2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 1025-1985
自動車の最小旋回半径試験方法
Minimum Turning Radius Test Procedure of Automobiles
1. 適用範囲 この規格は,自動車の最小旋回半径試験方法について規定する。ただし,二輪自動車,三
輪自動車,産業車両,建設車両,農業車両及び連結車は除く。
引用規格:
JIS D 0102 自動車用語(自動車の寸法,質量,荷重及び性能)
関連規格:ISO 612 Road vehicles−Dimentions of motor vehicles and towed vehicles−Terms and definitions
2. 用語の意味 この規格で用いる主な用語の意味は,JIS D 0102[自動車用語(自動車の寸法,質量,
荷重及び性能)]によるほか,次による。
(1) 全 幅 自動車の縦中心面に平行かつ中心面の両側で,自動車に接する2平面間の距離 (b) (図1参
照)。ただし,車体外に取り付けられた後写鏡,アンダミラー及びたわみ式アンテナは測定対象から除
く。
図1 自動車の全幅
(2) 外側車輪最小旋回半径 自動車が最大かじ取り角度で徐行したとき,最も外側になるタイヤ接地中心
が描く軌跡の半径 (r1)。
(3) 内側車輪最小旋回半径 自動車が最大かじ取り角度で徐行したとき,最も内側になるタイヤ接地中心
が描く軌跡の半径 (r2)。
(4) 外側車体最小旋回半径 自動車が最大かじ取り角度で徐行したとき,車体(車体外に取り付けられた
後写鏡,アンダミラー,たわみ式アンテナを除く。)の最外部が描く軌跡の半径 (r3)。
(5) 内側車体最小旋回半径 自動車が最大かじ取り角度で徐行したとき,車体(車体外に取り付けられた
後写鏡,アンダミラー,たわみ式アンテナを除く。)の最内部が描く軌跡の半径 (r4)。
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D 1025-1985
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図2 2軸車で単輪の場合
図3 多軸車で複輪がある場合
3. 測定項目 測定項目は,次による。
(1) 外側車輪最小旋回半径
(2) 内側車輪最小旋回半径
(3) 外側車体最小旋回半径
(4) 内側車体最小旋回半径
4. 試験路 試験路は,数回繰り返して旋回するのに十分な広さのコンクリート又はアスファルト舗装の
乾いた平たん(坦)な路面とする。
5. 試験器材 試験器材は,次による。
(1) 残跡装置 自動車の走行軌跡の印を付けるための装置又は用具。
(2) 巻 尺 自動車の走行軌跡円の直径を測定できる長さの巻尺。
6. 試険方法
6.1
試験自動車の状態 試験自動車の標準状態は,空車状態に運転者1名が乗車した状態とする。また,
試験自動車のタイヤは,仕様書に指定されているものを使用する。
6.2
試験自動車の調整 試験自動車の調整は,次による。
(1) 前輪アライメント 空車状態で,前輪アライメントを点検し,必要ならば試験自動車の仕様書に示さ
れた値の範囲内に修正する。
(2) 最大かじ取り角度 空車状態で,最大かじ取り角度を点検し,試験自動車の仕様書に示された値に修
正したのち,ハンドルの最大回転数を測定する。
6.3
試験手順 試験手順は,次による。
(1) 残跡装置を準備する。
(2) 最大かじ取り角度を維持できるように,保だ(舵)したまま,極く低速で少なくとも左,右旋回につ
いて2回の試走をする。
(3) (2)の走行条件で,試験路上に残跡を描きながら,残跡が重なるまで停止することなく走行した後,試
験自動車を走行軌跡円の外に停止させる。
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(4) 走行軌跡円の直径を直交する方向で2か所測定する。
(5) 試験は左,右旋回の両方向で行う。
(6) 試験の記録及び成績は,付表により記入する。
7. 試験結果の記録及び整理方法
7.1
試験自動車の諸元及び試験時の状態の記入は,次による。
(1) 試験自動車の諸元は,仕様書の値を記入する。
(2) 軸距記入欄は,4軸車まで記入できるように3分割し,第1軸距,第2軸距,第3軸距の順に記入す
る。
(3) 輪距記入欄は,4分割し,第1軸の輪距から第4軸の輪距まで順に記入する。
(4) 複輪間隔記入欄は,4分割し,複輪があればその複輪間隔を記入する。
(5) タイヤ空気圧記入欄の前輪欄,後輪欄には,それぞれ前輪,後輪とみなすことができる車軸のタイヤ
について記入し,後輪が複輪の場合には,上欄に複輪の外側タイヤ,下欄に内側タイヤの諸元を記入
する。
(6) 試験時の状態の荷重配分記入欄は,4軸車まで記入できるように前左右欄,後左右欄をそれぞれ2分
割し,各車軸の左右輪荷重をすべて記入する。
7.2
試験結果の表示値の記入は,次による。
(1) ハンドルの最大回転数は,小数点以下第1位までとし,第2位以下を切り捨てる。
(2) 最大かじ取り角度の旋回内外輪欄は,かじ取り車輪が4輪の場合まで記入できるようにそれぞれ2分
割し,最大かじ取り角度の記入値は,度の整数位までとする。
(3) 旋回直径測定値は,各旋回方向で二つずつ求め,メートル単位で小数点以下第2位まで記入し,第3
位を切り上げる。
(4) 平均旋回半径の記入値は,各旋回方向それぞれの旋回直径測定値を平均し,その値を2で割った値の
小数点以下第1位までとし,第2位を切り上げる。
(5) 最小旋回半径の記入値は,平均旋回半径の平均値の小数点以下第1位までとし,第2位を切り上げる。
ただし,平均旋回半径が左,右旋回で0.1m以上異なる場合には,記入値は大きい方の値の小数点以
下第1位までとし,第2位を切り上げる。
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付表 最小旋回半径試験記録及び成績
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自動車 航空部会 自動車専門委員会 構成表
氏名
所属
(委員会長)
中 込 常 雄
社団法人自動車技術会
横 溝 眞一郎
工業技術院標準部
柴 藤 良 知
運輸省交通安全公害研究所
堤 富 男
通商産業省機械情報産業局
清 水 達 夫
運輸省地域交通陸上技術安全部
瀬 倉 久 男
防衛庁装備局
梅 澤 清 彦
東京工業大学
石 渡 正 治
財団法人日本自動車研究所
大 沼 広 洲
全日本トラック協会
佐 藤 武
慶応義塾大学
杉 浦 秀 昭
日本自動車整備振興会連合会
田 中 兼 吉
社団法人日本バス協会
轟 秀
社団法人日本自動車連盟
安 部 宏
株式会社本田技術研究所
改 田 護
トヨタ自動車株式会社
紅 谷 恒 雄
日産自動車株式会社
須 永 惇 一
いすゞ自動車株式会社
鈴 本 作 良
礼団法人日本自動車部品工業会
高 原 昭 二
三菱自動車工業株式会社
西 原 孝 雄
マツダ株式会社
大 槻 耕 一
日野自動車工業株式会社
金 子 達 明
日本自動車輸入組合
(専門委員)
斎 藤 巌
財団法人日本規格協会
武 永 三 郎
日本道路公団
有 賀 久
日産ディーゼル株式会社
宇 藤 官
鈴木自動車工業株式会社
(事務局)
田 代 和 也
工業技術院標準部機械規格課
宗 像 保 男
工業技術院標準部機械規格課
社団法人自動車技術会基本部会操安性分科会 構成表
氏名
所属
(分科会長)
保 田 紀 孝
東洋工業株式会社第2実験研究部
田 中 建
東洋工業株式会社第2実験研究部
東 郷 和 英
防衛大学校機械工学教室
川 口 廣 美
工業技術院標準部機械規格課
吉 田 茂 美
機械技術研究所自動車安全公害部
久 米 正 一
運輸省自動車局整備部車両課
佐 藤 久 雄
交通安全公害研究所交通安全部
坂 本 行
交通安全公害研究所自動車審査部
松 下 明 文
いすゞ自動車株式会社開発本部
佐 藤 長 亮
鈴木自動車工業株式会社四輪車体設計部
川 田 克 己
ダイハツ工業株式会社実験部
橋 本 利 幸
トヨタ自動車株式会社第11技術部
倉 本 直 之
日産自動車株式会社シャシ実験部
出 先 洋 一
富士重工業株式会社スバル技術本部車体研究実験部
二 瓶 隆
株式会社本田技術研究所和光研究所
馬 越 龍 二
三菱自動車工業株式会社乗用車技術センター
高 橋 道 悦
横浜ゴム株式会社タイヤ研究試験部
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2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
平 松 金 雄
財団法人日本自動車研究所
加 藤 敏 雄
社団法人日本自動車タイヤ協会
(事務局)
照 山 勝
社団法人自動車技術会