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D 0116-1 : 2001  

(1) 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

まえがき 

この規格は,工業標準化法第12条第1項の規定に基づき,社団法人自動車技術会 (JSAE) /財団法人日

本規格協会 (JSA) から工業標準案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日本工業標準調査

会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。 

JIS D 0116-1には,次に示す附属書がある。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

JIS D 0116の規格群には,次に示す部編成がある。 

JIS D 0116-1 ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語−第1部:燃料噴射ポンプ 

JIS D 0116-2 ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語−第2部:燃料インジェクタ 

JIS D 0116-3 ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語−第3部:ユニットインジェクタ 

JIS D 0116-4 ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語−第4部:高圧管及び結合端部 

JIS D 0116-5 ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語−第5部:コモンレール燃料噴射システム

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

日本工業規格          JIS 

D 0116-1 : 2001 

ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語− 

第1部:燃料噴射ポンプ 

Diesel engines−Vocabulary of fuel injection equipment− 

Part1 : Fuel injection pumps 

序文 この規格は,1990年に第2版として発行された,ISO 7876-1 : 1990, Fuel injection equipment−

Vocabulary−Part1 : Fuel-injection pumps及びAmendment 1 (1999) を翻訳し,技術的内容を一部変更し,項

目構成は変更することなく作成した日本工業規格である。ただし,規定項目を一覧表形式にして,五十音

順索引を追加し,追補 (Amendment) については,編集して一体とした。 

なお,五十音順索引及び附属書を除き,この規格で点線の下線を施してある箇所は,対応国際規格にはな

い事項である。 

1. 適用範囲 この規格は,ディーゼル(圧縮着火)機関用の燃料噴射ポンプ及びその構成部品に関する

用語(以下,用語という。)並びに定義について規定する。 

なお,この規格は,JIS B 0108-1 : 1999(往復動内燃機関−用語−第1部:機関設計及び運転用語)の内

容を補足するものである。 

参考 対応国際規格では,関連規格としてISO 2710 : 1978, Reciprocating internal combustion engines−

Vocabularyを引用規格として掲げており,ISO 2710 : 1978は,既にISO 2710-1 : 2000, 

Reciprocating internal combustion engines−Vocabulary−Part 1 : Terms for engine design and 

operationに置き換えられているが,置換過程の途中段階であるISO/DIS 2710-1 : 1994, 

Reciprocating internal combustion engines−Vocabulary−Part 1 : Terms for engine design and 

operationがこの規格に対応している。 

備考1. この規格の対応国際規格を,次に示す。 

なお,対応の程度を表す記号は,ISO/IEC Guide 21に基づき,IDT(一致している),MOD

(修正している),NEQ(同等でない)とする。 

ISO 7876-1 : 1990, Fuel injection equipment−Vocabulary−Part1 : Fuel injection pumps (MOD) 及び

Amendment 1 : 1999 to ISO 7876-1 : 1990 (IDT) 

2. “燃料”又は“噴射”という言葉が,規定する用語で使用されるとき,誤解を生じなければ,

“燃料”又は両方を省略してもよい。 

参考1. 別の用語の定義中に用いられた,この規格で定義済みの用語は,項目番号を付けて斜体で示

した。 

2. 表中の“対応英語”は,ISO 7876-1及びAmendment 1による英語を示す。 

3. 用語及び対応英語の欄で,丸括弧で表したものは,省略してもよいことを表す。 

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D 0116-1 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

2. 主となる用語の定義 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

2.1 

燃料噴射ポンプ 

独立した一つ又は複数のノズルを通じて,調量(9.1)した燃
料を加圧して送出する装置。 

fuel injection pump 

3. 作動原理(方式)に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

3.1 

ジャーク方式燃料噴射
ポンプ 

プランジャを動かすのに必要な力を主原動機から直接受
ける噴射ポンプ(2.1)。 

jerk fuel injection 

pump 

3.2 

蓄積方式燃料噴射ポン
プ 

プランジャを動かすのに必要な力を動力蓄積器から引き
出す噴射ポンプ(2.1)。 

accumulator fuel 

injection pump 

3.3 

サーボ方式燃料噴射ポ
ンプ 

プランジャを動かすのに必要な力をポンプ外部からの動
力源から受け取る噴射ポンプ(2.1)。途中に力を増幅させる
装置をもつものともたないものとがある。 

servo fuel injection 

pump 

4. 動力入力方法に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

4.1 

機械駆動燃料噴射ポン
プ 

機械的方法だけで動かされる噴射ポンプ(2.1)。 

mechanical fuel 

injection pump 

4.2 

電気駆動燃料噴射ポン
プ 

電気的方法だけで動かされる噴射ポンプ(2.1)。 

electrical fuel injection 

pump 

4.3 

油圧駆動燃料噴射ポン
プ 

油圧的方法だけで動かされる噴射ポンプ(2.1)。 

hydraulic fuel 

injection pump 

備考 一つの噴射ポンプは,上記の三つの動力入力の組合せ(例えば,機械・油圧駆動,電気・油圧駆動など。)で

動かされることがある。 

5. 動力適用方式に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

5.1 

往復動式燃料噴射ポン
プ 

圧送エレメント(10.2)のプランジャを往復運動させる内蔵

カム軸をもたない機械駆動燃料噴射ポンプ(4.1)。 

reciprocating fuel 

injection pump  

5.2 

ローラ式燃料噴射ポン
プ 

ローラタペットをもつ往復動式燃料噴射ポンプ(5.1)。 

roller fuel injection 

pump 

又は 
roller pump 

5.3 

駆動軸式燃料噴射ポン
プ 

圧送エレメント(10.2)のプランジャを作動させる内蔵駆動

軸又はカム軸をもつ機械駆動燃料噴射ポンプ(4.1)。 
幾つかの独立燃料噴射ポンプ(6.1備考)を搭載した,一
つの独立したカム箱のようなポンプもまた成り立つ。 

driveshaft fuel 

injection pump 

5.4 

カム軸式燃料噴射ポン
プ 

圧送エレメント(10.2)のプランジャを作動させる内蔵カム

軸及びこの規格で規定する,いずれかの取付け形式(8.)を
もつ駆動軸式燃料噴射ポンプ(5.3)。 

camshaft fuel injection 

pump 

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D 0116-1 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

6. 筒(とう)配列に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

6.1 

単筒形燃料噴射ポンプ 

1個だけの圧送エレメント(10.2)及び一つの出口をもつ噴

射ポンプ(2.1) 

備考 機関の気筒の一つだけに供される単筒ポンプ

は,“独立燃料噴射ポンプ (individual fuel 
injection pump)”という用語でもよい。 

single cylinder fuel 

injection pump 

6.2 

列形燃料噴射ポンプ 

圧送エレメント(10.2)の軸線が互いに平行,かつ,一平面

に配置された噴射ポンプ(2.1)。 

in-line fuel injection 

pump 

6.3 

円筒形燃料噴射ポンプ 

圧送エレメント(10.2)の軸線が駆動軸の軸線に対し円筒

状,かつ,同心円的に配置された噴射ポンプ(2.1)。 

cylindrical fuel 

injection pump 

6.4 

V形燃料噴射ポンプ 

二つの圧送エレメント(10.2)が互いにある角度で傾いてい
る(一つのカム軸をもつ)駆動軸式燃料噴射ポンプ(5.3)。 

vee fuel injection 

pump 

6.5 

回転形燃料噴射ポンプ 

圧送エレメント(10.2)の軸線が,共通軸のまわりを回転す

ることで,作動サイクルを成す駆動式燃料噴射ポンプ
(5.3)。 

rotary fuel injection 

pump 

7. 分配形式に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

7.1 

多筒形式燃料噴射ポン
プ 

多数の圧送エレメント(10.2)及びそれと同数の出口をもつ

噴射ポンプ(2.1)。 

備考 二気筒以上の機関に供される多筒形式ポンプ

は,“集合形式燃料噴射ポンプ (block type fuel 
injection pump)”という用語でもよい。 

multicylinder fuel 

injection pump 

7.2 

分配形式燃料噴射ポン
プ 

燃料送出が,少なくとも一つの分配装置から個々のノズル
へ導かれる噴射ポンプ(2.1)。 

distributor fuel 

injection pump 

8. 取付け形式に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

8.1 

平面座取付け式燃料噴
射ポンプ 

圧送エレメント(10.2)の軸線に対し直角方向で,かつ駆動

軸に平行な平面取付け面をもつ,駆動軸式燃料噴射ポンプ 
(5.3)。 

base-mounted fuel 

injection pump 

8.2 

下フランジ取付け式燃
料噴射ポンプ 

圧送エレメント(10.2)の軸線に対し直角方向に取付けフラ

ンジをもち,かつ,燃料入口,燃料制御機構及び燃料出口
が,フランジの上側にある往復動式燃料噴射ポンプ(5.1)。 

base flange-mounted 

fuel injection pump 

8.3 

上フランジ取付け式燃
料噴射ポンプ 

圧送エレメント(10.2)の軸線に対し直角方向に取付けフラ

ンジをもち,かつ,燃料制御機構が,フランジの下側にあ
る往復動式燃料噴射ポンプ(5.1)。 

high flange-mounted 

fuel injection pump 

8.4 

側面取付け式燃料噴射
ポンプ 

取付け面が,圧送エレメント(10.2)に平行で,カム軸(ポ
ンプ内にもっているか,又はもっていない)の軸線にも平
行な噴射ポンプ(2.1)。 

side-mounted fuel 

injection pump 

8.5 

端面フランジ取付け式
燃料噴射ポンプ 

カム軸に対し垂直に配置された取付けフランジをもつ駆

動軸式燃料噴射ポンプ(5.3)。 

end flange-mounted 

fuel injection pump 

8.6 

円筒面座取付け式燃料
噴射ポンプ 

駆動軸と同心の円筒状取付け面をもつ駆動軸式燃料噴射

ポンプ(5.3)。 

cradle-mounted 

fuelinjection pump 

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D 0116-1 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

9. 燃料調量過程に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

9.1 

調量 

種々の制御方法を用いた燃料噴射システムの作動範囲内
において,必要燃料送出量(9.24)を確立する過程。 

metering 

9.2 

ポート切欠き調量 

プランジャに設けた一つ又は複数の斜め溝とバレルに設
けた一つ又は複数のポート(孔),又はその逆の方法で行
う調量(9.1)システム。 

port and helix 

metering 

9.3 

スリーブ調量 

ポートの開口及び/又は閉止を制御する可動スリーブを
組み込んだ調量(9.1)システム。 

sleeve metering 

9.4 

吸込み調量 

ポンプサイクルの吸込み又は充てん(填)行程の間に圧送
室に入る燃料の量を制御する方法の調量(9.1)システム。 

inlet metering 

9.5 

可変ストローク調量 

プランジャストローク(9.9)を制御する方法の調量(9.1)シ

ステム。 

variable stroke 

metering 

9.6 

弁調量 

有効圧送ストロークを制御する弁の周期的作動による調

量 (9.1)システム。 

valve metering 

9.7 

往復(行程容積)調量 

補助ピストンの可変行程容積による調量(9.1)システム。 

shuttle  

(displacement) 
metering 

9.8 

カムリフト 

カムプロファイルの最低リフト部とカム頂点との間の幾
何学的差。 

cam lift 

9.9 

プランジャストローク 

プランジャが,その運動方向の二つの連続する反転動作間
で動くことによる公称変位。 

plunger stroke 

9.10 

遮断ポート閉止リフ
ト,プリストローク 

プランジャストローク(9.9)のうち,プランジャが動き始め

てから遮断ポート(9.14)を閉じる位置,すなわち,静的燃

料送出ストローク(9.17)始めを決める位置までの部分。 

plunger lift to cut-off 

port closing 

9.11 

遮断ポート閉止角, 
プリストローク角 

プリストローク(9.10)に相当する駆動軸の回転角度。 

angle of cut-off port 

closing 

9.12 

逃がしポート開口リフ
ト,噴射終わりストロ
ーク 

プランジャストローク(9.9)のうち,プランジャが動き始め

てから逃がしポート(9.15)を開く位置,すなわち,静的燃

料送出ストローク(9.17)終わりを決める位置までの部分。 

plunger lift to spill 

port opening 

9.13 

逃がしポート開口角, 
噴射終わりストローク
角 

噴射終わりストローク(9.12)に相当する,駆動軸の回転角

度。 

angle of spill port 

opening 

9.14 

遮断ポート 

静的燃料送出ストローク(9.17)の開始点で,プランジャ運

動によって閉じられるポート。 

cut-off port 

9.15 

逃がしポート 

静的燃料送出ストローク(9.17)の終了点で,プランジャ運
動によって開かれるポート。 

spill port 

9.16 

吸入ポート 

圧送室へ燃料を導くポート。 

備考 吸入ポートは,遮断ポート(9.14)及び/又は逃が

しポート(9.15)として使用してもよいし,使用し

なくてもよい。 

inlet port 

9.17 

静的燃料送出ストロー
ク 

プランジャストローク(9.9)のうち,静的送出の開始と終了

の間の部分。 

geometric fuel 

delivery stroke 

9.18 

吸戻し量 

送出終了後,戻し流れとして,高圧管からポンプに戻され
る燃料容積。 

retraction volume,  
unloading volume 

9.19 

静的吸戻し量 

吸戻し弁の幾何学寸法によって,すなわち,計算によって
定まる静的容積。 

geometric retraction 

volume 

9.20 

吸戻しストローク 

吸戻し量(9.18)又は静的吸戻し量(9.19)に相当するプラン
ジャストローク(9.9)の実際の又は計算上のプランジャス

トローク(9.9)。 

retraction stroke 

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D 0116-1 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

9.21 

有効ストローク 

静的又は他の方法でそれぞれ求めた,静的燃料送出ストロ

ーク(9.17)と吸戻しストローク(9.20)との差。 

effective stroke 

9.22 

残存ストローク 

もしあれば,静的燃料送出ストローク(9.17)の終了とプラ

ンジャストローク(9.9)の終了との間のプランジャストロ
ーク(9.9)の一部。 

remainder stroke 

9.23 

上部すき間 

プランジャストローク(9.9)の終了点で,燃料噴射ポンプの

プランジャ(又はプランジャアセンブリ)の上端面とプラ
ンジャが更に運動することを規制する最も近い部品間の
距離。 

head clearance 

9.24 

燃料送出量 

一作動サイクル中の燃料噴射システムからの送出燃料の
測定容積。 

fuel delivery 

9.25 

静的燃料送出量 

静的燃料送出ストローク(9.17)によって定義されるよう

に,排除された燃料の公称容積。 

geometric fuel 

delivery 

10. 構成部品と部品の組立てに関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

10.1 

噴射ポンプアセンブリ 

噴射ポンプ(2.1)本体,ガバナ,フィードポンプ及びその他

が組み合わさって1単位部品を形成するアセンブリ。 

injection pump 

assembly 

10.2 

圧送エレメント 

噴射ポンプ(2.1)の圧送プランジャ及びその円筒状容器(バ

レル)の組合せ。 

pumping element 

10.3 

圧送アセンブリ 

噴射ポンプ(2.1)のプランジャ脚部及び高圧管(ユニットイ

ンジェクタにおいてはノズル。)の間にある部品の組合せ。 

pumping assembly 

10.4 

調量逃がし弁 

圧送室からの逃がしによって,静的燃料送出ストローク
(9.17)の始め及び/又は終わりの制御を可能とする制御
弁。 

metering spill valve 

10.5 

逃がし弁 

周期的作動が,圧送室からの逃がしを可能とする弁。した
がって,逃がし弁は静的燃料送出ストローク(9.17)の始め
及び/又は終わりを制御する。 

spill valve 

10.6 

吸込み弁 

燃料が圧送室へ入ることを可能とする自動弁。 

inlet valve 

10.7 

調量吸込み弁 

吸込み調量(9.4)を実行する仕組みをもつ弁。 

metering inlet valve 

10.8 

送出弁 

圧送室の出口にある弁。適切に設計することによって,
種々の送出弁は,次の一つ又はそれ以上の機能を果たすこ
とができる。 
a) 逆止 
b) 定容吸戻し 
c) 可変容積吸戻し 
d) 圧力−時間容積吸戻し(逆流ダンピングを含む) 
e) 定圧吸戻し 
f) 可変圧力吸戻し 

delivery valve 

10.9 

送出弁保持器 

送出弁(10.8)及び関連部品を保持する装置。しばしばポン

プ出口を形成する。 

delivery valve holder 

10.10 

噴射ポンプハウジング 

圧送プランジャの駆動軸又はカム軸がポンプに組み込ま
れている場合には,それを含めた噴射ポンプ(2.1)本体の機
能部品を保持又は含む構造物。 

injection pump 

housing 

10.11 

燃料室, 
燃料通路 

燃料が圧送エレメント(10.2)へ及び/又は圧送エレメント
(10.2)から運ばれる噴射ポンプ(2.1)の通路 

fuel gallery 

10.12 

コントロールラック, 
コントロールロッド 

燃料送出量(9.24)を制御するための棒。 

control rack, 
control rod 

background image

D 0116-1 : 2001  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

10.13 

コントロールピニオン 

調量(9.1)装置(プランジャ)及びコントロールラック

(10.12)が,かみ合っている中間の部品又はアセンブリ。 

control arm, 
control pinion 

10.14 

調量スリーブ 

スリーブ調量(9.3)をするための可動部品。 

metering sleeve 

10.15 

最大燃料ストッパ 

適合要求に合わせて,噴射ポンプ(2.1)の最大燃料送出量
(9.24)を規制する装置。 

maximum fuel stop 

10.16 

フルロードストッパ 

最大燃料ストッパ(10.15)参照。 

full load stop 

10.17 

油圧ヘッドアセンブリ 

分配形式燃料噴射ポンプ(7.2)で,圧送エレメント(10.2)並

びに調量(9.1)及び分配を行う部品から成るアセンブリ。送

出弁(10.8)を含んでもよい。 

hydraulic head 

assembly 

11. 補助装置に関する用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

11.1 

燃料増量装置 

機関始動時だけに使用され,最大燃料ストッパ(10.15)での
制御量に対する増量燃料送出量(9.24)を許容する装置(自
動又は手動)。 

excess fuel device 

11.2 

ブースト補償装置 

ブースト圧補償最大燃料ストッパ(11.3)参照。 

boost control 

11.3 

ブースト圧補償最大燃
料ストッパ 

機関ブースト(過給)圧に応じて,最大燃料送出量(9.24)
を制限する装置。 

boost pressure 

controlled 
maximum fuel stop 

11.4 

高度補償装置 

高度補償最大燃料ストッパ(11.5)参照。 

altitude control 

11.5 

高度補償最大燃料スト
ッパ 

機関を運転する場所での標高圧(気圧)に関連づけて,最
大燃料送出量(9.24)を制限する装置。 

altitude controlled 

maximum fuel stop 

11.6 

トルク制御装置 

主に機関定格速度から下の速度で,最大燃料送出量(9.24)
を変更する装置。 

torque control 

12. 一般用語 

番号 

用語 

定義 

対応英語(参考) 

12.1 

回転方向 

プランジャ駆動軸の回転方向は,被駆動側端から見て,
“時計回り”又は“反時計回り”と表す。 

direction of rotation 

12.2 

燃料噴射ポンプ速度 

噴射ポンプ(2.1)のプランジャ駆動軸がポンプ内に組み込

まれている場合には,駆動軸の速度。駆動軸がポンプ内に
組み込まれていない場合には,代用として一つの出口から
の燃料送出の周波数。 

fuel injection pump 

speed 

12.3 

噴射順序 

駆動軸の特定の一つの回転方向について,個々のポンプ出
口が燃料を送出する順序。適用可能ならば,噴射出口は駆
動端(側)から,1,2,3…と番号を割り振らなければな
らない。他の場合では,出口に識別を設けなければならな
い。 

参考 “他の場合”とは,円筒形燃料噴射ポンプ(6.3)

及び回転形燃料噴射ポンプ(6.5)をいう。 

injection order 

12.4 

残圧 

次の作動周期に関連するすべての作動の開始前における

噴射ポンプ(2.1)の高圧出口部の平均圧力。 

residual pressure 

12.5 

位相 

噴射ポンプ(2.1)又はシステムの,二つ又はそれより多い出

口間の送出周期の幾何学的(通常は角度)関係。 

phasing 

12.6 

静的位相計測, 
スピル位相計測 

逃がし流れの変化を観察することによって,燃料送出の開
始又は終了を確定する位相(12.5)計測方法。 

static phasing, 
spill phasing 

12.7 

動的位相計測 

噴射システムが作動中に噴射周期内の特定の現象の位相
を確定する位相(12.5)計測方法。 

dynamic phasing 

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7

D

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 : 

2

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1

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

附属書(参考) JISと対応する国際規格との対比表 

JIS D 0116-1 : 2001 ディーゼル機関−燃料噴射装置の用語− 

第1部:燃料噴射ポンプ 

ISO 7876-1 : 1990 Fuel injection equipment−Vocabulary−Part1 : Fuel injection pumps(燃料噴射ポンプ− 

用語−第1部:燃料噴射ポンプ) 

Amendment-1 : 1999 to ISO 7876-1 : 1990(ISO 7876-1に対する追補1) 

(I)JISの規定 

(II)国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容;括弧
内は編集上の差異を示す(技術的に
はIDT。)。 

(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごとの評

価 

技術的差異の内容 

1. 適用範囲 

ディーゼル機関燃
料噴射ポンプの用
語とその定義とを
規定する。 

ISO 7876-1 1. 適用範囲 

JISと同等 

IDT 

− 

2. 引用規格 

ISO 2710を引用  (MOD/削

除) 

(JISでは“適用範
囲”に記載。) 

(引用ではない,別
途ISOに提案。) 

2. 主となる用語の定義 

“燃料噴射ポンプ”
を規定。 

ISO 7876-1 3. 主となる用語の定義 

JISと同等 

IDT 

− 

3. 作動原理(方式)に関

する用語 

作動原理にかかわ
る3用語を規定。 

同上 

4. 作動原理(方式)に関

する用語 

JISと同等 

IDT 

− 

4. 動力入力方法に関す

る用語 

動力入力形態にか
かわる3用語を規
定。 

同上 

5. 動力入力方法に関す

る用語 

JISと同等 

IDT 

− 

5. 動力適用方式に関す

る用語 

動力適用方法にか
かわる4用語を規
定。 

同上 

6. 動力適用方式に関す

る用語 

JISと同等 

IDT 

− 

6. 筒配列に関する用語 

筒配列にかかわる5
用語を規定。 

同上 

7. 筒配列に関する用語 

JISと同等 

IDT 

− 

7. 分配形式に関する用

語 

分配形式にかかわ
る2用語を規定。 

同上 

8. 分配形式に関する用

語 

JISと同等 

IDT 

− 

8. 取付け形式に関する

用語 

取付け形式にかか
わる6用語を規定。 

同上 

9. 取付け形式に関する

用語 

JISと同等 

IDT 

− 

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8

D

 0

11

6

-1

 : 

2

0

0

1

  

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

(I)JISの規定 

(II)国際規格
番号 

(III)国際規格の規定 

(IV)JISと国際規格との技術的差異の
項目ごとの評価及びその内容;括弧
内は編集上の差異を示す(技術的に
はIDT。)。 

(V)JISと国際規格と
の技術的差異の理由
及び今後の対策 

項目番号 

内容 

項目番号 

内容 

項目ごとの評

価 

技術的差異の内容 

9. 燃料調量過程に関する用

語 

燃料調量過程にかか
わる25用語を規定。 

ISO 7876-1 

及び 

Amendment 

 燃料調量過程に関する用

語 

右による。 

MOD/追加 

JISでは“プリストロ
ーク”などの用語を併
記した。 

ISO規格の直訳と我が
国での慣用語とを併
記する必要があるた
め。 

10. 構成部品と部品の組立て

に関する用語 

部品及びアセンブリ
の17用語を規定。 

ISO 7876-1  構成部品と部品の組立て

に関する用語 

右による。 

MOD/追加 

JISでは“燃料室”に
対し“燃料通路”の用
語を併記した。 

ISOの英語の用語はこ
の二つの意味をもち,
製品の実体もそうで
ある。 

11. 補助装置に関する用語 

補助装置の6用語を規
定。 

同上 

 補助装置に関する用語 

JISと同等 

IDT 

− 

12. 一般用語 

一般共通の7用語を規
定。 

同上 

 一般用語 

JISと同等 

IDT 

− 

用語索引 

五十音順及びアルフ
ァベット順 

同上 用語索引 

五十音順がない。 (MOD/追

加) 

(JISは,五十音順を追
加した。) 

附属書(参考) 

この附属書 

(MOD/追
加) 

(規定に従って,この
附属書を追加した。) 

 
JISと国際規格との対応の程度の全体評価:ISO 7876-1 : 1990 ; MOD, Amendment-1 : 1999 to ISO 7876-1 : 1990 ; IDT 
 
備考1. 項目ごとの評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  − IDT ················· 技術的差異がない。 
  − MOD/削除 ······ 国際規格の規定項目又は規定内容を削除している。 
  − MOD/追加 ······ 国際規格にない規定項目又は規定内容を追加している。 

2. JISと国際規格との対応の程度の全体評価欄の記号の意味は,次のとおりである。 

  − IDT ················· 国際規格と一致している。 
  − MOD ··············· 国際規格を修正している。 

D 0116-1 : 2001 

2019年7月1日の法改正により名称が変わりました。まえがきを除き,本規格中の「日本工業規格」を「日本産業規格」に読み替えてください。 

社団法人自動車技術会原動機部会燃料噴射装置分科会 構成表 

氏名 

所属 

(分科会長) 

寺 澤 通 高 

日野自動車株式会社エンジンR&D部 

(幹事) 

成 田   実 

株式会社デンソーディーゼル噴射技術2部 

鵜 木   健 

株式会社ゼクセルSE開発部門設計1部 

小 林   孝 

株式会社ゼクセル中央研究所 

(委員) 

篠 崎   修 

工業技術院機械技術研究所エネルギー部 

植 田 弘 明 

マツダ株式会社パワートレイン設計部 

鎌 田 祐 一 

日産ディーゼル工業株式会社パワートレイン設計部 

小 島 克 己 

社団法人日本自動車部品工業会技術部 

小松崎 雅 康 

三桜工業株式会社製品開発部 

榊 原 康 文 

マルヤス工業株式会社技術開発本部 

佐 茂 純 一 

ヤンマーディーゼル株式会社汎用機事業本部 

関 口 明 彦 

三菱自動車工業株式会社トラック・バス技術センター 

園 原 光 博 

いすヾ自動車株式会社パワートレイン開発室 

高 橋 和 彦 

日産自動車株式会社パワートレーン事業本部 

橋 本   進 

財団法人日本規格協会技術部 

藤 村 一 郎 

ダイハツ工業株式会社パワートレーン部 

安 西 俊 介 

トヨタ自動車株式会社第3パワートレーン部 

家 本 晴 司 

臼井国際産業株式会社高圧管プラント 

(事務局) 

平 野 修 二 

社団法人自動車技術会規格部門