D 2701-2:2014 (ISO 10597:2012)
(1)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 ナット本体の試験方法 ······································································································· 1
3.1 保証荷重試験の手順 ······································································································· 2
3.2 判定基準 ······················································································································ 3
4 ナットの試験方法 ············································································································· 3
4.1 トルクと軸力との関係−締付け力······················································································ 3
4.2 トルクと軸力との関係−繰返し締付け················································································ 4
D 2701-2:2014 (ISO 10597:2012)
(2)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本自動車部品工業会(JAPIA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
これによって,JIS D 2701:1993は廃止され,その一部を分割して制定したこの規格に置き換えられた。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS D 2701の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS D 2701-1 第1部:平面座ナット
JIS D 2701-2 第2部:平面座ナットの試験方法
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 2701-2:2014
(ISO 10597:2012)
商用車用ホイールナット−
第2部:平面座ナットの試験方法
Wheel fixing nuts for commercial vehicles-Part 2: Test methods
序文
この規格は,2012年に第3版として発行されたISO 10597を基に,技術的内容及び構成を変更すること
なく作成した日本工業規格である。
なお,この規格で点線の下線を施してある参考事項は,対応国際規格にはない事項である。
1
適用範囲
この規格は,自動車用ディスクホイールの適正な取付けを保証するために,ねじの呼び径18 mm,20 mm
及び22 mmの平面座の座金組込み六角ナット(以下,ナットという。)の試験方法及び判定基準について
規定する。この規格は,JIS D 2701-1に規定するナットに適用し,他の一般用締結用部品及び特殊締結用
部品には適用しない。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 10597:2012,Road vehicles−Flat attachment fixing nuts for commercial vehicles−Test methods
(IDT)
なお,対応の程度を表す記号“IDT”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“一致している”こ
とを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 1042 締結用部品−表面欠陥 第2部:ナット
注記 対応国際規格:ISO 6157-2,Fasteners−Surface discontinuities−Part 2: Nuts(IDT)
JIS D 2701-1 商用車用ホイールナット−第1部:平面座ナット
注記1
対応国際規格:ISO 7575:1993,Commercial road vehicles−Flat attachment wheel fixing nuts
(MOD)
注記2
対応国際規格の引用規格には掲載されていないが,適用範囲で引用されているために,引
用規格とした。
3
ナット本体の試験方法
注記 ナット本体とは,座金組込み六角ナットのうち座金を除いた部分を示す。
2
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3.1
保証荷重試験の手順
手順は,次による。
− 必要な防せい(錆)処理が施された量産仕様のナットだけを使用する。
− ボルト又はねじの付いたジグ(強度区分10.9以上を推奨)のねじは,量産の標準的な公差域クラスで
なければならない。
− 保証荷重試験を開始する前にナットの高さhを測定する。
− ボルト又はねじの付いたジグを用いてナットに軸方向の試験力を負荷する(図1及び図2を参照)。
− ナットへの試験力は,0.6×保証荷重(F)を3回繰返し負荷する。
− 3回目負荷後,4回目に1×Fの試験力を負荷し,15秒間保持する。
− その後,試験力を取り除いたときのナットの高さhを測定する。
− 強度区分10の保証荷重Fの値は,表1による。
− ナットは,ねじ山せん断又は破断することなく,試験力に耐えなければならず,試験力を取り除いた
後,指の力で取り外せなければならない。この場合,ナットの戻し始め半回転は手動レンチを用いて
もよいが,その後は,指でねじ戻すことができなければならない。
− 試験の間にボルト又はねじの付いたジグのねじが損傷した場合,その試験は無効とする。
D=
0.40
0.25
+
+
d
D ボルト孔径(mm)
d
ねじの呼び径(mm)
1
ボルト又はねじの付いたジグ
2
ナット
3
鋼製固定板
図1−ナットの保証荷重(引張)試験の例
3
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
D=
0.40
0.25
+
+
d
D ボルト孔径(mm)
d
ねじの呼び径(mm)
1
ボルト又はねじの付いたジグ
2
ナット
3
鋼製固定板
図2−ナットの保証荷重(圧縮)試験の例
表1−保証荷重
ねじの呼び
保証荷重
(F)
kN
M18×1.5
235
M20×1.5
295
M22×1.5
360
3.2
判定基準
割れ,その他の表面欠陥の判定基準は,JIS B 1042による。
試験力を取り除いた後のナットの高さhの永久変形量は,0.13 mmを超えてはならない。
ねじ山の変形は,それぞれのねじに対応した通りねじゲージ及び止りねじゲージで確認するものとする。
4
ナットの試験方法
4.1
トルクと軸力との関係−締付け力
4.1.1
目的
この試験の目的は,必要な防せい処理が施された量産仕様のナットが,適正な締付け力を提供できる性
能をもつことを保証することである。判定基準に適合するために潤滑剤の使用が必要と判断した場合は,
これを試験結果に示さなければならない。この場合,潤滑剤の仕様,潤滑した箇所の詳細及び再塗布の頻
度も試験結果に示さなければならない。摩擦係数は,市場での一般的なものになることが望ましい。ただ
し,ホイール又は自動車の製造業者は,実情に応じて摩擦係数を決めてもよい。
4
D 2701-2:2014 (ISO 10597:2012)
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
4.1.2
供試部品の選定
必要な防せい処理が施された量産仕様のナットだけを用いる。毎回,新品のナット及びボルトを供試す
る。
4.1.3
試験手順
必要データを全て表示可能なボルト締付け試験機でナットを試験する。締付けトルク及び軸力の全域を
記録する。座面トルク及びねじ部トルクを記録してもよい。
締付け装置を用い,2〜10 min−1の回転速度で締付け力を与える。試験機上の座金は,回転しないように
固定されていなければならない。試験ボルトは,量産で使用されている代表的なものを使用する。
表2に示す初期トルクまで締め付けてボルトの軸力を測定する。その後,最終トルクまで締め付けてボ
ルトの軸力を測定する。表2に試験トルク並びに軸力の最小値及び最大値を示す。
表2−試験トルク及び軸力
ねじの呼び
初期トルク
N・m
最小軸力値
kN
最終トルク
N・m
最大軸力値
kN
M18×1.5
250
80
420
225
M20×1.5
339
100
610
295
M22×1.5
500
133
700
310
4.1.4
判定基準
次のいずれかが発生した場合は,不合格とする。
a) 初期トルク時に最小軸力値を下回る。
b) 最終トルク時に最大軸力値を超える。
c) ナット本体のねじ山のせん断が生じる。
d) 最終トルクに達しない。
e) 深さがあり,目視可能な新たに発生した亀裂(目視検査を補うために,市販されている割れ検出装置,
又は割れ検出技術を使用してもよい)。
試験ボルトのねじ部が試験中に損傷した場合,その試験は無効なものとする。ナットは試験の前後に割
れの評価を実施しなければならない。
a)からe)までの判定基準のいずれかが認められた場合,その原因がナットによるものかボルトによるも
のかを確認するために,45 HRC以上の硬さに焼入れし,標準的な量産仕様のボルトのねじをもつもので
試験を再度実施してもよい。
4.2
トルクと軸力との関係−繰返し締付け
4.2.1
目的
この試験の目的は,再使用時のトルクと軸力との特性を保証することである。
4.2.2
供試部品の選定
必要な防せい処理が施された量産仕様の新品のナット及びボルトを供試する。
4.2.3
試験手順
4.1.3に示す手順及び試験機で,ナットを表2に示す最終トルクまで5回繰返し締め付ける。
4.2.4
判定基準
判定基準は,4.1.4に示す判定基準に加え,初回の軸力に対し5回締付け時の軸力が30 %低下した場合
も不合格とする。