D 3604 : 1998
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法に基づいて,日本工業標準調査会の審議を経て,通商産業大臣が改正した日
本工業規格である。これによってJIS D 3604-1984は改正され,この規格に置き換えられる。
今回の改正では,対応する国際規格との整合度を高めた。対応国際規格は,ISO 2697 : 1974, Road vehicles
−Fuel injection nozzles−Size “S” である。
この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の
実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。通商産業大臣及び日本工業標準調査会
は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新
案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。
JIS D 3604には,次に示す附属書がある。
附属書1(規定) ホール形,ショートステム噴射ノズル−“C”形
附属書2(規定) ISO 2697によらないホール形,ロングステム噴射ノズル−“AO形”
附属書3(規定) ISO 2697によらないノックピン及び燃料供給穴の配置(選択)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 3604 : 1998
自動車−ディーゼル機関用燃料噴射
ノズルの形状及び寸法−サイズ“S”
Road vehicles−Shapes and dimensions of fuel injection nozzles
for diesel engines−Size “S”
序文 この規格は,1974年に第1版として発行されたISO 2697, Road vehicles−Fuel injection nozzles−Size
“S”を元に作成した日本工業規格であり,附属書2及び附属書3を除いて,技術的内容及び規格票の様
式を変更することなく作成している。
附属書2には,我が国独自のノズル軸長さ(−“A0”形の形状及び許容差)を,並びに附属書3にノズル
ホルダへのノズルの組立てについて,ノックピンと燃料供給穴の配置方法(選択)を,それぞれ規定した。
なお,附属書2及び附属書3を除き,この規格で点線の下線を施してある箇所は,原国際規格にはない事
項である。
1. 適用範囲 この規格は,ディーゼル機関に使用される,ある種(サイズ“S”)の燃料噴射ノズルの主
要寸法に関する要求事項を規定する。
これらの要求事項は,対応するノズルホルダに対するノズルの組立て及び互換性を見込むものである。
備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。
ISO 2697 : 1974 Road vehicles−Fuel injection nozzles−Size“S”
2. 適用分野 この規格は,ホール形ロングステムノズル(形式“A1”及び“A2”)並びにピントルノズ
ル(形式“B”などのサイズ“S”の噴射ノズルを規定する(表1参照)。
備考 A1形及びB形噴射ノズルが推奨形である。“非推奨”のホール形ショートステムノズルである
“C”形は,附属書1で規定する。また,ホール形ロングステムノズルの“AO”形は,附属書
2で規定する。
3. 引用規格
JIS D 3631 自動車−ディーゼル機関用燃料噴射ノズルホルダの形状及び寸法−サイズ“S”ノズル用
備考1. ISO 2699, Diesel engines−Flange-mounted fuel injectors, size “S” −Types 2, 3, 4, 5 and 6,
ISO 7026, Diesel engines−Screw-in injection nozzle holders, types 20, 21, 21.1 and 27 for
pintle nozzle size “S” , type “B” ISO 7030, Road vehicles−Screw-mounted injection nozzle
holders, types 12, 13, 14, 15, 16, 17, 18 and 19 の12, 13, 14及び15形がJIS D 3631に対応して
おり,これらからの引用事項は,この規格の該当事項と同等である。
2
D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考2. 対応国際規格ISO 2697 : 1974発行時点では,ISO 2699及びISO 2700のそれぞれにDISが
脚注に記述されていた。それらがISO規格として発行されてから,更にISO 2700は廃止
(1992年)され,逆にISO 7026及びISO 7030が,ISO 2699と同じ趣意のもとに発行され
た。
4. 寸法及び許容差 ノズルの寸法及び許容差は図1及び図2並びに表1による。
注(1) この寸法は,YY´基準面から,噴孔軸群とノズル軸との交点までの距離を示す。
(2) 燃料供給溝は,ノックピン穴のないノズル及び複数の燃料供給孔をもつノズルにだけ必要である。
(3) ノズルの基準中心線は,径A2の円の中心を通る。
図1 ホール形ロングステムノズル
“A1”及び“A2”形
図2 ピントルノズル“B”形
表1
単位mm
形式
A2
B2
B'2
C
D
T
R
A1(推奨)
17h11
9.2以下
(B2≧B'2)
8.9以上
25
6.0
0
−
26.5
3.0
2.0
−
+
15.5
0
5.0
+
0.6以下
A2
38.5
0.3
0.2
−
+
B
14c11
−
8
4.0
0
−
19±0.2
16.3
0
2.0
+
0.25以下
5. ノズルホルダへのノズルの組立
5.1
ノズルキャップナットの寸法及び許容差
3
D 3604 : 1998
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図3 ノズルキャップナット
表2
単位mm
形式
A1
B1
E
S
U
A1及びA2
17D13
10
05
.0
0.16
−
+
6.2
0.2
0
−
11.5
0
0.3
+
0.4以下
B
14.3
0
0.2
+
15.0±0.1
0.2以下
4
D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
5.2
組立の寸法及び許容差
注(4) ディーゼルエンジンへのノズルホルダの位置を決める位置決め具と,基準ノックピンとの角度の許容
差は,±1°とする。
(5) 基準ノックピン穴と噴孔との角度の許容差は,±1°30'とする。
(6) ノズルホルダの基準軸は,直径Wの円の中心と一致する。
図4 組立
5
D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
備考1. ノズルホルダ用ノックピン及びノズルのノックピン穴の寸法は,その位置に関する寸法及び許容差
を含め,エンジン製造業者が求める場合に必要である。
参考 対応国際規格では,“非対称噴射を用いる場合にだけ”と記述している。
2. 5.2で規定する組立てに関する寸法及び許容差は,ノズル形式“A1”,“A2”及び“B”に,また,
ノズルホルダは,2形〜6形,12形,13形,20形,21形,21.1形及び27形並びに14形及び15形
にサイズ“S”ノズルを組み合わせる場合に適用する(3.を参照)。
参考 ノズルホルダの1形は.過去ISO 2700によって規定されていたので,原国際規格では1形もここに
記述してあった。ISO 2700はその後廃止されたので,この規格では1形を記述していない。
6. その他の寸法及び仕様 この規格で規定しない寸法及び要求事項は,製造業者の判断に任せる。
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D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書1(規定) ホール形,ショートステム噴射ノズル−“C”形
ホール形,ショートステム噴射ノズル“C”形は,附属書図1に示す寸法D以外“B”形ノズルに従う。
“C”形ノズルを固定するのに用いるキャップナットは,“B”形ノズルに用いるものと同じ形状でなけ
ればならない(5.1参照)。
“C”形ノズルを組み込むノズルホルダは,5.2の要求事項に合致せねばならない。
注(1) この寸法は,基準面YY'から,噴孔軸群とノズル軸の交点までの距離を示す。
附属書図1 ホール形,ショートステム噴射ノズル−“C”形
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D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書2(規定) ISO 2697によらないホール形,
ロングステム噴射ノズル−“A0”形
ホール形,ロングステム噴射ノズル,“A0”形は,附属書図2に示す寸法D以外“A1”形ノズルに従う。
“A0”形ノズルを固定するキャップナットは,“A1”形ノズルに用いるものと同じ形状でなければならな
い(5.1参照)。
“A0”形ノズルを組み込むノズルホルダは,5.2の要求事項に合致せねばならない。
注(1) この寸法は,基準面YY'から,噴孔軸群とノズル軸の交点までの距離を示す。
附属書図2 ホール形,ロングステム噴射ノズル−“A0”形
参考 この附属書は,全体が原国際規格にない規定である。
原国際規格との差異を示す点線の下線は省略してある。
8
D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
附属書3(規定)
ISO 2697によらないノックピン及び燃料供給穴の配置(選択)
5.2の組立ての寸法及び許容差に関し,ノックピン及び燃料供給穴の配置の選択として,附属書図3に示
す形状及び寸法も規定する。
参考 この附属書は,全体が原国際規格にない規定である。
原国際規格との差異を示す点線の下線は省略してある。
備考1. ノズルホルダ用ノックピン及びノズルのノックピン穴の寸法は,その位置に関する寸法及び
許容差を含め,エンジン製造業者が求める場合に必要である。
2. 附属書3で規定する,組立てに関する寸法及び公差は,ノズル形式“A1”,“A2”及び“B”
に,また,ノズルホルダは,2形〜6形,12形,13形,20形,21形,21.1形及び27形並び
に14形及び15形にサイズ“S”ノズルを組み合わせる場合に適用する(3.を参照)。
9
D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
注(1) ディーゼルエンジンへのノズルホルダの位置を決める位置決め具と,基準ノックピンとの角度
の許容差は,±1°とする。
(2) 基準ノックピン穴と噴孔との角度の許容差は,+1°30'とする。
(3) ノズルホルダの基準軸は,直径Wの円の中心と一致する。
附属書図3
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D 3604 : 1998
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
社団法人自動車技術会原動機部会燃料噴射装置分科会 構成表
氏名
所属
(分科会長)
寺 澤 通 高 日野自動車工業株式会社エンジンRD部
(幹事)
成 田 実 株式会社デンソーディーゼル噴射技術2部
(委員)
小 島 克 己 社団法人日本自動車部品工業技術会技術部
篠 崎 修 工業技術院機械技術研究所エネルギー部
津 金 秀 幸 工業技術院標準部機械規格課
石 本 省 寄 株式会社ゼクセルSE開発部門研究3部
小松崎 雅 康 三桜工業株式会社技術本部技術開発部
谷 本 強 ヤンマーディーゼル株式会社精密機器事業部精密機器開発部
望 月 厚 芳 マルヤス工業株式会社技術部
家 本 晴 司 臼井国際産業株式会社製造グループ
植 田 弘 明 マツダ株式会社パワートレイン設計部
川 畑 弘 二 ダイハツ工業株式会社エンジン部
栗 田 弘 之 日産ディーゼル工業株式会社開発本部機関設計部
関 口 明 彦 三菱自動車工業株式会社トラック・バス開発本部エンジン設
計部
冨 永 浩 之 トヨタ自動車株式会社第3開発センター第3パワートレーン
部
中 井 洋 明 日産自動車株式会社パワートレイン開発本部第1パワートレ
ーン設計部
原 田 哲 也 いすゞ自動車株式会社パワートレイン開発室大型エンジン設
計部
(事務局)
平 野 修 二 社団法人自動車技術会規格部門