2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 3904-1997
自動車部品−ガソリン機関用
スピンオン形オイルフィルタ
Automotive parts−Spin-on type oil filters for gasoline engines
1. 適用範囲 この規格は,自動車のガソリン機関に用いる全流式スピンオン形(1)オイルフィルタ(以下,
フィルタという。)について規定する。
注(1) フィルタエレメントごと一緒に,簡易に交換できる形式のもの。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS D 1611 自動車部品−オイルフィルタ試験方法
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
2. 用語の定義 この規格で用いる用語の定義は,JIS D 1611によるほか次による。
(1) コンタミナント捕そく比 試験終了までにフィルタに添加したコンタミナント固形物の全質量をフィ
ルタケースの高さで割った値。グラム毎ミリメートル (g/mm) で表す。
3. 種類 フィルタの種類は,呼び径によって区分し,表1のとおりとする。
表1 種類
種類
呼び径 D
mm
1
90以下
2
90を超えるもの
2
D 3904-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4. 取付けねじ 取付けねじは,M20×1.5又は3/4−16UNFとする。ただし,3/4−16UNFは,新規設計
の際にはできる限り使用しない。
5. 性能 フィルタの性能は,表2のとおりとする。
表2 性能
項目
性能
試験方法
圧力損失
30 kPa以下
7.2による。
逃がし弁の開弁圧力
受渡当事者間の協定による。
7.3による。
エレメントの差圧強度
差圧500 kPaで破損しないこと。
7.4による。
ろ過効率
7.5による。
コンタミナント捕そく比 種類1:0.25 g/mm以上
種類2:0.30 g/mm以上
インパルス耐久
油漏れ及び破損がないこと。
7.6による。
耐圧強度
油圧1 500 kPaで油漏れ及び破損がないこと。 7.7による。
振動耐久
油漏れ及び破損がないこと。
7.8による。
ドレンバック油量
種類1:50mL以下,ただし,受渡当事者間の
協定によって100 mL以下としてもよ
い。
種類2:100 mL以下
7.9による。
バブル率
50 %以上
7.10による。
6. 外観 外観は良好で,有害なきず,割れ,その他の欠陥があってはならない。
7. 試験方法
7.1
試験の一般条件 試験の一般条件は,次による。
(1) 各試験の試験室の状態は,特に指定がない限り,JIS Z 8703に規定する常温 (5〜35℃) ,常湿 (45〜
85 %) とする。
(2) 圧力損失試験,ろ過効率及びコンタミナント捕そく比試験の流量は,表3のとおりとする。
表3 流量
種類
流量
L/min
1
10
2
15
7.2
圧力損失試験 圧力損失試験は,JIS D 1611の5.(圧力損失試験)によって行い,圧力損失を測定
する。ただし,試験油はJIS D 1611の5.1(試験条件)(1)(試験油)(a)とし,流量は表3による。
7.3
逃がし弁の性能試験 逃がし弁の性能試験は,JIS D 1611の6.(逃がし弁の性能試験)によって行
い,指定された流量になるときの逃がし弁の開弁圧力を測定する。ただし,試験油はJIS D 1611の5.1 (1)
(a)による。
3
D 3904-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
7.4
エレメントの差圧強度試験 エレメントの差圧強度試験は,JIS D 1611の7.(エレメントの差圧強
度試験)のうち,7.1(試験条件),7.2(試験装置)及び7.3(試験手順)(1)(エレメント差圧強度試験)
によって行い,フィルタエレメントの破損の有無を調べる。
7.5
ろ過効率及びコンタミナント捕そく比試験 ろ過効率及びコンタミナント捕そく比試験は,次によ
って行う。
(1) JIS D 1611の8.(ろ過効率試験)によって試験を行い,ろ過効率及びコンタミナント捕そく比を求め
る。試験時間は,圧力損失が100 kPaに達するまでの時間とし,流量は表3による。ただし,66時間
を超えても100 kPaに達しない場合には,受渡当事者間の合意によって適宜打ち切ってもよい。
なお,逃がし弁を内蔵しているフィルタは,逃がし弁を閉そくして行う。
(2) コンタミナント捕そく比は,次の式によって求める。
H
W
C
C
R=
ここに, CR: コンタミナント捕そく比 (g/mm)
WC: 試験終了までにフィルタに添加したコンタミナント固形分
の全質量 (g)
H: フィルタケースの高さ (mm)
7.6
インパルス耐久試験 インパルス耐久試験は,JIS D 1611の9.(インパルス耐久試験)によって行
い,フィルタからの油漏れ及び破損の有無を調べる。
7.7
耐圧試験 耐圧試験は,JIS D 1611の10.(耐圧試験)によって行い,フィルタからの油漏れ及び破
損の有無を調べる。
7.8
振動試験 振動試験は,JIS D 1611の11.(振動試験)によって行い,フィルタからの油漏れ及び破
損の有無を調べる。
7.9
ドレンバック油量試験 ドレンバック油量試験は,JIS D 1611の12.(ドレンバック油量試験)によ
って行い,ドレンバック油量を測定する。
なお,油面高さは500 mmとする。
7.10 バブル試験 バブル試験は,JIS D 1611の13.(バブル試験)によって行い,バブル率を求める。
8. 検査
8.1
検査項目 検査項目は,次のとおりとする。
(1) 性能検査
(2) 外観検査
8.2
検査方法 検査方法は,受渡当事者間の協定による抜取検査方式に基づく抜取検査とする。
9. 表示 フィルタには,見やすい箇所に容易に消えない方法で,製造業者名又はその略号を表示する。
4
D 3904-1997
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
社団法人日本自動車部品工業会 オイルフィルタJIS改正原案作成委員会 構成表
氏名
所属
(委員長)
○ 古 林 誠
青山学院大学理工学部
(幹事)
○ 土 屋 新 作
和興産業株式会社
(委員)
○ 前 川 武 也
工業技術院標準部
大 井 篤
通商産業省機械情報産業局自動車課
江 國 実
運輸省自動車交通局技術安全部整備課
山 下 憲 一
社団法人日本粉体工業技術協会
因 幸二郎
財団法人日本規格協会
中 込 常 雄
日本工業標準調査会規格調整専門委員会
阿 部 静 郎
社団法人陸用内燃機関協会
青 木 千 明
日本内燃機関連合会
(今 井 清 日本内燃機関連合会 平成7年7月に交代)
○ 疋 田 憲 志
日本電装株式会社
○ 加 山 俊 明
東京濾器株式会社
○ 鍋 島 庸 介
株式会社土屋製作所
○ 藤 原 正 康
東洋濾機製造株式会社
○ 大 口 和 則
日本濾過器株式会社
○ 小 島 克 己
社団法人日本自動車部品工業会
大 堀 正 衛
トヨタ自動車株式会社
松 本 栄 一
日産自動車株式会社
○ 福 井 清 孝
いすゞ自動車株式会社
太 田 誠 一
三菱自動車工業株式会社
白 井 純一郎
ダイハツ工業株式会社
鈴 木 正 倫
スズキ株式会社
長 島 隆
株式会社本田技術研究所
鹿 島 祐 三
富士重工業株式会社
(関係者)
根 岸 喜代春
工業技術院標準部
大 熊 敬 尚
財団法人日本規格協会
江 崎 寿 雄
豊田紡織株式会社
久 米 正 人
豊田紡織株式会社
石 田 隆 美
エイケン工業株式会社
佐 藤 嘉 宏
日本ドナルドソン株式会社
金 井 晃 一
東洋エレメント株式会社
百 戸 一 夫
京三電機株式会社
大 前 貴 志
株式会社土屋製作所
加 藤 健 一
日本電装株式会社
篠 原 徹
日産自動車株式会社
渡 部 貴 也
日産自動車株式会社
中 村 俊
三菱自動車工業株式会社
大 澤 充
株式会社本田技術研究所
(事務局)
高 橋 マサ子
社団法人日本自動車部品工業会
○印は,小委員会委員を兼ねる。
文責 オイルフィルタJIS改正原案作成委員会