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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 4420-1986 

自動車用ブレーキライニング及びディ 
スクブレーキパッドの水,食塩水,油 
及びブレーキ液に対する劣化試験方法 

Test Procedure of Deterioration by Water, 

Salt Water, Oil and Brake Fluid for 

Brake Linings and Pads of Automobiles 

1. 適用範囲 この規格は,有機物を含有する自動車用のドラムブレーキ用ライニングとディスクブレー

キ用パッド(以下,それぞれブレーキライニング,パッドという。)を水,食塩水,油及びブレーキ液に暴

露したときの劣化試験方法について規定する。 

2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。 

劣 化 

暴露されていないサンプルに対して,暴露されたサンプルの暴露に起因する厚さ又はせん断強

さの変化。 

3. 試験温度 試験室及び浸せき液の温度は,JIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する常温とする。 

4. 装置及び器具 

4.1 

容 器 容器は,浸せき液と浸せきされるサンプルを入れることができる適当な容量のものとする。 

4.2 

マイクロメータ マイクロメータは,サンプルの寸法を測定するもので,JIS B 7502(外側マイクロ

メータ)に規定するマイクロメータ又はこれと同等以上の正確度をもつものとする。 

4.3 

せん断ジグ 試験片の場合は,JIS D 4415(自動車用ブレーキライニング及びディスクブレーキパッ

ドのせん断強さ試験方法)に規定するもの,サンプルが製品の場合は受渡し当事者間の協定によるものと

する。 

5. サンプル サンプルは,次による。 

(1) サンプルは,新品ブレーキライニング又はパッドから幅20±0.1mm,長さ20±0.1mm,厚さ5又は10mm

の試験片を採取する。ただし,5mmの厚さが得られないときは,できる限り厚く採取する。 

なお,受渡し当事者間の協定により,正規の新品ブレーキライニング又はパッドをそのまま当てる

ことができる。 

(2) サンプルの大きさは,15個とする。 

(3) JIS D 4416(自動車用ブレーキライニング及びディスクブレーキパッドの熱膨張試験方法)の5.1(2)
                                                        
引用規格,対応国際規格及び関連規格:3ページに示す。

D 4420-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

に準じて1個のサンプルについて5点の厚さ測定点を決め,マークを付ける。 

(4) 初期厚さと浸せき後の厚さを比較するために,各サンプルを区別するための標識を付ける。 

(5) 各サンプルの測定点ごとに,初期厚さを0.01mmの単位で測定し,記録しておく。 

(6) サンプルをランダムに3個ずつ,5グループに分け,これらのグループを別々にしておく。 

6. 試験方法 

6.1 

浸せき方法 浸せき液に対してサンプルの全面積を暴露するために,サンプルは暴露の期間,互い

に接触しないで鉛直状態に浸せきしなければならない。 

6.2 

操 作 

6.2.1 

グループ1 操作は,次の順序で行う。 

(1) 3個のサンプルを通常の室内に7日間放置する。 

(2) せん断直前に各スポットの厚さを測定して記録する。 

(3) すべてのサンプルをJIS D 4415又は受渡し当事者間の協定に従ってせん断試験を行い,値を記録する。 

6.2.2 

グループ2 操作は,次の順序で行う。 

(1) 3個のサンプルを水を入れた容器に7日間浸せきしておく。 

(2) 容器から取り出し,吸取紙を用いて表面を乾かす。 

(3) 乾燥後,10分以内でせん断直前に,各測定点の厚さを測定し記録する。 

(4) すべてのサンプルをJIS D 4415又は受渡し当事者間の協定に従ってせん断試験を行い,値を記録する。 

6.2.3 

グループ3 操作は,次の順序で行う。 

(1) 3個のサンプルを100g/lの塩化ナトリウム溶液を入れた容器に7日間浸しておく。 

(2) 容器から取り出し,吸取紙を用いて表面を乾かす。 

(3) 乾燥後,10分以内でせん断直前に,各測定点の厚さを測定し記録する。 

(4) すべてのサンプルをJIS D 4415又は受渡し当事者間の協定に従ってせん断試験を行い,値を記録する。 

6.2.4 

グループ4 操作は,次の順序で行う。 

(1) 3個のサンプルをJIS K 6301(加硫ゴム物理試験方法)に規定する試験用No.2油の仕様に合致した潤

滑油を入れた容器に48時間浸せきしておく。 

(2) 容器から取り出し,吸取紙を用いて表面を乾かす。 

(3) 乾燥後,10分以内でせん断直前に,各測定点の厚さを測定し記録する。 

(4) すべてのサンプルをJIS D 4415又は受渡し当事者間の協定に従ってせん断試験を行い,値を記録する。 

6.2.5 

グループ5 操作は,次の順序で行う。 

(1) 3個のサンプルをJIS K 2233(自動車用非鉱油系ブレーキ液)の仕様に合致したブレーキ液を入れた

容器に48時間浸しておく。 

(2) 容器から取り出し,吸取紙を用いて表面を乾かす。 

(3) 乾燥後,10分以内でせん断直前に,各測定点の厚さを測定し記録する。 

(4) すべてのサンプルをJIS D 4415又は受渡し当事者間の協定に従ってせん断試験を行い,値を記録する。 

7. 記 録 次の事項を記録する。 

(1) 各サンプルの厚さ測定値の初期・浸せき後の別の5個の平均値。 

(2) 暴露による厚さの変化は,暴露前と暴露後の各サンプルの平均値の差としての劣化。3個のサンプル

の値を,その製品に対する値を得るために平均してもよい。 

D 4420-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(3) 暴露によるせん断強さの変化は,暴露されたサンプルの平均値と暴露されていないサンプルの平均値

の差としての劣化を記録する。これは暴露されていないサンプルの平均値に対する百分率として示す

ことができる。 

(4) 周囲温度 

引用規格: 

JIS B 7502 外側マイクロメータ 

JIS D 4415 自動車用ブレーキライニング及びディスクブレーキパッドのせん断強さ試験方法 

JIS D 4416 自動車用ブレーキライニング及びディスクブレーキパッドの熱膨張試験方法 

JIS K 2233 自動車用非鉱油系ブレーキ液 

JIS K 6301 加硫ゴム物理試験方法 

JIS Z 8703 試験場所の標準状態 

対応国際規格: 

ISO 6314 Road vehicles−Brake linings−Resistance to water, saline solution, oil and brake fluid−

Test procedure 

関連規格:ISO 611 Road vehicles−Braking of automotive vehicles and their trailers−Vocabulary 

ISO 1817 Vulcanized rubbers−Resistance to liquids−Methods of test 

ISO 4926 Road vehicles−Hydraulic brake systems−Non-petroleum base reference fluids 

ISO 6311 Road vehicles−Brake linings−Internal shear strength of lining material−Test procedure 

ISO 6312 Road vehicles−Brake linings−Shear strength of disc brake pad and drum brake shoe 

assemblies−Test procedure 

D 4420-1986  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

自動車 航空部会 自動車専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

中 込 常 雄 

社団法人自動車技術会 

横 溝 眞一郎 

工業技術院標準部 

柴 藤 良 知 

運輸省交通安全公害研究所 

黒 田 直 樹 

通商産業省機械情報産業局 

清 水 達 夫 

運輸省地域交通局 

瀬 倉 久 男 

防衛庁装備局 

梅 澤 清 彦 

東京工業大学 

石 渡 正 治 

財団法人日本自動車研究所 

大 沼 広 洲 

全日本トラック協会 

佐 藤   武 

慶応義塾大学 

杉 浦 秀 昭 

日本自動車整備振興会連合会 

田 中 兼 吉 

社団法人日本バス協会 

轟     秀 

社団法人日本自動車連盟 

安 部   宏 

株式会社本田技術研究所 

改 田   護 

トヨタ自動車株式会社 

紅 谷 恒 雄 

日産自動車株式会社 

須 永 惇 一 

いすゞ自動車株式会社 

鈴 本 作 良 

社団法人日本自動車部品工業会 

高 原 昭 二 

三菱自動車工業株式会社 

西 原 孝 雄 

マツダ株式会社 

大 槻 耕 一 

日野自動車工業株式会社 

金 子 達 明 

日本自動車輸入組合 

(専門委員) 

斎 藤   巌 

財団法人日本規格協会 

佐 藤   好 

日本道路公団 

有 賀   久 

日産ディーゼル株式会社 

宇 藤   官 

鈴木自動車工業株式会社 

(事務局) 

田 代 和 也 

工業技術院標準部機械規格課 

宗 像 保 男 

工業技術院標準部機械規格課