D5203 : 1998
(1)
まえがき
この規格は，工業標準化法に基づいて，日本工業標準調査会の審議を経て，通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによって JIS D 5203 : 1976 は改正され，この規格に置き換えられる。
今回の改正では，ISO 7650 Commercial vehicles and buses−Mounting dimensions for starter motors of types 1,
2, 3 and 4
を基礎として用いた。
この規格は，平成 9 年の改正によって規格の名称が改正され，同時に，すべての自動車用スタータを対
象にした取付け寸法規格から，国際規格と同様の大型車用スタータだけの規格に改正された。
日本工業規格
JIS
D5203
: 1998
自動車部品−大型車用スタータ−
取付け部形状及び寸法
Automotive parts
−Starter motors for commercial vehicles and buses−
Mounting dimensions
序文 この規格は，1987 年に第 1 版として発行された ISO 7650, Commercial vehicles and buses−Mounting
dimensions for starter motors of types 1, 2, 3 and 4
に対応する部分（スタータの種類のうち形式 1A，1B，2A，
2B
，3A，3B，4A 及び 4B）については対応国際規格を翻訳し，技術的内容を変更することなく作成した日
本工業規格であるが，対応国際規格には規定されていない項目（スタータの種類のうち形式 N1 形，N2 形，
NL1
形及び NL2 形）を追加した。
なお，この規格のうち，点線の下線を施した箇所は，原国際規格にない事項である。
1.
適用範囲 この規格は，大型車用のスタータ（以下，スタータという。）のエンジン取付け部の形状及
び寸法について規定する。
2.
スタータの種類 スタータの種類は，ピニオン軸受け部（以下，ノーズという。）の有無によって，表
1
のとおり区分する。
2
D5203 : 1998
表 1 スタータの種類
種類
形式
記号
(
1
)
寸法図
出力（参考）
kW
備考
1A ISO
7650
タイプ 1A
1B ISO
7650
タイプ 1B
2A ISO
7650
タイプ 2A
2B
−
ISO 7650
タイプ 2B
N1
形 N1-R
N1-L
図 1 4.5，5.5，6.0
7.0
∼7.4，8.0
−
ノーズ付き
N2
形 N2-R
図 2 4.5
−
3A ISO
7650
タイプ 3A
3B ISO
7650
タイプ 3B
4A ISO
7650
タイプ 4A
4B
−
ISO 7650
タイプ 4B
NL1-R
NL1
形
NL1-L
図 3 4.5
5.5
−
NL2-R
ノーズレス
NL2
形
NL2-L
図 4 4.5
−
注(
1
) R
はピニオン開口部が向かって右にある場合を示し，L は左にある場合を
示す。
3.
形状及び寸法
3.1
ノーズ付き 1A，1B，2A，2B 及び N1 形 ノーズ付き 1A，1B，2A，2B 及び N1 形のスタータの寸
法は，
図 1 及び表 2 による。
注(
2
) G
寸法はピニオン歯底径を超えないこと。
図 1 ノーズ付き 1A，1B，2A，2B 及び N1 形
3
D5203 : 1998
表 2 ノーズ付き 1A，1B，2A，2B 及び N1 形
単位 mm
形式 A
±1
B
最大
C
D
(
3
)
F
最大
K
最小
R
S
最大
U
±0.2
V
最大
α
±30'
β
(
4
)
±2°
γ
±30'
備考
1A 51 98
68
ISO
タイプ 1A
1B 24 72
5
∼9 89
12
.
0
207
.
0
−
−
(
5
)
39
6 11
27
.
0
0
+
127
±0.15
80 90
°
45
° 90°
ISO
タイプ 1B
2A 51 105
75
ISO
タイプ 2A
2B 24 78
5
∼9 92
036
.
0
090
.
0
−
−
(
5
)
48
6 13.5
27
.
0
0
+
又は
17
27
.
0
0
+
D
−0.7
146
±0.15
90 120
° 45° 120°
ISO
タイプ 2B
28 96
100
62
140
87
33 101
105
67
13.5
145
90
N1
47 115
5
∼15
122 81
6
15
D
−1
162
99
90
°
又は
120
°
45
° 90°
又は
120
°
−
注(
3
)
寸法許容差区分は3.5参照。
(
4
)
角度
β
の値は推奨値である。
(
5
)
エンジンメーカはスタータ取付け穴インロー径 (Pilot bore) の寸法許容差区分として次の値を用いるのがよ
い。
D
＝89mm では，P8
D
＝92mm では，E8
3.2
ノーズ付き N2 形 ノーズ付き N2 形の寸法は，図 2 及び表 3 による。
図 2 ノーズ付き N2 形
表 3 ノーズ付き N2 形
単位 mm
形式
A
±1
B
最大
C
D
(
3
)
F
最大
K
最小
R
S
最大
U
±0.2
V
最大
α
±30'
β
(
4
)
±2°
N2 35 74 10 103 69 6 15 102 142 89 180
° 45°
3.3
ノーズレス 3A，3B，4A，4B 及び NL1 形 ノーズレス 3A，3B，4A，4B 及び NL1 形スタータの寸
法は，
図 3 及び表 4 による。
4
D5203 : 1998
図 3 ノーズレス 3A，3B，4A，4B 及び NL1 形
表 4 ノーズレス 3A，3B，4A，4B 及び NL1 形
単位 mm
形式
A
±1
B
最大
C
D
(
3
)
F
最大
R
U
±0.2
V
最大
α
±30'
β
(
4
)
±2°
γ
±30'
備考
3A 51 88
75
ISO
タイプ 3A
3B 24 72
5
∼9 89
12
.
0
207
.
0
−
−
(
5
)
48
11
27
.
0
0
+
127
±0.15
80 90
°
45
° 45°
ISO
タイプ 3B
4A 51 88
75
4B 24 72
5
∼9 92
036
.
0
090
.
0
−
−
(
5
)
48
13.5
27
.
0
0
+
又は
17
27
.
0
0
+
146
±0.15
90 120
°
45
° 120° ISO タイプ 4A
ISO
タイプ 4B
31 76
100
48
142
87
47 92
64
13.5
145
90
NL1
60 105
5
∼15
105
77 15 175
105
90
°
又は
120
°
45
° 90°
又は
120
°
3.4
ノーズレス NL2 形 ノーズレス NL2 の寸法は，図 4 及び表 5 に示すとおりとする。
図 4 ノーズレス NL2 形
5
D5203 : 1998
表 5 ノーズレス NL2 形
単位 mm
形式
A
±1
B
最大
C
D
(
3
)
F
最大
R
U
±0.2
V
最大
α
±30'
β
(
4
)
±2°
NL2 34 79
82.5 51
131.5
82.5
47 92
95 64
13.5
135 85
60
105
5
∼15
105 77 15 145 90
180
° 45°
3.5
スタータのエンジン取付けインロー径 D の寸法許容差区分 スタータのエンジン取付けインロー径
D
の寸法許容差区分を参考として
表 6 に示す。
表 6 エンジン取り付けインロー径 D の寸法許容差区分（参考）
単位 mm
寸法 D
寸法許容差区分
89
以下 d9 D
12
.
0
207
.
0
−
−
92
∼105 f8 D
036
.
0
090
.
0
−
−
122 e8
D
085
.
0
148
.
0
−
−
3.6
その他の寸法及び仕様 この規格にない寸法及び仕様は，生産者及び使用者との協議によって決定
する。
関連規格 ISO 8123 : 1991 Road vehicles−Starter pinions of diametral pitches
JIS D 5204-1993
自動車用スタータピニオン及びリングギヤの諸元
6
D5203 : 1998
電装品 JIS 改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
（委員長）
三 橋 英 夫
東海大学
（幹事）
才 田 敏 和
三菱電機株式会社
中 田 喜 六
日興電機工業株式会社
（委員）
中 込 常 雄
日本工業標準調査会
浦 田 益太郎
通商産業省
市 川 英 雄
通商産業省工業技術院
照 山 勝
社団法人自動車技術会
橋 本 繁 晴
財団法人日本規格協会
坂 本 照 男
社団法人日本自動車整備振興会連合会
佐久間 浩
いすゞ自動車株式会社
稲 津 雅 弘
トヨタ自動車株式会社
富 田 公 夫
日産自動車株式会社
古 山 雅 章
富士重工業株式会社
高 木 昭 宣
株式会社本田技術研究所
横 山 高 尚
三菱自動車工業株式会社
林 誠
日産ディーゼル工業株式会社
久 保 陽 二
日野自動車工業株式会社
岩 田 頼 明
株式会社デンソー
橋 本 克 彦
株式会社日立製作所
木 村 栄 一
株式会社ミツバ
土 屋 正 文
ダイヤモンド電機株式会社
泉 壽 雄
澤藤電機株式会社
（関係者）
三 塚 隆 正
財団法人日本規格協会
海 野 裕 二
日産自動車株式会社
金 子 則 保
富士重工業株式会社
門 谷 重 夫
三菱自動車工業株式会社
宗 正 浩
株式会社デンソー
長谷川 保
株式会社ミツバ
（事務局）
村 岡 良 三
社団法人日本自動車部品工業会
宮 田 圭
社団法人日本自動車部品工業会