サイトトップへこのカテゴリの一覧へ

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人日本自動車部品工業会(JAPIA)/財

団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工

業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

制定に当たっては,日本工業規格と国際規格との対比,国際規格に一致した日本工業規格の作成及び日

本工業規格を基礎にした国際規格原案の提案を容易にするために,ISO 11841-1:2000,Road vehicles and 

internal combustion engines−Filter vocabulary−Part 1: Definitions of filters and filter componentsを基礎として

用いた。 

この規格の一部が,技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の

実用新案登録出願に抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会

は,このような技術的性質をもつ特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権,又は出願公開後の実用新

案登録出願にかかわる確認について,責任はもたない。 

JIS D 0117の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS D 0117-1 第1部:フィルタ及びフィルタ構成部品の定義 

JIS D 0117-2 第2部:フィルタ及びフィルタ構成部品の特性の定義 

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

(2) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

目 次 

ページ 

序文 ··································································································································· 1 

1. 適用範囲 ························································································································ 1 

2. フィルタ用語の分類 ········································································································· 1 

3. フィルタの定義 ··············································································································· 3 

3.1 清浄 ···························································································································· 3 

3.2 ろ過される流体による分類······························································································· 3 

3.3 ろ過段階の数及び組合せによる分類 ··················································································· 4 

3.4 システム内での配置による分類························································································· 5 

3.5 ろ過材による分類 ·········································································································· 6 

3.6 ろ過方式による分類 ······································································································· 7 

3.7 メンテナンスによる分類 ································································································· 7 

4. フィルタ構成部品の分類 ··································································································· 8 

5. フィルタ構成部品の定義 ··································································································· 8 

5.1 構成部品 ······················································································································ 8 

5.2 附属品 ························································································································· 9 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 0117-1:2005 

(ISO 11841-1:2000) 

自動車及び内燃機関−フィルタ用語− 

第1部:フィルタ及びフィルタ構成部品の定義 

Road vehicles and internal combustion engines−Filter vocabulary− 

Part 1: Definitions of filters and filter components 

序文 この規格は,2000年に第1版として発行されたISO 11841-1:2000,Road vehicles and internal 

combustion engines−Filter vocabulary−Part 1: Definitions of filters and filter componentsを翻訳し,技術的内容

及び規格票の様式を変更することなく作成した日本工業規格である。 

なお,この規格で点線の下線を施してある“参考”は,原国際規格にはない事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,自動車及び一般内燃機関用(船舶用,定置機関用など)に使用されるフィル

タ及びその構成部品の用語について規定する。 

備考 この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 11841-1:2000,Road vehicles and internal combustion engines−Filter vocabulary−Part 1: 

Definitions of filters and filter components (IDT) 

参考 対応英語は,対応国際規格で定められた英語を示す。 

2. フィルタ用語の分類 フィルタの用語は,次の6区分に分類し,図1による。 

a) ろ過される流体 

b) ろ過段階の数及び組合せ 

c) システム内での配置 

d) ろ過材 

e) ろ過方式 

f) 

メンテナンス 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

フィルタ 

図 1 フィルタの分類 

a) ろ過される流

体(3.2参照) 

b) ろ過段階の数

及び組合せ 
(3.3参照) 

c) システム内での配置 

(3.4参照) 

d) ろ過材 
(3.5参照) 

e) ろ過方式 
(3.6参照) 

f) メンテナンス 

(3.7参照) 

−スピンオン形フィルタ 
  (3.7.1) 
−エレメント交換式フィ

ルタ(3.7.2) 

−複列式フィルタ(3.7.3) 
−逆洗式フィルタ(3.7.4) 
−自動フィルタ(3.7.5) 

−表面ろ過フィルタ(3.6.1) 
−内部ろ過フィルタ(3.6.2) 
−遠心クリーナ(3.6.3) 

−1段式フィルタ(3.3.1) 
−2段式フィルタ(3.3.2) 
−複合式フィルタ, 

コンビネーション式フィ

ルタ(3.3.3) 

−平行フィルタ(3.3.4) 
−多段式フィルタ(3.3.5) 

−ファイバフィルタ(3.5.1) 
−フェルトフィルタ(3.5.2) 

−フェルトプレートフィルタ 
−フェルトチューブフィルタ 
−ひだ形フェルトフィルタ 

−ペーパフィルタ(3.5.3) 

−ひだ形ペーパフィルタ 
−紙巻きフィルタ 

−ストレーナフィルタ(3.5.4) 

−ストレーナチューブフィルタ 
−ひだ形ストレーナフィルタ 
−ストレーナディスクフィルタ 
−ポケットストレーナフィルタ 
−ストレーナマルチチューブフィ

ルタ 

−ギャップフィルタ(3.5.5) 

−プレートギャップフィルタ 
−積層ギャップフィルタ 
−ワイヤ(巻線)ギャップフィルタ
−ワイヤ・リングオンチューブギャ

ップフィルタ 

−焼結フィルタ(3.5.6) 
−活性炭素フィルタ(3.5.7) 

−エアクリーナ,エアフィルタ 
  (3.2.1) 

−キャビンフィルタ(3.2.1.1) 
−乾式エアクリーナ(3.2.1.2) 
−湿式エアクリーナ(3.2.1.3) 
−油槽式エアクリーナ, 

オイルバスエアクリーナ 
 (3.2.1.4) 

−サイレンサクリーナ(3.2.1.5) 

−排気ガスフィルタ(3.2.2) 
−燃料フィルタ,フューエルフィ

ルタ(3.2.3) 
−ディーゼル燃料フィルタ, 

ディーゼルフェーエルフィル

タ(3.2.3.1) 

−ガソリンフィルタ(3.2.3.2) 

−潤滑油フィルタ, 

オイルフィルタ(3.2.4) 

−作動油フィルタ(3.2.5) 
−冷却液フィルタ(3.2.6) 

−全流式フィルタ, 

フルフローフィルタ(3.4.1) 

−分流式フィルタ, 

バイパスフィルタ(3.4.2) 

−インラインフィルタ(3.4.3) 
−タンク取付式フィルタ(3.4.4) 
−サクションフィルタ(3.4.5) 
−プレッシャフィルタ(3.4.6) 
−リターンラインフィルタ(3.4.7) 
−プレフィルタ(3.4.8) 
−メインフィルタ(3.4.9) 
−二次フィルタ, 
 保護フィルタ(3.4.10) 
−クランクケース換気フィルタ 
  (3.4.11) 
−密閉クランクケース換気フィルタ 
  (3.4.12) 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3. フィルタの定義  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.1 

清浄 

流体(液体又は気体)中に浮遊する固体又は液体
の不純物をろ過,沈殿又は遠心力作用によって分
離して浄化すること。 

cleaning 

3.1.1 

クリーナ 

清浄を行う装置又は組立品。 

cleaner 

3.1.2 

ろ過 

多孔性物質に流体を通過させて,流体から不純物
を分離すること。 

filtration 

3.1.3 

フィルタ 

ろ過を行う装置又は組立品。 
参考 液体中に気体を通過させ,不純物を分離す

る装置を含むこともある。 

ろ過器,ろ器 filter 

3.2 

ろ過される流体による分類  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.2.1 

エアクリーナ, 
エアフィルタ 

空気清浄用の1個又はそれ以上のフィルタ構成
部品を含む組立品。 
備考 次のような用途に使用する。 

a) 直接又は過給機を通してエンジンに送

られる燃焼空気用。 

b) 空気だめ(溜)からの空気の換気用及

び抽気用。 

c) 圧縮空気システム(空気乾燥機など)

用。 

d) コンプレッサの吸気用。 

air cleaner, 
air filter 

3.2.1.1 

キャビンフィルタ 

自動車の車室内に供給される空気中から微粒子
及び気体の汚染物質を除去するための,1個又は
それ以上のフィルタ構成部品を含む組立品。 

キャビンエア

フィルタ 

cabin filter 

3.2.1.2 

乾式エアクリーナ 

紙などの乾燥したフィルタエレメントを通して,
空気中の不純物を分離するエアクリーナ。 
備考 “乾式”という名称は,このフィルタを湿

式,油槽式などの他の方式から区別するた
めに用いる。 

dry air cleaner 

3.2.1.3 

湿式エアクリーナ 

金属繊維,スポンジ,紙などの含油エレメントを
通して,空気中の不純物を分離するエアクリー
ナ。 

wet air cleaner 

3.2.1.4 

油槽式エアクリー

ナ, 

オイルバスエアク

リーナ 

ダストを多く含む空気を油だめ(溜)の油に導き,
空気中の不純物を分離するエアクリーナ。油だめ
でダストの一部は捕集された後,油だめからオイ
ルミストを運び,更なるろ過のためにフィルタエ
レメントを通って上方に向かう。油だめに戻るオ
イルは,フィルタエレメントで捕集されたダスト
を運んでくる。 

oil-bath air 
  cleaner 

3.2.1.5 

サイレンサクリー

ナ 

騒音を下げるために,特別に設計されたエアクリ
ーナ。 
備考 一般的には,乾式エアクリーナとして設計

されているが,他の種類のエアクリーナに
も設計可能である。 

silencer cleaner 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.2.2 

排気ガスフィルタ 

排気ガスから,すす又は粒子状物質を分離するた
めのフィルタ。 
備考 このフィルタは,すすフィルタ又は微粒子

フィルタとも呼ばれる。 

パティキュレ

ートフィル
タ, 

すすフィル

タ, 

微粒子フィル

タ, 

スモークフィ

ルタ 

exhaust-gas  
  filter 

3.2.3 

燃料フィルタ, 
フューエルフィル

タ 

燃料を清浄にするためのフィルタ。 

fuel filter 

3.2.3.1 

ディーゼル燃料フ

ィルタ, 

ディーゼルフュー

エルフィルタ 

ディーゼル燃料の清浄,水分離又は予熱の機能を
もったフィルタ。1個又はそれ以上の構成部品を
含む組立品。 

diesel fuel filter 

3.2.3.2 

ガソリンフィルタ 

ガソリンを清浄にするための,1個又はそれ以上
の構成部品を含む組立品。 

petrol filter 

3.2.4 

潤滑油フィルタ, 
オイルフィルタ 

潤滑油を清浄にするためのフィルタ。 
備考 次の用途に使用する。 

a) エンジンオイル 
b) 変速機用オイル 
c) タービンオイル など 

lubricating oil  
  filter, 
oil filter 

3.2.5 

作動油フィルタ 

油圧システムの作動油を清浄にするためのフィ
ルタ。 
備考 次の用途に使用する。 

a) ブレーキシステム 
b) かじ(舵)取り装置 
c) 作動油圧装置 
d) 流体変速機 など 

油圧フィルタ hydraulic filter 

3.2.6 

冷却液フィルタ 

冷却液又は冷却水を清浄にするためのフィルタ。 
備考 添加剤を徐々に投入する機能(プレチャー

ジ)をもつ。 

coolant filter 

3.3 

ろ過段階の数及び組合せによる分類  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.3.1 

1段式フィルタ 

ろ過を1段階で行うフィルタ。 
備考 各種の設計がある。例えば,同程度のろ過

能力であっても,1個のフィルタエレメン
トを1個のフィルタハウジング内に装着し
たもの,数個のフィルタエレメントを並列
につないだものなどがある(3.3.4参照)。 

single-stage  
  filter 

3.3.2 

2段式フィルタ 

ろ過効率が同じか,又は異なるフィルタを,直列
に2段階に連結したフィルタ。 
備考 各種の設計がある。例えば,フィルタエレ

メント及びフィルタハウジングが,1個又
は2個の場合がある。2段式フィルタが平
行に置かれることもある。 

two-stage filter 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.3.3 

複合式フィルタ, 
コンビネーション

式フィルタ 

ストレーナ及びペーパーフィルタ,フルフロー及
びバイパスフィルタなどの2種類以上の異なる
特性をもつフィルタを組み合わせたフィルタ。 
備考 複合オイルフィルタには,通常は,1個の

入口及び2個の出口がある。 

combined filter 

3.3.4 

平行フィルタ 

ろ過効率の異なる2個以上のエレメントを,並列
に取り付けたフィルタ。 
備考 平行オイルフィルタには,通常は,1個の

入口及び1個の出口がある。 

parallel filter 

3.3.5 

多段式フィルタ 

ろ過効率が同じか,又は異なるフィルタを,直列
に3段階以上連結したフィルタ。 

multi-stage filter 

3.4 

システム内での配置による分類  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.4.1 

全流式フィルタ, 
フルフローフィル

タ 

システムに流入するすべての流体を通過させる
フィルタ。 

full flow filter 

3.4.2 

分流式フィルタ, 
バイパスフィルタ 

すべての流体から分岐した,一部の流体を通過さ
せるフィルタ。 
備考 別個の油清浄回路のフィルタにも使用さ

れる。 

bypass filter 

3.4.3 

インラインフィル

タ 

管又はホースに取り付けるフィルタ。 

in-line filter 

3.4.4 

タンク取付式フィ

ルタ 

タンクに取り付けるフィルタ。 
備考 インタンク式,オンタンク式などがある。 

tank-mounted  
  filter 

3.4.5 

サクションフィル

タ 

システムのポンプ吸入側のフィルタ。 

suction filter 

3.4.6 

プレッシャフィル

タ 

システムのポンプ吐出側のフィルタ。 

pressure filter 

3.4.7 

リターンラインフ

ィルタ 

システムの戻り管路のフィルタ。 

return line filter 

3.4.8 

プレフィルタ 

多段式フィルタシステムの第一段階として,粗い
不純物を分離するクリーナ又はフィルタ。 

prefiler 

3.4.9 

メインフィルタ 

多段式フィルタシステムにおいて,流体を規定の
清浄度に維持するためのフィルタ。 

main filter 

3.4.10 

二次フィルタ, 
保護フィルタ 

多段式フィルタシステムにおいて,別個の二次的
に又は保護のためにメインフィルタの下流に取
り付けるフィルタ。 

secondary 
  filter, 
protection filter 

3.4.11 

クランクケース換

気フィルタ 

エンジンのクランクケース内に存在する燃焼ブ
ローバイによる空気中のオイルミストを除去す
るフィルタ。 

crankcase  
  ventilation 
  filter 

3.4.12 

密閉クランクケー

ス換気フィルタ 

ろ過されたブローバイガスをエンジンの空気吸
入システムに戻すためのシステム内のフィルタ。 

closed crankcase 
  ventilation 
  filter 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

3.5 

ろ過材による分類  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.5.1 

ファイバフィルタ 

有機繊維,無機繊維又は繊維複合材を含むフィル
タエレメントをもつフィルタ。 
備考 これらのフィルタには,不織布の入ったフ

ィルタエレメントも含む。繊維構造の安定
化は,熱的,機械的又は結合材によって行
うことができる。 

fiber filter 

3.5.2 

フェルトフィルタ 

ろ過材が,フェルトでできているフィルタ。 
備考 フェルトは,一般的には,動物の毛,天然

繊維,合成繊維又はミリング若しくはニー
ドリングによって,これらを混合したもの
からできている。フィルタエレメントの形
状に応じて,次のように区別されている。 
a) フェルトプレートフィルタ 
b) フェルトチューブフィルタ 
c) ひだ形フェルトフィルタ(例 星形,

シェブロン形,クリスタル形など) 

felt filter 

3.5.3 

ペーパフィルタ 

ろ過材が,紙でできているフィルタ。 
備考 紙は,一般的には,天然繊維若しくは合成

素材又はこれらの繊維を混合したものに,
添加剤及び結合材を加えて作られる。フィ
ルタエレメントの形状に応じて,次のよう
に区別されている。 
a) ひだ形ペーパフィルタ(例 星形,シ

ェブロン形,クリスタル形など) 

b) 紙巻きフィルタ 

paper filter 

3.5.4 

ストレーナフィル

タ 

ストレーナ布地又は織りメッシュでできたフィ
ルタ。 
備考 フィルタエレメントの設計に応じて,次の

ように区別されている。 
a) ストレーナチューブフィルタ 
b)  ひだ形ストレーナフィルタ(例 星

形,シェブロン形,クリスタル形など) 

c) ストレーナディスクフィルタ 
d) ポケットストレーナフィルタ 
e) ストレーナマルチチューブフィルタ 

strainer filter 

3.5.5 

ギャップフィルタ 

積層プレート,ディスク,コイル状ワイヤなどに
よって,ある決まったギャップ幅をもつフィル
タ。 
備考 フィルタエレメントの設計に応じて,次の

ように区別されている。 
a) プレートギャップフィルタ 
b) 積層ギャップフィルタ 
c) ワイヤ(巻線)ギャップフィルタ 
d) ワイヤ・リングオンチューブギャップ

フィルタ 

gap filter 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.5.6 

焼結フィルタ 

ろ過材が,多孔性焼結材料でできているフィル
タ。 

sintered filter 

3.5.7 

活性炭素フィルタ 

ろ過材が,活性炭素を含むか,又は活性炭素で構
成されているフィルタ。 
備考 通常は,吸着によるフィルタ。 

activated carbon  
  filter 

3.6 

ろ過方式による分類  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.6.1 

表面ろ過フィルタ 

ろ過材の,表面上で不純物を分離するフィルタ。  

surface type filter 

3.6.2 

内部ろ過フィルタ 

主に,ろ過材の内部(深さ)で不純物を分離(厚
みろ過)するフィルタ。 

デプス式フィ

ルタ 

depth type filter 

3.6.3 

遠心クリーナ 

遠心力によって,不純物を分離するクリーナ。 
備考 エアクリーナでは,サイクロンと呼ぶ場合

もある。 

centrifugal  
  cleaner 

3.7 

メンテナンスによる分類  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

3.7.1 

スピンオン形フィ

ルタ 

フィルタヘッド若しくはフィルタカバー,又はエ
ンジンブロック上の取付台にねじ込むフィルタ。
メンテナンスの場合には,内蔵されているフィル
タエレメントと一緒に全体を交換する。 
備考 スピンオン形フィルタは,使い捨てフィル

タとも呼ばれる。装置全体,すなわち,フ
ィルタヘッド又はフィルタカバー付きス
ピンオン形フィルタを,組立フィルタ又は
ボックスフィルタとも呼ばれる。 

スローアウェ

イ式フィル
タ 

spin-on filter 

3.7.2 

エレメント交換式

フィルタ 

カバー付きフィルタハウジング又はヘッド付き
フィルタケースと洗浄及び交換可能なフィルタ
エレメントとから構成されるフィルタ。 
備考 このフィルタは,組立フィルタ,カートリ

ッジフィルタ,再装着式フィルタなどとも
呼ばれる。 

ハウジングフ

ィルタ 

housing filter 

3.7.3 

複列式フィルタ 

通常2個のユニットで構成され,メンテナンス作
業のため,一方のユニット流路が遮断されている
間も,他方のユニットが機能するようなフィル
タ。 
備考 汚れたフィルタエレメント又はスピンオ

ン形フィルタを交換する場合にも,運転は
中断されない。 

duplex filter 

3.7.4 

逆洗式フィルタ 

流れの方向を逆にすることによって,汚れたフィ
ルタエレメントを交換しないでも洗浄できるフ
ィルタ。 

back-flushing 
  filter 

3.7.5 

自動フィルタ 

フィルタエレメントを交換せずに,また,ろ過工
程を遮らずに自動的に洗浄するフィルタ。 

automatic filter 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

4. フィルタ構成部品の分類 フィルタ構成部品は,図2に示す二つの基準に基づき分類する。 

フィルタ構成部品 

図 2 フィルタ構成部品の分類 

5. フィルタ構成部品の定義  

5.1 

構成部品  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

5.1.1 

フィルタエレメン

ト, 

フィルタカートリ

ッジ 

ろ過材,その支持物,及びそれらの部材の接続材,
並びにフィルタハウジングからなる構成部品。 

filter element, 
filter cartridge 

5.1.1.1 

二次エレメント, 
保護カートリッジ 

保護目的で,二次フィルタエレメントとして取り
付けられるフィルタエレメント。 
備考 例えば,フィルタエレメントが破損してそ

れを交換する場合に,又はバイパス弁が開
いた場合に,その間もシステム内への不純
物の侵入を防ぐ。 

secondary  
  element, 
protection  
  cartridge 

5.1.2 

フィルタハウジン

グ 

フィルタエレメントを格納するように設計され
た構成部品。入口及び/又は出口接続部並びに取
付け装置を含む。 

filter housing 

5.1.2.1 

フィルタカバー 

フィルタハウジングを密閉する構成部品。 

filter cover 

5.1.2.2 

フィルタケース 

入口及び/又は出口接続部のないフィルタエレ
メントを格納するための構成部品。 

filter case 

5.1.2.3 

フィルタヘッド 

フィルタケースを締め付ける入口及び/又は出
口接続部の付いた構成部品。通常は,取付装置を
含む。 
備考 燃料フィルタの場合には,フィルタカバー

とも呼ばれる。 

filter head 

5.1.2.4 

センタボルト 

フィルタハウジング又はケースに,フィルタカバ
ー又はフィルタヘッドを結合するための構成部
品。 

centre bolt 

1) 構成部品(5.1参照) 
 
−フィルタエレメント, 

フィルタカートリッジ(5.1.1) 
−二次エレメント, 
 保護カートリッジ(5.1.1.1) 

−フィルタハウジング(5.1.2) 

−フィルタカバー(5.1.2.1) 
−フィルタケース(5.1.2.2) 
−フィルタヘッド(5.1.2.3) 
−センタボルト(5.1.2.4) 

−スクレーパ(5.1.3) 
−ドレンバック防止弁(5.1.4) 
−バイパス弁,逃し弁(5.1.5) 

2) 附属品 (5.2参照) 
 
−ダスト排出弁(5.2.1) 

−プレクリーナ(5.2.2) 
−メンテナンスインジケータ(5.2.3) 
−差圧インジケータ(5.2.4) 
−メンテナンススイッチ, 

差圧スイッチ(5.2.5) 

−クランクケース換気圧力調整器 
 (5.2.6) 

background image

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

5.1.3 

スクレーパ 

フィルタエレメントから,たい(堆)積した不純
物をこすり落とすための構成部品。 
備考 ギャップフィルタに使用されている。 

scraper 

5.1.4 

ドレンバック防止

弁 

エンジン停止時,フィルタ内のオイルが流出する
ことを防ぐ弁。 

逆止弁 

anti-drain back 
  valve 

5.1.5 

バイパス弁, 
逃し弁 

エレメントの両端の圧力差が最大許容値を超え
た場合に,フィルタエレメントを通さずにバイパ
スさせるための弁。 
備考 この弁は,例えば,フィルタエレメントが

極端に閉そく(塞)したような場合に,フ
ィルタエレメントが破壊するのを防ぎ,ま
た,システムへの油供給を確保する。 

bypass valve, 
short circuit valve 

5.2 

附属品  

番号 

用語 

定義 

参考 

慣用語 

対応英語 

5.2.1 

ダスト排出弁 

たい(堆)積したダストを排出するように設計さ
れた弁。 
備考 エアフィルタに使用され,ダストは,脈動

重力などによって,フィルタから排出され
る。 

バキュエータ

バルブ, 

アンローダバ

ルブ 

dust unloading  
  valve 

5.2.2 

プレクリーナ 

フィルタの上流に取り付けられる装置で,重力,
遠心力などの力を利用して,液体又は気体から不
純物を分離する,最初の段階に利用されるクリー
ナ。 
備考 エアクリーナの場合には,遠心力を利用し

た設計が行われ,“サイクロン”とも呼ば
れる。 

precleaner 

5.2.3 

メンテナンスイン

ジケータ 

フィルタエレメントを洗浄又は交換しなくては
ならない場合に,表示を行う部品。 

maintenance  
  indicator 

5.2.4 

差圧インジケータ 

フィルタエレメント又はフィルタの両端の圧力
差を表示する部品。 
備考 メンテナンスインジケータとしても使用

される。 

differential 
  pressure 
  indicator 

5.2.5 

メンテナンススイ

ッチ, 

差圧スイッチ 

フィルタ又はフィルタエレメントにおいて,圧力
差がメンテナンスを必要とする値に達した場合
に,視覚信号又は音響信号を作動させる電気信号
を作り出す部品。 

maintenance  
  switch, 
differential  
  pressure switch 

5.2.6 

クランクケース換

気圧力調整器 

密閉クランクケースの換気において,クランクケ
ースの圧力を制御する部品。 

crankcase  
  ventilation 
  pressure 
  regulator 

10 

D 0117-1:2005 (ISO 11841-1:2000) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

関連規格 JIS B 0109-4 往復動内燃機関−要素及びシステム用語−第4部:過給及び吸排気装置 

備考 ISO 7967-4:1988, Reciprocating internal combustion engines−Vocabulary of components 

and systems−Part 4: Pressure charging and air/exhaust gas ducting systemsは,この規格と

同等である。 

JIS B 0109-6 往復動内燃機関−要素及びシステム用語−第6部:潤滑装置 

備考 ISO 7967-6:1992, Reciprocating internal combustion engines−Vocabulary of components 

and systems−Part 6: Lubricating systemsは,この規格と同等である。