サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

D 5303-1:2004  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第14条によって準用する第12条第1項の規定に基づき,社団法人電池工業

会(BAJ) / 財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を改正すべきとの申出が

あり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が改正した日本工業規格である。 

これによって,JIS D 5303-1:1997は改正され,この規格に置き換えられる。 

改正に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,IEC 60254-1:1997,Lead-acid traction 

batteries─Part 1:General requirements and methods of testを基礎として用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について責任はもたない。 

JIS D 5303-1には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

JIS D 5303の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS D 5303-1 第1部:一般要件及び試験方法 

JIS D 5303-2 第2部:種類及び表示 

D 5303-1:2004  

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. 引用規格 ························································································································ 1 

3. 定義 ······························································································································ 1 

4. 性能 ······························································································································ 2 

5. 試験 ······························································································································ 2 

5.1 試験条件 ······················································································································ 2 

5.2 試験方法 ······················································································································ 3 

6. 検査 ······························································································································ 5 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 ···································································· 6 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5303-1:2004 

電気車用鉛蓄電池─ 

第1部:一般要件及び試験方法 

Lead-acid traction batteries─ 

Part 1:General requirements and methods of test 

序文 この規格は,1997年に第3版として発行されたIEC 60254-1,Lead-acid traction batteries─Part 1:

General requirements and methods of testを翻訳し,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格を変更している事項である。変更の一覧

表をその説明を付けて,附属書(参考)に示す。 

1. 適用範囲 この規格は,フォークリフトトラック,けん引車,運搬車,機関車などの電気車の動力の

電源として使用する電気車用鉛蓄電池(以下,蓄電池という。)の性能及び試験方法について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

IEC 60254-1:1997 Lead-acid traction batteries─Part 1:General requirements and methods of test 

(MOD) 

2. 引用規格 次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成す

る。これらの引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。 

JIS B 7411 一般用ガラス製棒状温度計 

JIS B 7525 密度浮ひょう 
 

JIS C 1102-2 直動式指示電気計器 第2部:電流計及び電圧計に対する要求事項 

備考 IEC60051 Dimensions acting indicating analogue electrical measuring instruments and accessories が,

この規格と対応している。 

JIS D 5303-2 電気車用鉛蓄電池 第2部:種類及び表示 

備考 IEC60254-2 Lead-acid traction batteries─Part 2:Dimensions of cells and terminals and marking of 

polarity on cells及びAMENDMENT 1(2000.05)が,この規格と対応している。 

3. 定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次による。 

a) 公称電圧 電池電圧表示に用いる電圧。 

background image

D 5303-1:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 定格容量 規定条件下(温度,放電電流及び終止電圧)で,満充電状態から放電したときに取り出せ

る製造業者が定めた電気量の基準値(Cで表す)。この値の単位はAh(アンペアアワ−)で表示され

る。 

c) 容量(5時間率) 蓄電池が指定の条件下で供給できる電気量。5時間率電流と放電終止電圧になるまで

の時間との積,又は5時間率電流で放電終止電圧まで放電した場合の電気量(Ah)。 

d) 保存特性 蓄電池を長期放置した場合の特性の変化。 

e) 高率放電特性 蓄電池の容量に対して比較的大きな電流で放電を行った場合の放電特性。 

f) 

寿命特性 電池が,充電,放電及び休止期間からなる規定条件下で,負荷時に所定の寿命末期容量又

は電圧に至るまでに経過し得るサイクル特性。 

g) 5時間率電流 蓄電池の充電電流及び放電電流の大きさを表す用語であり,容量(5時間率)を5で除し

た値の電流。 

h) 放電終止電圧 放電を停止すべき蓄電池の端子電圧。 

i) 

単電池 蓄電池を構成する個々の電池。単電池の公称電圧は2Vである。 

なお,単電池は電極,電解液,容器及び端子の集合から構成される。 

J) 組電池 単電池又は単位電池2個以上で構成されている一組の蓄電池。群電池を直列又は並列に接続

したものをいうこともある。 

k) 単位電池 モノブロック電槽を使って造った電池及び単電池を所要数接合して一つのブロックとした

電池。 

l) 

群電池 2個以上の電池を取扱いに便利なように,ひとまとめにしたもの。何個かの群電池を外箱に

収納して組電池として用いることがある。 

m) エネルギー密度 電池の単位質量又は単位体積当たりに取り出せるエネルギー。Wh / kg Wh / Lなど

の単位で示される。 

4. 性能 性能は,5.2で試験を行ったとき,表1による。 

表 1 性能 

項目 

性能 

適用試験箇条 

容量(5時間率) 

充放電サイクルを繰り返したとき
10回までに定格容量の100 %以上。
ただし,100 %以上の容量に至るま
では定格容量の85 %以上。 

5.2.2 

保存特性 

容量保存率 85 %以上。 

5.2.3 

高率放電特性 

0.5時間以上。 

5.2.4 

寿命 

製造業者の指定した回数以上。 

5.2.5 

5. 試験  

5.1 

試験条件  

5.1.1 

試験器具 試験器具は,特に指定がない限り,次のものを用いる。 

a) 温度計 温度計は,JIS B 7411に規定する許容差±1 ℃の温度計又はこれと同等以上の精度をもつ温

度計とする。 

b) 比重計 比重計は,JIS B 7525に規定する許容差±0.005の浮ひょう又はこれと同等以上の精度をもつ

比重計とする。 

D 5303-1:2004   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

c) 電圧計及び電流計 電圧計及び電流計は,JIS C 1102-2に規定する階級0.5級以上の計器又はこれと同

等以上の精度をもつ計器とする。また,使用する電圧計の抵抗は1 000 Ω / V以上とする。 

d) 時計 時計は,±1 %以上の精度をもつものとする。 

5.1.2 

供試電池 供試電池は,組電池を原則とするが,単電池でもよい。 

5.1.3 

充電 充電は,次による。 

a) 蓄電池は,5時間率電流で充電し,30分ごとに測定した充電中の端子電圧及び電解液比重が5回連続

して顕著な変化を示さなくなるまで行う。 

 なお,この状態を満充電という。 

b) 満充電後の蓄電池の電解液比重及び電解液面高さは,次による。 

1) 電解液比重は,20 ℃に換算して製造業者指定値とする。 

温度換算は,次の式による。 

(

)

20

0.0007

t

20

+

=

t

D

D

ここに, D20: 20 ℃における電解液の比重 
 

Dt: t ℃における電解液の比重 

t: 比重を測定するときの電解液の温度(℃) 

2) 電解液面高さは,製造業者指定の最高液面指示部とする。 

5.1.4 

電圧測定 電圧測定は,引出線を除いた蓄電池端子で行う。 

5.2 

試験方法  

5.2.1 

試験順序 次の試験は,新しい完全な蓄電池又はその代表的蓄電池に対して,次の順序で実施する

ことができる。 

5時間率容量 

保存特性 

高率放電特性(0.5時間率) 

サイクル寿命試験 

保存特性試験,高率放電特性試験及びサイクル寿命試験は,任意である。 

5.2.2 

容量(5時間率) 容量(5時間率)は,次の条件によって行い,規定の放電終止電圧までの時間

を測定し,この時間と5時間率電流との積から算出する。 

a) 放電開始の時期は,満充電後,1〜24時間以内に開始する。 

b) 放電中の電解液温度は,30 ℃±2 ℃とする。 

c) 放電電流は,5時間率電流とする。 

d) 放電終止電圧は,単電池当たり平均1.70 Vとする。 

e) 容量の温度換算 30 ℃以外の電解液温度で放電を行うときは,次の式によって換算した容量を30 ℃

での容量とする。ただし,この換算式は,電解液温度が10〜40 ℃の範囲の場合に適用する。 

(

)

30

0.006

1

0

t

30

+

=

t

C

C

ここに, 

C30: 30 ℃に換算した容量(Ah) 

Ct: t ℃における容量(Ah) 

t0: 放電開始時の電解液温度(℃) 

5.2.3 

保存特性 保存特性は,5.2.2の試験を行いCaが定格容量に達した蓄電池を満充電にした後,次の

条件によって行い,e)の式から容量保存率を算出する。 

a) 蓄電池表面は,清掃し乾燥する。 

D 5303-1:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

b) 放置中の電解液温度は,20 ℃±5 ℃とする。ただし,期間中の平均温度は20 ℃±2 ℃とする。 

c) 放置日数は,28日間(開路状態で)とする。 

d) 放置後の容量は,5.2.2 b)〜e)に準じて実施した時の時間と電流との積(Ah)とする。 

e) 容量保存率は,次の式によって算出する。 

100

×

=

a

r

C

C

γ

ここに, 

γ: 容量保存率(%) 

a

C: 保存特性試験前に5.2.2の試験で算出した容量(Ah) 

r

C: 放置後の容量(Ah) 

5.2.4 

高率放電特性 高率放電特性は,5.2.2の試験を行いCaが定格容量に達した蓄電池を用いて,次の

5つの条件によって行い,規定の放電終止電圧までの時間を算出する。 

a) 放電開始の時期は満充電後,1〜24時間以内に開始する。 

b) 放電中の電解液温度は,30 ℃±2 ℃とする。 

c) 放電電流は,製造業者の指定値とする。 

d) 放電終止電圧は,単電池当たり平均1.50 Vとする。 

e) 放電時間の温度換算 30 ℃以外の電解液温度で放電を行うときは,次の式によって換算した時間を

30 ℃における時間とする。ただし,この換算式は,電解液温度が10〜40 ℃の範囲の場合に適用する。 

(

)

30

0.008

1

0

t

30

+

=

T

T

T

ここに, 

30

T: 30 ℃に換算した時間(h) 

Tt: t ℃における時間(h) 

T0: 放電開始時の電解液温度(℃) 

5.2.5 

寿命 寿命は,5.2.2の試験を行いCaが定格容量に達した蓄電池を用いて,次のa)又はb)の方

法によって行う。 

a) 試験方法1 試験方法1は,次の方法によって行う。 

1) 充放電 放電は,0.25 C(A)で3時間,充電は放電量の115〜125 %,この充放電サイクルを寿命

回数1回とし,1日3回行う。 

2) 電解液温度 電解液温度は,33〜45 ℃とする。 

3) 容量確認 試験中,約100回ごとに5.2.2の試験を行う。この容量試験後,完全充電を行い,再び1)

の充放電を繰り返す。 

4) 試験の終了 試験の終了は,3)によって算出した容量が定格容量の80 %以下に低下し, 再び上昇

しないことを確認したときとする。 

5) 寿命回数 寿命回数は,定格容量の80 %を下回った回数を回数と容量の関係曲線から算出する。

ただし,5.2.2の試験回数も加算する。 

b) 試験方法2 試験方法2は,次の方法によって行う。 

1) 試験数 試験数は,3個以上とする。 

2) 充放電 放電は,0.25C(A)で3時間,充電はJIS D 5303-2に示す電池形式によって,表2の充電

量を放電終了後9時間で充電するが,充電終期の電流は,0.06C(A)以下とする。 

             

background image

D 5303-1:2004   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

表 2 充電量 

充電量  % 

JIS D 5303-2に示す電池形式 

115 

 B,C,D,DH 

125 

F,I,H 

3) 電解液温度 電解液温度は,33〜43 ℃とする。 

4) 容量確認 試験中,50±5回ごとに5.2.2の試験を行う。この容量試験後に完全充電を行い,再び2)

の充放電を繰り返す。 

5) 試験の終了 試験の終了は,4)によって算出した容量が定格容量の80 %以下に低下し,再び上昇

しないことを確認したときとする。 

6) 寿命回数 寿命回数は,定格容量の80 %を下回った回数を回数と容量の関係曲線から算出する。

ただし,5.2.2の試験回数も加算する。 

6. 検査 検査は,5.の試験によって,次の項目について行った場合,4.の規定に適合しなければならない。

ただし,受渡当事者間の協定によって,一部の項目を省略することができる。 

a) 容量(5時間率) 

b) 保存特性 

c) 高率放電特性 

d) 寿命 

background image

D 5303-1:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考)JISと対応する国際規格との対比表 

JIS D 5303-1:200X 電気車用鉛蓄電池─第1部:一般要件及び試験方法 

IEC 60254-1:1997 電気車用鉛蓄電池 第1部 一般要件及び試験方法 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 
 
 

(Ⅲ)国際規格の規定 
 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異
の理由及び今後の対策 
 
 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

1.適用
範囲 
 
 

フォークリフトトラック,け
ん引車,運搬車,機関車など
電気車の動力電源として使用
する電気車用鉛蓄電池の性能
及び試験方法について規定す
る。 
 
 

IEC  
60254-1 
 
 

1.1 
 
 

電気駆動用電源として用
いる鉛蓄電池 
 
 

MOD/削
除 
 
 

IEC 規格は第1節から第
5節が,すべての電気車
用鉛蓄電池に適用され
る。 
第6節は,乗用車,小型
商用車などの電気自動車
用に開発された電気自動
車用鉛蓄電池を試験する
項目になっており,JIS
にない項目である。 

以前から電気車用と電気自動車用
の規格を分離するように提案して
おり,現在IEC文書21/564/MDR
で分離する動きがとられている。 
なお,電気自動車用鉛蓄電池の規格
は,国内では財団法人日本電動車両
協会規格(JEVS)として定められ
ている。 

2.引用
規格 

JIS B 7411 一般用ガラス製
棒状温度計 

 
 

 
 

 
 

MOD/追
加 

IEC規格では記載されて
いないが,JISでは計器
類について,JISに規定
されているものを引用し
た。 

試験で使用する計器については国
内で計器類を調達する際,JISを残
した方が便利のためJISを残した。  
なお,JISに規定している計器類の
精度はIEC規格を満たしている。 

JIS B 7525 密度浮ひょう 

JIS C 1102-2 直動式指示電
気計器 第2部:電流計及び
電圧計に対する要求事項 

IEC  
60254-1 

3.1 

IEC60051 

MOD/変
更 

JIS D 5303-2 電気車用鉛蓄
電池 第2部:種類及び表示 
 

1.2 

IEC60254-2 

6

D

 5

3

0

3

-1

2

0

0

4

  

background image

D 5303-1:2004   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 
 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 
 
 

(Ⅲ)国際規格の規定 
 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 
 
 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

3.定義 
 

公称電圧,定格容量,容量,保
存特性,高率放電特性など13項
目について定義。 
 

IEC 
60254-1 
 


 
 
 
5.1 

機能的特性の項で,公称容
量,保存特性,高率放電特
性,サイクル寿命の4項目
について定義している。 
エネルギ−密度について
定義している。 

MOD/追
加 
 
 

記載項目が増えてい
る。 

使用者の理解を得るためには,用
語を定義する必要があり追加し
ている。 
IEC規格と数に違いがあるため,
IECに提案する。 

4.性能 

容量(5時間率): 
充放電サイクル10回までに定
格容量の100 %以上,100 %以上
に至るまでは85 %以上。 
 

IEC 
60254-1 

4.2.8 

JISに同じ 

IDT 

保存特性:容量保存率85 %以
上。 

4.3.4 

JISに同じ 

IDT 

高率放電特性:0.5 時間以上。 
 

4.4.5 

JISに同じ 

IDT 

寿命:製造業者が指定した回数
以上。 

4.5.5 

JISに同じ 

IDT 

5. 試験 
5.1試験 
条件 
5.1.1 
試験器具 

温度計:許容差 ±1 ℃ 

IEC 
60254-1 

3.1.2.1 

最小目盛:1 ℃以下 
絶対精度:0.5 ℃以上 

MOD/変
更 

許容差(精度)が異な
る。 

日本で一般用は±1℃であり,調
達のし易さを重視し,±1℃に変
更した。 

比重計:許容差 ±0.005 
 

3.1.3 

絶対精度:0.005以上 

IDT 

 
 

電圧計及び電流計:0.5級以上。 
電圧計の抵抗:1 000 Ω / V以上 

3.1.1.2 
 
3.1.1.3 

0.5 級以上。 
 
電圧計の抵抗:1 000 Ω / 
V以上 

IDT 

時計:±1 %以上の精度 

3.1.4 

許容差:±1 %以下 

IDT 

2

D

 5

3

0

3

-1

2

0

0

4

  

background image

D 5303-1:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 
 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 
 
 

(Ⅲ)国際規格の規定 
 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 
 
 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ご
との評
価 

技術的差異の内容 

5.1.2 
供試電池 

組電池を原則とするが単電池
でもよい。 

IEC 
60254-1 
 

3.2.1 
 

製造後3か月以内の単電池
又は組電池で行う。 

MOD/
削除 

JISでは製造後の期間に
ついては規定していない 

一般に試験する場合,必ずしも3
ヵ月以内の蓄電池とは限らない
ため,「3ヵ月以内」を削除した。
なお,JIS、IEC規格ともに試験前
に満充電することで,同じ評価を
することになるが,削除すること
をIECに提案する。 

5.1.3 
充電 

5時間率電流で充電し30分ご
とに測定した端子電圧及び電
解液比重値が5回連続して顕著
な変化を示さなくなるまで行
う。 

IEC 
60254-1 

3.3 
 
 

電圧,電流,電解液濃度及
び温度が2時間,顕著な変
化を示されないとき。 
 

MOD/
削除 
 

JISでは満充電の判定に
電流及び温度は削除して
いる。 
 

IECでは,製造業者指定の電流又
は電圧で充電することを規定し
ているが,日本では全製造業者が
定電流充電を推奨しているため,
JISでは定電流で充電することを
規定しており,電流は常に一定,
温度は常に上昇傾向にあり,満充
電の判定は電圧と電解液比重で
確認することで差異はない。よっ
て,充電電流と上昇傾向にある温
度は削除した。 

電解液比重:製造業者指定値 
 
電解液面高さ:製造業者指定の
最高液面指示部 

IEC 
60254-1 

3.2.2 
 
3.2.3 

電解液比重は製造業者の指
定による。 
液面は製造業者の指定によ
る。 

IDT 
 
IDT 

5.1.4 
電圧測定 

引出線を除いた蓄電池端子 

IEC 
60254-1 

4.2.4 

出力ケ−ブルを除く蓄電池
の端子電圧 

IDT 

引出線と出力ケ−ブルと
の表現の違いである。 

同じものを指しており技術的差
異はない。 

5.2試験

方法 

5.2.1 
試験順序 

5 時間率からサイクル寿命へ
の試験順序を示す。 

IEC 
60254-1 

4.1.1 
4.1.2 

JISに同じ 

IDT 

 
 

2

D

 5

3

0

3

-1

2

0

0

4

  

background image

D 5303-1:2004   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 
 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 
 
 

(Ⅲ)国際規格の規定 
 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差
異の理由及び今後の対策 
 
 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5.2.2 
容量(5時
間率) 

放電の開始:完全充電後1〜24
時間以内に開始 
放電電流:5 時間率電流 
放電終止電圧:単電池当たり平
均1.70 V 

IEC 
60254-1 

4.2.3 
 
4.2.3 
4.2.5 

完全充電後1〜24時間
以内に開始 
 
JISに同じ 
 

IDT 
 
IDT 
IDT 

放電中の電解液温度(周囲温
度): 30 ℃±2 ℃ 

IEC 
60254-1 

4.2.1 

22〜34 ℃(15〜35 ℃) 

MOD/変
更 

電解液温度の規定に違い
がある。 

IEC規格では各地域で試験され
る温度基準を包含したものであ
り,JISでは日本の製造業者が一
般的に用いる30 ℃±2 ℃を規
定した。なお,JIS,IEC規格と
もに温度換算を行うため,技術
的差異はない。 

容量の温度換算係数:0.006/℃ 

t0 : 放電開始時の電解液温度 

IEC 
60254-1 

4.2.7 

JISに同じ 
JISに同じ 

IDT 
IDT 

5.2.3 
保存特性 
 

放置中の電解液温度:20 ℃±
5 ℃ 
ただし,期間中の平均値は,
20 ℃±2 ℃ 
放置日数:28日間 

IEC 

60254-1 
 

4.3.2 
 
 
 
4.3.2 

JISに同じ 

 
 
 
JISに同じ 

IDT 
 
 
 
IDT 

 
 
 

 
 

放置後の容量は5.2.2 b)〜e)に
準じる[放電中の電解液温度
(周囲温度):30 ℃±2 ℃]。 
容量保存率:γ=

r

C/

a

C×100  

IEC 

60254-1 

4.3.3 
 
 
4.3.3 

4.2.1及び4.2.4〜4.2.7に
準じる[22〜34 ℃(15
〜35 ℃)]。 
JISに同じ 

MOD/変
更 
 
IDT 

電解液温度の規定に違い
がある。 

IEC規格では各地域で試験され
る温度基準を包含したものであ
り,JISでは日本の製造業者が一
般的に用いる30 ℃±2 ℃を規
定した。なお,JIS,IEC規格と
もに温度換算を行うため,技術
的差異はない。 

5.2.4 
高率放電特
性 

放電電流:製造業者指定電流 
放電終止電圧:単電池当たり平 
均1.50 V 

IEC 
60254-1 

4.4.3 
 
4.4.6 

JISに同じ 

 
JISに同じ 

IDT 
 
IDT 

 
 

2

D

 5

3

0

3

-1

2

0

0

4

  

background image

10 

D 5303-1:2004  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 
 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 
 
 

(Ⅲ)国際規格の規定 
 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 
 
 

項目番号 

内容 

項目番
号 

内容 

項目ごとの
評価 

技術的差異の内容 

5.2.4 
高率放電特
性 

電解液温度:30 ℃±2 ℃ 
 

IEC 
60254-1 

4.4.2 
 

22〜34 ℃(15〜35 ℃) 
 

MOD/変更 

電解液温度の規定に違
いがある。 

IEC規格では各地域で試験される温
度基準を包含したものであり,JISで
は日本の製造業者が一般的に用いる
30 ℃±2 ℃を規定した。なお,JIS,  
IEC規格ともに温度換算を行うため,
技術的差異はない。 

放電時間の温度換算係数:
0.008 / ℃ 

IEC 
60254-1 

4.4.5 

JISに同じ 

IDT 

5.2.5 
寿命 
 

方法:寿命はa)又はb)の方
法によって行う。 
試験方法1 
放電:0.25 C(A) ×3時間 
充電:放電量の115〜125 % 
電解液温度:33〜45 ℃ 
充放電:1日3回 
容量確認:100サイクルごと 
終了時期:容量が定格容量の
80 %以下に低下し,再び上昇
しないことを確認したとき。 

寿命試験の方法が異な
っているのでJISの方式
とIEC規格の方式を併
記している。 

 
 

JISでは,以前から採用されている試
験であり,蓄積されたデータとの比
較が困難となること及び試験期間短
縮の上でも必要なためJISとIECの
方式を併記した。 
 

試験方法2 
放電:0.25C(A) ×3時間 
充電:9時間,ただし,充電終
期の電流は0.06C(A) 以下 

 
IEC 
60254-1 

 
4.5.3.1 
4.5.3.1 
 

 
JISに同じ 
JISに同じ 
 

 
IDT 
IDT 
 

充電量115 %: 形式 B,C,
D,DH 

IEC 
60254-1 

4.5.3.1 

形式 A,B,C,D 

MOD/変更 

JISとIEC規格では電池
形式の記号が異なり,電
池高さに違いがある。 
 
 
 

JISではIEC 60254-2 AMENDMENT 
1で追加となった,アジア品のサイズ
に適した表示とした。 
なお,IEC 60254-2 AMENDMENT 1
で追加となった,アジア品と北米品
の高さ区分を表1に追加反映する様,
今後IECに提案する。 

充電量125 %: 形式 F,
I,H 

形式 E,F,G 

  

2

D

 5

3

0

3

-1

2

0

0

4

  

background image

11 

D 5303-1:2004   

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(Ⅰ)JISの規定 

(Ⅱ) 
国際規
格番号 
 
 

(Ⅲ)国際規格の規定 
 

(Ⅳ)JISと国際規格との技術的差異
の項目ごとの評価及びその内容 
表示箇所:本体,附属書 
表示方法:点線の下線 

(Ⅴ)JISと国際規格との技術的差異の
理由及び今後の対策 
 
 

項目番号 

内容 

項目番
号 

内容 

項目ごと
の評価 

技術的差異の内容 

5.2.5 
寿命 

電解液温度:33〜43 ℃ 
容量確認:50±5サイクルごと 
終了時期:容量が定格容量の
80 %以下に低下し,再び上昇
しないことを確認したとき。 

IEC 
60254-

4.5.3.3 
4.5.4 
4.5.4 

JISに同じ 
JISに同じ 
JISに同じ 
 

IDT 
IDT 
IDT 

6. 
検査 

検査について規定 
受渡当事者間で一部の項目を
省略できる。 

 
 

 
 

 
 

MOD/追
加 
 

JISでは規定している。 

製品についての規格なので,検査の項
目は必要でありJISでは規定した。今
後IECに規定してもらうべく提案す
る。 

JISと国際規格との対応の程度の全体評価:MOD 

備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

― IDT ················ 技術的差異がない。 

― MOD/削除 ······· 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 

― MOD/追加 ······· 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

― MOD/変更 ······· 国際規格の規定内容を変更している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

― MOD ·············· 国際規格を修正している。 

2

D

 5

3

0

3

-1

2

0

0

4