2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 4503-1995
トラック,バス用ウインドシールド
デフロスタのデフロスト性能
Windscreen defrosting systems for trucks and buses
1. 適用範囲 この規格は,JIS D 0101で規定するトラック又はバスのウインドシールドデフロスタ(以
下,デフロスタという。)のデフロスト性能及びその試験方法について規定する。
なお,トラック又はバスに準じた構造のものについても,この規格を適用することができる。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS D 0021 自動車の運転者アイレンジ
JIS D 0101 自動車の種類に関する用語
2. 用語の定義 この規格に用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) デフロスト (defrost) ウインドシールド外面に付着した霜又は氷を,透明又は半透明の状態まで溶
かすこと。
(2) ウインドシールド (daylight opening) 前面ガラス表面のうち,ガラス保持部材,装飾部材などに遮
へいされていない光線の透過部。
(3) 指定デフロスト範囲 (specific defrost area) アイレンジに対する上下,左右の接平面とウインドシー
ルド外表面との交線によって区分されるウインドシールド外表面上の領域(以下,S1と略称する。)。
ただし,ウインドシールドの端末からガラス面沿い25 mmの部分は除く(図1参照)。
(4) 有効デフロスト面積 (effective defrosted area) デフロスタを作動させたときに,デフロスタによっ
てデフロストされるウインドシールド外表面の指定デフロスト範囲内の面積(以下,S2と略称する。)。
(5) デフロスト面積比 (defrosted area ratio) 指定デフロスト範囲内の実面積に対する有効デフロスト
面積の比率を百分率で表したもの。
100
(%)
1
2×
SS
=
デフロスト面積比
2
D 4503-1995
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図1 指定デフロスト範囲
3. 性能 デフロスタのデフロスト性能は,試験室温度A条件(極寒冷地)−18 ℃又はB条件(寒冷地)
−10 ℃で次の値を満足しなければならない。
試験開始 20分後:範囲Cの80%以上デフロストしなければならない。
25分後:範囲C'の80%以上デフロストしなければならない。
40分後:範囲Aの95%以上デフロストしなければならない。
4. 試験方法
4.1
アイレンジ アイレンジは,JIS D 0021に規定するアイリプス95パーセントタイルのうち,試験車
両のR点水平移動量に最も近い値のものを選定する。このときバックアングルは,試験車両の設計基準位
置とする。
4.2
指定デフロスト範囲 指定デフロスト範囲設定は,対象車両のH点地上高及び車種によって,表1
に示す角度を用いて指定デフロスト範囲A及び範囲Cを定める。
なお,3.の範囲C'は範囲Cを車両中心線に対し,左右対称に置き換えたものとする。
3
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表1 トラック・バスの指定デフロスト範囲
H点地上高 mm
車種
範囲
上下角(度)
左右角(度)
上
下
左
右
0以上1 000未満
トラック
バ ス
A
10
5
56
18
C
5
1
15
10
1 000以上(1)
トラック
A
6
9
56
18
C
1
5
15
10
バス
A
7
14
56
18
C
1
11
15
18
注(1) H点地上高が1 000mm以上でも乗用車から派生したトラック,バ
スはH点地上高0以上1 000mm未満の値とする。
4.3
試験条件
4.3.1
試験室条件 試験室条件は,次による。
(1) 試験室温度 A条件(極寒冷地)−18±3℃
B条件(寒冷地)−10±2℃
試験室温度は,ウインドシールド上下端の中央と同じ高さで,車両温度の影響の少ない位置で測定
する。
(2) ウインドシールド風速 2m/s以下。ウインドシールド面における風速は,車両ゼロY平面上でウイン
ドシールド下端から30cm前方のウインドシールド上下端の中央で測定する。
4.3.2
車両条件 車両条件は,次による。
(1) エンジン回転数 最大出力回転数の50%以下(ニュートラルギヤ)とする。
(2) 補助暖機装置 この装置があるものは,使用できる。
(3) 試験員 1又は2名乗車。ただし,バスの場合には必要に応じ2名まで追加してもよい。
(4) 試験電圧 ブロワモータ入力端子で公称電圧の115%以内。ただし,レジスタなどブロワ制御装置を
備えるものは,その供給端とする。
(5) 車体各開閉部 各開閉部を閉じること。ただし,側面ガラスは,1か所又は2か所の合計で25mmま
で開いていてもよい。
4.4
試験手順 試験手順は,次による。
(1) 試験車両のウインドシールド外面を,アルコール又は相当品でふく。
(2) 試験車両は,試験室温度がA条件 (−18±3℃) 又はB条件 (−10±2℃) になってから4時間放置す
る。
ただし,ウインドシールド及び車室内がその温度に安定していることを確認できれば,4時間以内
でもよい。
(3) 氷の付着は,ウインドシールド全外表面に0.044ml/cm2の割合の水を圧縮空気0.35±0.02MPaのスプレ
ーガンで一様に噴射する。スプレーガンは,広がり流量を最大に調節し,ノズルはガラス面に垂直に
し,20〜25cm離して移動を繰り返しながら一様に噴射する。
(4) 氷を付着させてから30〜40分間放置後,エンジンを始動する。冷却水温度が65℃,又は65℃に達し
ない場合には,到達できる最高温度になったときデフロスタを作動させる。これを試験開始時刻とす
る。ただし,温気式燃焼ヒータ使用の場合,エンジン始動後ヒータに着火し,10分経過後デフロスタ
を作動させる。これを試験開始時刻とする。
(5) 試験中,試験室温度は,常に規定の試験室温度に保持する。
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(6) エンジン冷却水の温度は,エンジンサーモスタットの上流側又はデフロスタ入口側で測定する。空冷
エンジンは,エンジンオイル又はミッションオイルの温度をドレーンコック付近で測定する。
4.5
試験記録 デフロスト性能の試験結果を付表1の形式にまとめる。
付表1 デフロスト性能試験記録紙
関連規格 JIS D 4501 乗用車ウインドシールドデフロスタ−デフロスト性能
JIS D 4504 トラック,バス用ウインドシールドデフロスタのデミスト性能
JIS D 5901 自動車用温水式暖房器試験方法
JIS K 8101 エタノール (99.5) (試薬)
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自動車 航空部会 自動車専門委員会 構成表(昭和60年3月1日制定のとき)
氏名
所属
(委員会長)
中 込 常 雄
社団法人自動車技術会
横 溝 眞一郎
工業技術院標準部
柴 藤 良 知
運輸省交通安全公害研究所
堤 富 男
通商産業省機械情報産業局
清 水 達 夫
運輸省地域交通陸上技術安全部
瀬 倉 久 男
防衛庁装備局
梅 澤 清 彦
東京工業大学
石 渡 正 治
財団法人日本自動車研究所
大 沼 広 洲
全日本トラック協会
佐 藤 武
慶応義塾大学
杉 浦 秀 昭
日本自動車整備振興会連合会
田 中 兼 吉
社団法人日本バス協会
轟 秀
社団法人日本自動車連盟
安 部 宏
株式会社本田技術研究所
改 田 護
トヨタ自動車株式会社
紅 谷 恒 雄
日産自動車株式会社
須 永 惇 一
いすゞ自動車株式会社
鈴 本 作 良
社団法人日本自動車部品工業会
高 原 昭 二
三菱自動車工業株式会社
西 原 孝 雄
マツダ株式会社
大 槻 耕 一
日野自動車工業株式会社
金 子 達 明
日本自動車輸入組合
(専門委員)
斎 藤 巌
財団法人日本規格協会
武 永 三 郎
日本道路公団
有 賀 久
日産ディーゼル株式会社
宇 藤 官
鈴木自動車工業株式会社
(事務局)
田 代 和 也
工業技術院標準部機械規格課
宗 像 保 男
工業技術院標準部機械規格課
(事務局)
笹 尾 照 夫
工業技術院標準部機械規格課(平成7年2月1日改正のとき)
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原案作成委員会委員名簿
氏名
所属
(分科会長)
梶 浦 勝 志
日野自動車工業株式会社第2実験部
出 口 久 晴
日本電装株式会社冷暖房技術1部
有 田 哲 二
通商産業省機械情報産業局自動車課
川 口 広 美
工業技術院標準部車両課
宮 嵜 拓 郎
運輸省自動車局整備部車両課
伊 藤 紳一郎
交通安全公害研究所交通安全部保安装置研究室
関 根 邦 男
交通安全公害研究所自動車審査部
大 亀 邦 生
いすゞ自動車株式会社開発本部大型車研究実験部
江 草 啓 造
ダイハツ工業株式会社実験部
福 田 完
トヨタ自動車株式会社第2技術部
松 岡 貞 雄
東洋工業株式会社第2実験研究部
小 幡 豊
日産自動車株式会社車体実験部
内 山 博 次
日産ディーゼル工業株式会社第1設計部
吉 田 健 志
日野自動車工業株式会社第5研究部
島 崎 雄 夫
富士重工業株式会社スバル技術本部車体研究実験部
山 本 純 一
三菱自動車工業株式会社トラック・バス技術センター
実験部
山 本 雄 三
三国工業株式会社矢板工場
馬 本 全 勝
富士重工業株式会社伊勢崎製作所
須 藤 信 治
ヂーゼル機器株式会社空調事業部設計部
大 矢 政 男
日本ラヂヱーター株式会社空調実験部
柴 田 正 明
株式会社日立製作所佐和工場カークーラー設計部
皆 川 幸 夫
東京ラヂエーター製造株式会社研究部
高 階 経 雄
五光製作所研究部
村 岡 良 三
社団法人日本自動車部品工業会
都 築 一 好
荒川車体工業株式会社技術部
(事務局)
香 取 恭 三
社団法人自動車技術会規格課