗の
低下モニタに関する規定が設けら
れている。保安基準の規定はISO 
6469-3: 2001の絶縁抵抗範囲を含
んでいるので,この規格では,当
該保安基準と同等の規定とした。 
ISOに改正提案する。 

車両は,通常の走行
状態が保てないな
どの二次障害を検
出した場合,動作モ
ードにかかわらず
自動的に非通電状
態にしなければな
らない。 

7.3.1 

車両は,二次障害が生じ
た場合,動作モードにか
かわらず自動的に非通電
状態にしなければならな
い。 

変更 

“二次障害”の例を追加記載し
た。 
“二次障害が生じた場合”を
“二次障害を検出した場合”に
変更した。 

“二次障害”の内容を具体化する
ため,例を追加記載した。 
また,検出不可能な二次障害もあ
り得るため,検出可能な場合に限
定することで現実的な規定に変更
した。 
ISOに改正提案する。 

附属書A 
 
 
附属書B 

洗車試験用放水ノズルの
図を記載。 
暴風雨試験用散水ノズル
の図を記載。 

削除 

附属書を削除した。 

7.2.2でJIS C 0920 付図5の放水ノ
ズルの使用を明記し,7.2.3でJIS C 
0920 付図6の散水ノズルの使用を
明記した。これによって附属書を
設けて図を転載することは不要と
なった。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 6469-3:2001:MOD 

1

6

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

17 

D 5305-3:2007  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。 

  − 一致………………技術的差異がない。 
  − 削除………………国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − 追加………………国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 
  − 変更………………国際規格の規定内容を変更している。 

注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。 

  − MOD…………… 国際規格を修正している。 
 

3

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7

1

7

D

 5

3

0

5

-3

2

0

0

7