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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5304-1996 

自動車用品−小形バッテリチャージャ 

Automotive accessories−Household battery chargers 

1. 適用範囲 この規格は,自動車用鉛蓄電池(以下,バッテリという。)を充電するために,家庭用電源

(単相交流100V)を入力として,定格直流出力電流20A以下の充電用として用いる小形バッテリチャー

ジャ(以下,チャージャという。)について規定する。 

また,その内部装置の一部を兼用して,自動車のエンジンの始動補助用として用いるチャージャについ

ても規定する。 

備考 この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 0911 小形電気機器の振動試験方法 

JIS C 3301 ゴムコード 

JIS C 3306 ビニルコード 

JIS C 4003 電気機器絶縁の種類 

JIS C 8303 配線用差込接続器 

2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) バッテリ 自動車の始動,点灯,点火などに使用する車載の鉛蓄電池。 

(2) 定格直流出力電流 別に定める基準(1)に基づいて決定し,チャージャに表示する充電時の直流出力電

流。 

注(1) 電気用品取締法参照 

(3) 始動補助用 バッテリが放電,低温などによる容量不足で自動車のエンジン始動が困難な場合に,応

急的な補助電源として用いること。 

(4) 定格直流出力電圧 バッテリの公称電圧に適合する電圧。 

(5) 定格交流入力電圧 チャージャが,適正な状態で動作する定格周波数の交流電源電圧。 

(6) 始動補助用短時間定格直流出力電流 始動補助用として,自動車のエンジンを始動するときに短時間

通電できる直流出力電流。 

(7) 定格交流入力容量 チャージャに定格交流入力電圧を加え,定格直流出力電流で通電したときの交流

入力電圧と交流入力電流との積であって,チャージャに表示する値。 

3. 種類 チャージャの種類は,用途によって表1に示すとおりとする。 

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D 5304-1996  

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表1 種類 

用途 

記号(2) 

定格直流出力電圧 

充電用 

12V用 

12V 

12 

6V, 12V用 

6V/12V 

6, 12 

12V, 24V用 

12V/24V 

12, 24 

6V, 12V, 24V用 

6V/12V/24V 

6, 12, 24 

充電用と始動 
補助用との兼用 

12V用 

12V-S 

12 

6V, 12V用 

6V/12V-S 

6, 12 

12V, 24V用 

12V-S/24V-S 

12, 24 

6V, 12V, 24V用 

6V/12V-S/24V-S 

6, 12, 24 

注(2) 記号欄の斜線“/”は,定格直流出力電圧の切換えができるもの,Sは,始動補助用と

兼用のものを示す。 

4. 定格 チャージャの定格は,次のとおりとする。 

(1) 定格交流入力電圧及び定格周波数 定格交流入力電圧は,単相100Vとし,定格周波数は,50Hz若し

くは60Hz,又は50Hz,60Hzの共用とする。 

(2) 定格直流出力電流 定格直流出力電流は,0.2〜20Aの任意の電流とする。 

(3) 始動補助用短時間定格直流出力電流 始動補助用短時間定格直流出力電流は,20A以上とする。 

5. 性能 

5.1 

電気的性能 

5.1.1 

絶縁抵抗 チャージャの絶縁抵抗は,8.1.1に示す方法で試験したときに,充電部と非充電金属部

との間が2MΩ以上でなければならない。 

5.1.2 

耐電圧 チャージャの耐電圧は,8.1.2に示す方法で試験したときに,絶縁破壊があってはならな

い。 

5.1.3 

交流入力容量 チャージャの交流入力容量は,8.1.3に示す方法で試験したときに,定格交流入力

容量に対して,表2に示す許容範囲内になければならない。 

表2 交流入力容量 

定格交流入力容量 

VA 

許容範囲 

20以下 定格交流入力容量の125%以下 

20を超え100以下 定格交流入力容量の80〜120% 
100を超えるもの 

定格交流入力容量の85〜115% 

5.1.4 

出力充電特性 チャージャの出力充電特性は,8.1.4に示す方法で試験したときに,出力電流が定

格直流出力電流の80%以上でなければならない。 

5.1.5 

始動補助用出力特性 チャージャの始動補助用出力特性は,8.1.5に示す方法で試験したときに,

出力電流が始動補助用短時間定格直流出力電流の80%以上でなければならない。 

5.1.6 

平常温度上昇 チャージャの各部の温度は,8.1.6に示す方法で試験したときに,表3に示す値以

下でなければならない。 

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表3 平常温度上昇の限界温度 

測定箇所 

限界温度(4) 

℃ 

巻線(3) 

A種絶縁のもの 

100 

E種絶縁のもの 

115 

B種絶縁のもの 

125 

F種絶縁のもの 

150 

H種絶縁のもの 

170 

整流体(交流側電源回路に使用するものに限

る。) 

シリコン製のもの 

135 

ヒューズクリップの接触部 

90 

持ち運び用のとっ手(使用中に人が操作するも

のを除く。) 

金属製のもの 

65 

合成樹脂製のもの及びゴム製のもの 

80 

使用中に人が操作するとっ手 

金属製のもの 

55 

合成樹脂製のもの及びゴム製のもの 

70 

点滅器等のつまみ及び押しボタン 

金属製のもの 

60 

合成樹脂製のもの及びゴム製のもの 

75 

外郭  人が触れて使用するもの 

金属製のもの 

55 

合成樹脂製のもの及びゴム製のもの 

70 

人が容易に触れるおそれがあるもの 

金属製のもの 

85 

合成樹脂製のもの及びゴム製のもの 

100 

人が容易に触れるおそれがないもの 

100 

試験品を置く木台の表面 

95 

注(3) JIS C 4003による。 

(4) 周囲温度は,30℃を基準とする。 

5.1.7 

異常温度上昇 チャージャを8.1.7に示す方法で試験したときに,次の規定を満足しなければなら

ない。 

(1) チャージャの外部に,炎又は溶融した絶縁性充てん物が出ないこと。 

(2) チャージャの底部に面する木台の表面温度は,150℃以下のこと。ただし,周囲温度は,30℃を基準と

する。 

(3) 充電部と地絡するおそれがある非充電金属部との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上のこと。 

5.2 

機械的性能 

5.2.1 

コード取付部の強さ チャージャのコード取付部の強さは,8.2.1に示す方法で試験したときに,

次の規定を満足しなければならない。 

(1) チャージャ内部端子とコードとの接続部に,張力がかからないこと。 

(2) プラグ及びクリップの接続部は,緩み又は外れがないこと。 

(3) ブッシングを使用する構造のものでは,ブッシングが外れないこと。 

5.2.2 

とっ手の強さ チャージャのとっ手の強さは,8.2.2に示す方法で試験したときに,とっ手及びと

っ手取付部に使用に耐えない変形又は破損があってはならない。 

5.2.3 

クリップの強さ チャージャのクリップの強さは,8.2.3に示す方法で試験したときに,使用に耐

えない変形又は破損があってはならない。 

5.2.4 

耐振動性 チャージャの耐振動性は,8.2.4に示す方法で試験したときに,表示器及び指示器に異

状がなく,断線,接続部の緩みなどがあってはならない。 

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5.2.5 

落下強度 チャージャの落下強度は,8.2.5に示す方法で試験したときに,次の規定を満足しなけ

ればならない。 

(1) 充電部の露出及び短絡がないこと。 

(2) 充電部と非充電金属部との間の絶縁抵抗は,0.1MΩ以上のこと。 

6. 構造 

6.1 

構造一般 チャージャは,主として外装箱・整流体・絶縁変圧器・保護装置などで構成する。 

また,始動補助用と兼用のチャージャでは,これらの装置のほかに,始動補助用として用いる専用スイ

ッチなどを備える。 

6.2 

外装箱 チャージャの外装箱は,次のとおりとする。 

(1) 金属製,合成樹脂製などの堅固なものとし,必要に応じて,ゴム足・とっ手などを備える。 

(2) 汚れ,さび,ひび割れ及び人身を傷つけるような鋭利な突起があってはならない。 

(3) 開口部は,図1に示すテストフィンガを用いて30Nの力で押したときに,テストフィンガが充電部に

触れないような構造とする。 

図1 テストフィンガ 

6.3 

保護装置 チャージャの出力側回路が短絡したとき,又は出力側の極性を逆接続したときに,異状

なく保護装置が作動しなければならない。 

また,始動補助用と兼用のチャージャでは,過負荷電流又は過度の連続通電による異常温度上昇に対し

て,保護装置が作動しなければならない。 

6.4 

絶縁距離 チャージャの絶縁距離は,表4に示す値以上とする。 

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表4 絶縁距離 

単位 mm 

箇所 

空間距離又は沿面距離 

線間電圧又は 
対地電圧が 
50V以下のもの 

線間電圧又は対地 
電圧が50Vを超え 
150V以下のもの 

電源電線の取付部 

端子部間 

− 

端子部と,地絡するおそれがある非充電金属部又は人
が触れるおそれがある非金属部との間 

− 

2.5 

出力側電線の取付部 端子部間 

− 

端子部と,地絡するおそれがある非充電金属部又は人
が触れるおそれがある非金属部との間 

− 

その他の部分 

極性が異なる充電部間 

固定している部分で,じん
あいが侵入しにくく,ま
た,金属粉が付着しにくい
箇所 

1.2 

1.5 

その他の箇所 

1.5 

2.5 

充電部と,地絡するおそれ
がある非充電金属部又は
人が触れるおそれがある
非金属部の表面との間 

固定している部分で,じん
あいが侵入しにくく,ま
た,金属粉が付着しにくい
箇所 

1.2 

1.5 

その他の箇所 

1.2 

6.5 

配線 チャージャの配線は,次のとおりとする。 

(1) 電源コード及び出力側コードの貫通孔は,ブッシング,面取りなどの保護対策を施す。 

(2) 内部の配線は,次のとおりとする。 

(a) 2Nの力を加えたときに,高温部に接触しても電線の被覆の劣化などの異状がないこと。 

(b) 固定又は貫通孔に通したときに,2Nの力を加えて他の部分に接触しても,電線の被覆を損傷しない

こと。 

(c) 接続器を用いて接続した電線の接続部分に,5Nの力を加えたときに,電線が接続部から外れないこ

と。 

(3) 電線の取付部は,次のとおりとする。 

(a) 2本以上の電線を1か所に締め付ける場合には,それぞれの電線間にナット又は座金を用いる。た

だし,圧着端子その他の器具によって,確実に取り付けることができるものを除く。 

(b) 電線の取付端子のねじは,電線以外のものの取付けに用いてはならない。ただし,電線を取り付け

又は取り除いた場合に,電線以外のものが脱落するおそれがないものを除く。 

6.6 

コード チャージャのコードは,次のとおりとする。 

(1) 電源コード及び出力コードは,JIS C 3306に規定するビニルコード若しくはJIS C 3301に規定するゴ

ムコード又はこれと同等以上の品質をもつものとする。 

(2) 電源コード及び出力コードの公称断面積及び許容電流は,表5による。 

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表5 電源コード及び出力コードの公称断面積及び許容電流 

公称断面積 

mm2 

素線の数/直径 

本/mm 

電気絶縁物の使用温度の上限値 

60℃のもの 

75℃のもの 

80℃のもの 

90℃のもの 

塩化ビニル 

混合物(参考) 

クロロプレンゴム 

混合物(参考) 

ブチルゴム 

混合物(参考) 

けい素ゴム 

混合物(参考) 

許容電流 

0.75 
1.25 
2.0 
3.5 
5.5 

30/0.18 
50/0.18 
37/0.26 
45/0.32 
70/0.32 

12 
17 
23 
35 

14 
20 
28 
42 

15 
22 
29 
45 

10 
17 
24 
32 
49 

備考 電気絶縁物は代表的なものを参考として示す。 

(3) 電源コードの電源側接続端には,JIS C 8303に規定する差込プラグを取り付けること。 

(4) 外装箱取出部からプラグ接続部までの電源コードの長さは,1m以上とする。 

(5) 外装箱取出部からクリップ接続部までの出力コードの長さは,1.5m以上とする。 

(6) 出力コードのマイナス側の色は,黒とする。 

(7) コードには,汚れ,ひび割れ及び心線の露出がないこと。 

6.7 

クリップ チャージャのクリップは,次のとおりとする。 

(1) クリップの導電部は,7.(2)に規定するものを用いる。 

(2) 絶縁カバーの極性色別は,プラス側を赤,マイナス側を黒とする。 

(3) クリップには,汚れ,さび及び人身を傷つけるような鋭利な突起がないこと。 

6.8 

出力極性表示 極性表示は,プラス側を+,マイナス側を−とし,クリップ,絶縁カバー又はその

近くに容易に消えない方法で表示する。 

6.9 

通電の表示 ランプ,メータなどによって,通電の表示を行う構造とする。 

6.10 始動補助用機構 始動補助用機構として,専用スイッチ,ヒューズ以外の温度過昇防止装置,過負

荷保護装置などを備える。 

7. 材料 チャージャに用いる材料は,次のとおりとする。 

(1) 鉄及び鋼(ステンレス鋼は除く。)を用いる部分には,めっき,塗装などの適当なさび止めを施す。た

だし,酸化することによって,危険が生じるおそれがない部分に用いるものを除く。 

(2) 導電材料は,銅,銅合金又はこれと同等以上の電気的,熱的及び機械的な安定性をもち,さびにくい

ものとする。ただし,弾性を必要とする部分,その他構造上やむを得ない部分に用いるもので,危険

の生じるおそれがないものを除く。 

(3) 端子ねじ(接地用端子ねじを除く。)は,銅又は銅合金製とする。ただし,直接通電を目的としないも

の又は温度が100℃以上の部分に用いるものには,鉄及び鋼を用いてもよい。 

(4) 装置の部品及び構造材料は,ニトロセルローズ系セルロイド又はこれに類する可燃性物質でないこと。 

(5) アークが達するおそれがある部分に用いる電気絶縁物は,アークによる使用に耐えない変形及び絶縁

低下などの変質が生じないこと。 

8. 試験方法 

8.1 

電気的性能試験 

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8.1.1 

絶縁抵抗 8.1.6に示す試験の前及び直後に,チャージャの充電部と非充電金属部との間の絶縁抵

抗を,500V絶縁抵抗計で測定する。 

8.1.2 

耐電圧 8.1.1に示す試験を終わった後に,チャージャの表6に示す箇所に,同表に示す交流電圧

を1分間加えて,異状の有無を調べる。 

表6 耐電圧 

箇所 

交流電圧 

変圧器の一次側と,地絡するおそれがある
非充電金属部との間,及び二次側との間 

  1 000 

変圧器の二次側と,地絡するおそれがある
非充電金属部との間 

500 

8.1.3 

交流入力容量 チャージャの出力側に、試験用バッテリを接続し,入力側に定格周波数の定格交流

入力電圧を加え,通電開始から5分後の入力電圧及び入力電流を測定し,交流入力容量を入力電圧と入力

電流との積によって求める。 

なお,試験用バッテリは,チャージャの取扱説明書に記載した使用可能な最大容量のものを完全に充電

した後,その容量の21を放電したものを用いる。 

8.1.4 

出力充電特性 チャージャの出力側に,8.1.3に示す試験用バッテリを接続し,入力側に定格周波

数の定格交流入力電圧を加え,5分後の直流出力電流を測定し,これと定格直流出力電流との比を求める。 

8.1.5 

始動補助用出力特性 切換スイッチを始動補助専用の位置に入れ,チャージャの出力側に抵抗負荷

を接続し,入力側に定格周波数の定格交流入力電圧を加えて,出力側端子電圧が定格電圧の21になったと

きの直流出力電流を測定し,これと短時間定格直流出力電流との比を求める。 

なお,直流出力電流の値は,出力側端子電圧が定格電圧の21前後の2点で測定し,等間隔目盛の直交す

る電流軸及び電圧軸のグラフ上から求めることができる。 

8.1.6 

平常温度上昇 チャージャを厚さが10mm以上の表面が平らな木台の上に置き,次に示す方法で試

験をし,巻線では抵抗法,その他の箇所では熱電温度計法によって,各部の最高温度を測定する。 

(1) チャージャの出力側に,8.1.3に示す試験用バッテリを接続し,入力側に定格周波数の定格交流電圧を,

温度上昇がほぼ一定値を示すまで連続して加える。 

(2) 始動補助用と兼用のチャージャでは,更に,入力側に定格周波数の定格交流電圧を加え,始動補助用

短時間定格直流出力電流に等しい電流を3秒間通電し,7秒間休止する操作を10回繰り返す。 

8.1.7 

異常温度上昇 チャージャを,厚さが10mm以上の表面が平らな木台の上に置き,次の(1),(2)及

び(3)に示す条件で定格周波数の定格交流入力電圧を,温度上昇値がほぼ一定値を示すまで(温度過昇防止

装置又は過負荷保護装置が作動したときには,そのときまで)加えたとき,又は巻線が焼損して通電しな

くなるまで加えたときの異状の有無を調べる。ただし,自動復帰をする温度過昇防止装置又は過負荷保護

装置をもつチャージャでは,上記の入力電圧を7時間加えた後に,異状の有無を調べる。 

その後,更に,8.1.1に示す方法によって,絶縁抵抗を測定する。 

(1) 出力コードを短絡する。 

(2) 温度過昇防止装置又は過負荷保護装置をもつチャージャでは,出力コードの間に抵抗負荷を接続し,

温度過昇防止装置又は過負荷保護装置にこれらの最大不動作電流を通じる。 

(3) 始動補助用では更に,始動補助用短時間定格直流出力電流を連続通電する。 

8.2 

機械的性能試験 

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8.2.1 

コード取付部の強さ チャージャを,表面が平らな台上に固定し,プラグ及びクリップに,それぞ

れチャージャに働く重力の3倍に相当する力(ただし,チャージャの質量の3倍が10kgを超えるチャージ

ャでは100N,その質量の3倍が3kg未満のチャージャでは30N)をコードの引出し方向に15秒間加えた

後,コード取付部の異状の有無を調べる。 

8.2.2 

とっ手の強さ チャージャを,表面が平らな台上に固定し,とっ手の握り部の中央部分に,チャー

ジャに働く重力の3倍に相当する力をとっ手面に対して垂直方向に加えた後,とっ手及びとっ手取付部の

異状の有無を調べる。 

8.2.3 

クリップの強さ チャージャのクリップを,表7に示す金属製の試験用丸棒に,200回以上脱着操

作を行った後,異状の有無を調べる。 

表7 試験用丸棒 

定格直流出力電流 

丸棒の直径 

mm 

3A以下のもの 

13.5 

3Aを超えるもの 

18.5 

8.2.4 

耐振動性 チャージャにJIS C 0911の3.2(定振動数耐久試験装置)に示す定振動数耐久試験装置

を用いて,振動数30Hz,複振幅1.2mmの条件で上下方向に1時間振動を加えた後,異状の有無を調べる。 

8.2.5 

落下強度 コンクリート床上に,厚さ30mmのラワン板をおき,チャージャを床面に水平に保持し

て,70cmの高さから1回落下させた後,外観の異状の有無を調べる。 

その後,更に,8.1.2に示す方法によって異状の有無を調べる。 

9. 製品の呼び方 チャージャの呼び方は,製品の名称,及び種類の記号による。 

例 小形バッテリチャージャ 12V-S/24V-S 

10. 表示 チャージャの見やすい位置に,紛らわしくなく,かつ,容易に消えない方法で,次の事項を表

示する。ただし,電気用品取締法に基づく表示事項は,図2に示すように枠内に入れ,その他は枠の近く

に表示する。 

(1) 電気用品取締法による型式認可番号 

(2) 製造業者名又はその略号 

(3) 定格交流入力電圧 (V) 

(4) 定格周波数 (Hz) 

(5) 定格交流入力容量 (VA) 

(6) 定格直流出力電圧 (V) 

(7) 定格直流出力電流 (A) 

(8) 始動補助用に使用するものではその旨 

(9) 名称及び種類,又は名称及び種類の記号 

(10) 製造年又はその略号 

(11) 始動補助用に使用するものでは,始動補助専用スイッチの位置でバッテリを充電できない旨 

(12) 始動補助用短時間定格直流出力電流 (A) 

(13) 注意事項 

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図2 

11. 取扱説明書 チャージャには,次の事項を記載した取扱説明を表示するか,又は取扱説明書を添付す

る。 

なお,取扱説明書の内容は,使用者が容易に理解できるように,できるだけ図解などの方法で記述し,

説明文については,特に重要な事項は,太文字又は色文字とすることが望ましい。 

(1) 適合バッテリ容量 

(2) 接続方法 

(3) 充電方法 

(4) 注意事項 

例 始動補助用装置を使用する場合には,通電3秒以下,休止7秒以上,繰返し回数10回以下である

こと。 

(5) 保管方法 

(6) 製造業者名又は販売業者名 

(7) 所在地及び電話番号 

(8) 名称及び種類,又は名称及び種類の記号 

(9) その他 

10 

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社団法人日本自動車部品工業会自動車用小形バッテリチャージャ 

JIS改正原案作成委員会委員 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

室 伏 公 夫 

財団法人日本電気用品試験所企画部 

(幹事) 

池 田   清 

依田電機産業株式会社開発部 

(委員) 

前 川 武 也 

工業技術院標準部 

林   洋 和 

通商産業省機械情報産業局 

中 込 常 雄 

日本工業標準調査会 

加 山 英 男 

財団法人日本規格協会技術部 

酒 谷 眞佐彦 

社団法人日本蓄電池工業会 

住 野 耕 三 

株式会社オートバックスセブン 

鍵 山 秀三郎 

株式会社ローヤル 

林   広 敏 

社団法人日本自動車連盟業務部 

山 村 敏 夫 

国民生活センター商品テスト部 

小 林 康 男 

全国自動車用品卸商組合 

阿 部 雅 春 

セルスター工業株式会社生産購買部 

藤 井 啓之介 

日本電池株式会社自動車電池事業部市販部 

岩 崎   徹 

株式会社ユアサコーポレーション商品事業部開発部 

小 河 幸 男 

大自工業株式会社東京営業所 

小 沢 美 徳 

株式会社カーメイト第一事業部 

牧 野 悦 治 

新神戸電機株式会社電池機器事業部技術部 

小 林 隆 二 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

(関係者) 

笹 尾 照 夫 

工業技術院標準部 

遠 藤 一 善 

株式会社ローヤル商品部 

大 下   進 

セルスター工業株式会社技術部 

浜 浦 紀代輝 

大自工業株式会社 

(事務局) 

冨 樫   晃 

社団法人日本自動車部品工業会技術部