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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 1026-1987 

停車中の自動車の車外騒音試験方法 

Measurement of Noise Emitted by Stationary Road Vehicles 

1. 適用範囲 この規格は,道路沿いなどで容易に得られる程度の音響特性をもつ試験場所において,停

車中の自動車(以下,車両という。)が発生する車外騒音の試験方法について規定する。 

備考1. この規格は,使用過程にある車両を試験し,同一の試験方法によって試験された基準試験の

結果(例えば,型式認定時の本試験結果)との比較から,次の原因などによって発生する騒

音の差の有無を判定するものである。 

(1) 目視検査では発見されない排気消音器などの損傷,異常作動又は改造。 

(2) 排気消音器などの騒音発生を低減する装置の部分的又は全面的な除去。 

2. この規格によって得られる数値は,他の試験方法[JIS D 1024(自動車の車外騒音試験方法),

ISO 362 (Acoustics−Measurement of noise emitted by accelerating road vehicles−Engineering 

method) , ISO 7188 (Acoustics−Measurement of noise emitted by passenger cars under conditions 

representative of urban driving) など]で測定される走行中の車両が発生する騒音を代表するも

のではなく,また,異なる車両*が発生する騒音の比較に用いることはできない。 

注* ここでいう異なる車両とは,型式認定などにおいて型式が同一でないとみなされる車両。 

引用規格,対応国際規格及び関連規格:5ページに示す。 

2. 試験条件 

2.1 

試験車 試験車は,十分な暖機運転を行い,変速機を中立とし,クラッチはつないだ状態とする。 

なお,中立位置がない場合は,駆動輪を路面から浮かせる。 

2.2 

試験場所 試験場所は,試験車の最外側から少なくとも1mの範囲が,コンクリート,アスファルト

などの硬い材料からなる平らな路面で,試験車の最外側及びマイクロホンから3m以内に測定に影響を与

えるような音響障害物がない屋外とする。 

2.3 

天候及び暗騒音 風は風速5m/s以下で,暗騒音レベルは試験中に測定される騒音レベルに対し10dB

以上小さいものとする。 

3. 測定装置 

3.1 

騒音計 騒音計は,JIS C 1505(精密騒音計)によるもの又はこれと同等の特性をもつものとし,周

波数補正回路はA特性,動特性は速 (FAST) を使用する。 

マイクロホンに風防(ウインドシールド)を付けて用いる場合は,風防が騒音計の精度に影響を及ぼさ

ないことを,騒音計の製造業者が保証しているものとする。 

3.2 

エンジン回転速度計 エンジン回転速度計は,3%以下の正確率をもつものとする。 

D 1026-1987  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. 試験方法 

4.1 

マイクロホン位置 マイクロホン位置は,次による(付図参照)。 

(1) マイクロホンは,排気口と同一の高さで,排気ガス流の中心軸を含む垂直面に対して車両の外側に45

±10°の方向で,排気口から50±2.5cmの距離に,マイクロホンの基準軸(自由音場)を路面に平行

にして,排気口に向けて設置する。ただし,排気口の高さが20cm以下の場合は,マイクロホンの高

さは20cmとする。 

(2) 30cm以下の間隔で二つ以上の排気口がある場合は,まず前後方向で後を優先し,次に左右方向で外側

を優先し,最後に上下方向で上側を優先して選定し,(1)の要領でマイクロホン位置を設定する。 

(3) 30cmを超えて離れた二つ以上の排気口がある場合は,各々の排気口に対して(1)の要領でマイクロホ

ン位置を設定する。 

なお,測定は各々の測定位置で行う。 

(4) 上向きの排気管をもつ車両では,マイクロホンの基準軸を上方に向け,排気口と同一の高さで車両の

側面から50cmの所にマイクロホン位置を設定する。 

(5) 設計構造上,(1)〜(4)のいずれも適用できない場合は,試験を行ったマイクロホン位置を明確に図示し,

試験結果に添付する。 

なお,この場合マイクロホンは最も近くの障害物から50cm以上離れ,マイクロホンの基準軸が障

害物によって遮られないようにする。 

4.2 

騒音計の校正 騒音計は,測定開始前に,騒音計の製造業者が指定する方法によって校正する。 

なお,一連の測定の後に,再度同一方法によって校正を行い,1dB以上の差が認められる場合には再測

定が必要である。 

4.3 

エンジンの運転操作及び騒音レベルの記録 エンジンは,その回転数を次のいずれかの値に数秒間

保持し,その後スロットルを急速に閉じる。その間に測定される騒音レベルの最大値を記録する。 

(1) ガソリンエンジンの場合(二輪自動車及び原動機付自転車を除く。)は,43n±100rpmとする。 

(2) ディーゼルエンジンの場合(二輪自動車及び原動機付自転車を除く。)は,43n±100rpmとする。ただ

し,43n±100rpmがアクセルペダルなどの操作によって調整困難な場合は,JIS B 0108[往復動内燃機

関用語(一般)]による無負荷最高回転数とする。 

(3) 二輪自動車及び原動機付自転車の場合は,n>5 000rpmの車両は21n±100rpm, n≦5 000rpmの車両は43n

±100rpmとする。 

備考 ここで,nは自動車製造業者が示す最高出力回転数である。 

4.4 

測定回数 各測定位置で3回の測定を行い,これらの3回の測定値の算術平均を求め,JIS Z 8401

(数値の丸め方)によって小数点以下1けたに丸める。ただし,連続して行った3回の測定値の範囲が2dB

を超える場合は再度測定を行う。 

4.5 

結果の解釈 騒音レベルの測定結果が同一の方法で行われた基準試験の結果に対して5dB以上大き

い場合は,基準試験時に対して騒音の差があると認める。 

4.6 

試験の記録 試験の結果は,次の事項を付表に示す様式の記録及び成績表に記録する。 

(1) 試験車両の型式 

(2) 試験実施日 

(3) 試験時点の走行距離 

(4) 試験場所,天候,路面性状 

(5) マイクロホンの位置(排気口との関係を図示する。) 

D 1026-1987  

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(6) 計測器の種類,名称 

(7) 目視によって確認された異常 

(8) 試験時エンジン回転数 

(9) 騒音レベルの測定結果 

(10) 暗騒音レベルの測定結果 

(11) 試験成績(暗騒音補正を行った最終結果) 

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D 1026-1987  

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付表 停車中の車外騒音試験の記録及び成績表の様式(例) 

D 1026-1987  

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引用規格: 

JIS B 0108 往復動内燃機関用語(一般) 

JIS C 1505 精密騒音計 

JIS Z 8401 数値の丸め方 

対応国際規格: 

ISO 5130 Acoustics−Measurement of noise emitted by stationary road vehicles Survey method 

関連規格 JIS D 1024 自動車の車外騒音試験方法 

ISO 362 Acoustics−Measurement of noise emitted by accelerating road vechicles−Engineering 

method 

ISO 7188 Acoustics−Measurement of noise emitted by passenger cars under conditions 

representative of urban driving 

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D 1026-1987  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

付図 停車中の車外騒音試験の測定場所とマイクロホン位置 

備考1. 

マイクロホン高さは,排気口中心高さとする。ただし,排気口の高さが20cm以下の場合は,マイクロホン

高さは20cmとする。 

なお,上向きの排気管をもつものは,排気口先端の高さとする。 

2. ○印は,マイクロホンの位置を示す。 

D 1026-1987  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

自動車 航空部会 自動車専門委員会 構成表 

氏名 

所属 

(委員会長) 

中 込 常 雄 

社団法人自動車技術会 

中 川 勝 弘 

通商産業省機械情報産業局 

松 波 正 壽 

運輸省地域交通局 

飛 田   勉 

工業技術院標準部 

石 渡 正 治 

財団法人日本自動車研究所 

梅 澤 清 彦 

東京工業大学精密工学研究所 

大 西   徳 

社団法人全日本トラック協会 

佐 藤   武 

慶応義塾大学理工学部 

瀬 倉 久 男 

防衛庁装備局 

田 中 兼 吉 

社団法人日本バス協会 

轟     秀 

社団法人日本自動車連盟 

杉 浦 秀 昭 

社団法人日本自動車整備振興会連合会 

岩 根 政 雄 

社団法人日本自動車部品工業会 

宇 藤   官 

鈴木自動車工業株式会社二輪第二設計部 

大 槻 耕 一 

日野自動車工業株式会社研究管理部 

改 田   護 

トヨタ自動車株式会社技術管理部 

金 子 達 昭 

日本自動車輸入組合 

野 本 正 猪 

三菱自動車工業株式会社技術本部技術管理部 

牧 野   昇 

本田技研工業株式会社総務部 

宮 崎 弘 昭 

日産自動車株式会社設計管理部 

植 木 源 治 

日本道路公団維持施設部 

有 賀   久 

日産ディーゼル工業株式会社設計管理部 

一 瀬   修 

マツダ株式会社東京技術部 

大 野 恭 二 

いすゞ自動車株式会社特許部 

(関係者) 

古 川   洋 

社団法人自動車技術会 

(事務局) 

江 口 信 彦 

工業技術院標準部機械規格課 

中 田 幹 夫 

工業技術院標準部機械規格課