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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 5103-1992 

自動車用グロープラグ 

Glow plugs for automobiles 

1. 適用範囲 この規格は,自動車用ディーゼルエンジンに用いる自己制御式シーズ形グロープラグ(以

下,グロープラグという。)について規定する。 

備考1. この規格の引用規格を,次に示す。 

JIS C 1102 指示電気計器 

JIS D 1601 自動車部品振動試験方法 

2. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

ISO 6550 : 1989 Road vehicles−M12×1.25 and M14×1.25 sheath-type glow-plugs with conical 

seating and their cylinder head housing 

ISO 7578 : 1986 Road vehicles−Sheath-type glow-plugs−General requirements and test methods 

3. 自己制御式以外のグロープラグは,この規格を適用しない。 

2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。 

(1) 自己制御式 グロープラグ自身が電流制御機能をもち,外部の制御に頼ることなく,その発熱温度を

制御できる形式。 

(2) 定格電圧 予熱時にグロープラグ端子に加える電圧で,グロープラグが所定の性能を発揮できるよう

になる基準のもの。 

(3) 予熱 エンジンをクランキングする前にグロープラグに通電し,燃料が着火しやすい温度まで,あら

かじめ熱しておくこと。 

(4) 速熱形 予熱時間を短縮するために,グロープラグの発熱温度の上昇を速めたもの[表2の(3)参照]。 

3. 種類 グロープラグの種類は,取付けねじの呼び,形状,発熱温度特性及び定格電圧によって,表1

のとおり区分する。 

表1 種類 

記号 

取付けねじ
の呼び 

形状 

発熱温度特性 

定格電圧 

取付け部の長さ 

G1mm 

発熱部の長さ 

lmm 

M10A 

10 

35 

 20, 
 25, 

  又は 

30 

速熱形 

又は 

標準形 

11, 

  又は 

23 

M10B 

45 

M10C 

65 

M12C 

12 

80 

ISO M12A 

26 

ISO M12B 

20 

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D 5103-1992 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 性能 グロープラグの性能は,8.の規定によって試験を行ったとき,表2に示す規定に適合しなけれ

ばならない。 

表2 性能 

項目 

性能 

試験方法箇条 

(1) 常温抵抗 

抵抗値が0.4Ω以上であること。 

8.2 

(2) 消費電流 

突入時の電流値は,30A以下であること。 
安定時の電流値は,10A以下であること。 

8.3 

(3) 発熱温度 

速熱形の場合,10秒以内に850℃,30秒以内に950℃に達すること。 
標準形の場合,20秒以内に850℃,60秒以内に900℃に達すること。 

8.4 

(4) 気密性 

グロープラグ内部から,空気の漏れがないこと。 

8.5 

(5) 過電圧性 

試験後,(1),(2),(3)及び(4)の性能を満足すること。 

8.6 

(6) 断続通電耐久性 

初期性能からの変化率は,受渡当事者間の協定による。 

8.7 

(7) 振動耐久性 

初期性能からの変化率は,受渡当事者間の協定による。 

8.8 

5. 形状及び寸法 グロープラグの形状及び寸法は,付図1及び付図2に示すとおりとする。 

6. 外観 グロープラグの外観は,目視によって調べたとき,表面にきず,さび,その他有害な欠点があ

ってはならない。 

7. 締付けトルク グロープラグは,新品で潤滑油などが付着していない状態で使用した場合,表3に示

すトルクで締め付けたとき,異状を生じてはならない。 

表3 締付けトルク 

単位N・m 

締付け箇所 

ねじの種類 

締付けトルク 

取付けねじ 

M10×1.25 

最大20 

M12×1.25 

最大25 

端子部ねじ 

M 4×0.7 

最大 1.5 

M 5×0.8 

最大 4 

8. 試験 

8.1 

試験条件 グロープラグの試験は,特に規定がない限り,次の条件によって行う。 

(1) 試験場所の状態は,常温常湿20±15℃, (65±20) %とする。 

(2) 試験に用いる電流計,電圧計及び抵抗計は,JIS C 1102に規定する0.5級又はこれと同等以上のもの

を用いる。 

8.2 

常温抵抗試験 グロープラグが23℃の状態にあるとき,端子ねじとシーズとの間の抵抗値を抵抗計

を用いて測定する。 

なお,23℃の状態にできないときは,あらかじめ測定した抵抗温度特性を用いて,そのときの値を23℃

の値に補正して表す。 

8.3 

電流試験 グロープラグに,定格電圧を加えたときの電流値(突入時及び安定時)を測定する。 

8.4 

発熱温度試験 グロープラグに定格電圧を加え,シーズ先端から8mm以内の一定位置での温度上昇

及び経過時間を測定する。この場合,試験場所の温度は,23±5℃に管理する。 

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D 5103-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

8.5 

気密試験 グロープラグを,シリンダヘッド又はそれに相当する試験台に7.に規定するトルクで取

り付け,シーズ側から4MPaの空気圧を15秒間加える。このとき,グロープラグ内部からの連続的な空気

の漏れの有無を調べる。 

8.6 

過電圧試験 グロープラグに定格の125%の電圧を15秒間加えた後,8.2,8.3,8.4及び8.5の試験

を行う。 

8.7 

断続通電耐久試験 グロープラグに定格電圧で30秒通電,60秒休止の断続通電を繰り返し加える。

この場合の繰返し回数は,使用車種・エンジン形式によって,愛渡当事者間で協定する。その後,8.4及び

8.5の試験を行い,初期性能からの変化率を求める。 

8.8 

振動耐久試験 グロープラグの発熱部表面を通電によって1 000℃に保持した状態で,JIS D 1601に

規定する段階25の振動を,グロープラグの中心軸に対して平行及び直角の2方向にそれぞれ4時間加える。

その後,8.4及び8.5の試験を行い,初期性能からの変化率を求める。 

9. 表示 グロープラグには,次の事項を表示する。 

(1) 定格電圧 

(2) 製造業者名又はその略号 

付図1 グロープラグの形状及び寸法 

備考1. 形状は一例を示す。 

2. 

は基準径を示す。 

種類の
記号 

A1 

B1 

C1 

h13 

E1 

最小 

F1 

G1 

H1 

(°) 

M10A 

M10×1.25−6e 

8.2

2

00.

− 

7 

12 

13.3 

1001

+ 

35±1 

123±1 

又は 

93±1 

M10B 

1001

+ 

45±1 

M10C 

4001

+ 

65±1 

M12C 

M12×1.25−6e 

10.0

2

00.

− 

9 

5501

+ 

80±1 

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D 5103-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図2 グロープラグの形状及び寸法 

備考1. 形状は一例を示す。 

2. 

は基準径を示す。 

種類の 
記号 

A1 

B1 

C1 

h13 

E1 

最小 

F1 

G1 

ISO M12A 

M12×1.25−6e 

10

2

00.

− 

9 

12 

13.3 

601

+ 

26±1 

ISO M12B 

301

+ 

20±1 

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D 5103-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考1 シリンダーヘッドのハウジング寸法 

(発熱部径5mm用) 

この参考は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

ISO 6550では,内燃機関のシリンダーヘッドに関しても規定しているので,本体付図1のグロープラグ

用シリンダーヘッドのハウジング寸法を参考として次に示す。 

備考1. 形状は一例を示す。 

2. 

は基準径を示す。 

種類の
記号 

A2 

B2 

C2 

F2 

G2 

最大 

H2 

(°) 

M10A 

M10×1.25−6H 

8.7 

7 

910

− 

31 

120±1

又は 

90±1 

M10B 

1910

− 

41 

M10C 

3910

− 

61 

M12C 

M12×1.25−6H 

10.7 

9 

5410

− 

76 

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D 5103-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

参考2 シリンダーヘッドのハウジング寸法 

(発熱部径6mm用) 

この参考は,本体の規定に関連する事柄を補足するもので,規定の一部ではない。 

ISO 6550では,内燃機関のシリンダーヘッドに関しても規定しているので,本体付図2のグロープラグ

用シリンダーヘッドのハウジング寸法を参考として次に示す。 

備考1. 形状は一例を示す。 
2. 

は基準径を示す。

種類の 

は基準径を示す。 

種類の 
記号 

A2 

B2 

C2 

E2 

最小 

F2 

G2 

最大 

ISO M12A 

M12×1.25-6H 

10.7 

9 

23 

510

− 

23 

ISO M12B 

2

3

00.

17 

D 5103-1992  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

社団法人 日本自動車部品工業会 自動車用グロープラグ 

JIS改正原案作成委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員長) 

○ 清 水 健 一 

工業技術院機械技術研究所基礎機械部 

(幹事) 

○ 鈴 木   晨 

日本特殊陶業株式会社プラグ技術部 

川 嶋   温 

通商産業省機械情報産業局 

○ 伊 東   厚 

工業技術院標準部 

辻     充 

社団法人陸用内燃機関協会 

小 平 隆 雄 

いすゞ自動車株式会社小型エンジン設計第1部 

中 原 光 治 

ダイハツ工業株式会社第二エンジン室 

川 原 邦 博 

トヨタ自動車株式会社第1エンジン部 

中 井 明朗児 

日産自動車株式会社機関設計部 

佐 野 正 博 

日産ディーゼル工業株式会社機関設計部 

宮 廻 幸 男 

マツダ株式会社パワートレイン設計部 

渡 辺 英 昭 

三菱自動車工業株式会社トラック・バスセ

ンターエンジン設計部 

○ 永 井   実 

日本電装株式会社プラグ技術部 

○ 間 坂 光 佑 

自動車機器株式会社開発設計本部設計2部 

○ 中 川   透 

株式会社日立製作所自動車機器事業部第1機器部 

○ 長 屋 捷 治 

株式会社北原製作所 

○ 菊 田   茂 

日吉電装株式会社 

○ 村 岡 良 三 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

(関係者) 

久 保 陽 二 

日野自動車工業株式会社電子技術部 

横 井 伸 一 

日本特殊陶業株式会社プラグ技術部 

牧 野 成 春 

日本電装株式会社プラグ技術部 

湯 沢 一 也 

株式会社日立製作所自動車機器事業部第1機器部 

江 藤   正 

株式会社北原製作所設計部 

(事務局) 

内 藤 智 男 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

備考 ○印は,小委員会参加委員を示す。