2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 4417-1986
自動車用ブレーキライニング及び
ディスクブレーキパッドの
比重試験方法
Test Procedure of Specific Gravity for
Brake Linings and Pads of Automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車の常用ブレーキに使用するドラムブレーキ用ライニング及びディスク
ブレーキ用パッド(以下,それぞれブレーキライニング,パッドという。)の比重の測定方法について規定
する。
引用規格:
JIS Z 8401 数値の丸め方
関連規格:JIS K 7112 プラスチックの密度と比重の測定方法
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
比重 同じ温度における同体積の水に対する物質の一定体積の質量の比。
t℃における密度 (g/cm3) は同じ温度の比重に,次のようにして換算することができる。
2
1
ρ
ρ
=
d
ここに,
d: t℃における比重
ρ1: t℃における試料の密度 (g/cm3)
ρ2: t℃における水の密度 (g/cm3)
t (℃)
ρ (g/cm3)
20
0.998 2
23
0.997 5
25
0.997 0
27
0.996 5
30
0.995 6
3. 試験温度及び湿度 測定は,原則として温度23±2℃,相対湿度50±5%の室内で行う。
4. 装置及び器具
4.1
はかり はかりは,サンプルが供試品の場合,感量10mgのもの,サンプルが試験片の場合,感量
1mgのものとする。
2
D 4417-1986
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4.2
水槽 水槽は,サンプルを浸せきできる適当な容量のものとする。
4.3
固定支持台 サンプルが水槽の底部及び器壁に密着しないようにするための支持台を用いる。
4.4
デシケーター デシケーターは,乾燥塩化カルシウム又はシリカゲル入りのものとする。
5. サンプル サンプルは,次による。
(1) 供試品の場合,ブレーキライニング単体及びパッドの裏金を除去した新品を使用する。
(2) 試験片の場合,正規の新品ブレーキライニング又はパッドから幅25mm,長さ25mmのなるべく厚い
試験片を切り出し,試験片の表面は平滑で液に浸せきしたとき気泡が付着しないようにする。
なお,パッドの場合の試験片の採取は,原則として裏金の穴の部分を除く。裏金の穴の部分にかか
る場合は,その部分をできる限り少なくする。
(3) サンプルの大きさは,受渡し当事者間の協定による。
(4) サンプルは,デシケーター中で24時間以上放置するか,又は150℃に保持した電気炉中で1時間加熱
後デシケーター中で常温まで冷却しておく。
6. 測定方法
6.1
浸せき液 浸せき液は,新しく蒸留した水,又は試験前に煮沸して空気を追い出した蒸留水を用い
る。
6.2
操作 操作は,次による。
(1) サンプルを直径0.1mm以下の金属線などで結び,サンプルの質量を空気中で,供試品の場合10mgま
で,試験片の場合1.0mgまで測定する。
(2) 空気を追い出した浸せき液を水槽に入れて,はかりの可動部に触れないように固定支持台の上に置く。
(3) 金属線などで結んだサンプルを浸せき液に浸して,金属線などの他端をはかりにつるす。
(4) サンプルに空気が付かないように気泡を細い金属線などを用いて完全に追い出した後,1分間保持す
る。
(5) 1分間保持したのち浸せき液中の見掛けの質量を,供試品の場合10mgまで,試験片の場合1.0mgま
で測定する。
7. 計算 比重を,次によって計算する。
(1) 比重の計算は,次式により,規定の数値より1けた下の位まで求める。
2
1
1
m
m
m
d
−
=
ここに,
d: 比重
m1: サンプルの空気中における質量 (g)
m2: サンプルの浸せき液中における見掛けの質量 (g)
(2) 計算値の平均値を,JIS Z 8401(数値の丸め方)によって小数点以下2けたに丸める。
8. 記緑 付表に示す様式の記録用紙に,次の事項を記入する。
(1) サンプルの材質及び寸法
(2) 平均値
(3) 測定値の範囲又は標準偏差
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D 4417-1986
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(4) 浸せき液の温度
(5) 試験室の温度及び湿度
(6) 試験年月日
(7) その他 受渡し当事者間の協定による事項
付表 比重記緑用紙
備考 はかりの感量は,サンプルが供試品の場合10mgのもの
はかりの感量は,サンプルが試験片の場合1mgのもの
4
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自動車 航空部会 自動車専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
中 込 常 雄
社団法人自動車技術会
横 溝 眞一郎
工業技術院標準部
柴 藤 良 知
運輸省交通安全公害研究所
黒 田 直 樹
通商産業省機械情報産業局
清 水 達 夫
運輸省地域交通局
瀬 倉 久 男
防衛庁装備局
梅 澤 清 彦
東京工業大学
石 渡 正 治
財団法人日本自動車研究所
大 沼 広 洲
全日本トラック協会
佐 藤 武
慶応義塾大学
杉 浦 秀 昭
日本自動車整備振興会連合会
田 中 兼 吉
社団法人日本バス協会
轟 秀
社団法人日本自動車連盟
安 部 宏
株式会社本田技術研究所
改 田 護
トヨタ自動車株式会社
紅 谷 恒 雄
日産自動車株式会社
須 永 惇 一
いすゞ自動車株式会社
鈴 本 作 良
社団法人日本自動車部品工業会
高 原 昭 二
三菱自動車工業株式会社
西 原 孝 雄
マツダ株式会社
大 槻 耕 一
日野自動車工業株式会社
金 子 達 明
日本自動車輸入組合
(専門委員)
斎 藤 巌
財団法人日本規格協会
佐 藤 好
日本道路公団
有 賀 久
日産ディーゼル株式会社
宇 藤 官
鈴木自動車工業株式会社
(事務局)
田 代 和 也
工業技術院標準部機械規格課
宗 像 保 男
工業技術院標準部機械規格課