D 1611-3:2017
(1)
目 次
ページ
序文 ··································································································································· 1
1 適用範囲························································································································· 1
2 引用規格························································································································· 1
3 用語,定義及び記号 ·········································································································· 2
3.1 用語及び定義 ················································································································ 2
3.2 記号 ···························································································································· 2
4 試験項目························································································································· 2
5 耐圧試験························································································································· 2
5.1 一般 ···························································································································· 2
5.2 試験装置 ······················································································································ 2
5.3 試験油 ························································································································· 3
5.4 準備及び試験手順 ·········································································································· 3
5.5 記録 ···························································································································· 4
6 インパルス耐久試験 ·········································································································· 4
6.1 一般 ···························································································································· 4
6.2 試験装置 ······················································································································ 4
6.3 試験油 ························································································································· 6
6.4 試験温度 ······················································································································ 6
6.5 精度 ···························································································································· 6
6.6 準備及び試験手順 ·········································································································· 7
6.7 受渡当事者間で合意がない場合に試験に用いる数値 ······························································ 7
6.8 記録 ···························································································································· 7
7 振動試験························································································································· 8
7.1 一般 ···························································································································· 8
7.2 試験装置 ······················································································································ 8
7.3 試験油 ························································································································· 8
7.4 事前調整 ······················································································································ 8
7.5 準備及び試験手順 ·········································································································· 9
7.6 記録 ··························································································································· 10
附属書JA(参考)JISと対応国際規格との対比表 ······································································ 12
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(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,一般社団法人日本自動車部品工業会(JAPIA)
及び一般財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出
があり,日本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願又は実用新案権に抵触する可能性があることに注意
を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許権,出願公開後の特許出願及び実
用新案権に関わる確認について,責任はもたない。
JIS D 1611の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS D 1611-1 第1部:一般試験方法
JIS D 1611-2 第2部:全流式オイルフィルタの粒子カウント法によるろ過効率試験方法及びコンタミ
ナント捕そく(捉)容量試験方法
JIS D 1611-3 第3部:複合材フィルタハウジングの試験方法
日本工業規格 JIS
D 1611-3:2017
自動車部品−内燃機関用オイルフィルタ−
第3部:複合材フィルタハウジングの試験方法
Automotive parts-Lubricating oil filters for internal combustion engines-
Part 3: Tests for composite filter housings
序文
この規格は,2013年に第1版として発行されたISO 4548-13,2016年に第1版として発行されたISO
4548-14及び2014年に第1版として発行されたISO 4548-15を基とし,日本工業規格としての利便性を図
るため,技術的内容を変更して作成した日本工業規格である。
なお,この規格で側線又は点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格を変更している事項である。
変更の一覧表にその説明を付けて,附属書JAに示す。
1
適用範囲
この規格は,内燃機関用全流式,バイパス式及びコンビネーション式の複合材で構成するオイルフィル
タハウジングの試験方法について規定する。
この規格の試験方法は,全ての種類のオイルフィルタ,例えば,スピンオン形,交換エレメント脱着形
のオイルフィルタに適用できる。
注記 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
ISO 4548-13:2013,Methods of test for full-flow lubricating oil filters for internal combustion engines
−Part 13: Static burst pressure test for composite filter housings
ISO 4548-14:2016,Methods of test for full-flow lubricating oil filters for internal combustion engines
−Part 14: Cold start simulation and hydraulic pulse durability for composite filter housings
ISO 4548-15:2014,Methods of test for full-flow lubricating oil filters for internal combustion engines
−Part 15: Vibration fatigue test for composite filter housings(全体評価:MOD)
なお,対応の程度を表す記号“MOD”は,ISO/IEC Guide 21-1に基づき,“修正している”
ことを示す。
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格は,その最新版(追補を含む。)を適用する。
JIS B 0125-1 油圧・空気圧システム及び機器−図記号及び回路図−第1部:図記号
注記 対応国際規格:ISO 1219-1:2006,Fluid power systems and components−Graphic symbols and
circuit diagrams−Part 1: Graphic symbols for conventional use and data-processing applications
(MOD)
2
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JIS D 1611-1 自動車部品−内燃機関用オイルフィルタ−第1部:一般試験方法
注記 対応国際規格:ISO 4548-1:1997,Methods of test for full-flow lubricating oil filters for internal
combustion engines−Part 1: Differential pressure/flow characteristics(MOD)
3
用語,定義及び記号
3.1
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS D 1611-1によるほか,次による。
3.1.1
破損
破壊,変形又は油漏れ。
3.2
記号
この規格で用いる主な記号は,JIS B 0125-1による。
4
試験項目
試験は,次の項目について行う。
a) 耐圧試験(箇条5)
b) インパルス耐久試験(箇条6)
c) 振動試験(箇条7)
5
耐圧試験
5.1
一般
複合材で作られた部品は使われる温度によって材料特性が変化する。このためこの箇条では,オイルフ
ィルタの高温時及び低温時における静的な圧力に対する耐圧性,破損圧力,並びに破損状態及び破損箇所
を決める試験方法を規定する。
5.2
試験装置
試験装置は,油圧手動ポンプ,又は要求圧力を発生させる他の適切な装置を含んでいて,高圧管及び弁,
試験用フィルタの下流に配置された,0 kPa〜3 000 kPaの作動範囲の圧力計又は3 000 kPaを超える指定圧
力目標[5.4.1 g) 参照]が要求される場合はそれ以上の圧力の測定範囲をもつ圧力計及びオイルフィルタ
を装着するアダプタを備えていなければならない(図1参照)。
なお,温度計及び圧力計は,表1の作動範囲及び測定精度のものとする。
−30 °C〜+150 °Cの間の温度で試験できるように,環境試験槽を使用することが望ましい。
試験用フィルタは,指定がない場合は,−30 °C〜+150 °Cの範囲のある一つの温度で試験する。
連続的に圧力を監視し,漏れの発生開始時の圧力を検知するために,圧力を記録する手段又は最大到達
圧力を検知する手段を備えていなければならない。
試験装置は,測定者が安全に試験を実施できるように設計する。
3
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1
油タンク
2
油圧ポンプ
3
圧力計
4
試験用フィルタ
5
仕切弁
6
圧力調整弁
7
環境試験槽
8
温度計
M モータ
図1−耐圧試験装置の油圧系統図
表1−測定器精度
試験パラメータ
作動範囲
測定精度
温度
−30 °C〜+150 °C
±2 °C
圧力
0 kPa〜3 000 kPa a)
上限圧力の±1 %
注a) これ以上の高圧要求をする場合は,受渡当事者間による要求圧力とする。
5.3
試験油
試験油は,引火又はゲル化を避けるために,−30 °C〜+150 °Cの範囲,又は受渡当事者間によって合意
した温度範囲において,正常に機能しなければならない。試験油の動粘度は,この温度範囲内にて,5 mm2/s
〜10 000 mm2/s {5 cSt〜10 000 cSt}とする。
5.4
準備及び試験手順
5.4.1
フィルタが技術要件に適合することの検証
フィルタが技術要件に適合することの検証は,次による。
a) 推奨締付けトルク又は締付け角度(ハウジング,スピンオン形オイルフィルタなどに関して)を用い
て試験用フィルタを組み立てる。許容値が示されている場合は,最小締付けトルクを適用する。受渡
当事者間で合意された場合は,フィルタからアダプタへの接続はエンジンに装備されたものと同等の
ものとする。
b) ポンプをフィルタ又はアダプタの入口へ接続し,フィルタ又はアダプタの出口を開放弁に接続する。
弁出口部は,システムで最も高い位置とするのがよい。
c) 油が弁出口から出てくるのを目視によって確認してからポンプを作動してシステムに試験油を導入す
る。これは,空気全部がシステムから排出されたことを示している。
d) 弁を閉じて,測定者とフィルタとの間に安全保護装置を設置する。
e) 試験用フィルタの温度を指定された温度とするために,試験油の温度をセットし,試験用フィルタを
冷やすか,又は加熱する。温度センサをハウジング内又は表面に配置するのがよい。
f)
指定の試験温度に到達して少なくとも1時間保持し,200 kPaまで徐々に圧力を上げて,1分間以上圧
力を保持してから,フィルタ及び全ての接続部分の漏れを点検する。
注記 適切な破損圧力が既知の場合は,最初の圧力増加は既知の数値の50 %としてよい。これによ
って,データの質を失わずに高圧フィルタについての試験時間が短くなる。
4
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g) 10秒間で約100 kPaの割合で油圧を上げ,100 kPa刻みの圧力ごとに1分間以上保持し,フィルタの漏
れ又は変形の有無を確認する。指定圧力に達するまで続けて,1分間保持する。ただし,破損が生じ
た時点で終了とする。
h) 0 kPaに圧力を開放する。試験油温度及び環境試験槽の温度を周囲環境条件に戻して,ハウジング,ス
ピンオン形オイルフィルタに関する戻しトルク又は緩み角度を測定する。その後,フィルタ又はキャ
ップを外し,あらゆる種類の永久変形を確認する。
5.4.2
フィルタ破損圧力の確認
a) 別のフィルタを用いて5.4.1のa)〜f) に従って試験を行う。
注記 適切な破損圧力が既知の場合は,最初の圧力増加は既知の数値の50 %としてよい。これによ
って,データの質を失わずに高圧フィルタについての試験時間が短くなる。
b) 10秒間で約100 kPaの割合で油圧を上げ,100 kPa刻みの圧力ごとに10秒間以上保持し,破損が生じ
るまで試験を実施する。
c) 試験終了品を検査し,破損があった場合には破損箇所及び破損状態を特定する。
5.5
記録
記録には,少なくとも次の事項を記載する。
a) 試験機関の名称
b) フィルタ形式(製造業者名,型式番号及びロット番号)
c) 試験年月日
d) フィルタの説明:使用品の場合は,使用した期間
e) 試験油(製造業者名,商品名又は商品番号)
f)
試験温度(°C)
g) 試験開始時の締付けトルク(N・m)又は締付け角度(°)
h) 試験終了時の戻しトルク(N・m)又は緩み角度(°)
i)
目標指定圧力及びその達成有無
j)
目視による全ての永久変形箇所
k) 破損圧力(kPa)
l)
破損状態及び破損箇所
6
インパルス耐久試験
6.1
一般
複合材で作られた部品は使われる温度によって材料特性が変化する。
この箇条では,繰り返し圧力(インパルス負荷)に対する耐圧性を評価する試験方法を規定する。
6.2
試験装置
試験装置の構成は,図2による。
試験の装置及び回路は,規定の試験温度において,図3の圧力サイクルを発生でき,かつ,繰返し発生
できるものでなければならない。
5
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1
油タンク
2
油圧ポンプ
3
試験用フィルタ
4
入口圧力制御弁
5
電磁弁1
6
電磁弁2
7
出口圧力制御弁
8
入口圧力計
9
ソレノイドシーケンスタイマ及びカウンタ
10 冷却コイル(熱交換器)
11 サーモスタット(遮断スイッチ作動用)
12 温度計
13 環境試験槽
14 出口圧力計
M モータ
図2−インパルス耐久試験装置の構成
6
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1
試験圧力許容幅±5 %
2
試験圧力
3
85 %試験圧力
4
立上り勾配をもった代表的な試験圧力波形
5
15 %試験圧力
6
基準点[圧力上昇線と圧力ゼロ(0 kPa)との交点]
7
5 %試験圧力
8
0 kPa
9
インパルス入力1サイクル
注記 試験圧力は斜線の範囲内の波形のものとし,図中の波形は代表例を示す。
図3−インパルス耐久試験の繰返し圧力波形
6.3
試験油
試験油は,システムの作動液体又は受渡当事者間で合意した他の互換性がある液体とする。試験油は,
引火又はゲル化を避けるために,−30 °C〜+150 °Cの範囲又は受渡当事者間によって合意した温度範囲に
おいて,正常に機能しなければならない。
6.4
試験温度
試験は,エンジン製造業者の仕様又は受渡当事者間で合意した温度で実施する。合意がない場合は,
−30 °C〜+150 °Cの範囲のある一つの温度とする。
6.5
精度
計測装置は,作動範囲全域にわたり次に示す測定精度を確保するものでなければならない。
− 圧力:表1による。
− 時間:分解能 ±0.002 s
− 温度:表1による。
周波数範囲0 kHz〜2 kHzにおいて振幅比が0 dB〜−3 dB以内であるような全体システムの周波数応答
をもつ圧力変換器,増幅器及び記録装置を使用する。
圧力変換器は,試験用フィルタに加わる内部条件を記録できるように,試験用フィルタ内に直接装着す
るか又はできるだけ近傍に装着しなければならない。変換器と試験する圧力保持容器との間のいかなる制
約条件も避けることが望ましい。
計測装置及び手順は,JIS B 9939-1及びJIS B 9939-2に従うことが望ましい。
7
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6.6
準備及び試験手順
試験するフィルタは,フィルタ製造業者が推奨する締付けトルク又は締付け角度で適切なアダプタに装
着する。
供試アダプタを試験装置の回路に接続する。
試験システムを始動し,空気が回路から完全に排出されるまで装置を運転する。事前に試験回路を,指
定の試験温度に到達してから少なくとも1時間保持する。
エンジン製造業者の仕様又は受渡当事者間と合意した圧力が得られるまでシステム圧力を増加する。こ
のような合意がない場合は,表2に示す数値の一つを使用する。
図3に規定する波形に一致するシステム圧力にてサイクル試験を開始する。顧客スペック又は受渡当事
者間で合意がない場合は,サイクル速度(周波数)は毎秒0.5〜2サイクル(Hz)の範囲内としなければな
らない。
破損が発生するまで又はエンジン製造業者との間で合意したサイクル数に達するまで,試験を続行し頻
繁に破損の兆候を目視でチェックする。このような合意がない場合は,試験圧力選定用の表2に示す数値
の一つを使用する。
試験を終了する。戻しトルク又は緩み角度をチェックし記録する。
フィルタを外す。液体を抜き,目視で試験品を検査して,破損があった場合には,破損箇所及び破損の
状態を特定する。
6.7
受渡当事者間で合意がない場合に試験に用いる数値
表2は,フィルタの選択区分ごとの,低温始動時圧力インパルス耐久試験及び運転時インパルス耐久試
験で使用する圧力,サイクル数及び周波数を示す。
表2−試験圧力,サイクル数及び周波数
フィルタ形式
区分
低温始動時圧力インパルス耐久
運転時インパルス耐久
圧力
kPa
サイクル数
周波数
Hz
圧力
kPa
サイクル数
周波数
Hz
スピンオン
(小型車用)
A
1 000±30
1 000
0.5〜2
500±20
25 000
0.5〜2
スピンオン
(大型車用)
B
1 300±30
3 000
700±20
50 000
交換エレメント
脱着形
C
1 600±50
5 000
900±30
75 000
6.8
記録
記録には,少なくとも次の事項を記載する。
a) 試験機関の名称
b) フィルタ形式(製造業者名,型式番号及びロット番号)
c) 試験年月日
d) フィルタの説明:使用品の場合は,使用した期間
e) 試験油(製造業者名,商品名又は商品番号)
f)
試験温度(°C)
g) フィルタの区分(6.7参照)
h) 試験圧力(kPa)
8
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i)
周波数(Hz)
j)
試験開始時の締付けトルク(N・m)又は締付け角度(°)
k) 試験終了時の戻しトルク(N・m)又は緩み角度(°)
l)
破損までのサイクル数又は完了時のサイクル数
m) 破損状態及び破損箇所
7
振動試験
7.1
一般
複合材で作られた部品は使われる温度によって材料特性が変化する。このためこの箇条では,高温時及
び低温時の指定圧力下における,オイルフィルタの所定繰返し数による耐振動性を評価する試験方法を規
定する。
7.2
試験装置
7.2.1
電気機械式加振器 変位,速度及び加速度を,制御・監視するために必要なハードウェア及び電子
機器を備えるもの。
7.2.2
油圧動力源 手動又は機械的作動のいずれでもよい。
7.2.3
圧力計 試験用フィルタの定格圧力をカバーするための十分な範囲をもつもので,表1の精度のも
の。
7.2.4
加速度計2台 線形的校正特性を備え,試験用フィルタに対して適切なもの。
7.2.5
試験用フィルタ フィルタヘッド又はアダプタを備える。
7.2.6
加熱装置 試験用フィルタを指定の温度まで加熱する装置。
注記 この装置は,加振器を入れることのできる温熱槽又は高温の試験油を試験用フィルタに流すシ
ステムを使用することができる。
7.3
試験油
試験油は,引火又はゲル化を避けるために,−30 °C〜+150 °Cの範囲,又は受渡当事者間によって合意
した温度範囲において,正常に機能しなければならない。また,試験温度にて,10 mm2/s±5 mm2/s{10 cSt
±5 cSt}以下の動粘度の油[ISO粘度区分ISO VG 22は63 °C,又はSAE 5Wは68 °C(参考文献参照)],
又は受渡当事者間によって合意した油でなければならない。
7.4
事前調整
7.4.1
オイルフィルタは,その機能の一部としてエンジン油及び高温にさらされる。複合材の物性は,油
と温度との相互作用に影響を受けることがある。次の手順は,あらかじめ部品の材料特性を劣化させる方
法を記載する。ただし,この事前調整方法は,受渡当事者間による合意があれば変更することができる。
7.4.2
試験用フィルタに実際に使用される試験油を充塡する。
7.4.3
試験用フィルタを試験場所の恒温槽に入れて,受渡当事者間によって合意した試験温度及び調整時
間で熱する。条件が指定されていない場合は,121 °Cにて250時間熱する。この条件は,実際に使用され
る条件の代表例であり,影響を受けやすい材料での材料特性の劣化を促進するのに十分であると考えられ
る。事前調整終了後,周囲温度まで冷却し,加振器上に装着するために試験油を排出してもよい。
注記 潤滑油は,加熱されると膨張する。試験用フィルタが流体静力学的に破損しないようにするた
め,予防策が必要であり,一つのポートを大気に開放すれば対応できる。
9
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7.5
準備及び試験手順
7.5.1
試験用フィルタは,図4に従って推奨する締付けトルク又は締付け角度でアダプタ又はヘッドに装
着する。
7.5.2
試験油の漏れを確実に防止するために,フィルタ及びアダプタ(ヘッド)を適切な接合剤又はシー
ラントを使用して,十分な耐変形性をもつ剛性のあるプレートに取り付ける。
7.5.3
フィルタ中心軸が加振軸に直角となるようにプレート又はフィルタを加振器に固定する。
7.5.4
試験用フィルタの振動に影響しない方法でフレキシブル配管を使用して,フィルタを圧力計及び油
圧動力源に接続する。
7.5.5
入力振動加速度計をフィルタヘッド又はアダプタに取り付け,また,出力振動加速度計をフィルタ
のシーリング端面から約100 mmの位置に,又はフィルタが120 mmより短い場合はフィルタ長の85 %の
位置に取り付ける。入力及び出力の両方の加速度計の中心軸は,加振軸と平行とする(図4参照)。
振動加速度計,振動制御装置及びモニタ装置の間は,適切な電気配線を行う。
7.5.6
試験用フィルタが試験油で満たされ,内部に残留している空気が試験用フィルタから完全に排出さ
れたことを確認する。フィルタの定格圧力,又は受渡当事者間によって合意した圧力まで,試験用フィル
タを加圧する。試験圧力の指定がない場合は,試験用フィルタに500 kPaの圧力をかける。この圧力は試
験中保持する。
7.5.7
加熱を開始し,ステップ7.5.8まで進む前に,試験品の温度を121 °C又は受渡当事者間で合意した
温度に到達後,少なくとも1時間保持する。振動試験の間はこの温度を保持する。
7.5.8
加振器を始動し,受渡当事者間によって別に定める場合を除き,ピークの入力加速度を60 m/s2±
0.3 m/s2の一定値に保持して,制御可能な最低周波数から周波数400 Hzまで共振点を探す。
共振が単一の周波数で起こる場合は,その周波数でこれ以降の試験を行う。共振が複数の周波数で起こ
る場合は,これ以降の試験を,全振幅(ピークからピークまで)を示す周波数で行う。共振が発生しない
場合は,周波数150 Hzにてこれ以降の試験を行う。
加振器の加振力について,フィルタ製造業者及びエンジン製造業者の間で合意したピーク入力振動加速
度,又はそのような合意がない場合は,加速度60 m/s2に調整し,振動の全振幅を決定する。
注記 振動の全振幅は,次の式によって算出する。
S=a/(2π2f2)×103
ここに,
S: 全振幅(mm)
a: 最大振動加速度(m/s2)
f: 振動周波数(Hz)
複合材料は,金属系材料よりもかなり低いレベルにおいて,負荷入力に対して非線形応答を示す可能性
があるので,応答の線形性の検証を推奨する。応答が非線形である場合は,実際の使用についてこの方法
の適用可能性を検証することが望ましい。
7.5.9
初期破損が起こらない限り,107サイクルまで試験する。7.5.8で決定される周波数で試験を開始す
る。試験中に共振周波数が変動することがあるので,試験用フィルタの共振を定期的に確認する。これに
は,共振点追跡機能を備えた加振制御装置で自動的に行うことができる。そうでない場合は,7.5.8で規定
される手順を繰り返して,5×105サイクルごとに加振周波数を修正して,試験を続行する。
7.5.10 明らかに破損なく107サイクルを完了した場合は,引き続き試験用フィルタの中心軸が加振軸に平
行となるように(図5参照)取り付けて,7.5.1〜7.5.9に規定する手順を繰り返す。
7.5.11 7.5.10の手順で明らかに破損なく107サイクルを完了した場合は,試験開始時と比較のために試験
10
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用フィルタの戻しトルク又は緩み角度を測定する。
7.5.12 試験油を抜き,内部の破損を確認しながら慎重に分解する。
1
油圧動力源
2
入力振動加速度計
3
アダプタ(ヘッド)
4
加振軸
5
試験用フィルタ
6
出力振動加速度計
7
加振器
8
圧力計
図4−振動試験装置:第1配置
1
油圧動力源
2
入力振動加速度計
3
アダプタ(ヘッド)
4
加振軸
5
試験用フィルタ
6
出力振動加速度計
7
加振器
8
圧力計
9
プレート
図5−振動試験装置:第2配置
7.6
記録
記録には,少なくとも次の事項を記載する。
a) 試験機関の名称
b) フィルタ形式(製造業者名,型式番号及びロット番号)
c) 試験年月日
d) フィルタの説明:使用品の場合は,使用した期間
e) 試験油(製造業者名,商品名又は商品番号)
f)
試験温度(°C)
g) 試験圧力(kPa)
11
D 1611-3:2017
h) 全振幅(mm)及び周波数(Hz)
i)
試験開始時の締付けトルク(N・m)又は締付け角度(°)
j)
試験終了時の戻しトルク(N・m)又は緩み角度(°)
k) 破損までのサイクル数,又は完了時のサイクル数
l)
破損状態及び破損箇所
参考文献
JIS B 9939-1 油圧−測定技術−第1部:一般測定原則
注記 対応国際規格:ISO 9110-1,Hydraulic fluid power−Measurement techniques−Part 1: General
measurement principles(MOD)
JIS B 9939-2 油圧−測定技術−第2部:管路における平均定常圧力の測定
注記 対応国際規格:ISO 9110-2,Hydraulic fluid power−Measurement techniques−Part 2: Measurement
of average steady-state pressure in a closed conduit(MOD)
JIS K 2001 工業用潤滑油−ISO粘度分類
注記 対応国際規格:ISO 3448,Industrial liquid lubricants−ISO viscosity classification(MOD)
ISO 10771-1,Hydraulic fluid power−Fatigue pressure testing of metal pressure-containing envelopes−Part 1:
Test method
SAE J300,Engine oil viscosity classification
12
D 1611-3:2017
附属書JA
(参考)
JISと対応国際規格との対比表
JIS D 1611-3:2017 自動車部品−内燃機関用オイルフィルタ−第3部:複合材フ
ィルタハウジングの試験方法
ISO 4548-13:2013,Methods of test for full-flow lubricating oil filters for internal
combustion engines−Part 13: Static burst pressure test for composite filter housings
ISO 4548-14:2016,Methods of test for full-flow lubricating oil filters for internal
combustion engines−Part 14: Cold start simulation and hydraulic pulse durability for
composite filter housings
ISO 4548-15:2014,Methods of test for full-flow lubricating oil filters for internal
combustion engines−Part 15: Vibration fatigue test for composite filter housings
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
1 適用範囲 内燃機関用全流式,
バイパス式及びコン
ビネーション式の複
合材で構成するオイ
ルフィルタハウジン
グの試験方法につい
て規定。
ISO
4548-13
ISO
4548-14
ISO
4548-15
1
ISO規格の3規格でJIS
とほぼ同じ。
変更
自動車用内燃機関に用いるオ
イルフィルタハウジングを対
象とし,バイパス式及びコン
ビネーション式のフィルタを
追加した。ISO 4548-15で規定
する最大流量の制約は,JISで
は削除した。
自動車用として採用されている金属製
フィルタでは,全流式と同様にバイパス
式及びコンビネーション式のフィルタ
の試験方法を規定しており,複合材フィ
ルタでも必要なため規定した。
試験対象として実車に装着されて使用
されていたフィルタも試験対象とする
ため,新品及び耐久試験終了品に限定し
ないよう,試験試料の状態は記載しない
こととした。
ISO 4548-13〜ISO 4548-15の3規格の間
の,整合化をISOに提案する。
3 用語,定
義及び記号
3.1.1 破損について
規定。
ISO
4548-13
6
フィルタ破壊圧力の確
認として破損(失陥)が
起こるまで,すなわち破
壊するか漏れるまでと
規定。
追加
ISO 4548-13では破損を破壊
及び漏れと規定しているが,
JISでは破損を破壊,変形又は
油漏れであると定義した。
変形もフィルタの機能を損なう原因と
判断し,JISでは変形も破損の一部とし
て取り扱うこととした。
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D 1611-3:2017
(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
4 試験項目 試験項目リストの記
述。
−
追加
JISでは,試験項目リストの箇
条を追加した。
JISでは,ISO規格3種類の試験につい
て一つの規格に統合して規定すること
から,利便性を考慮して試験項目のリス
トの箇条を設けた。実質的に技術的な差
異はない。
5 耐圧試験 5.1 一般
耐圧試験の目的を記
載。
ISO
4548-13
−
追加
JISでは,耐圧試験の目的を説
明するため,一般の項目を追
加した。
利用者の利便性を考慮し,一般の項目を
追加して記載することとした。
5.2 試験装置
温度計及び圧力計を
規定。
4
試験装置
変更
JISでは,温度計及び圧力計を
規定した。
JISでは,温度計及び圧力計を規定し,
記号の訂正をISOに提案する。
測定精度を規定。
測定精度を規定。
変更
JISでは測定精度は,温度:±
2 °C,圧力:上限圧力の±1 %と
規定しているのに対しISO
4548-13では,温度:±3 °C,圧
力:±5 %と規定。
測定精度についてISO 4548-13では温度:
±3 °C,圧力:±5 %と規定されているが,
ISO 4548-14では温度:±2 °C,圧力:
上限圧力の±1 %と規定されており,よ
り測定精度が高いISO 4548-14に整合す
るようにした。
ISOに提案していく。
5.4.1 フィルタの組
立てを規定。
4
フィルタの組立てを規
定。
追加
JISでは推奨締付けトルクに
加え,推奨締付け角度で組み
立てると規定。
ISO 4548-13,ISO 4548-14及びISO
4548-15の各規格でトルク又は回転角の
いずれかを採用しており,整合されてい
ない。JISではトルクと角度にて測定可
能とし,表現も整合させた。
締付け角度と緩み角度という表現をISO
に提案する。
JIS D 1611-1は,見直し時に修正する。
5.4.2 b) フィルタの
耐圧試験で破損を評
価基準と規定。
6
フィルタの耐圧試験は
破壊を評価基準と規定。
変更
JISでは破壊から破損に変更
した。
日本では破壊だけではなく漏れ及び変
形もフィルタの機能を損なう要因と判
断し,JISでは破損へ変更した。
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(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 耐圧試験
(続き)
5.4.2 b) 破損圧力試
験の条件を100 kPa
刻みの圧力ごとに10
秒間以上と規定。
6.2 b) 各々の増分で約
10秒間保持と規定。
変更
JISでは100 kPa刻みの圧力ご
とに10秒間以上へ変更した。
圧力保持時間が結果に影響を与えるこ
とを考慮し,JISでは最低保持時間を10
秒間と定め,必要に応じて保持時間を延
長できるように対応した。
また,ISOは保持圧力が各々の増分と明
確な数値が記載されておらず,JISでは
100 kPa刻みと明記した。
同様の変更をISOに提案する。
5.5 記録
e) 試験油(製造業者
名,商品名又は商品番
号)を記録すると規
定。
7
試験報告記載なし。
追加
JISでは使用した試験油の製
造業者名,商品名又は商品番
号を記載するように追加し
た。
日本では試験油による影響を考慮し,試
験油の製造業者名,商品名又は商品番号
を記載した。
g) 試験開始時の締付
けトルク(N・m)又は
締付け角度(°)を記
録すると規定。
f) 初回適用トルク
[6.1 a) 参照];と規定。
選択
JISでは,締付け及び戻し時は
トルク又は角度のいずれかを
測定し記載することとした。
ISO 4548-13,ISO 4548-14及びISO
4548-15の各規格でトルク又は回転角の
いずれかを採用しており,整合されてい
ない。JISではトルクと角度にて測定可
能とし,表現も整合させた。
h) 試験終了時の戻し
トルク(N・m)又は緩
み角度(°)を記録す
ると規定。
j) 残留締付けトルク
[6.1 h) 参照];を記録
すると規定。
変更
JISでは初期適応トルクを締
付けトルク,残留締付けトル
クを戻しトルクと表現し,ま
た,回転角度については締付
け角度と緩み角度という表現
で分けた。
締付け角度と緩み角度という表現をISO
に提案する。
JIS D 1611-1は,見直し時に修正する。
k) 破損圧力を記録す
ると規定。
l) 破壊圧力[6.2 b) 参
照];を記録すると規定。
変更
JISでは破壊圧力から破損圧
力へ変更した。
日本では破壊だけではなく漏れ及び変
形もフィルタの機能を損なう要因と判
断し,JISでは破損圧力へ変更した。
−
a) JIS D 1611-3に準拠す
ることを規定。
削除
耐圧試験の準拠規格は自明で
あるので,JISでは箇条6及び
箇条7と同様に項目を削除し
た。
ISO 4548-14及びISO 4548-15には準拠
規格の項目が含まれていないので,同じ
複合材容器規格のISO 4548-13について
もその改正時に削除を提案する。
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(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
5 耐圧試験
(続き)
−
i) オイル粘度を記録す
ることを規定。
削除
JISではオイル粘度の項目を
削除した。
ISO 4548-13だけに規定されており,ISO
4548-14,ISO 4548-15及びJIS D 1611-1
には記載がないため,整合させるために
削除した。
同様の削除をISOに提案する。
6 インパル
ス耐久試験
6.1 一般
インパルス耐久試験
の目的について規定。
ISO
4548-14
4
試験すべき動作特性に
ついて規定。
変更
JISでは,インパルス耐久試験
の目的を説明するため,ISO
4548-14の箇条4(試験すべき
動作特性)の内容を見直し,
題名を一般に変更して記載し
た。
JISでは耐圧試験と同様にインパルス耐
久試験の目的を説明する必要があると
判断し,ISO 4548-14の箇条4(試験すべ
き動作特性)を見直し,題名を一般に変
更して記載することにした。
6.2 試験装置を規定。
5
試験装置を規定。
試験装置図は規定なし。
圧力波形図は,ISO
4548-5:2013と同一波
形。
変更
JISは,試験装置図を追加し,
試験用フィルタ下流に圧力計
を追加し,環境試験槽及び温
度計を追加した。
ISOの試験装置について,JISの図を
ISO/TC70/SC7に提案中である。
6.3 試験油について
規定。
6
試験油として,箇条7
で規定する試験温度に
おいて機能することが
できなければならない
と規定。
変更
JISは試験温度範囲で機能す
るだけでなく,ISO 4548-13よ
り引火又はゲル化を避ける記
載を引用し,追記した。
ISO 4548-13には試験温度範囲では引火
又はゲル化を避ける規定があるが,ISO
4548-14及びISO 4548-15には規定がな
い。ただし,ISO 4548-14及びISO
4548-15においても同様に引火又はゲル
化を避ける必要があるため,JISでは規
定した。
同様の変更をISOに提案する。
6.4 試験温度を規定。
7
試験温度として,上下限
試験温度は−20 °C及び
130 °Cと規定。
変更
JISの試験温度範囲は,ISO
4548-13に合わせて,−30 °C
〜+150 °Cに変更した。
ISO 4548-13,ISO 4548-14及びISO
4548-15で温度条件が整合されておら
ず,条件として厳しいISO 4548-13の試
験温度を採用した。
同様の変更をISOに提案する。
3
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(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 インパル
ス耐久試験
(続き)
6.6 準備及び試験手
順
規定温度による保持
時間を規定。
冷間始動シミュレーシ
ョン及び油圧変動耐久
試験として,試験アセン
ブリを,4時間,規定の
試験温度に事前調整す
ると規定。
変更
ISOは事前に規定の温度に調
整するために,4時間かけるも
のとなっているが,JISでは指
定の試験温度に到達してから
少なくとも1時間保持するこ
ととした。
規定温度による保持は回路を事前に規
定の温度にするために調整するもので
あり,ISO 4548-13及びISO 4548-14で
規定されているが,保持時間はそれぞれ
異なる。ISO 4548-13は規定温度に到達
してから実施するため,保持時間は1時
間でも問題ないと判断し,JISではISO
4548-13の条件を採用した。
同様の変更をISOに提案する。
サイクル速度(周波
数)を規定。
サイクル速度は毎秒0.5
〜2サイクルの範囲内
としなければならない
と規定。
追加
ISOでは規定のサイクル速度
で試験を実施することになっ
ているが,JISでは顧客スペッ
ク又は受渡当事者間で合意が
ない場合,規定のサイクル速
度を採用するように規定。
日本では顧客スペック又は受渡当事者
間でサイクル速度が決まることが多い
ため,JISでは顧客スペック又は受渡当
事者間で合意がない場合,規定のサイク
ル速度を採用するように規定した。
試験終了後,戻しトル
ク又は緩み角度のチ
ェックを行うと規定。
戻しトルクを規定。
追加
JISではトルクだけでなく角
度で測定できるように記載し
た。
日本では試験終了後,トルクだけでな
く,角度を測定する場合もあるため,JIS
は両方の方法が採用できるように規定
した。
6.8 記録
e) 試験油(製造業者
名,商品名又は商品番
号)を記録するように
規定。
10
試験報告
h) 試験油
追加
JISでは使用した試験油の製
造業者名,商品名又は商品番
号を記載するように追加し
た。
日本では試験油による影響を考慮し,試
験油の製造業者名,商品名又は商品番号
を記載した。
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(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
6 インパル
ス耐久試験
(続き)
j) 試験開始時の締付
けトルク(N・m)又は
締付け角度(°)を記
録するように規定。
k) 試験終了時の戻し
トルク(N・m)又は緩
み角度(°)を記録す
るように規定。
k) 試験の開始時及び終
了時の負荷トルク,N・
m単位;
変更
JISでは試験開始時と終了時
とを分けて記載し,角度でも
測定できるようにした。
ISO 4548-13,ISO 4548-14及びISO
4548-15の各規格でトルク又は回転角の
いずれかを採用しており,整合されてい
ない。JISではトルクか角度いずれでも
測定可能とし,表現も整合させた。
同様の変更をISOに提案する。
定格流量の記載を削
除した。
f) 定格流量,単位は毎
分当たりのリットル;
削除
JISでは定格流量の記載を削
除した。
JISではインパルス耐久試験において定
格流量は関係なく,記載する必要はない
と判断した。
7 振動試験 7.1 一般
振動試験の目的を記
載。
ISO
4548-15
4
試験の動作特性を規定。 変更
JISでは,振動試験の目的を説
明するため,ISOの試験すべ
き動作特性の内容を引用し,
題名を一般に変更して記載し
た。
JISでは耐圧試験,インパルス耐久試験
と同様に振動試験の目的を説明する必
要があると判断し,ISO 4548-15の箇条4
(試験すべき動作特性)を見直し,題名
を一般に変更して記載することにした。
7.3 試験油
試験油は,引火又はゲ
ル化を避けるよう規
定。
6
試験油について規定。
追加
JISは,ISO 4548-13より引火
又はゲル化を避け,温度範囲
において,正常に機能しなけ
ればならないと規定した。
耐圧試験に相当するISO 4548-13には試
験温度範囲では引火又はゲル化を避け
る規定があるが,ISO 4548-14及びISO
4548-15には規定がない。ただし,ISO
4548-14及びISO 4548-15においても同
様に避ける必要があるため,JISではイ
ンパルス耐久試験及び振動試験につい
ても試験油の項目に記載することにし
た。
同様の追加をISOに提案する。
3
D
1
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(I)JISの規定
(II)
国際規
格番号
(III)国際規格の規定
(IV)JISと国際規格との技術的差異の箇
条ごとの評価及びその内容
(V)JISと国際規格との技術的差異の理
由及び今後の対策
箇条番号
及び題名
内容
箇条
番号
内容
箇条ごと
の評価
技術的差異の内容
7 振動試験
(続き)
7.5.7 試験品の試験
温度到達後の保持時
間について規定。
8
振動疲労試験
8.7 試験品を,121 °C,
又はフィルタ製造業者
及び購入者間で合意し
た温度にすると規定。
変更
JISは指定温度に到達後,少な
くとも1時間保持することを
追記した。
保持時間についてはISO 4548-15に規定
はないが,ISO 4548-13及びISO 4548-14
には規定があり,JISでは指定温度に到
達後,少なくとも1時間保持することで
整合するようにした。
同様の変更をISOに提案する。
7.5.8 全振幅の求め
方を規定。
8.8の注記1で最大振
幅:S(m)を次のように求
めると記載。
S=a/(2π2f 2)
変更
JISではSの名称を全振幅と
し,単位をmmとするために
式に103を追記した。
ISOに記載されている全振幅Sの単位は
mmがふさわしく,JIS D 1611-1の記載
に合わせることとした。
7.6 記録
e) 試験油(製造業者
名,商品名又は商品番
号)を記録すると規
定。
9
試験報告
試験油についての規定
はない。
追加
JISでは使用した試験油の製
造業者名,商品名又は商品番
号を記載するように規定し
た。
日本では試験油による影響を考慮し,試
験油の製造業者名,商品名又は商品番号
を記載した。
i) 試験開始時の締付
けトルク(N・m)又は
締付け角度(°)を記
録するように規定。
j) 試験終了時の戻し
トルク(N・m)又は緩
み角度(°)を記録す
るように規定。
j) スピンオンフィルタ
装着の初期トルク及び
フィルタ取り外しの最
終トルク(N・m単位)
を記載する。
変更
JISでは試験開始時と終了時
とを分けて記載し,角度でも
測定できるようにした。
ISO 4548-13,ISO 4548-14及びISO
4548-15の各規格でトルク又は回転角の
いずれかを採用しており,整合されてい
ない。JISではトルクか角度いずれでも
測定可能とし,表現も整合させた。
同様の変更をISOに提案する。
定格流量の記載を削
除した。
e) 定格流量,L/min単位
を記載すると規定。
削除
JISでは定格流量の記載を削
除した。
JISでは振動試験において定格流量は関
係なく,記載する必要はないと判断し
た。
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:(ISO 4548-13:2013,ISO 4548-14:2016,ISO 4548-15:2014:MOD)
3
D
1
6
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-3
:
2
0
1
7
19
D 1611-3:2017
注記1 箇条ごとの評価欄の用語の意味は,次による。
− 削除 ················ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。
− 追加 ················ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。
− 変更 ················ 国際規格の規定内容を変更している。
− 選択 ················ 国際規格の規定内容とは異なる規定内容を追加し,それらのいずれかを選択するとしている。
注記2 JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次による。
− MOD ··············· 国際規格を修正している。
3
D
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0
1
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