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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 1601-1995 

自動車部品振動試験方法 

Vibration testing methods for automobile parts 

1. 適用範囲 この規格は,自動車部品(以下,部品という。)の振動試験方法について規定する。 

2. 試験の種類 試験の種類は,以下のとおりとする。 

(1) 共振点検出試験 部品の共振振動数を求める試験 

(2) 振動機能試験 振動を与えているときの部品の機能を調べる試験 

(3) 振動耐久試験 一定の振動数で加振し,振動に対する部品の耐久性を調べる試験 

(4) 掃引振動耐久試験 一様な割合で振動数を連続的に増減して加振し,振動に対する部品の耐久性を調

べる試験 

3. 振動条件の分類 振動機能試験及び振動耐久試験の振動条件は,次のように分ける。 

(1) 部品の振動条件は,取り付けられる自動車の種類によって分類し,次のとおりとする。 

1種 主として乗用車系 

2種 主としてバス系 

3種 主としてトラック系 

4種 主として二輪自動車系 

(2) 部品の振動条件は,取り付けられる状態によって分類し,次のとおりとする。 

A種 車体又は懸架装置のばね上に取り付けられ,比較的振動の小さい場合 

B種 車体又は懸架装置のばね上に取り付けられ,比較的振動の大さい場合 

C種 エンジンに取り付けられ,比較的振動の小さい場合 

D種 懸架装置のばね下に取り付けられる場合及びエンジンに取り付けられ,比較的振動の大きい

場合 

振動条件の分類の適用製品例を参考表1に示す。 

4. 試験条件 

4.1 

試験の順序 試験は,共振点検出試験,振動機能試験,振動耐久試験又は掃引振動耐久試験の順序

に行う。ただし,共振点検出試験及び振動機能試験を,又は共振点検出試験と振動機能試験及び掃引振動

耐久試験を同時に行ってもよい。 

4.2 

部品の取付け 部品は,原則として使用状態に近い状態に振動台上に取り付ける。 

4.3 

部品の作動 試験は,原則として部品の作動状態で行う。 

4.4 

振動の与え方 部品の取付姿勢に対して上下,左右及び前後の直交方向の単振動を順次与える。た

だし,単振動の高調波含有率(1)は,原則として振動加速度で25%以下とする。 

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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

注(1) 単振動の高調波含有率の計算は,次による。 

(1) 正弦波振動による振動加速度±a (m/s2) は,次の式によって算出する。 

a=Kf 2A×l0−3 

ここに, K=2π 2≒19.74 
 

f: 振動数 (Hz) 

A: 全振幅 (mm) 

(2) 単振動における高調波含有率k (%) は,次の式によって算出する。 

100

2

1

2

4

2

3

2

2

×

a

a

a

a

k

Λ

Λ

ここに, 

a1: 基本振動波加速度 (m/s2) 

a2, a3, a4…: 第二次,第三次,第四次,…振動波の振動加速度 

(m/s2) 

4.5 

振動の加速度検出 振動の加速度の検出は,原則として部品の取付部とする。ただし,振動台上で

測定してもよい。 

5. 試験方法 

5.1 

共振点検出試験方法 共振点検出試験は,適用する部品の種類によって,表1から選んだ区分の振

動数範囲を一様な割合で連続的に増減して行い,部品の共振振動数を求める。 

表1 振動数範囲区分 

区分 

振動数範囲(2) 

 
 

Hz 

参考(4) 

周期(3) 

min 

振動加速度 

m/s2 

全振幅 

mm 

(最大) 

50 

5〜 50 

10 

5〜45 

0.4 

100 

5〜 100 

200 

5〜 200 

400 

5〜 400 

1 000 

5〜1 000 

2 000 

5〜2 000 

注(2) 振動数範囲の下限値については,受渡当事者間の協

定によってもよい。 

(3) 周期とは,最小振動数と最大振動数との間を1往復

するのに要する時間。 

(4) 周期,振動加速度及び全振幅の数値は,あまり大き

過ぎてもまた小さ過ぎても共振の発見が困難となる
ので参考のため記した値である。 

5.2 

振動機能試験方法 振動機能試験は,振動数を表1と同じ振動数範囲とし,表2から選んだ段階の

振動加速度で部品の機能を試験する。ただし,特に必要がある場合は,振動加速度については受渡当事者

間の協定によってもよい。 

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表2 振動加速度段階区分 

段階 振動加速度(5) 

m/s2 

1種 

2種 

3種 

4種 

A B C D A B C D A B C D A B C D 

○    

 ○  

   ○  

     

     

10 

10 

○    

 ○  

   ○  

     

     

20 

20 

○    

 ○  

   ○  

     

     

30 

30 

○ ○  

 ○ ○    ○  

   ○      

45 

45 

 ○ ○    ○    ○ ○    ○      

70 

70 

   ○      ○    ○ ○  ○      

90 

90 

     ○    

 ○    

 ○ ○      

110 

110 

     ○    

 ○    

 ○ ○      

150 

150 

     ○    

 ○    

 ○ ○      

200 

200 

     ○    

 ○    

 ○ ○ ○    

250 

250 

     ○    

 ○    

 ○  ○    

300 

300 

     ○    

 ○    

 ○  ○ ○ ○ 

400 

400 

     ○    

       

     ○ ○ ○ 

500 

500 

     

     

       

     ○ ○ ○ 

注(5) 5.4(掃引振動耐久試験)で,全振幅が10mmを超える振動

数範囲では,全振幅を10mmとし,振幅一定で行う。 

5.3 

振動耐久試験方法 振動耐久試験は,自動車の種類及び実際に取り付けられる状態によって,試験

の段階を表2に示す14段階に分け,次の共振がない場合と共振がある場合との二つについて区別して行う。 

なお,振動条件の分類の適用は,原則として表2による。ただし,特に必要がある場合は,振動方向,

試験時間について受渡当事者間の協定によってもよい。 

(1) 共振がない場合 表3によって振動耐久試験を行う。 

表3 共振がない場合の振動耐久試験条件 

段階 

振動数 

Hz 

振動加速度 

m/s2 

試験時間h 

上下 左右 前後 

33又は67 

10 

33又は67 

10 

20 

33又は67 

20 

30 

33又は67 

30 

45 

33又は67 

45 

70 

33又は67 

70 

90 33,67又は133 

90 

110 

67又は167 

110 

150 

67又は167 

150 

200 

67又は200 

200 

250 

67又は200 

250 

300 67,200又は400 

300 

400 

200又は400 

400 

500 

200又は400 

500 

(2) 共振がある場合 部品の共振振動数(6)及び付図1,付図2,付図3,付図4,付図5又は付図6に規定

する振幅で振動方向の上下は1時間,左右及び前後は0.5時間の試験を行い,次に表4の試験を行う。 

注(6) 共振振動数が二つ以上ある場合には,主要な共振振動数をとる。 

備考 例えば段階20,振動数33Hzで振動耐久試験を計画していた部品が50Hzで共振がある場合は,

付図1を使用し,横軸の共振振動数が50Hzと段階20の線とが交わる点に対応する全振幅

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0.40mmを縦軸から読み取る(4.4の式による。)。 

表4 共振がある場合の振動耐久試験条件 

段階 

振動数(7) 

Hz 

振動加速度 

m/s2 

試験時間h 

上下 左右 前後 

33又は67 

1.5 

1.5 

10 

33又は67 

10 

20 

33又は67 

20 

30 

33又は67 

30 

45 

33又は67 

45 

70 

33又は67 

70 

90 33,67又は133 

90 

110 

67又は167 

110 

150 

67又は167 

150 

200 

67又は200 

200 

250 

67又は200 

250 

300 67,200又は400 

300 

400 

200又は400 

400 

500 

200又は400 

500 

注(7) 共振振動数が表4の振動数と一致した場合は,

表4の振動数は受渡当事者間の協定によって変
更してもよい。 

備考 表4での振動耐久試験実施前に,共振振動数で

の耐久を実施する。 

5.4 

掃引振動耐久試験方法 掃引振動耐久試験は,表1による区分(振動数範囲)及び表2による段階

(振動加速度)から選んでその組合せによって試験する。ただし,適用する段階,区分の選定及び振動方

向,試験時間は受渡当事者間の協定による。 

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付図1 振動数33Hzの場合の振幅 

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付図2 振動数67Hzの場合の振幅 

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付図3 振動数133Hzの場合の振幅 

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付図4 振動数167Hzの場合の振幅 

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付図5 振動数200Hzの場合の振幅 

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付図6 振動数400Hzの場合の振幅 

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11 

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参考表1 JIS D 1601自動車部品振動試験方法の分類の適用製品例 

分類 

取付け場所(例) 

製品例 

A種  車体又は懸架装置のばね上に取

り付けられ,比較的振動が小さい

場合 

室内 

メータ,時計,スイッチ,灰皿,ヒューズ,シガライタ,コ

ントロールユニット 

ミラー,ランプ,オーディオ,空調装置用モータ,リレー 

B種 

車体又は懸架装置のばね上に取

り付けられ,比較的振動が大きい

場合 

室外 

ランプ,ワイパ,ミラー 

エンジンルーム ウオッシャ,ホーン,フラッシャ,リレー,ラジエータ,定

速走行装置用アクチュエータ,イグニッションコイル 

C種 

エンジンに取り付けられ,比較的

振動が小さい場合 

エンジン 

気化器,イグニッションコイル,パルスジェネレータ,サー

モスイッチ 

D種  懸架装置のばね下に取り付けら

れる場合及びエンジンに取り付

けられ,比較的振動が大きい場合 

ばね下 

ブレーキ装置,ブレーキチューブ 

エンジン 

気化器,エアクリーナ,排気管,フューエルポンプ,EGR用

バルブ,オイルクリーナ,スタータ,ディストリビュータ,

イグニッションコイル,オルタネータ,各種計器及びモニタ

用センサ,排気温センサ,スイッチ(バキュームスイッチ),

かじ取り倍力装置用オイルフィルタ,クラッチ部品 

関連規格 ISO 2041 Vibration and shock−Vocabulary 

IEC Publication 68-2-6 (1982) Basic environmental testing procedures. Part 2 : Tests. 

Test FC and guidance : Vibration (sinusoidal)  

社団法人自動車技術会要素部会部品振動試験法分科会 構成表 

氏名 

所属 

(分科会長) 

清 水 和 明 

日産自動車株式会社シャシ実験部 

(幹事) 

太 田 祐 治 

日産自動車株式会社シャシ実験部 

(幹事) 

小 林 一 之 

市光工業株式会社技術企画室 

江 口 信 彦 

工業技術院標準部 

二 井 義 則 

工業技術院機械技術研究所 

米 沢 英 樹 

交通安全公害研究所 

相 坂 忠 史 

ダイハツ工業株式会社実験部 

寺 師 茂 樹 

トヨタ自動車株式会社第1車両実験部 

土 屋   寛 

日産ディーゼル工業株式会社実験部 

西   保 明 

日野自動車工業株式会社第1実験部 

松 本 澄 也 

株式会社本田技術研究所栃木研究所 

横 尾 雅 秀 

株式会社本田技術研究所朝霞研究所 

新 井   誠 

マツダ株式会社車両実験研究部 

岡 部 神一郎 

三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター 

影 山 邦 夫 

曙ブレーキ工業株式会社開発本部実験部 

坪 川 三 朗 

関東精器株式会社実験部 

佐 藤   修 

株式会社小糸製作所開発総括室 

舘 岡 精 之 

トキコ株式会社ブレーキ事業部設計部 

夏 目 喜 孝 

日本電装株式会社第2生産技術部 

橋 本 治 利 

三菱電機株式会社姫路製作所品質保証部 

石 塚 松 男 

財団法人日本自動車研究所第2研究部 

小 島 克 己 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

(事務局) 

古 川   洋 

社団法人自動車技術会