2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
日本工業規格 JIS
D 0302-1996
自動車−外周り寸法の測定方法
Road vehicles−Measuring
method of exterior dimensions
1. 適用範囲 この規格は,乗用車(1)の外周り寸法の測定箇所及び測定要領について規定する。
なお,トラック(1)についても準用することができる。
注(1) 乗用車及びトラックとは,JIS D 0101によるものをいう。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS D 0101 自動車の種類に関する用語
JIS D 0102 自動車用語−自動車の寸法,質量,荷重及び性能
JIS D 0103 自動車用電装部品の名称に関する用語
JIS D 0110 自動車のぎ装品用語
JIS Z 8401 数値の丸め方
2. 用語の定義 この規格で使用する用語の定義は,JIS D 0102,JIS D 0103及びJIS D 0110による。
3. 測定条件
3.1
自動車は,整備された状態で水平な平たん(坦)面(以下,接地面という。)に置き,直進姿勢にあ
る空車状態で測定する。
なお,タイヤの空気圧は,通常走行に対する指定空気圧(範囲で指定している場合には,その中央値)
とする。
備考 最大積載状態で測定した値を併記するときには,その旨を注記する。
3.2
自動車の附属物については,次の条件で測定する。
(1) アウトサイドミラー及びアンダミラーは,含まない。
(2) 番号標は,含まない。ただし,番号標ブラケットは,含む。
(3) たわみ式アンテナは,含まない。
(4) けん引装置,フック,バンパなど車台・車体に固定されたもので,上記(1)〜(3)に掲げたもの以外は,
すべて固着物とみなし,測定範囲に含める。
3.3
自動車の可動部分については,次の状態で測定する。
(1) 荷台の後部ドアは,閉じた状態とする。ただし,荷台床面高さ (H117) 測定の場合を除く。
(2) ドア,フード,トランクリッド,ベンチレータのふた,サンルーフなどは,閉じた状態とする。
3.4
次に示すような,調整機能がある構造の装置については,設計標準位置とする。
(1) 座席の前後・上下の位置,及び座席の背当ての取付け角度
2
D 0302-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 車高調整位置の高さ
3.5
灯火器の照明部及び反射部は,次の部分とする。
(1) 灯火器の照明部の範囲は,灯火器構造違いによって求められた部分とする(付図7参照)。
また,反射部の範囲は,外からの光を反射するために,光学的に設計されたレンズ部分とする。
(2) 灯火器の上縁,下縁,外縁,内縁及び前縁は,照明部又は反射部の最端部とする。
3.6
測定箇所において特記しない場合には,長さ方向は接地面及び自動車の縦中心面に平行に,幅方向
は接地面に平行で縦中心面に垂直に,高さ方向は接地面に垂直に測る。
4. 数値の丸め方 寸法の単位はmmとし,測定値は,小数位をJIS Z 8401によって丸めて整数位とする。
なお,角度については分までを原則とするが,必要に応じて10分単位,30分単位又は度単位に丸める。
5. 測定箇所及び測定要領 外周りの測定箇所及び測定要領は,次による。
(1) 長さ方向
番号
測定箇所
測定要領
備考
L101
全長
自動車の縦中心面及び接地面に平行に,自
動車の接地面への投影点の最前端から最後
端までの最大長さを測る。
付図1参照,附属物につい
ては,3.2参照
L102
軸距
前後車軸の軸中心間の水平距離を測る。3軸
車では,前車軸と中間の車軸との間を第一
軸距,中間の車軸と最後の車軸との間を第
二軸距,4軸車では,第三車軸と第四車軸と
の間を第三軸距として,各々の車軸の中心
軸間の水平距離を測る。
付図1参照,左右異なる軸
距をもつ場合には,それぞ
れについて測る。
L103
前オーバハング
最前の車輪中心を通り,縦中心面に直角な
鉛直面から自動車の最前部までの水平距離
を測る。
付図1参照,左右異なる軸
距をもつ場合には,それぞ
れについて測る。
L104
後オーバハング
最後の車輪中心を通り,縦中心面に直角な
鉛直面から自動車の最後部までの水平距離
を測る。
付図1参照,左右異なる軸
距をもつ場合には,それぞ
れについて測る。
L105
前ボデーオーバハング
最前の車輪中心を通り,縦中心面に直角な
鉛直面からボデー最前端(バンパ,フック,
番号標ブラケットなどの附属装置を除き,
ラジエータグリル,オーナメントなどを含
む。)までの水平距離を測る。
付図1参照,左右異なる軸
距をもつ場合には,それぞ
れについて測る。
L106
後ボデーオーバハング
最後の車輪中心を通り,縦中心面に直角な
鉛直面からボデー最後端(バンパ,ヒンジ,
番号標ブラケットなどの附属装置を除く。)
までの水平距離を測る。
付図1参照,左右異なる軸
距をもつ場合には,それぞ
れについて測る。
L107
コーナリングランプ前縁距
離
照明部の前縁を通り,縦中心面に直角な鉛
直面から自動車の最前部までの水平距離を
測る。
付図6参照
L108
サイドターンシグナルラン
プ前縁距離
照明部の前縁を通り,縦中心面に直角な鉛
直面から自動車の最前部までの水平距離を
測る。
付図6参照
3
D 0302-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(2) 幅方向
番号
測定箇所
測定要領
備考
W101
全幅
自動車の縦中心面に直角,かつ接地面に平
行に,自動車の接地面への投影点の左右
各々の最も側方の最大幅を測る。
付図4参照,附属物につい
ては,3.2参照
W102
前輪距
左右のタイヤの接地面との接触面におけ
る,タイヤ中心間の幅方向の距離を測る。
複輪の場合には,複輪間隔の中心間の幅方
向の距離を測る。
付図2参照
W103
後輪距
付図3参照
W104
ヘッドランプ外縁距離
すれ違い用照明部の外縁と自動車最外側と
の水平距離を測る。
付図6参照
W106
パーキングランプ外縁距離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W107
フロントターンシグナルラ
ンプ外縁距離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W108
テールランプ外縁距離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W109
リヤターンシグナルランプ
外縁距離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W110
リフレックスリフレクタ外
縁距離
反射部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W112
クリアランスランプ外縁距
離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W113
ストップランプ外縁距離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W114
前部フォグランプ外縁距離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W115
アウトサイドミラー中心距
離
左右の鏡面方向調節部中心の水平距離を測
る。
付図2参照,左右非対象の
場合には,自動車の縦中心
面からの距離を測る。
W116
ドア開放時最大幅
左右ドアを最大に開放し,固着物を含む最
外側の左右の距離を測る。
付図4参照
W117
後部フォグランプ
照明部の端部とストップランプの端部との
最短距離を測る。
W118
前面ハザードランプ外縁距
離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W119
後面ハザードランプ外縁距
離
照明部の外縁と自動車最外側との水平距離
を測る。
付図6参照
W120
フロントターンシグナルラ
ンプ内縁距離
左右の照明部の内縁間の水平距離を測る。
付図6参照
W121
リヤターンシグナルランプ
内縁距離
左右の照明部の内縁間の水平距離を測る。
付図6参照
4
D 0302-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(3) 高さ方向
番号
測定箇所
測定要領
備考
H101
全高
接地面から自動車最高部までの高さを測
る。
付図2参照,附属物につい
ては,3.2参照
H102
最低地上高
接地面と自動車の中央部分(2)の最下部との
距離を測る。
注(2)自動車の縦中心面から等距離で平
行な2平面の内に含まれる,車輪
の内縁間の距離の80%の部分
付図3参照
H103
ヘッドランプ地上高
すれ違い用照明部の上縁及び下縁の接地面
からの高さを測る。
付図6参照
H106
フロントターンシグナルラ
ンプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H107
テールランプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H108
リヤターンシグナルランプ
地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H109
リフレックスリフレクタ地
上高
反射部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H111
クリアランスランプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H112
前部フォグランプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H113
ストップランプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H114
アウトサイドミラー地上高
接地面から左右の鏡面方向調節部中心まで
の高さを測る。
付図2参照
H115
前バンパ地上高
バンパ最前端の位置における接地面からの
高さを測る。最前端部が上下に幅をもって
いるときには,その中心とする。
付図2及び付図5参照
H116
後バンパ地上高
バンパ最後端の位置における接地面からの
高さを測る。最後端部が上下に幅をもって
いるときには,その中心とする。
付図3及び付図5参照
H117
荷台床面高さ,
トランク床面高さ
荷台(又はトランク床面)後端中央部の接
地面からの高さを測る。ただし,小突起物
及び局部的な凹凸部を除く。
付図1参照
H121
ハイマウントストップラン
プ地上高
照明部の下縁の接地面からの高さを測る。
付図6参照
H122
後部フォグランプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H124
コーナリングランプ地上高
照明部の上縁の接地面からの高さを測る。
付図6参照
H125
前面ハザードランプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H126
後面ハザードランプ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
H127
サイドターンシグナルラン
プ地上高
照明部の上縁及び下縁の接地面からの高さ
を測る。
付図6参照
5
D 0302-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
(4) 角度
番号
測定箇所
測定要領
備考
A101
アプローチアングル
自動車のすべての固着物を含む前部下端か
ら,最前車輪タイヤ外周に引いた接平面が,
接地面と成す最小角度を測る。
付図1参照,たわみ式泥よ
けは含まない。
A102
デパーチャアングル
自動車のすべての固着物を含む後部下端か
ら,最後車輪タイヤ外周に引いた接平面が,
接地面と成す最小角度を測る。
付図1参照,たわみ式泥よ
けは含まない。
A103
ランプアングル
自動車の縦中心面に投影した自動車の輪郭
において,前・後のタイヤの外周にそれぞ
れ接する二直線の交点が自動車の下側輪郭
上にあるときの,二直線が成す角度の補角
の最小値を測る。三組以上の車軸をもつ自
動車では,最大軸距の間で測る。
付図1参照,たわみ式泥よ
けは含まない。
付図1 側面
付図2 前面
付図3 後面
6
D 0302-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図4 上面
付図5 バンパ
付図6 ランプ及びリフレックスリフレクタレンズの測定箇所
7
D 0302-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
付図7 灯火器の照明部
8
D 0302-1996
2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。
社団法人 自動車技術会基本部会 用語・寸法測定方法分科会 構成表
氏名
所属
(分科会長)
馬 場 正 勝
いすゞ自動車株式会社小型研究実験部
(幹事)
高 宮 淳
いすゞ自動車株式会社大型研究実験部
阿 部 泰 夫
日野自動車工業株式会社車両RE部
荒 田 守 男
三菱自動車工業株式会社乗用車開発本部管理部
稲 垣 泰 夫
株式会社本田技術研究所栃木研究所第7設計ブロック
大 野 守 之
スズキ株式会社四輪車体設計部
戒 能 一 也
通商産業省機械情報産業局自動車課
萱 野 弘 巳
ダイハツ工業株式会社技術管理部認証室
菊 田 正 昭
日産自動車株式会社環境・安全技術部国内認証課
久 保 義 男
社団法人日本自動車車体工業会
小 島 克 己
社団法人日本自動車部品工業会技術部
笹 尾 照 夫
工業技術院標準部機械規格課
戸 崎 誠
富士重工業株式会社車両研究実験第一部
西 見 智 雄
財団法人日本自動車研究所研究主管室
林 宏
社団法人日本自動車タイヤ協会技術部
広 瀬 潔
トヨタ自動車株式会社試作部認定試験課
広 瀬 浩 二
マツダ株式会社開発調査室
(事務局)
久津見 都
社団法人自動車技術会規格部門